幸せのありか
お互いの傷の痛みがわかるから、黙ってても引き寄せられるのだと思う。
ずっとその人のことを想っていることができるなら…。
でも、私達は前に進まなくてはいけない。
前に進むには、多くのものを抱えすぎてる。
私達は無言だった。
何も言わなくても自然だった。
もの足りないくらい静かなのが自然だった。
テレビではどこかでまた殺人があったとか、芸能人が交際とか、はたまた破局とか、うるさく言っている。
関係ない。
芸能人も辛い仕事だ。
彼らも私と同じ様に傷ついているはずなのに。
傷をえぐられ、それでも笑っていないといけないなんて。
それを私らは面白おかしく解釈して噂する。
そんなことくらいしかできない私らはそれだけ暇なのだ。
所詮はテレビの中の夢の話。
現実だなんて思っちゃいない。
ずっとその人のことを想っていることができるなら…。
でも、私達は前に進まなくてはいけない。
前に進むには、多くのものを抱えすぎてる。
私達は無言だった。
何も言わなくても自然だった。
もの足りないくらい静かなのが自然だった。
テレビではどこかでまた殺人があったとか、芸能人が交際とか、はたまた破局とか、うるさく言っている。
関係ない。
芸能人も辛い仕事だ。
彼らも私と同じ様に傷ついているはずなのに。
傷をえぐられ、それでも笑っていないといけないなんて。
それを私らは面白おかしく解釈して噂する。
そんなことくらいしかできない私らはそれだけ暇なのだ。
所詮はテレビの中の夢の話。
現実だなんて思っちゃいない。
幸せのありか
「薫、できたよ。」
と言う哲生の声。
「まるで、お母さんみたい。」
と私は言いながらテーブルにつく。
ご飯や味噌汁が美味しそうな湯気をたてて私を待ってる。
一人で暮らしていちいちマメにご飯を作る男だなんて付き合ったら大変だろうなと思う。
前の彼女も面倒くさくなったのかもしれない。
「薫って呼ぶの、ちょっと照れるね。」
と哲生は言った。
「そうかな?」
「うん。目の前にするとちょっとね。」
「私も哲生のこと、何て呼んだらいいかな?哲ちゃんなんてどう?」
「哲ちゃんはやだな。」
「えっ、何で?」
「何でも。」
哲生はご飯を口にかきこむ。
「ひょっとして元カノに呼ばれてた?」
「…うん。」
「そっか。元カノのこと、思い出すと辛い?」
「別に辛いわけじゃないけどさ。」
それから哲生は黙ってしまった。
哲生は彼女のことを好きなんだ。
この部屋は彼女の物で満ちている。
この食器も、二人で座るのにちょうどいいソファーも、私達が愛し合ったベッドまで、きっと彼女の思い出が詰まってる。
未練でいっぱいのこの部屋に私の居場所なんてあるわけがなかった。
哲生も辛いんだ。
過去を振り切るために私達は一緒にいなくてはならないのだと思う。
と言う哲生の声。
「まるで、お母さんみたい。」
と私は言いながらテーブルにつく。
ご飯や味噌汁が美味しそうな湯気をたてて私を待ってる。
一人で暮らしていちいちマメにご飯を作る男だなんて付き合ったら大変だろうなと思う。
前の彼女も面倒くさくなったのかもしれない。
「薫って呼ぶの、ちょっと照れるね。」
と哲生は言った。
「そうかな?」
「うん。目の前にするとちょっとね。」
「私も哲生のこと、何て呼んだらいいかな?哲ちゃんなんてどう?」
「哲ちゃんはやだな。」
「えっ、何で?」
「何でも。」
哲生はご飯を口にかきこむ。
「ひょっとして元カノに呼ばれてた?」
「…うん。」
「そっか。元カノのこと、思い出すと辛い?」
「別に辛いわけじゃないけどさ。」
それから哲生は黙ってしまった。
哲生は彼女のことを好きなんだ。
この部屋は彼女の物で満ちている。
この食器も、二人で座るのにちょうどいいソファーも、私達が愛し合ったベッドまで、きっと彼女の思い出が詰まってる。
未練でいっぱいのこの部屋に私の居場所なんてあるわけがなかった。
哲生も辛いんだ。
過去を振り切るために私達は一緒にいなくてはならないのだと思う。
幸せのありか
激しい朝はお腹がすく。
約束どおり哲生は朝食を作ってくれた。
絶品のお味噌汁付き。
キッチンに立つ哲生の横で私は見ていた。
手際よく料理する哲生が頼もしい。
「哲生、主夫だわ。」
と私が言うと、
「しっかり教え込みますからね、覚悟しなさい。」
と姑のように言った。
「よろしくお願いします。」
でも今日は何もしなかった。
いい匂いが部屋に漂う。実家にいるようだ。
「お腹すいたよ。」
と私が言った。
「もうすぐだから。」
と言われ、私はソファーに座ってテレビをつけた。
ゆったり一人ソファーに座って思う。
わたしの居場所はここにはない。
哲生はすごく優しいけど、ここにいて私はすごく違和感を感じる。
ものすごく孤独に思える。
この空間に慣れてないだけ。
私はそう自分に言い聞かせる。
でもやっぱり、何かが違うんだ。
約束どおり哲生は朝食を作ってくれた。
絶品のお味噌汁付き。
キッチンに立つ哲生の横で私は見ていた。
手際よく料理する哲生が頼もしい。
「哲生、主夫だわ。」
と私が言うと、
「しっかり教え込みますからね、覚悟しなさい。」
と姑のように言った。
「よろしくお願いします。」
でも今日は何もしなかった。
いい匂いが部屋に漂う。実家にいるようだ。
「お腹すいたよ。」
と私が言った。
「もうすぐだから。」
と言われ、私はソファーに座ってテレビをつけた。
ゆったり一人ソファーに座って思う。
わたしの居場所はここにはない。
哲生はすごく優しいけど、ここにいて私はすごく違和感を感じる。
ものすごく孤独に思える。
この空間に慣れてないだけ。
私はそう自分に言い聞かせる。
でもやっぱり、何かが違うんだ。