前時に,「23×3」で,一番わかりやすくできそうな方法でノートに考え方をかいたところで終わりました。この日はいろんなアイデアの中から,いちばんよい方法について考えていきます。前時の黒板を見せて,「分かりやすい方法」の観点として「計算が難しくない。」さらにその意味として「繰り上がりがない」ということも確認しました。
 子どもたちから5種類の考え方が出てきました。うち3つは「3つのかけ算」,2つは「2つのかけ算」で考えています。これらの中で「計算が分かりやすい」の観点で話し合っていきます。かけ算の部分は「九九」なので難しさはありません。それらを合わせるときの「足し算」の難易度が異なります。繰り上がりがあるものは敬遠されました。2桁×1桁を使うものも消えていきました。そうすると,2つの考え方に集約されていきます。
 ここで,さらによさを比べるのではなく,別の数字で考え方を選択させていきます。「32×3」です。そうすると,3つのかけ算になるものは消えていきました。一人が「10×3」を利用した後残りの「22×3」と分けましたが,この計算自体が難しくなっています。そうして「30×3 2×3」にまとまっていきました。
 この考え方は,結局「位ごと」に計算していることになり,それを最後にまとめます。全ての計算は「分けて考えて,あとで足す」が基本ですが,その通りになっています。
 この考え方で計算をする練習です。「暗算」とまでは言えないかもしれませんが,位ごとに分けて考える練習です。児童によっては,紙と鉛筆なしでも答えられる児童がいます。また「37×2」は,一の位が12になるので,ステップとしては離れているのですが,十の位の計算が「何十」になるので,足し算をするときに繰り上がりが起こらないことに気づかせるために入れておきました。
 この後,「筆算」を簡単に教えました。この程度の計算には必要ありませんが,やっていることはここまでに学習したことと同じになっているので,
「自分たちが見つけた計算のやり方と,筆算は同じことになっている。」
という意識をつけるためにこの時間に教えました。本格的には次時以降です。

 

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