幸せのありか | 町の本屋さん

幸せのありか

激しい朝はお腹がすく。
約束どおり哲生は朝食を作ってくれた。
絶品のお味噌汁付き。
キッチンに立つ哲生の横で私は見ていた。
手際よく料理する哲生が頼もしい。
「哲生、主夫だわ。」
と私が言うと、
「しっかり教え込みますからね、覚悟しなさい。」
と姑のように言った。
「よろしくお願いします。」
でも今日は何もしなかった。
いい匂いが部屋に漂う。実家にいるようだ。
「お腹すいたよ。」
と私が言った。
「もうすぐだから。」
と言われ、私はソファーに座ってテレビをつけた。
ゆったり一人ソファーに座って思う。
わたしの居場所はここにはない。
哲生はすごく優しいけど、ここにいて私はすごく違和感を感じる。
ものすごく孤独に思える。
この空間に慣れてないだけ。
私はそう自分に言い聞かせる。
でもやっぱり、何かが違うんだ。