子どもが算数をしないときの接し方は? ~ アドラー心理学にもとづいて ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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子どもが算数の勉強をしないと、、、

 

お母さんとしては気になりますね。

 

 

だけど、そんなとき、

 

 

イライラしたり、

ブツブツいったり、

ヒートアップしたり、

 

 

そんなことをすると、

子どもに反発されて、逆効果です。

 

 

じゃあ、どうすればいいのでしょうか?

 

 

そんなときにどうすればいいのか、

 

アドラー心理学にもとづいて、

考えてみましょう。

 

 

 

 

最初に、考えてほしいのですが、

 

ある程度、算数の成績がよく、

授業にもついていけている場合は、

 

子どもがあまり算数をしていなくても、

それほど心配しなくてもいいのではないでしょうか。

 

 

なぜなら、

 

今のままでも算数を十分理解しているのに、

 

さらに

 

勉強させようとするのは、

親の過度の期待になってしまうからです。

 

 

あくまで子どもの主体性を尊重しましょう。

 

 

子どもに、親の期待の肩代わりをさせてはいけないのです。

 

 

そんなことのないように、

アドラー心理学では、

 

課題の分離

 

をします。

 

 

つまり、

 

今、考えている課題が、

誰の課題かをはっきりさせます。

 

見極め方ですが、

 

その出来事の結果が、

 

子どもに降りかかるようなら、

子どもの課題

 

親に降りかかるようなら

親の課題です。

 

 

 

今、子どもが勉強をしなかったとします。

 

そうすると、

 

成績が下がる

 

というように、

その結果は子どもに降りかかります。

 

ですから、

 

「勉強をしない」 という課題は、

子どもの課題なのです。

 

だから、基本的には、

子どもにまかせて

 

親は介入すべきではありません。

 

 

課題を分離するというのは、

子どもの主体性を尊重するということ。

 

主人公は子どもなのです。

 

 

 

「でも、成績が下がったらどうするのですか?」

 

という声が聞えてきそうですが、

 

 

これをアドラー心理学では、

 

結末の体験

 

といいます。

 

 

つまり、

 

子どもに任せて、

勉強をしない場合は、

 

成績が下がる

 

という結末を体験することで、

 

子ども自身が失敗から学び、

勉強に対する取り組み方を変えるまで待つ

 

という姿勢を大切にします。

 

人は体験からしか学ばない

 

という言葉があります。

 

 

頭で分かっていても、

体験しなければ学ばないものなのです。

 

 

 

 

では、、、

 

「子どもの課題は、親にはどうしようもないのか?」

 

というと

 

そうでもありません。

 

 

子どもの方から

 

「お母さん手伝って」

 

と、助けを求めてくれば、

手助けをするころができます。

 

 

これを、

 

共同の課題を作る

 

といいます。

 

つまり、

 

いったん課題を分離して、

子どもにまかせた上で、

 

困っているようなら、相談をして、

共同の課題を作る

 

というプロセスを踏みます。

 

 

少しまどろっこしい感じを受けるかもしれませんが、

これが、子どもの気持ちや主体性を尊重した接し方なのです。

 

 

 

最初からいきなり、

 

「勉強しなさい!」

 

と押しつけたのでは、

 

子どもは反発するだけです。

 

 

 

 

ただ、、、

 

ここで、注意があります。

 

共同の課題を作るとき、

 

手とり、足とり、

べたっとそばについて、

 

勉強を教えたのでは

子どもの自立を阻みます。

 

 

あくまで主役は子どもです。

 

お母さんはサポート役に徹してください。

 

 

たとえば、

 

「毎日8時から30分は、算数をする」

 

と子どもが約束をしたとします。

 

 

そのとき、

 

「じゃあ、お母さんは8時になったら、声をかけるね」

 

と協力することができます。

 

 

そうして、

 

毎日、

 

8時から30分は算数をするようになったとします。

 

 

 

が、、、

 

ある日、

 

