七夕の日に、恋愛や結婚生活にアドラー心理学を生かすための心がまえを語りたい | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

今日は、七夕です。

 

1年に1度だけ、織り姫彦星が出会える日。

 

ロマンチックですね。

 

 

そんな日に、

 

恋愛や結婚生活にアドラー心理学を

生かすための心がまえ

 

を語りたいと思います。

 

 

アドラー心理学を身につけたいと思ったとき、

カウンセリング子育ての講座は充実しています。

 

教育についても、生かしている方々はおられます。

 

 

だけど、

 

恋愛や結婚生活の講座って、あまり見かけない。

 

 

恋愛・結婚の分野では、

講座を開いても集客しにくい

 

という問題もあるのかもしれない。

 

 

それに、

 

恋愛や結婚生活で、

実践するのに注意も必要となります。

 

 

 

ただ、

 

アドラー心理学を、ちゃんと学んで、実践したなら、

恋愛や結婚生活に威力を発揮します。

 

 

 

一般に、

 

アドラー心理学はカウンセリングや子育て、教育などに、

とてもよく効く心理学だと言われていますが、

 

恋愛や結婚生活を豊かなものにするためにも、

とても役立ちます。

 

今回は特に、そんなことを考えてみたい。

 

 

 

 

アドラー心理学では、

 

依存的にならずに、

自立した生活が送れることを尊重します。

 

これを

 

主体性

 

といいます。

 

そのために、

 

相手へのおせっかい

過度の介入

 

を避けるために、

 

自分の課題と相手の課題を分けて考えます。

 

これを課題の分離といいます。

 

 

 

アメリカのアドラー心理学では、

課題の分離をそれほど強調しないのですが、

 

日本人は、必要以上に相手に介入する傾向があるので、

 

日本にアドラー心理学を導入した野田俊作先生が、

日本人に合うように、課題の分離の概念を明確にしました。

 

 

相手の気持ちを察する

口で言わなくても分かってほしい

 

 

というのは、

 

もしかすると、日本の文化なのかもしれない。

 

というか、つきつめていくと、

 

あいまいな表現が得意な

日本語の特徴なのかもしれない。

 

これはこれでいいこともありますが、

相手の課題に踏み込みすぎないようにしなければいけません。

 

 

ただ、

 

課題の分離をしただけでは、

お互い平行線のままです。

 

次に、

 

お互い、協力できることを探ります。

 

これを共同の課題を作る

 

といいます。

 

 

「課題を分離する → 共同の課題を作る」

 

というのは、

 

アドラー心理学的な考え方を身につけるための第一歩です。

 

これは、

 

言葉で理解するのは簡単なのですが、

いざ、実践しようとすると難しいのです。

 

 

たとえば、、、

 

水泳の 「平泳ぎ」 ができない人が、

 

本を読んで、平泳ぎを理解することができても、

いざプールに入ったら、なかなか平泳ぎはできないものです。

 

アドラー心理学は、実践できてこそ意味があるのです。

 

 

野田俊作先生は、

 

「アドラー心理学はお稽古事です」

 

という言葉を、繰り返し本に書かれています。

 

それだけ実践が大事なのです。

 

 

 

 

私は、アドラー心理学の子育て講座 『パセージ』 で、、

このあたりのことを学びました。

 

 

夫婦関係に応用する場合のことを、

講師の中井亜由美さんに質問したとき、

 

夫婦の間では、

 

「課題の分離まではできるが、

共同の課題を作るあたりが難しい」

 

と中井さんは仰いました。

 

 

それは、 共同の課題を作るとき、

 

その前提として、

 

お互いの間に、協力的な人間関係が

育まれていなければ、うまくいかない

 

からです。

 

 

恋愛や結婚生活に、アドラー心理学を生かすとき、

ここが難しいのです。

 

 

 

ちなみに、講座 『パセージ』 では、

 

講師のことを、「○○さん」 のように、

さんをつけて呼びます。

 

これは、

 

タテの関係ではなく、ヨコの関係

 

を重視するアドラー心理学の考えを表しています。

 

 

さりげないところにも、

アドラー心理学の考え方が組み込まれていて、

 

パセージは、よく考えられた講座だと感じています。

 

 

ここでいう

 

ヨコの関係というのは、

協力的な関係のこと、

 

それに比べて、

 

タテの関係とは、

相手を支配したいという競合的な関係のこと。

 

 

 

 

思うのですが、、、

 

恋愛や結婚になると、

 

相手を支配したいという

激しい感情がわきあがりやすいといえます。

 

 

たとえば、

 

恋人や結婚相手が、

 

異性と食事にいったり、

楽しくメールをしていたとしたら、

 

そりゃおもしろくないですよね。

 

 

たとえその2人が、ただの友達で、

やましいことがなにもなかったとしても、

 

腹が立って、激しい感情をぶつけてしまうかもしれません。

 

 

 

