梅田ではじめたギャラリーカフェ まそほのつぶやき -4ページ目

まそほ繁盛記

女将達は、仮装パーティーに向けて、衣装作りに精を出していた。
「はああ~」
「どないしはりました?Gはん。」
「うちは、なんでこないなもんを選んでしもたんやろ。ものすご、たいへんですわ。」
「作りたかったんですやろ?ほな、仕方おまへん…な…あ…うわわわっ!でかい!こらまた…なんと…でかい!そら、みるからに大変そうですなあ。」
「うちら、これ着たら最後、動き回ること、できまへんなあ。あんさん、座る事もできまへんで!」
「うちは、どうしても、このかっこで行きたいとこがおますのや!」
「いひひひっ!行ってきなはれ、行ってきなはれ!
そのかっこで、〇〇〇に〇〇〇〇を買いに!一人でいきなはれやっ!」
「もちろんだす!その前に電話して23日営業してるかどうか、聞きますわ!」「楽しみや!やってたらええのにっ!」
「あんさんは、そのかっこで自販機にジュース買いにいきなはれ!…あっ、あきまへんな、やっぱり。視界が悪いさかい、危ないですわ!自分も、周りも。おまわりに職質されまっせ!」「お巡りさん、て言いなはれっ!なんか、アナーキーな感じでっせ。しょぼいけど。」
「とにかく、疲れましたから、かわいいクリスマスツリーでも作りまひょ!」
「毛糸で小さい靴下、編みますわ!」
「うわあ!かわいいですなあ!」
ちちち

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女将達は、奈良に来ていた。
興福寺に行ってみたいと、Gが言い出したのだ。
「ほら、あそこですわ!駅から近いですなあ。」
「なあ、Gはん!鹿は?鹿に、煎餅やりたいですわ!」
「あとで、やりなはれっ!うじゃうじゃ居てますさかい!それより、国宝見物さしてもらいまひょ!」
「あっ!あっちに秘法館て…矢印が…」
「よう見なはれっ!国宝館ですわっ!でかい声で秘法館なんて言いなはんな。」二人は、ゆっくりと興福寺を見てまわった。
「けど、興福寺っちゅうのは、なかなかよろしなあ、国宝が無造作に置いてあって。」
「ほんまですなあ。法隆寺とは、また違いますなあ。あんなに、国宝や重文がごろごろと…置物みたいに…うちは好きですなあ。…さあ、堪能したところで…」「わかりましたわっ!鹿ですやろっ!好きなだけ煎餅やんなはれ!ほらっ!あそこに売ってますわ!」
「ほんまや!うち、こうてきますわ!」
Bは、うきうきしながら煎餅を買いに行った。
「ほら、Gはんの分もこうてきましたで。」
「へえ、それはおおきに…」
数分後、二人は鹿に取り囲まれていた。
「うわあ、あっちへいきなはれ!こらっ!頭突きしなはんなあ。」
「Bはんっ!あんさんのバッグ、鹿が舐めまわしてまっせ。ぎゃははは!今度はバッグの持ち手のとこ、あんぐり噛みついてまっせ!ひゃひゃひゃ!」
「笑い事やおまへんわっ!あああ…よだれでべとべと!こいつら、猿ですわっ!鹿の皮を着た猿ですわ!」ふふく

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Bは、せっせと縫いものをしていた。
「何作ってはりますのや?四谷シモンの人形みたいですけど。」
「着せ替え人形を作ってますのや。病気のおっかさんに、あげますのや。」
「ええ話ですなあ。泣けますなあ。お母はんに、あげるんやから、もちろん普通の人形にしますのやろ?」「あたりまえですわ。顔は妹の顔にしたげよと思いましてな。」
「そらよろしいわ。」
暫く、Bは、せっせと針を動かした。
Gは、本に没頭した。
「できましたっ!髪の毛つけたらしまいですわっ!」「あ…できましたか!どれどれ………」
「なんだすっ!その沈黙はっ!髪の毛つけたら、かわいなりますてっ!」
「……それにしても…これは…」
「うちは、かいらしく作ったつもりやのに、そやのに、…服着せたら…もっと…かいらしく…」
「とりあえず、髪の毛、つけまひょ!何で作ります?」
「布を細うに切って、みつあみにして、何本もつけますわ!手伝ってくれますやろ?」
「へえへえ、わかりました!みつあみに編みますさかい、あんさん、つけていきなはれや。」
「おおきに!」
二人は、髪の毛作りにせいをだした。
「ああ~」
「なんだす?…うっ…」
そこには、まるでメドゥーサのようになった人形が不気味に寝ていた。
あああ

