Marc のぷーたろー日記 -89ページ目

「ネイビーシールズ ローグ・ネイション」('21)

 

特殊部隊とテロリストたちの死闘を、いわゆる「ワンカット」で描いたミリタリーアクションです。主演はスコット・アドキンス、共演はアシュリー・グリーン・クーリー、ライアン・フィリップ、ワリード・エルガディ他。

 

Wikipedia「ネイビーシールズ ローグ・ネイション」

 

ストーリーはないに等しく、ただのシューティングゲームでしかないし、アクション自体も特に目新しいものはないのですが、とにかく「ワンカット」で撮った、その映像だけで充分に楽しめました (^^)v

 

厳密に言えば、一旦カメラを止めていることがわかってしまう場面が1箇所だけ中盤にあるのですが、それでも一応最初から最後まで「ワンカット」に見えますし、これだけのアクションの連続を「ワンカット」で撮る以上、相当に念入りなリハーサルを繰り返さなければ無理。その労力を考えるだけで、ある種の「感動」を覚えてしまいます。

 

ところで、最近はすっかり「アクションスター」となったライアン・フィリップが脇役で出演していて、てっきり「最後の最後に美味しいところをごっそり持っていくキャラ」かと思ったら、そうではなかったのはちょっと意外。出番も見せ場もそれなりにあり、目立つ印象的な役でしたけど、ライアン・フィリップである必要性はあまりなかったかな (^^;;;

「リーサル・バレット」('22)

 

ノリエガ将軍の独裁体制下、陰謀渦巻く1989年の中米パナマを舞台に、CIAの密命を受けて秘密工作活動に励む元海兵隊員の運命を描いた政治サスペンスです。主演はコール・ハウザー、共演はメル・ギブソン、マウリシオ・エナオ、ケイト・カッツマン、チャーリー・ウェバー他。

 

観る前からある程度予想はしていましたが、その予想をはるかに下回る酷い出来 (^^;;;

 

いくら1989年が舞台とは言え、登場人物たちのキャラクター造形にしろ、ストーリーにしろ、古臭いったりゃありゃしない。しかも単純に面白くない。

 

主演のコール・ハウザーが製作総指揮の1人に名を連ねていることからして、彼が子供のころにでも観たB級アクション映画を自分の主演で再現したかっただけなのかもしれないけれど、それにして何故この脚本、この出来で公開できたのか謎。

 

メル・ギブソンも最近はこの手のB級どころか、C級にも満たない酷い映画にばかり出ているけれど、かつての大スターとして、もうちょっと仕事は選んで欲しいなぁ…。

「ミセス・ハリス、パリへ行く」('22)

 

ポール・ギャリコの同名ベストセラーを原作とし、夫の戦死で失意の中にあったロンドンの家政婦が、ディオールのドレスに魅了されたことで、パリのディオール本店に向かって旅立つ姿を描いたドラマコメディ映画です。主演はレスリー・マンヴィル、共演はイザベル・ユペール、ランベール・ウィルソン、アルバ・バチスタ、リュカ・ブラヴォー、エレン・トーマス、ローズ・ウイリアムズ、ジェイソン・アイザックス他。

 

大人向けの童話。

 

大人向けなのでビターなところはあるけれど。

 

ディオールの宣伝映画みたいで現実味はないですが、こんなことがあったら素敵だよねと思える映画ではありました (^^)

 

それにしても、観る前は意地悪で傲慢な貴婦人役のイメージがあるレスリー・マンヴィルが、誰からも愛される、下町の気のいい家政婦を演じることに違和感がありましたが、観ていくうちに違和感はなくなったのはグッド!

 

そして役に対してジェイソン・アイザックスが無駄にイケメンだったのも、ラストシーンでその配役の意味に納得 (^^)v

「ヴイナス戦記」('89)

 

人類が移民できるようになった未来の金星を舞台にした安彦良和さんの同名漫画を安彦さんが自ら監督して映像化したSFアニメーション映画です。声の出演は植草克秀さん、水谷優子さん、原えりこさん、佐々木優子さん、納谷悟朗さん、大塚芳忠さん他。

 

Wikipedia「ヴイナス戦記」

 

あぁ、なるほど…。

 

公開当時、あまりにヒットしなかったので、安彦良和さんがアニメーションから手を引き、漫画家に専念するきっかけとなり、しかも「封印」とまでは言わないまでも、長年にわたって気軽に観られる状態でなかったという曰く付きの作品。

