2011年最初の作は、"バスブラ"からいきます^
昨年からの新カテゴリー・バスブラ、第1回では名古屋のガイドウェイバスを取り上げましたが、今回は都内です
昭和期には、都心から23区端々、あるいは23区外までにも貫いて走る、"長距離路線バス"が都内各所で走っていたそうです。
しかし、地下鉄の整備が進むと共に、並行するバス路線は次第に再編され、短縮や分割等で短くなっていきました。
そんな中、2011現在も残るのが、"都心中の都心"・東京駅から出ている『東98』系統です。
東京駅から、23区南端近くの、世田谷区等々力までの系統です。総延長約15km、どんな路線なのか、乗って参りました
そして等々力終点近くには、"渓谷"も存在するというので、訪ねてみます。ではバスブラ第2回、スタートです^
東京駅の数ある出入口の中で、最もマイナーであろう↑丸の内南口の前から、東98は出ています
2011現在、東京駅の丸の内駅舎(※煉瓦駅舎)は、↑改修工事の真っ只中で、すっぽりカバーに覆われています。
大正期に完成した当時の、戦前の姿に復元するそうです
完成が楽しみです^
一方、同口の隣にあるのは、おなじみの東京中央郵便局です
このビルも、2011現在は改築工事中です
↑外された大時計の針が、寂しい感じも
この中央郵便局ですが、取壊しを惜しむ声が多数寄せられているとの事で、総務大臣が解体にストップをかけたとかかけないとかの話もありますが、どうなるのでしょうか・
(※2022追記:その後、外壁が保存される事となり、その内側に新しい高層ビルを新築。『KITTE』としてオープンしています)
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これから乗る『東98』系統、等々力行きです
写真は都営バスですが、東急バスと共同運行している系統です。
(※2022追記:都営バスは撤退し、2022現在は東急バスの単独運行となっています。なので↑今作は貴重なものとなりました)
皇居のお濠の前で左折、日比谷方向へ
JRの東名高速バスも、東京駅を出発するとまずこう走ります
バスは愛宕山や東京タワーの横等、都心を走り抜けた後、目黒駅前から山手線の外へ出て、一路世田谷へ向かっていきます
(※途中、目黒区の清水バス停前に東急バスの営業所あり)
東京駅を出てから約1時間(!)かけ、等々力の街へ到着です^
↑東急大井町線・等々力駅
等々力へ来るといえば大井町線が主かと思いますが、バスで都心近くからここまで乗り通す人もマニアだけでなく、少なからずいるとの事。高齢者等にとって"直通"は時間がかかっても有難い存在です。
鉄道網が網の目のように張り巡らされている都内ですが、しかし改めてバス路線図を見れば、都心にも驚くほど沢山のバス路線が張られています。
まぁ、都内ならどこでも走らせれば乗客はある、という感じでしょうか
東急駅の裏手に、↑高級スーパー、成城石井があります。
世田谷マダム(?)御用達のスーパーですがw、この店の左横の路地が、冒頭前述の等々力渓谷への入口です。
見ますこれから行きます
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成城石井の横の路地を入ると、↑"ゴルフ橋"という印象的な名前の橋。この名は、戦前この近くにゴルフ場があり(※さすが世田谷)、そこへ向かう道だったのが由来だそうです。
(※現在はゴルフ場ありません)
そして、ゴルフ橋の下が、等々力渓谷散策路の始まりなんです
↑ゴルフ橋の脇にある階段を、渓谷へと降りていきます
おぉ~
よく残っていたなぁ・
それにしても都内でこんな光景が残っているとは驚きの一言、"等々力渓谷"の名に掛値はないと思います
等々力渓谷、残っているのは渓谷だけでなく、遺跡の宝庫でもあります。
渓谷のすぐ脇に残る、↑等々力横穴古墳です。
古墳時代~奈良時代にかけてのお墓の址です(※東京都史蹟)
そして、渓谷をさらにすすむと、↑"等々力不動尊"の標柱
↑不動尊への入口のところにある滝
現在でも、修行者が滝行する事もあるという、修験場でもあります。
ちなみに、"等々力"の名の由来ですが、渓谷にある滝の水が轟(とどろ)く音からきているという説があります(※諸説あり)
さらに、ここから多摩川を挟んだ対岸の川崎市中原区にも、"等々力"の地名が同様に残っています(※サッカー場で有名)
↑渓谷の脇にある階段を上がり、本堂へ
↑等々力不動尊、本堂です。
駅反対側にある満願寺(※真言宗)の別院で、平安期の創建と伝わります。
渓谷の周囲に広がる高級住宅地の中の、別世界です
再び階段を下り、渓谷へ戻ります
昔日の、武蔵野の面影に思いを馳せることが出来ます
不動尊から下流は川横に一般道もあり、渓谷のすぐそばまで民家も建っています
"日本庭園"があるという事で、入ってみます(※無料)
入ってみて、なぜ無料なのかわかりました
↑なんとミカン畑が
又、↑フキを栽培している湿地もありました
渓谷を歩いていくと、途中小さな公園がいくつかあり、休憩しながら散策できます
川はさらに、多摩川方面へとつづいています
多摩川の対岸、川崎市にも"等々力"の地名があると前述しましたが、川崎市には他にも"丸子"や"沼部"、"野毛"等、多摩川を挟んだ両岸には共通した地名が散見されます。
現在は都県境となっている多摩川ですが、江戸期までは川を跨いだ繋りが深くあり、さらには太古、多摩川の流形自体が度々変わっていた名残もあると思われます
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駅へと戻る途中、渓谷の上を橋で越えている、環八通りへ上がってみました
僕もいつもバイクで通る道ですが、環八をスッと通るだけでは"渓谷の上"を通過した事にまず気付きません
↑第三京浜の看板、環八ユーザーにはおなじみの標識ですが、このあたりの下に等々力渓谷があります^
大井町線・等々力駅に戻ってきました。
帰りは電車に乗ります
バスブラ第2回、ここでゴールとします
都内にはまだまだ、知られざる珍バス路線が沢山あります。今後もバスブラで、おいおい訪ねてゆきます
(※2022.4 2024.2 文一部修正)