町の本屋さん -12ページ目

幸せのありか

朝になって私は起きると体がだるい。
あ゛ー、二日酔いだ。
もう少し寝ていたい。
だけど哲生の弁当も詰めないといけないし、何とか無理矢理起き上がった。
まずコーヒー入れる。
コーヒーの匂いでだんだん目覚める。
床にごろ寝したおかげで肩から首にかけて痛い。目覚めると痛みも増してくる。
私、何やってるんだろ。
ため息が出る。
無駄に作った料理もなんだかもったいないし。
拓実に振り回されてる自分がバカに見えてくる。
しょうがないから哲生の弁当も私の弁当も昨日の残り物だ。
すごく失礼な話だよな。
って自分でも思う。
それでもきっと喜んでくれるに違いない。
私はメイクを念入りにする。
洋服もあれこれ引っ張り出して選んだ。
よし!いい女!
鏡の自分に言い聞かせて私は家を出た。

幸せのありか

一人でいくら飲んだだろう。
かなり酔っ払ってしまった。
食べ飲みしてても、所詮一人。料理もやはり大量にあまった。
明日の晩御飯の分までありそうだ。
哲生だったら食べるかな。
明日、哲生の分のお弁当も詰めていこう。
そう決めて、私は片付ける。
かなり時間も遅い。
夜中にがさごそと近所迷惑だろうなぁ。
と思いながらも哲生の弁当箱を探したり、洗い物をしたりした。
明日は哲生に前向きな気持ちで会えるのかな。
ちょっと不安だけど、私は酔っていい気持ちのまま眠りについた。
さすがにベッドで寝ると拓実のことを思い出すから、床に枕と毛布を引きずり下ろしてそのままごろ寝した。
硬い床がひんやり気持ちいい。
でも背中が痛くて、寝心地は悪い。
とてもじゃないけど酔っ払ってなきゃ寝れないよ。
そう思ったら、床に落ちてる物みたいで、人として悲しくなった。
拓実に無造作に捨てられた私。

幸せのありか

そして家に帰って、一人では食べきれない量の料理を作った。
無我夢中で料理をしていると面倒くさいことを忘れられる。
料理の本とにらめっこしながら悪戦苦闘して作った。
初めて作るメニューはうまくできるかどうかワクワクする。
うまくできたことを想像すると嬉しい気分になる。
結局、私は色気より食い気。
美味しい物があると満足なんだ。
食欲がある分、私はまだ大丈夫。
美味しい匂いで部屋が満ちると私の心も落ち着いてきた。
男にのまれてたまるか!
私はビールをグイグイ飲む。
私の作った料理もなかなかうまい。
一人っていうのがちょっと残念だけど、美味しい料理があればそれなりに幸せ。