幸せのありか
私は家にかえりたくなかった。
家に帰ると拓実を思い出してしまう。
あの部屋にはあちらこちらに拓実の気配がある。
私はまだそれを敏感に感じ取ってしまうんだ。
「一人になりたくない。」
と私が言うと、山崎さんは動揺した。
私の大胆発言に驚いたようだ。
「一人になりたくないの。」
私の顔を見て、本気だとわかったらしい。
「帰さなくていいの?」山崎さんは静かに行った。
「うん。」
と私はうなずいた。
すると山崎さんは黙って車を走らせた。車は山崎さんの家に向かった。
二人はずっと無言だった。緊張と動揺とが入り混じって、重い空気が流れた。
それでも幸せの沈黙だった。
私は黙って山崎さんの手を握っていた。
握ってないと不安だった。
いきなりこんなことを言う私を軽蔑するんじゃないかと、怖かった。
どうか、この手を振りほどかないで。
そう思って、力強く握りしめた。
家に帰ると拓実を思い出してしまう。
あの部屋にはあちらこちらに拓実の気配がある。
私はまだそれを敏感に感じ取ってしまうんだ。
「一人になりたくない。」
と私が言うと、山崎さんは動揺した。
私の大胆発言に驚いたようだ。
「一人になりたくないの。」
私の顔を見て、本気だとわかったらしい。
「帰さなくていいの?」山崎さんは静かに行った。
「うん。」
と私はうなずいた。
すると山崎さんは黙って車を走らせた。車は山崎さんの家に向かった。
二人はずっと無言だった。緊張と動揺とが入り混じって、重い空気が流れた。
それでも幸せの沈黙だった。
私は黙って山崎さんの手を握っていた。
握ってないと不安だった。
いきなりこんなことを言う私を軽蔑するんじゃないかと、怖かった。
どうか、この手を振りほどかないで。
そう思って、力強く握りしめた。
幸せのありか
拓実ともよくラーメンを食べに 行った。
拓実は近所のラーメン屋にしか行かなかった。
二人で外に出るのを嫌がった。
出不精でも何でもなく、他に女がいたから。その女に見つかったら困るからなんだと、今は思う。山崎さんが連れて来た店は近所の寂れたラーメン屋ではなく、行列ができるほど流行っている店だった。
並んでまでしてラーメンを食べないといけないのか。
と最初は思っていたけど、一口食べて行列に納得した。
ラーメンがご馳走になった。
「美味しい。」
と私が言うと、
「でしょ!」
とだけ言って、ラーメンをすする。
美味しい物の前では会話はいらない。
美味しいって言うだけで幸せな気分になれる。
私もラーメンを音をたててすすった。
音も含めて旨い!
二人の会話もなく、あっという間に平らげてしまった。
拓実は近所のラーメン屋にしか行かなかった。
二人で外に出るのを嫌がった。
出不精でも何でもなく、他に女がいたから。その女に見つかったら困るからなんだと、今は思う。山崎さんが連れて来た店は近所の寂れたラーメン屋ではなく、行列ができるほど流行っている店だった。
並んでまでしてラーメンを食べないといけないのか。
と最初は思っていたけど、一口食べて行列に納得した。
ラーメンがご馳走になった。
「美味しい。」
と私が言うと、
「でしょ!」
とだけ言って、ラーメンをすする。
美味しい物の前では会話はいらない。
美味しいって言うだけで幸せな気分になれる。
私もラーメンを音をたててすすった。
音も含めて旨い!
二人の会話もなく、あっという間に平らげてしまった。
幸せのありか
帰り道も話が弾んで楽しかった。
年も近いせいか話が合う。
山崎さんのこと、もっと知りたいと思う。
知ったらもっともっと好きになれると思う。
「お腹すいたなぁ。何か食べていかない?」
と山崎さんが言った。
「うん、何か食べたい。」
「何にする?」
「ん~、山崎さんにお任せ。」
と私が言うと、山崎さんは 申し訳なさそうに言った。
「俺、ラーメン食べたいんだけど、いいのかな?」
「いいですよ。」
「あのさ、俺、前から気になってたんだけど。女の人ってラーメン食べに行ったりするの?」
「行きますよ。ラーメン好きだもん。」
「そうなんだ。女の人ってあんまりラーメン、食べないって感じしてさ。」
「えっ、山崎さんの女のイメージってどんな感じ?私、イメージ崩すんじゃない?」
「そしたらもっと薫ちゃんのこと知りたくなる。それでもっともっと好きになる。」
と山崎さんは言ってくれた。
私も同じだよ。
って言うのはちょっと照れくさかったから、変わりに山崎さんの手を握った。
年も近いせいか話が合う。
山崎さんのこと、もっと知りたいと思う。
知ったらもっともっと好きになれると思う。
「お腹すいたなぁ。何か食べていかない?」
と山崎さんが言った。
「うん、何か食べたい。」
「何にする?」
「ん~、山崎さんにお任せ。」
と私が言うと、山崎さんは 申し訳なさそうに言った。
「俺、ラーメン食べたいんだけど、いいのかな?」
「いいですよ。」
「あのさ、俺、前から気になってたんだけど。女の人ってラーメン食べに行ったりするの?」
「行きますよ。ラーメン好きだもん。」
「そうなんだ。女の人ってあんまりラーメン、食べないって感じしてさ。」
「えっ、山崎さんの女のイメージってどんな感じ?私、イメージ崩すんじゃない?」
「そしたらもっと薫ちゃんのこと知りたくなる。それでもっともっと好きになる。」
と山崎さんは言ってくれた。
私も同じだよ。
って言うのはちょっと照れくさかったから、変わりに山崎さんの手を握った。