【数学コラム】 広がりゆく数の世界 ~ 究極の数を探して ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

数はいつからあったのだろ?

 

数はどこまで広がってゆくのだろう?

 

 

そんな素朴な疑問を感じたことはありませんか?

 

 


私たちの身の回りには、さまざまな数が潜んでいます。


はるか昔、まだ数がなかった頃、

 

 

羊が1匹、2匹、3匹、 ・ ・ ・


と数えるために、小石を置くことで数えました。

 


それが数の始まりといわれています。


1,2,3,4,5, ・ ・ ・

は現代では自然数と言われています。


自然数に、0やマイナスの数を加えた数が整数


整数 :  ・ ・ ・ ,-2,-1,0,1,2,3, ・ ・ ・


さらに、

分数やルート2などの無理数を加えたものが実数です。


実数 : 整数と分数と無理数


私たちの自然な感覚として、
ひとまず実数で数の体系は完成したような気持ちになります。

 

 

 


自然数から実数までの

数の広がりについてのコラムはこちらです。

数の広がり ~ 自然数から実数へ ~
 

 


世の中を見渡せば、ほとんどが実数で表わされています。

 

 

ということは、

 

実数で、「数の世界」 が完成したように思えます。

 

 

しかし、


果たしてそうでしょうか?

 

実数を超える数は存在しないのでしょうか?

 

 

 


実数を超える複素数についてのコラムはこちらです。


複素数、虚と実の数 ~究極の数を探して~
 

 

実数を超える数、複素数の発見により数学は発展し、
それに伴い、世の中も発達していきます。

 


複素数により、綺麗な形で数の体系が完成しました。

 


一見、これによりひと段落したようにみえます。


ただ、

 

 

本当にそうでしょうか?

 

複素数を超える数は存在しないのでしょうか?



イギリスの数学者、ハミルトンは複素数を超えるような数が存在しないか考えていました。


複素数は3+5i のように2つの実数をもちますが(今の場合は、3と5)、
ハミルトンは3つの実数をもつような数が作れないか考えていたのです。


彼は何年も考え続けましたが、うまくいきませんでした。


実は、3つの実数ではうまくいかず、4つの実数が必要なのです。

これを四元数といいます。

 

 

 


そんな四元数についてのコラムはこちらです。



四元数への広がり ~究極の数を探して~

 


四元数は、1843年にハミルトンによって発見されましたが、

 

さらに、


これに刺激を受けたジョン・グレイヴスが、同じ年に八元数を発見しました。

グレイヴスは八元数を octaves と呼びました。


八元数は、四元数よりさらに壮大な数ですが、
一見、四元数より複雑な性質をもちます。



四元数

八元数

と数が広がるにつれて、

人間の感覚を超えた領域に入ってきたのです。
 

 

 


八元数についてのコラムはこちらです。


八元数の世界 ~究極の数を求めて~

 

 


今回のコラムでは、

 

実数を超える数としての複素数、

 


さらに、四元数八元数

と数の広がりをみてきました。

 

 

次元でいうと、

 

1次元から2次元、4次元、8次元

 

へと広がりました。

 

これらによって、

 

人間はついに数の本質に深く迫ったといえるのです。

 

 

 

 

◆ さらに詳しくは、私の本 『数の世界』 をご覧ください。

 

 

 

 

数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ (ブルーバックス)

(Amazon)

 

 『数の世界』 では、

自然数から実数、複素数、四元数、八元数への「数の広がり」

について、数学的に詳しく書かれています。

 
 
 

【コラムの執筆者】

 

 

松岡 学

 

高知工科大学 准教授、博士 (学術)

数学者、数学教育学者

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 

出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。 

『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。

 

 

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< 数学コラムのまとめ >

数学コラム ~ 数の見える景色 ~