 

そうなったのも大いに納得。

 

単純に話が致命的に面白くない。

この話でどうして制作にGOサインが出たのか謎。

 

しかも、主人公をはじめとする主要な登場人物に全く魅力がない。

 

確かに安彦さんの作品らしく、純粋に「アニメーション」としては素晴らしく、当時の手描きアニメとしては驚異的なレベルで「よく動く」。その技術力は見事としか言いようがありません。が、本当にそれだけ。

 

さらに21世紀の今の時代からすると、世界観の構築が雑だし、イマジネーションが貧困すぎて「古臭い」というレベルでは済ませられない酷さ。

 

とにかく、映像部分以外に観るべきところが全くないので、観る人はその前提で観るべきでしょう。

「犬王」('22)

 

古川日出男さんの小説「平家物語 犬王の巻」を原作とし、室町時代に実在した天才能楽師「犬王」をポップスターとして描いた、湯浅政明監督による歴史アニメーション映画です。声の出演はアヴちゃん、森山未來さん、柄本佑さん、津田健次郎さん、松重豊さん他。

 

Wikipedia「犬王 (アニメ映画)」

 

ストーリーは大して面白くない。

 

重要なはずの要素を最終的に中途半端なまま放置してしまうなど、まとまりを欠いていて、「物語」の体裁をなしていませんから。

 

でも、そんなことなど、どうでもいいのです。

 

とにかく、ビジュアルのインパクトだけで充分過ぎるほど楽しめるのですから。

 

漫画家の松本大洋さんの原案によるキャラクターデザインは、はっきり言ってしまうと全く好みではないし、むしろ嫌い。

 

でも、その一見ラフなようでいて極めて繊細な線を、いわゆるアニメ的な線に変えることなく、そのまま動かしているのには、ただただ感服。

 

また、淡い色彩で統一され、まさに手書きの水彩画がそのまま動いているような繊細な映像には目が釘付け。

 

贅沢を言えば、この物語をミュージカルで表現するにしても、ロックやバレエのような西洋のものを流用するのではなく、もっと東洋的な工夫をしてほしかったなとは思いますけどね。

「クーリエ 過去を運ぶ男」('12)

 

生死も行方も分からない人物に荷物を送り届ける任務を請け負ったプロの運び屋を描いたアクションサスペンス映画です。主演はジェフリー・ディーン・モーガン、共演はジョシー・ホー、ティル・シュヴァイガー、リリ・テイラー、ミッキー・ローク他。

 

Wikipedia「クーリエ 過去を運ぶ男」

 

こんな筋の通っていない脚本でどうしてGOサインが出たのか、

 

そして、この出来でどうして公開OKになったのか、

 

そもそも、この脚本でどうしてジェフリー・ディーン・モーガンやミッキー・ロークといった有名俳優が出演をOKしたのか、

 

とにかく、全てが謎。

 

主人公が記憶をなくしていて、それが事件と深く関わっているというネタ自体は、新鮮味はないけれど悪くはない。

 

が、主人公を付け狙う殺し屋にしろ、中途半端な立ち位置のFBI捜査官にしろ、そしてラスボスにしろ、言動が支離滅裂だし、ご都合主義にしてもあまりに不自然で頭の中が「???」でいっぱいに。

 

「ジェフリー・ディーン・モーガンがカッコイイ」という以外、何もない映画でした。

「ドライビング・バニー」('21)

 

妹夫婦の家に居候しながら肩身の狭い日々を送る40歳のシングルマザーが、離れて暮らす幼い娘に会いたい一心から悪戦苦闘するさまを描いたドラマ映画です。主演はエッシー・デイヴィス、共演はトーマシン・マッケンジー、エロール・シャンド、トニ・ポッター、アメリー・ベインズ他。

 

主人公には同情すべきところが山のようにあり、確かに切ない話ではあります。

 

でも、冷たいことを言うようですが、冷静に考えれば、どう考えても、この主人公は「子供を養育するという意味での親」の資格は全くないです。

 

本人も認めているように怒りの感情を全く抑えることができない上に、その時の感情だけで、その場しのぎの適当な約束をしたり、嘘をついたりする…。

 

彼女は完全に精神的に病んでいる状態であり、そんな彼女に適切な治療を施すことなく、ただ罪を償わせるために服役させて、決められた期間の後に、そのまま社会に放り出すというのは、それ自体が社会の、もっと言えば政治の怠慢でしょう。

 

