梅田ではじめたギャラリーカフェ まそほのつぶやき -2ページ目

まそほ繁盛記

「この、まそほ繁盛記も残すところ、あと一月とわずかになりました。女将達は、涙をこらえきれずに、そっと袂で目頭を押さえるのでございました。」
「ちょっと!Bはん!何を大奥のナレーションみたいに語ってはるんだすっ!大変やでっ!水道の配水管、詰まって溢れてきましたで!」
「ぬぬぅ!ここへきて、そのような…」
「や、め、な、は、れ」
Gの顔は、魔神のようだった。
「どないしまひょ、水道屋さん呼ばなあきまへんがな!そしたら、お金かかりますがな!どないしまひょ!困りましたなあ…」
「まあ、うちが、いっぺんやってみますわ。あした、家から配水管掃除の器具を持ってきますさかいに。」「たのんまっせ!あんさんが頼みの綱ですわ。」
「まあ、やってみまひょ!水道屋は最後の最後の手段ですわ!」
「あんさん、すごいですもんなあ…電子レンジの取っ手から、炊飯器から、冷凍庫から…ちょっとした修理やったら、ちょちょいっと直しはるもんなあ!」
「あのなあ、よう考えたら、誰でも、出来ますのやで!基盤の部分がいかれてたらあかんけど、埃をとっただけでも、かなりの物が直りまっせ!あんさんの頭の埃は、とりきれまへんけどなっ!」
「なんと、失礼なっ…。」次の日、ゴボゴボという音と共に詰まりが解消した。つまり

訂正です

訂正がございます。
バイオリンライブの日時ですが、私は、ブログで誤ってお伝えしてしまいました!
ほんとは、こうです!

五月22日(木曜日) 7時30から
よろしくお願いします!
来て下さいね!

まそほ繁盛記

Bは、焦っていた。
さっき、Gから連絡がありひどい頭痛で、遅れるというのだ。
そういう時に限って、客がきたりするもので、今もサラリーマンらしき二人連れが、入ってきた。
「いらっしゃいませ。あ、メニューでっか…すんまへんなあ、どうぞ。今、お水お持ちしますさかい。え?ナシゴレンとカレー!へえわかりました。」
「まあ、二人やさかい、何とかなりますやろ!そのうちGはんもきはるやろし!ええと、まずは、ナシゴレンのタマゴを焼きながら、カレーを火にかけて…その間にナシゴレンの具材とご飯を用意して…あちちっ…しもたっ!中華鍋の取って、素手で…あつぅ!あっ、器を出しとかんと…」
30分後、Bは、一息ついていた。
「ああ、しんどかった…ほんまに、一人の時に限ってこんな事になるんやさかい…お昼のお客さんは、時間が限られてるから、気い使いますわ。はあ~、あ、そろそろお勘定みたいですなあ。はあい!ただ今!おおきに!」
「ごちそうさん。女将、お客さん来たで。」
客がさし示したテーブルには三人の女性客が座っていた。
「げえっ…い、いらっしゃいませ。」
続いて四人の客が入ってきた。
「ひいい~っ!い、いら、いら、いらっしゃいませえ~」
Bは腦内に、ノルアドレナリンが放出されるのを感じた。
うへ

まそほ繁盛記

「今日は、みなさんにライブのお知らせだす。」
「へえ、五月の二十日、木曜日にラテンバイオリンのライブをするんですわ。時間は七時半と九時半の二回ですけど、一回目は、まそほで、二回目はお隣りで。もちろん両方で、きいてくれてもかまいまへん。
チャージは500円ですわ。」
「バイオリニストの香月さやかさんのライブですねんけど、彼女は、キューバに留学してたこともありましてなあ、向こうのアーティストさんとも共演しはったり、結構、活躍してはるみたいですわ。」
「それに、学生時代に音コンで入選してはるし、実力派のバイオリニストはんですのや。」
「そんな人が、なんでうちなんかでライブを…と思いますやろ?これもお隣りのミカちゃんのおかげ…」
「ほんまにねえ…それに、今回のフライヤーのイラストを担当してくれはった、松下みかさんのおかげ…」「よかったですなあ、あのイラスト!みかちゃんずには、お世話になりましたわあ!」
「みかちゃんずて……あっうちも名前をミカにかえよかなあ。」
「……ふん」
つうつ

