2・3桁×1桁の筆算は一通り学習しました。これに引き続き「暗算」について考えていきます。苔に関して,先日隣のクラスの先生から,
「どうしてこの場所に暗算が入っていいるんですか。せっかく学習した筆算を忘れてしまうような気がします。」
という話がありました。確かにこの2つは,計算の順序が真逆です。そう感じてしまう気持ちは分からないでもありません。本来であれば,かけ算の学習がスタートした段階では,どんどん暗算で進め,計算が難しくなった段階で筆算に移行するのが王道でしょう。
 ただ一方で私の意識の中は,その先生とは違い,
「いくら暗算の方法を学習しても,筆算的な考えが抜けなくて困る。」
があります。筆算というアルゴリズムの魔力からは子どもは逃れられないように感じています。この魔力は「考えなくてもできる」という魔力です。
 閑話休題,授業に戻します。「60より大きいのは?」を示し,5つの計算式をチラ見せします。最初は戸惑いますが,すぐに仕組みを見抜いてきます。かけられる数の十の位とかける数を見れば,その時点で60になっていれば大きくなります。そんな話をまずしっかりさせていきます。
 同じことを「80より大きいのは?」で続けます。ただし今度は,十の位だけを見れば80より小さくなるものも含めています。その違いを話しさせながら,結局筆算をせずに頭の中で計算ができていることに気づかせ,この日のめあてである「かけ算を暗算でやろう。」を設定しました。
 60や80より大きくなることは分かりましたが,正しい答えはいくらになるのかをたずねると,先に見つけた60や80に,かけられる数の一の位とかける数をかけた数を足していることに気づかせます。1学期に学習した,加減の暗算と同じで「上の位から計算」していることが分かります。それを一般化します。
 ここでいくつかのタイプの計算を示し,その考え方を整理していきます。「23×2」の場合は上から順に位ごと計算すると
「よんじゅう ろく」
と答えを唱えることができます。繰り上がりのある「24×3」の場合は,
「ろくじゅう じゅうに?  ななじゅうに」
と,2段階で答えが出せるイメージを作ります。教科書に載っている「言葉」よりシンプルにしました。
 「41×6」の場合は,そのまま「にひゃくよんじゅう ろく」と唱えられるので,こちらの方が簡単かもしれません。
 教科書の練習題をした後は,フラッシュカードを使って練習していきます。表はかけ算の式になっていて,それを見て裏に書いている答えを素早く唱えていく練習です。2人1組で練習をしていきました。これは授業中だけでなく,朝の活動などでもやっていけるとよいでしょう。 

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