プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策/田島 弓子

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マイクロソフトのマネージャーだった著者が書いた本。
(レバレッジ術で有名な本田直之さんの奥さんです!)
本人曰く、気弱な新米マネージャーがいかに外資の個性派
集団のなかで成果をあげていったか。その具体策を示して
いきます。
少人数の講演会で著者とお会いする機会がありましたが、
気弱とは思わないものの、小柄でかわいらしく気が利く感
じの人でした。(日焼けしすぎ感はありました(笑)が、
顔も小さく美人です。)
そんな著者が提示するのは「ハブ型マネージャー」。
強いリーダーシップを発揮できなくても、気弱なマネージ
ャーなりに、上司・部下・他部とのハブになり調整力を発
揮し、組織の成果をあげていく。
そのために話を聞き、状況を観察する。日々のコミュニケ
ーションを、①パターン化、②習慣化、③仕組み化、④マ
ルチタスク化することで、秀逸なコミュニケーションを確
立する。
話は具体的で、例えば、自分で考えてくれない部下には、
「解きほぐし」。営業にいって客の言い分をそのまま持っ
てくるときには、客との会話をひとつひとつ振り返りなが
ら(解きほぐす)、どこで「(部下自身の)思考」をはさ
んでいくべきなのかを気づかせます。また、やりにくい相
手にはふがいないほど下手に出る。と。
58の具体策は分かりやすい。たしかに気弱な人でもでき
るかもしれません。ただ、人一倍の忍耐強さが必要です
ね。著者も終わりにで書いているように「自分がプレイン
グマネージャー時代を面白がっていたかというとまったく
もってその逆」と。
忍耐強く、注意深く観察し行動し、成果に結びつける。弱
気を自認し多少の遠回りは覚悟し腹をくくることと理解し
ました。
【目次
はじめに 数字・部下管理・板ばさみ・多忙で激務。
〝四重苦"の中で日々奮闘している中間管理職のあなたへ
Part1
気が弱い人ほど「課長業(プレイングマネジャー)」はうまくいく!
01 やりたくない・自信がない・やる気がない。〝3ない上司"ほど、マネジャーの素質あり
02 持つべきは、引っ張るリーダーシップよりも、回すマネジャーシップ
03 プレイングマネジャー経験は、自己成長の〝ステージ2"
04 コミュニケーションは、結果を出すためのビジネススキルである
05 コミュニケーションは、たった5秒あれば改善できる
06 コミュニケーションは、仕組み化できる
07 最強のコミュニケーション・ツール① 話しかけられ上手↓引き出し上手
08 最強のコミュニケーション・ツール② 観察力
09 最強のコミュニケーション・ツール③ ハブ力
10 最強のコミュニケーション・ツール④ 根回し+場回し
PART 2
5秒でできるコミュニケーション!
「初期投資ゼロ」の即効フレーズ
11 「おはよう!」――あいさつは、部下からではなく上司から
12 「最近どう?」――部下に「いつでも話に来てくれていいよ」という〝空気"を作る
13 「今はダメだけど、15時からなら5分とれるよ」
――手が離せないときでも、「話を聞く用意はある」と伝える
14 「良い話? 悪い話?」――悪い話を即座にキャッチできる、さりげないフレーズ
15 「お客さまのことを一番知っているのは、あなただからね」
――部下に「自分が主役」だという自覚を持たせる
16 「どうしてお客さまはウンと言ってくれたの?」
――部下に手柄を披露させ、成功プロセスを評価する
17 目をキラキラさせながら「うん、面白いね、それで?」
――あいづちで「引き出し力」をつける
18 「どうしたの? あなたらしくもない」
――人格を傷つけずに部下を叱る方法
PART 3
19 急事態だから、何かあったらいつでも声をかけて」
――一粒で二度おいしい、失敗対処のキラーフレーズ
20 ため息をついて「まいったな……(困)」
――弱った姿をさらけ出して、部下の自尊心をくすぐる
21 「ごめん、ちょっと5分だけ集合~」
――情報の「垂れ流し」で、部下との信頼関係も深まる
22 「お帰りなさい、おつかれさまです」
――上司に「自分に話をするきっかけ」を提供する
23 「先生~」――上司に苦言を呈するときの和らげ表現
24 「最近、何がキテますか?」――年上の部下は〝軍師"と心得る
25 「すみません! ちょっと困ったことが」
――専門職の人に有効な「頼る」コミュニケーション
26 「ありがとうございます+さすがですね」
――ほめ言葉とお礼は二段活用で完結する
27 「うちの○○は、ご迷惑をかけていませんか?」――社内調整の先回りフレーズ
28 ネコパンチ<パンダエルボー<ウマキック
――怒りの感情の3段活用~オブラートに包んでソフトに、でも確実に伝える
コミュニケーションを仕組み化する
29 コミュニケーションのための手帳術① ――コミュニケーションTO DOリストを作る
30 コミュニケーションのための手帳術② ――「部下のための30分」もスケジューリングする
31 コミュニケーションのための手帳術③ ――部下のデッドラインも手帳に書く
32 パソコン上のスケジュールを公開しておく
33 デットラインは「あいさつ」でリマインド可能
34 デッドラインの2日前報告を仕組み化する
35 ゴールのあとの「ねぎらい」も仕組み化
36 相手の「マイブーム語」を意識的に使う
37 どんなに忙しくても「話しかけないでオーラ」だけは出さない
38 コミュニケーションの「場」は会議室だけではない
39 メールの仕組み化でパフォーマンスが2倍に!
PART 4
クセモノ&苦手な人対策「問題解決コミュニケーション」
40 伝書バト部下を育てるのは、「解きほぐし」コミュニケーション
41 プライドの剣には、ロジックの盾で返す
42 年上の部下とうまくやる「マイルドな理詰め」
43 他部署には「落としどころ持参」でアプローチ
44 「人の部下」に、直接コンタクトしてはいけない
45 やりにくい相手には「不甲斐ないほど」下手に出る
46 1対1なら、時にはケンカしてもいい
47 とっつきにくい人には「プロ意識」に訴える(真摯に甘える)
48 提案は「タイミングがすべて」
49 「朝令暮改上司」の指示は2、3日寝かせてみる
50 シマウマでもできる!「断る力」コミュニケーション
51 鬼軍曹上司を鬼にしない4つのポイント
PART 4
プレイングマネジャーのためのトラブル時のFAQ
52 クレームが熱いうちに部下を叱る
53 日常の〝ゆるみ"をトラブルに育てない方法
54 時には〝あえて"キレてみせる
55 クレームは、相手の良心に訴えるもの
56 負けないための「冷静コミュニケーション」7
57 上司に叱られたあとは、すぐ〝謝り直し"に行く
58 たとえ自分が悪くなくても、第一声は「すみません」
PART 5
おわりに これからの時代のプレイングマネジャーを目指して
コラム 外資系企業のコミュニケーションのツボ
外資の知恵① あえて下手な英語で話す
外資の知恵② 相手のフレーズをどんどん真似する
外資の知恵③ 英文メールはシンプル・数字・ストレート