ゲシュタルトセラピーの創始者、フレデリック・パールズさえも、

恋人マーティーへの嫉妬や激しい感情を抑えられませんでした。

 

パールズは、マーティーと情熱的な恋をしました。

 

 

ところが、

 

彼は、マーティーへの嫉妬心に満たされるようになります。

 

 

彼は、落着きをなくして、

マーティーに電話をして動向を調べました。

 

1日に何度もマーティーの家にまで車を走らせました。

 

 

彼は何事にも集中できなくなって、

 

四六時中

 

「マーティー、今どこにいる、誰と一緒にいるんだ?」

 

としか考えられなくなったといいます。

 

 

そして、

 

彼の天国は崩壊した。

 

 

嫉妬心は恐いです。

 

 

 

 

実は、、、

 

 

私も昔、

 

付き合っていたわけではありませんが、

 

大切に思っていた女性と大ゲンカになったことがあります。

 

 

深夜、

 

居酒屋からの帰り道、

口論になりました。

 

激しく感情をぶつけ合いました。

 

 

お互いの家の方向が分かれる

十字路のところで、

 

ずいぶん長い時間、

言い合いになりました。

 

私は、彼女のハイヒールでたたかれそうになりました。

 

修羅場でした。

 

 

その場は、なんとか収まりましたが、、

 

 

次の日、

 

感情的になってしまい、

私は申し訳ないことをしたと思いました。

 

同時に、悲しい気持ちにもなりました。

 

 

私自身、、

 

その人のことを

 

大切にしたいと思っていたのに、

つい感情的になってしまったからです。

 

 

私は、、

 

その人に感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

 

心の中では、

 

「ありがとう」

 

といつも思っていました。

 

 

本当は、

 

そんな気持ちを伝えなきゃいけないのに、

実際は、逆のことになってしまった。

 

 

その人は、

 

心の優しい柔らかな女性でした。

 

 

今は、どうしているか分かりませんが、

どこかで幸せに暮らしていることを願っています。

 

 

 

 

パールズと私のことを書きましたが、

 

恋愛って、

 

つい感情的になってしまって、

うまく感情のコントロールができないと思うのです。

 

 

嫉妬

ねたみ

激しい感情

支配欲

 

 

恋愛や結婚になると、

 

人間の競合的な部分が、

顔を出してくるのです。

 

ここが、

 

恋愛にアドラー心理学を生かしにくい最大の注意点だと思う。

 

 

だから、

 

熟練のセラピストのパールズでさえ、

うまくいかなかったのです。

 

 

 

じゃあ、どうすればいいのか?

 

 

根本的な人間関係として、

 

 

恋人や結婚相手と、尊敬や信頼にあふれた関係を構築する。

 

 

ここを育むことが重要だと思うのです。

 

これは、人間関係の土壌ともいえます。

 

 

 

胸に手を当てて、考えてみてほしい。

 

 

あなたは、パートナーを尊敬していますか?

 

あなたは、パートナーを信頼していますか?

 

 

しかも、

 

心の中で思っているだけではなく、

ちゃんと行動で表現できていなければいけません。

 

 

そうでなければ、

 

好きな子にイタズラをしてしまう子どもと同じだからです。

 

 

子どもの頃は、恥ずかしくて、

 

好きな子と素直に接することができずに、

ついイジワルをしてしまうかもしれません。

 

だけど、

 

それでは、嫌がられるだけで、

好きな気持ちは届きませんよね。

 

 

 

私は、好きな気持ちを、

素直に表現することの大切さを、

 

ペルグリーノ博士の講座で、改めて感じました。

 

博士は、北米のアドラー心理学の達人。

 

柔らかで優しいアドラー心理学を伝えて下さっています。

 

 

ペルグリーノ博士は、岩井俊憲先生のコーディネートのもと、

カップル関係をテーマにした講座を開催しました。

 

 

博士は、

 

日本人は内向的すぎる。

もっと気持ちを表現してもいい。

 

というような意味のことを仰っていました。

 

 

私は、
 
ペルグリーノ博士の情熱がまぶしかった
 
ことを覚えています。
 
 
私は、講座を通して、
 
大切な人には、ちゃんと気持ちを伝えなきゃいけない
 
そんな風に感じました。
 
 
そして、
 
講座が終わってから、
 
岩井俊憲先生の本 「男と女のアドラー心理学」 を熟読して、
さらに学びを深めました。
 
 
 
ここまで、いろいろ書いてきましたが、
 
アドラー心理学を恋愛や結婚生活に生かすには、
ある意味、難しい側面もあります。
 
だけど、
 
そこを乗り越えて、
実践できたら、
 
パートナーとかけがえのない絆を育むことができます。
 
 
今日は七夕、
 
あなたと大切な人が、絆を深められますように。

 

 

 

 

【コラムの執筆者】

 

 

松岡 学

 

高知工科大学 准教授、博士 (学術)

数学者、数学教育学者

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 

出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。 

『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。

 

 

 

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