とにかく、観ていて感情の持って行きどころのない映画でしたが、エンディングに救いがあったのだけはよかったです…。

「魂のまなざし」('20)

 

北欧フィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベックの後半生を、当時50代の彼女が19歳年下の崇拝者の青年と織り成す悲恋を中心に描いた伝記映画です。主演はラウラ・ビルン、共演はヨハンネス・ホロパイネン、クリスタ・コソネン、ヤルッコ・ラフティ他。

 

Wikipedia「ヘレン・シャルフベック」

 

切ない話だったなぁ…。

 

ヘレン・シャルフベックの80年以上の生涯のうち、ほんのわずか数年の出来事しか描いていないにもかかわらず、それでも、彼女がそれまでにどんな人生を歩んできたのか、そしてその後どんな人生を歩んだのかが、うっすらと透けて見えてくるのがグッド!

 

女性差別が根強く残っていた時代に生きた彼女が、もしそんな差別がなければ、もっと自由に画家としての才能を活かし切れたであろうことを思うと、本当に切ない気持ちになります。また、19歳の年齢差も、男女逆であれば、ここまで苦しい恋にはならなかったかもしれません。いずれにせよ、この恋を経験したことが、のちの作品に大いに活かされたであろうことは間違いなく、それもまた芸術家という仕事の因果の妙を感じます。

 

ところで、当時50代だったヘレン・シャルフベックを演じたラウラ・ビルンは1981年生まれで、撮影時はまだ30代だったはず。さすがに老けメイクでも50代には見えませんでしたが、生活、というよりも人生に疲れている感じはなかなかグッド!

 

一方、ヘレン・シャルフベックが想いを寄せるエイナル・ロイターを演じたヨハンネス・ホロパイネンは、確かにハンサムではあるのだけれど、20世紀初頭の人物に全く見えず、コスプレ感が強かったのはちょっと残念。

[エイナル・ロイターの写真][エイナル・ロイターを演じているヨハンネス・ホロパイネンの写真]

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」4部作('07-'21)

 

人気アニメシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を、新時代を開拓するための最新作として描き直した「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」全4部作です。声の出演は緒方恵美さん、林原めぐみさん、三石琴乃さん、山口由里子さん、立木文彦さん、清川元夢さん他。

 

Wikipedia「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」

 

「エヴァはやっぱりエヴァだなぁ」という感想。

 

思い入れはないし、テレビシリーズとこの4部作しか観ていない自分が言うのもの難ですが、感想は同じ。

 

「10代の時に観ていたらハマっただろうなぁ」ということ。

 

内容は理解できるし、熱心なファンが大勢いることも大いに納得できるけれど、自分自身がハマるまでには至らず。しかし「面白くはないが興味深くは観ることができる」映画でした。

 

とにかく、こういう「極めて個人的な小さな精神世界の話を壮大なSFとして描くスタイル」がもう素直には受け止められないのですが、そういう物語の構成には興味があるのです。

 

そして、テレビシリーズと比べると、「永遠の少年」だった庵野秀明監督が「ようやく大人になったんだなぁ」という気分にはなりました (^^)

 

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「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」('22)

 

48歳で早逝した世界的歌姫ホイットニー・ヒューストンの生涯を描いた音楽伝記映画です。主演はナオミ・アッキー、共演はスタンリー・トゥッチ、アシュトン・サンダーズ、タマラ・チュニー、ナフェッサ・ウィリアムズ他。

 

Wikipedia「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」

 

歴史に残る偉大な歌手の生涯を描くという意味では充分な出来だと思います。彼女の全盛期を知らない今の若い人やこれからの世代に向けた一種の「記録」としての価値もありますし、何と言っても彼女のヒット曲の数々を聴くことができますから。

 

ただ、彼女の晩年はあまりに悲惨ですし、その死も全く救いがなく、さらに、この映画では触れられていませんが、唯一の子である娘も数年後に22歳の若さで母親と同じような形で亡くなっていることを知っていると、この映画を観終わった後はただただ悲しい気持ちに…。

 

それにしても、タイトルとして何故「I Wanna Dance with Somebody」が選ばれたんでしょう?

 

ミュージシャンの伝記映画のタイトルにヒット曲のタイトルを使うのは普通ですが、このタイトルは内容に全然合っていないわけではないですし、何となく意図はわからないではないものの、イマイチしっくり来ないんですよね…。かと言って代案があるわけではないんですけど (^^;;;