幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

私の幸せはきっとここにある。
そう、自分に言った。
私はほんのり温かい哲生の胸に顔をうずめた。
ドクン、ドクンと心音が私の耳に響く。
幸せの音。
私はこの心音を聞いて眠りにつくんだ、これからは。
哲生の寝顔、笑えるほど不細工。
この寝顔が愛おしくなるんだ、これからは。
私は柔らかい哲生の腕に抱きついた。
逃げていかないようにぎっちりしがみついた。
好き
好き
好き
好き
そう思ったら涙が頬を伝っていった。
なんで私、泣いてるんだろう。
おかしいな。
って思っているのに涙は止まらない。
幸せだからかな?
不安だからかな?
それとも拓実のことを考えるからかな?
哲生のことを好きになるって決めたのに。
そのほうが絶対幸せになれるのに。
幸せに向かう涙はしょっぱい味がした。