まそほ繁盛記

女将達は、五月の宵を静かに楽しんでいた。
ちびちびと…嘗めるように…
そう、酒を飲んでいるのだ。
「ああ、美味しい肴と美味しい酒があれば、人生の楽しみは、確実に二割増しになりますなあ。」
「ほんまですわ…今の時期やと…酒の肴には、何がええやろか?」
「筍も、そろそろしまいやし…わらびのしらあえとか…もうすぐ、新ジャガがでてきますし、皮つきのまんま煮っころがしにしたら最高ですわなあ!」
「かつおの刺身も美味しいし、鱧皮とウドの酢の物もええですなあ…鮎をお酢でしめて姿寿司っちゅうのもいけまっせ!」
「ああー、うちは、スペアリブが食べとうなりましたわ!スパイスをまぶして、香ばしく焼いたやつをガブリと!」
「やめとくなはれーっ!うちも食べたなるさかいに!うちはトマトソースをベースにしたバーベキューソースに漬けこんだやつを、焼いて…しゃきしゃきのレタスを添えて…あと、ジョッキ一杯の生ビールがあれば!」
「うわあ!最高ですなあ!」
盛り上がっている二人の前には、すっぱい茄子の漬物があるだけだった。
も少しつづく

まそほ繁盛記

「えらいこと、ご無沙汰しましたなあ。すんまへんこって…ここんとこ、なんやバタバタしてましたんや。まあ、あとは、Gはんが説明しますさかいに。」
「へ?なんで、急に、うちに…みなさんには、長い事お世話になりましたなあ。うちの店、七月十二日でおしまいにしますのや。それというのも、Bはんの、まだらボケのお母はんの世話が…」
「そうなんですわっ!うちは、これから愛と介護の日々を送りますのや。実家の食堂をやりながら。」
「もう、なんでもありの食堂にしなはれ。妹さんも、大変やろなあ…。元気にしてはりますのか?」
「今んとこは…けど、腹立ちまっせ。母親の言動!
もう、ムキーッてなって、自分の中の凶暴な自分が、顔を出しそうになりますのやっ!もうラオウですわ!それを我慢すんのが大変で、自分の中のガンジーをよびださんと…」
「あんさんの中には、ガンジーもマザーテレサもナイチンゲールもおりまへんで!そやなあ、ねずみ男やったらおるかもしれまへんなあ。」
「うわあ、卑怯もんやおまへんか!」
「とにかく、最後まで頑張りまひょ!作品展やら、ライブやらを企画しとりますので、みなさん、お越しくださいなあ。最後の日はさよならパーティーをしますよってに!」
くすん

まそほ繁盛記

女将達は、パーティー料理のメニューを考えていた。「牛タン…食べたいですなあ…」
「うちらが、食べるわけやないんやから、そんなん予算的に無理ですやろ。」
「タン、高いですもんなあ…豚は、味が、落ちますしなあ…けど、なんで、あないにおいしいんやろ…よく動かすからやろか?」
「牛て、しょっちゅうベラベラ動かしてますがな。時々、鼻の穴舐めたり、目、舐めたりしとりまっせ。」「ほな、ラクダの舌もおいしいやろか。ほれ、なんか、ブフーて出してまっせ。」
「あれは、威嚇のために、胃袋出してますのやで、確か。」
「すごいですなあ、威嚇の為に内臓出すやなんて…Gはんやったら、何出します?やっぱり腸かなんかでっか?」
「あほいわんといておくれやすっ!腸なんか出したらもつれて、元に戻すのんが大変ですわ!そやなあ…膀胱なんかどないだす?」
「それは、威嚇やのうて、直接攻撃やないですか、中身かけるんですやろ?うちは、威嚇の話をしてるんですわ!」
「そういうあんさんは何出しますのや?」
「うちは、腦みそ!絶対、びっくりしよりまっせ!」「腦みそなんか、どっから出しますのやっ!ゾンビやおまへんか、まるで。それに、ちょびっとでも、落ちたら、大変な事に…」
マヌケな会話は、まだまだ続く。
あはな

