最後の控訴 榎園監督 ~ 快楽亭ブラック裁判問題 ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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【最後の控訴 榎園監督】

 

 

1.最後の控訴

 

快楽亭ブラック師匠の裁判、

 

判決が出て、ブラック師匠は控訴をせず、

終わったかのように見えた。

 

しかし、、、

 

榎園監督は控訴した。

 

今回の裁判、

このブログでも中立的な立場でコラムを書いてきたが、

 

さすがにおかしな点が多いと感じた。

 

ブラック師匠が、

 

「闇夜に切り付けられた」

 

というように、相手方の策略にも疑問があるが、

 

それだけでなく、

 

裁判所に対しても、あまりにも雑な審議ではないかと

思わせるふしがあった。

 

ブラック師匠側に口頭による弁論を与えない、

という不思議な現象だ。

 

(口頭弁論ではなく、口頭による弁論とあえて書くこととする)

 

しかも、ブラック師匠側の主張や提出した証拠が、

ひとつひとつ丁寧に検証されたのかどうかも分からない。

 

榎園監督にはそんな思いがあった。

 

そう思うと、

 

ブラック師匠側の関係者がみんな胸に秘めた悔しさを

榎園監督が自ら行動として示したことになる。

 

 

 

 

2.控訴審

 

これが最後の法廷になるかもしれない。

 

ブラック師匠はアワーズルームで開催される落語会のため、

大阪へ向かう高速バスの中から裁判を気にかけていた。

 

私もお休みをとって、東京高等裁判所へ駆けつけた。

 

 

控訴審では、

 

榎園監督と相手の弁護士2人が向き合って座った。 

 

今回も榎園監督は弁護士を立てていない。 

書類も自力で書き上げたという。

 

傍聴席には、立川キウイ師匠と私の2名のみ。

 

一審ではブラック師匠を応援する人々であふれかえっていたが、

なんとも寂しい傍聴席となった。

 

というか、、

 

控訴が行われていることを知らない人も多いと思われる。 

 

 

いよいよ控訴審が始まった。

 

榎園監督は、一審ではひとつひとつ丁寧に審議されているのか不明瞭だったため、

そのあたりをもう一度法的に審議してほしい、と控訴にいたった理由を述べた。 

 

次に、

 

相手方の弁護士は、提出した書面の通りです、ということだった。

 

最後に、

 

12月16日が判決となります、

裁判長が言い控訴審は終わった。

 

やるべきことはやった。

 

あとは判決を待つのみ。

 

 

< 応援にかけつけたキウイ師匠 >

 

 

3.道徳の心得

 

今回、榎園監督は控訴をしたが、

判決が覆らない可能性もある。

 

それに、、、

 

世間一般の他の事件と比べると、

小さな出来事だと思う人もいるかもしれない。

 

わざわざ控訴をしなくてもいいのでは?

と思われるかもしれない。

 

しかし私は、

 

控訴した榎園監督が立派だと思った。

 

 

すべきことはする

すべきでないことはすべきでない

 

これは道徳の心得である。

 

アドラー心理学の大御所である野田俊作氏が

大切にしていた言葉。

 

つまり、

 

たとえ自分にメリットがなかったとしても、

人としてすべきことはすべきである。

 

逆に、

 

もしこれをしたら、自分にとって大いにメリットがあるとしても、

人としてすべきでないことはすべきでない

 

そんな、人としてのあり方。

 

道徳の心得。

 

 

これはあたり前のように思えるが、

現代の社会では忘れ去られているともいえる。

 

勝ち組、負け組のような言葉が社会に浸透し、

結果がすべての世の中。

 

オリンピックでも

金メダルの数だけがクローズアップされる。

 

私が子どものころには、

 

「オリンピックは参加することに意義がある」

 

という言葉が浸透していて、

日本には、結果よりプロセスを大事にする風潮があった。

 

それがいつのまにか、

結果がすべてのような世の中になり、

 

このような日本の伝統的な道徳観は、

もはや忘れられている。

 

そんな中、、

 

控訴の結果はどうなるか分からないが、

 

すべきことを最後までやりとげた榎園監督。

 

その姿勢には意味がある。

 

人々を勇気づけるような行動だと思う。

 

 

 

 

4.打ち上げ

 

裁判が終わり、、、

 

榎園映画監督、キウイ師匠、私

 

の3人で日比谷公園で乾杯をした。

 

 

 

これですべてが終わった。

あとは判決を待つのみ。

 

榎園監督の労をねぎらった。

 

 

キウイ師匠は裁判のお土産というわけで、

 

裁判所の売店で買ったソース焼きそば

私にプレゼントしてくださった。

 

さらに、

 

土地勘のない私に対して、

 

日比谷公園から東京駅まで、

キウイ師匠と榎園監督が歩いて連れてきてくださり、

私を見送ってくださった。

 

お二人の暖かさが胸に染みる。

 

私はソース焼きそばを大事に抱えて、

新幹線で高知へ戻った。

 

 

 

 

翌日、

 

昼食として、

大学の研究室でありがたくいただいた。

 

 

 

 

私を見送った後、

 

榎園監督とキウイ師匠は、東京駅の近くで

もう一杯、シミジミと飲まれたそうです。

 

 

(写真はキウイ師匠からお借りしました)

 

 

キウイ師匠の報告は、こちらからお読みいただきたい。

 

 

 

5.最近のブラック師匠

 

裁判が終わってから、

 

ブラック師匠は、弟子のブラ坊がいなくなり、

その分、キウイ師匠にからむ機会が増えたという。

 

ブラック師匠本人は否定しているが、

ブラ坊ロスに陥っているのではないか、とも言われている。

 

そんな中、、

 

ブラック師匠に対し、

熱烈に弟子入り志願している方がいるという。

 

ブラック師匠は、弟子入りを断っているが、

その方はなかなかあきらめないらしい。

 

この件に関して、

 

キウイ師匠の見解が興味深いので、

ここに引用させていただく。

 

 

黒い兄弟子はブログに 「弟子はとらない」 と何回も書いてますが、

多分それは自分に言い聞かせてるんじゃないかと思います。 

 

もしも本気なら粘って、粘って、粘って、それこそ百万円貯めて、

それを黒い兄弟子に 「入門料です」 と差し出せば、

それはお金じゃなく本気度という意味で持っていけば、

黒い兄弟子は折れる気がします。 

 

そこまでしなくも 「本気」 を 「誠実」 に伝えていけば、

弟子になれる可能性の扉は少しずつ開いていくんじゃないかしら。

 

 

 

こちらも、

今後の展開が気になるところである。

 

 

というわけで、

 

快楽亭ブラックと榎園映画監督の裁判は、

これですべての法廷が終わった。

 

あとは、判決だけである。

 

 

 

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