「見たいテレビがあるから」

 

と言って、

 

声をかけても算数をしなかったとします。

 

 

そんなとき、

 

怒って、

無理やリ勉強をさせようとするのはいけません。

 

 

お母さんはサポート役です。

 

その場では、いったん怒りを抑えて、

子どもを見守りましょう。

 

 

そして、

 

後日、冷静に、

子どもと相談をしましょう。

 

そうすると、

 

「もうこれからは、ちゃんと毎日算数をする」

 

と反省をするかもしれません。

 

 

逆に、

 

「金曜日だけは、8時からどうしても見たいテレビがある」

 

と言うかもしれません。

 

そんなときは、子どもと相談をして、

金曜日だけ時間を変えて

 

「7時半からにする」

 

とか、

 

「1週間に1回は算数をお休みの日にする」

 

とか、

 

子どもと相談をしながら決めていけばいいのです。

 

そうすることで、

 

子どもは前向きな気持ちで、

算数に取り組めます。

 

 

ポイントは、

 

子どもとの対話が大切だということです。

 

アドラー心理学では、対話を重視するのです。

 

 

 

 

接し方のコツですが、

 

 

1.算数の問題が解けなくても怒らない

2.心地いい雰囲気を作る

 

 

の2つを意識してください。

 

 

高校生の数学にもなると

親もなかなかついていけませんが、

 

算数の問題なら

親も当たり前のように計算できます。

 

 

だから

 

子どもがもたもたしていると、

親の方が、

 

「なんでこんな計算ができないの!」

 

と、ついイライラしてしまいます。

 

 

大人には当り前の計算でも、

 

子どもにとっては、初めて習う

まったく新しい計算 なのです。

 

イライラせずに、

子どもの気持ちになって接しましょう。

 

アドラーは、

 

相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じる

 

ことが大切だと言いました。

 

 

 

ところで、、、

 

健康志向の私は、

手作り天然石けんを使うようにしています。

 

 

 

 

体に優しい石けんを使うと、

気持ちも前向きになれます。

 

 

そんな、

 

私が天然石けんでお世話になっている

よしだりつこさんのお話です。

 

 

約2年前、

 

りつこさんは中学生の息子さんの

数学の勉強のことを心配していました。

 

そんなとき、

 

りつこさんと私は、数学の勉強法について、

facebookで、やりとりをしました。

 

りつこさんは、その文章を、

息子さんに見せてくださいました。

 

 

息子さんはやる気が出て、

 

毎日、「20分」 は数学と向き合う

 

と、お母さんと約束をしました。

 

 

その後、

 

こつこつと毎日、数学をやっていたところ、

2~3ヶ月経った頃に変化が生じてきたそうです。

 

 

息子さんの変化について、

 

りつこさんは、ブログに、

次のように書いて下さっています。

 

 

☆発熱で5日くらい休んでしまっても、数学の授業にはついていけている

 

☆今回の期末テストは、全問解けたこと

 

☆勉強の仕方が身について、テスト勉強で部活が休みの日も、

   時間を有効に活用できるようになったこと

 

 

詳しくは、りつこさんの記事をお読みください。

 

 

私は、りつこさんのブログを読ませてもらって、

 

「本当に良かったなぁ」

 

と思い、

 

胸がいっぱいになりました。

 

 

 

今回、お母さんの子どもへの

接し方のコツを書いてきましたが、

 

 

算数や数学を通して、

 

子どももお母さんも

幸せになれたらいいな

 

という想いで書かせていただきました。

 

 

 

 

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■ 執筆者

 

松岡学

 

高知工科大学 准教授、

数学者、博士(学術)、三重県出身。

大学で数学の研究や教育に取り組む傍ら、

一般の方々に 「数学の心」 を伝えるため活動している。

アドラー心理学の造詣も深く、教育に取り入れている。

 

ファッションを意識し、その優しい雰囲気から、

まっちゃん先生として親しまれている。

 

詳しいプロフィール

 

 

 

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