まそほ繁盛記

ぽかぽかした日々が、続くようになっていた。
「ただいまあ。」
Gが買い物から帰ってきた。
「外は、あったかいでっせ。あんさんも、外に出て、おひさんの光、身体に浴びてきなはれ。そやないと、黴がはえまっせ。」
「へえ、そうしますわっ。Gはんは、どこまで行きはったんでっか?」
「お初天神のほうから、ずーっと歩いてきましたんやけどな…あそこに新しい店が出来てますやろ、ニップレスバーとかいう!」
「へえへえ、うちも看板みましたけどな、意味わかりまへんわ、ニップレスて…どないなかっこしてはるのやろ…」
「どうせ、トップレスで、ニップルだけ、隠してますのやろ、ニプレスで…なんか猥雑な感じですなあ!あの手この手を考えはりますなあ!」
「生き残らなあかんから大変ですわ。あ…そらそうとあの看板に、パイパイシェーカーって書いてありましたやろ!うちは、あれが気になって気になって…」
「うちも見ましたで!パイパイシェーカー!どうせ胸の谷間にシェーカーを挟んで、カクテル、つくりますのやろ!そして、そのカクテル、高いんやろ!」
「ニヤニヤして、飲むんやろなあ、客は!うちらも、パイパイシェーカーぐらい…」
「出来るかいなっ!客、逃げますわ!はよ、日にあたって、あたま、干してきなはれっ!」
「そうしますわ……ああ、うちのお母はんも、今、あたまがぽかぽかですのや…」
ははは

まそほ繁盛記

「ええですなあ…この清楚な感じ!」
「東風ふかば…でしたかいなあ。菅原道真が未練がましく詠んだんは。」
女将達は、今回、北野天満宮に梅を観に来ていた。
梅は、まだ三分ほどしか咲いていなかったが、その清涼な香りが、春の訪れを告げていた。
「鶯は、おりまへんのか!梅にはつきもんやのに。」「ああ、鵯ならあそこにおりまっせ!ビーッビーッて喧しくないてますがな。」「ほんまに、おんなじ鳥やのに、こうも違いますのやなあ!」
「そらそうと、あちこちに牛のおきもんが、おまっせ。なでたら、頭ようなるんと違いますか?あんさん、せっせと撫でなはれや!うちは、角、撫でとこう。
頭の角が、ばれまへんように!」
「なんで牛?天神さんは、丑歳の生まれなんやろか?」
「さあなあ…だいたい、怨みがましいと思いまへんか?雷になって復讐するやなんて!うちやったら雹に姿をかえて、全てを穴ぼこに…」
「おんなじようなもんやおまへんか。天神さんの悪口言うたら、罰あたりまっせ!イカズチが落ちまっせ!」
「あっ!うち、おみくじ引きますわ!三千院では凶やったさかいに、げんなおしですわ。百円やて…よいしょ…四番ですわ!あ、すんまへん、四番お願いします。おおきに!…なになに……………」
「どないでした?」
「……」
「見せてみなはれ!うわ、また、凶でっか!珍しいでっせ、続けて…二回も…」「こうなったら、三回めも凶引きたいわっ!ふはは…」
「力ない笑いやなあ…」
ばちち

まそほ繁盛記

女将達は、うきうきしていた。
Gが以前から行きたがっていた三千院へ行くのだ。
「もうすぐ京都に着きまっせ!寒いやろか?」
「そら寒いやろ!雪の一つも降ってたらええのになあ。風情がましますわなあ。そらそうと、Bはん、目があこなってまっせ。さては、ゆんべ、寝られんかったんですな。ええ歳して相変わらずですなあ!」
「ほっときなはれっ!あ…着きましたわ!」
京都は、小雪が舞っていた。
「うわあ…ええ感じですわあ!このぶんやと三千院はもっと降ってるかもしれまへんなあ!運よかったら積もってるかも…。」
「そうですわな。とりあえず地下鉄のりまひょ!それからバスですわ!」
一時間後、二人は大原の里に居た。
「うはあ~…こらまた…なんと…」
「…大雪ですなあ。あっ足元気をつけなはれやっ!」「頭に雪がっ!木の上から雪がっ!」
「帽子かぶんなはれ!」
「人が、おりまへんで!」「よろしいがな、よろしいがな!」
二人は、どうにかこうにか三千院にたどりついた。
「GはんGはん!あそこにお抹茶売ってまっせ!飲みまひょ!」
「そうですなあ。ああっ、あんさん、そんなとこで靴乾かしなはんなっ!」
「濡れて気色悪いんだすう~!」
「ほんまにもう…はあー贅沢なひと時ですなあ。こうして雪のお庭を眺めながらお抹茶を…」
「℃¢£§☆」
二人の優雅なひと時は、どやどやと入ってきた外国人観光客によって中断された。
「ほんまに、奴らさえけえへんかったら静かに過ごせたのに!」
「いまいましいですな!あっ!ここにおみくじがありますわ!うち、ひこうっと!百円をここに置いたらええんですな。で…なになに………」
「おみくじ、どないでした?」
「きょうだすっ!凶!き、ょ、う!」
「わざわざ、ここで凶をひくとこなんか、さすがですなあ!いーひっひっひっ」わわわ