町の本屋さん -17ページ目

幸せのありか

朝日が部屋を明るく照らして、哲生のすべてが見えた。
哲生も全部見えてるのかな?
顔も、体も、反応の仕方も、すべて見てほしい。
哲生の優しい手は私の体の隅々まで触っていった。
その度に私は激しくよじれる。
夜の時より興奮する。
哲生、好きよ。
優しい哲生が好き。
これからもっと好きになるから。
そう思って私は哲生に抱かれた。
そして一人力尽きた哲生が言った。
「薫、すごく綺麗だった。」
「嬉しい。」
また私達はキスをした。
今度は静かに、お互いの気持ちを確かめるようにキスをした。
いつまでも、いつまでも、何回も、何回も。

幸せのありか

朝が来て、哲生のほうが早く目覚めた。
哲生が起き上がって私も目覚めた。
「おはよう。」
と哲生が言った。
「おはよ。」
私は寝ぼけて言った。
哲生はベッドから起き上がって着替えた。
服を着ている哲生をぼんやり見ていた私は思った。
私のすべてを知ってもらいたい。
私は裸のまま哲生のそばまで行き、激しくキスをした。
「薫、どうしたの?」
哲生は言った。
「私は哲生のものだから。全部知ってほしい。体も全部。全部哲生のものだから。」
私はまたキスをねだった。
今度は哲生も激しくキスをした。
私の体はだんだん感じて、哲生の体はだんだん元気になった。
「抱いて。」
私はねだった。
私達はそのままベッドに戻る。

幸せのありか

私の幸せはきっとここにある。
そう、自分に言った。
私はほんのり温かい哲生の胸に顔をうずめた。
ドクン、ドクンと心音が私の耳に響く。
幸せの音。
私はこの心音を聞いて眠りにつくんだ、これからは。
哲生の寝顔、笑えるほど不細工。
この寝顔が愛おしくなるんだ、これからは。
私は柔らかい哲生の腕に抱きついた。
逃げていかないようにぎっちりしがみついた。
好き
好き
好き
好き
そう思ったら涙が頬を伝っていった。
なんで私、泣いてるんだろう。
おかしいな。
って思っているのに涙は止まらない。
幸せだからかな?
不安だからかな?
それとも拓実のことを考えるからかな?
哲生のことを好きになるって決めたのに。
そのほうが絶対幸せになれるのに。
幸せに向かう涙はしょっぱい味がした。