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「Gはん、芋いりまへんか?芋!」
「なんだす、芋、芋て。うちには、まだ、おまっせ。」
「北海道の親戚から、仰山送って来ましたんや。うちとこ、お母はんが入院してますやろ。そやさかい、あんまり使いまへんのや。」「店に持ってきなはれ。なんか考えまひょ。」
「ニョッキにパンケーキ!肉じゃが、コロッケ…」
「あとは…サラダにポテチ…オムレツ…シチュー」
二人は、頭を捻った。
芋の為に。
「毎日食べたらあきまっせ!なんぼ、美味しい芋でも。」
「けど、はよせんと、芽がでますやろ。そしたらソラニンが…」
「そうですなあ…」
「あっ!思い出しましたわ!しょうもないこと!」
「なんだす?」
Bは、思いだし笑いをしながら話しはじめた。
「昔なあ、うちの妹なあ…恋愛で悩みましてなあ…全てが嫌になって…」
「まさか、自殺を?」
「へえ、そうですわ…それがな…ぷふっ」
「笑い事やおまへんけど、あんさんが、今こうしてわろてるとこみたら、笑い事でしたんやな?」
「その通りだす。自殺の方法が、ジヤガイモの芽を集めて食べる、いう方法でしたんや。いーひっひっ。」「どわっはっはっ…それで…それで…どないなりましたんや…ああ苦しい…」
「下痢して終いですわっ!阿呆やねんっ!妹はっ!」ソラニン

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「なあ、Gはん!」
「へえ…。」
「こないだのギターライブ、よかったですなあ!ジミー女好きみたいな感じやけど。」
「しょうがないですわ!ラテンの男の性というか、業というか…それより、もう一人、ギタリストを紹介してくれるみたいでっせ!カルロスはん、いうひとらしいわ。」
「わあ~、陽気なカルロス!ベネズエラの人でっか?」
「あんさん、明日のジョーに影響されまくりやっ!」その日の夜、ジミーから電話があった。
明日、カルロスを連れて行くとの事だった。
女将達は、想像を膨らませて、盛り上がっていた。
「やっぱり、カルロスというからには、胸毛ボウボウで、女たらしで…会った瞬間に、髪形や服を褒めてくれんと!」
「うちらみたいな、おばはんでも褒めるやろか?」
「そらそうですわ!ラテンの男は、お天気の話とおんなじ感覚で、女性を口説きますのやで、みさかいないですやろ!女性に対する礼儀と思てるやろから。」
「うははははっ!」
その夜、カルロスは、やってきた。
「Gはん…おもてたんと違いますがな。」
「ほんまに!えらい、真面目そうやし…それに…」
「ポールサイモンにそっくりやっ!頭の感じも!」
あんです

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秋も、すっかり深まり…と言いたいが、時々暑い日もあり、紅葉の見ごろは、まだ先のようだ。
「ああ~なんか肩がいたいですわ。」
Gは、首をコキコキと回した。
「ガラスの作業、細かそうですなあ。その、ハンダてなんでもひっつきますのか?」
「なんでも、ひっつきまへんわ!さわりなはんな!」「うち、まだ、なんにもしてまへんでっ!」
「顔に、自分もやりたい、て書いてますがな!あきまへんでっ!店の看板にするんやさかい。中に電気入れますのや!」
「綺麗ですやろなあ。めだったらええのに!……チョウチンアンコウは、釣竿アンコウにしたほうがええと思いまへんか?」
「ほほう、あかりで、そこまで連想しましたか。チョウチンのほうが風情がおますがな!釣竿は、みたまんまで、風情もなにもありまへんがな。あんさん、退屈してんのやったら、三日のメニューでも考えなはれっ!こ洒落たスイーツでも!」
「あっ!それは考えましたで!親戚がカボチャ、送ってきたさかいに、スイートパンプキンにしよかと…」「あんさん、カボチャ嫌いなくせに!」
「うちは、食べまへんで!女の人は、いもたこなんきんが好きて、いわれてますけど、うちは、タコだけですわっ!好きなん。芋なんか…サツマイモなんか…」「ええい!声でかい!うるさいですわ!」
ひふふ

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「すんませんなあ、長いこと更新せんと…なんやかやで、しんどかったもんやさかいに。」
「Bはんっ!あのこともお知らせしとかんと!」
「あっ、そうでしたわ。うちも、おかげさんで二周年を迎えます。お隣りは一周年っちゅう事で、共同でイベントをしますのや!11月三日祭日ですけど、きとくなはれっ!19時オープン!食べ放題!ギターの弾き語りもあって、二千円だす。楽しみまひょ!
詳しい事は電話して聞いとくなはれ。うちらが丁寧に応えますさかい!なんやったら家まで迎えに…」
「ええっ?」
「嘘ですがな!とにかくお待ちしてまっせ!」
Bは、お茶を飲んだ。
「あれ?」
「どないしはりました?」「ギョエテが…おりまへんわっ!」
「ギョエテて、いつの間にそんな名前を…そこら辺探しなはれ!」
二人が探しているのは、キアゲハの幼虫だった。
Bが八百屋で買った人参の葉に付いていたのだ。
二人は、人参の葉を切り、瓶に水を入れ、幼虫を飼っているのだ。
「ギョエテ!あっ!あそこにおりますで!」
ギョエテはテーブルの上を這っていた。
「きっと、もう蛹になりますのや。場所を探してますのやなあ。」
「えらいこと動きまわってますわ!下におちたらあかんから、箱をつくりますわ!綺麗な蝶におなり!ギョエテよ!」
「頭に蛹おりますのか?うっとりしなはんな!それにギョエテて…せめてゲーテかファウストにしたげなはれ!」
ううく

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「なあ、Gはん!秋の遠足は、どこに行きます?」
「そうですなあ…。法隆寺なんかええですなあ。うち行った記憶ありまへんのや。ひょっとして、小学校で行ったかもしらんけど、覚えてないさかい、ゆっくり見てみたいですわ。」
「柿食べますのやろ?なっ?そしたら鐘が…」
Gは、じろりとBを睨んだ。
「あんさんの言うことは、わかってましたわ。正岡子規も気の毒ですなあ。せっかくの句が…内容も理解せんやつに使われて。」
「喜んでますて!で、いつにします?柿!やのうて、法隆寺!」
「どうせなら、秋の特別拝観の時に合わせたいですなあ!」
「あっ!ご開帳ですなっ!」
「賭場みたいにいいなはんなっ!特別開扉ですわ。夢殿の!」
「いっひっひっ!ご開帳の先には観音様が…いたっ!栗、投げ付けんといておくれやすっ!」
「下品な言いかた止めなはれっ!聖徳はんに失礼やっ!」
「なんでだす!あってますやろ!秘仏の観音像の公開ですから。」
「あんさんが言うと見事なまでに品が無くなりますなあ。」
ままま

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「おはようさんだす。」
Gが、さわやかな笑顔で入ってきた。
「気候がええと、さわやかですなあ。夏の、あの、でろでろーとした感じとえらい違いますなあ。」
「そらそうですわ。これから食べもんも美味しなりますし!あっ!今月あんさんの誕生日やおまへんか!千年魔女は、いくつになりますのや?」
「あんさんと一緒やっ!だいたい!ほんまに百年ほど生きてる感じですわっ!」「あっ、というまですなあ!二十代の頃は、どんだけ時間を浪費してたか…」
「今も、時間を大切につこてるかっちゅうたら、そうでもないんですけど…昨日も昼寝しましたし。」
「うちら…なんや…隙の多い人生ですなあ。お母はんはどないしてはります?」「昨日は、窓の外に向かって手招きしてましたわ。何してるんか聞いたら、雲を呼んでる、て。キントウンやないんやから…」
「あっはっは。お母はんらしいわ!けど、雲にのるんやったら、もっと痩せんと。」
「ほんまやっ!雲になんか乗らんと泳いだらええのや!河でも堀でも!そやっ!お母はんの泳ぐ堀は、メタ堀やっ!」
「?メタボリ?…ああ…あんさん、またひどい事いいますなあ!」
ぬぬぬ

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九月も終わろうとしていた。
長く続いた暑さも、ようやくおさまり、秋の風が、そこかしこに、入り込んできた。
「Bはんっ!何を気取って書いてはりますのや。そんなん書いたところで、誰も喜びまへんで。」
「うるさいですわ!ほっといておくれやす。うちが、せっかく秋のムードたっぷりに…」
「それやったら、最近、抜け毛が多くて朝起きたら、枕が、毛生え枕になってるとか、食べもんが美味しいて、一日五食とか書いたほうが現実的でよろしいんやおまへんか?ふふふ」
「何を言うてはるんでっか!あんさんこそ、何を作ってはるんだす?」
「これ、見てわかりまへんか?」
Gは、自慢げに作りかけの物を見せた。
「ああっ!カマキリや!うわっ、カマの部分もまた…えらいこと細かいですなあ!すごいわ…ほんまに。うちも、せっせと趣味の縫いぐるみ作りにせいをだしますわ。うちは、そないにリアルにつくれまへんから、いつものように…そやっ!百個を目標にしますわ!」「そうしなはれ!くだらんもんでも、百も作ったら、それはそれですごいでっせ!数の力ですがな。今で何個だす?」
「ななこだすぅ~。はあ~お百度踏むほうが簡単ですやろか?」
「縫いぐるみのほうが簡単な気がしまっせ。気持ち的に。」
「うち、作品展しますわ。タイトルは、白いこいひとたち!」
「あほや!」
づわわ