「炎のデス・ポリス」('21)
砂漠にある小さな警察署で繰り広げられる壮絶なサバイバルバトルを描いたバイオレンスアクション映画です。主演はジェラルド・バトラー、フランク・グリロ、アレクシス・ラウダー、共演はトビー・ハス、チャド・L・コールマン他。
実質的な主人公が若いアフリカ系女性警官で、彼女が最も活躍するというのは、この手の映画としてはちょっと新鮮だけれど、それ以外はどこかで観たことがあるような話。
もちろん、それでも充分に面白かったのだけれど、完全に同じ題材でもタランティーノだったらもっと遥かに面白く物語を構成できたんじゃないかなと思えてなりませんでした。
また、広報戦略上仕方ないとは言え、あたかもジェラルド・バトラーとフランク・グリロの2人が主役のように宣伝されていますが、それを期待して観ると、ちょっと期待はずれかもしれません。
「あなたの顔の前に」('21)
長年暮らしていた米国から突如帰国した訳ありの元女優を描いた、ホン・サンス監督によるドラマ映画です。主演はイ・ヘヨンさん、共演はチョ・ユニさん、クォン・ヘヒョさん、キム・セビョクさん他。
目に見える姿を淡々と映しているだけなのに、主人公のこれまでの人生をはじめ、様々なものに対する想像を掻き立てられる映画。
また、主人公の元女優という設定も「往年の大スター」というほどではないのもリアルで![]()
85分という短い尺で、物語の中でも24時間に満たない時間しか描いていないにもかかわらず、1人の女性の全人生を観たように思えてしまうような映画でした。
「イントロダクション」('20)
ある青年の悩める青春を3話オムニバス形式で描いた、ホン・サンス監督によるドラマ映画です。主演はシン・ソクホさん、共演はパク・ミソさん、キ・ジュボンさん、ソ・ヨンファさん、キム・ミニさん他。
確かに「物語」ではありますが、どちらかと言えば「詩」に近いイメージ。
モノクロの映像は美しく、詩情溢れているものの、ベルリンのシーンがほとんど全くベルリンに見えなかったのはちょっと残念。
「ヴェンデッタ」('22)
ギャングによって愛娘と愛妻を相次いで殺された元海兵隊員の復讐を描いたアクション映画です。主演はクライヴ・スタンデン、共演はブルース・ウィリス、トーマス・ジェーン、マイク・タイソン、テオ・ロッシ、カート・ユエ他。
製作にコーリー・ラージの名前があった時点で「あっ、こりゃダメだ」とは思いましたが、その予想を遥かに下回る酷い出来でした。
主演のクライヴ・スタンデンは役にピッタリでしたし、「無駄にガタイのいい爺ちゃん」を演じていたマイク・タイソンも印象的でしたが、それ以外の全てがダメ。
特に酷いのは、敵のボスを演じたブルース・ウィリスは呆れるほどあっさり退場しちゃうし、その息子で実質的な「ラスボス」を演じたテオ・ロッシがどう頑張っても激弱にしか見えないので説得力ゼロ。その「ラスボス」は単なる頭のおかしい無能なドラ息子に設定されているので、その点では役に合っていますが、そもそもその設定自体が間違っています。
とにかく、どこを取っても「どうしてそうする?」「どうしてそうなる?」ことの連続で、呆れ果てて突っ込むことすらしたくなくなるレベル。
コーリー・ラージの関わる映画はことごとく酷い出来なのに、どうして作品を作り続けられるのか、それが最大の謎。
「ザ・ローブ THE HEROES HIGHT VOLTAGE」('22)
特殊能力を持った「超人」が増加する近未来の超人専用刑務所を舞台にしたSFアクションです。主演はブルース・ウィリス、共演はマイケル・ルーカー、トム・キャヴァナー、ブレナン・メヒア、ケヴィン・ゼガーズ、ダン・ペイン他。
何じゃこりゃ?! (@o@)
作り手はこんな話を面白いと本気で思っていたんだろうか?
そもそも、こんなつまらない内容で何故制作にGOサインが出たんだろう?
とにかく最初から違和感だらけで、でも、その違和感が何らかの伏線なんだろうと思っていたら、全くそんなことはなく、最初から最後まで単にぎこちないだけでまとまりのない散漫なストーリー。
この映画の作り手は「物語」というものの作り方を全くわかっていないと素人でもわかっちゃうレベル。
作り手はこの結末を「痛快」なものだと思っているんでしょうけど、完全な自己満足でしかなく、痛快でもなければ、面白くもない。「これまでの視聴に費やした時間を返せ!!」と言いたくなるだけ。
「ドント・サレンダー スナイパーズ・アイ」('22)
高齢者向けの保養所を舞台に武装グループと戦う男性を描いた「ブルース・ウィリス ドント・サレンダー 進撃の要塞」('21) の4週間後を描いた続編となるアクション映画です。主演はジェシー・メトカーフ、ブルース・ウィリス、共演はチャド・マイケル・マーレイ、ケリー・グレイソン他。
前作はいかにも「ブルース・ウィリス出演のチープなC級映画」という出来で、取り立てて面白かったわけでもないのに、まさか続編が作られるとは…。ブルース・ウィリスは(病のため仕方ないとは言え)ただ出てるだけで演技も何もできていなかったし…。
そんなわけで、本作の存在自体に疑問を抱きながら観てみました。
前作同様、セットも照明も撮影も全てがチープ。また、チャド・マイケル・マーレイのわざとらしいサイコパス演技は本当に観るに耐えない…。
とにかく、前作を下回る出来の悪さ。
本気で殺しに来ている悪党たちを倒しても、息の根を止めるのではなく、気絶させて放置するだけで、後になって意識を取り戻した彼らにまた攻撃されるとか、主人公たちは「バカなのか?」としか言いようがありません。
唯一良かったのは、無駄にマッチョなのに前作ではほとんど活躍しなかったジェシー・メトカーフがそれなりに活躍したことくらいでしょうか…。
逆に、ここまで出来が悪いと、友だちと一緒にいろいろと突っ込みながら観るという楽しみ方もできるかもしれないと思ったりもします (^^)
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「デッドロック」('21)
警官の誤射で息子を殺された復讐のために、傭兵部隊を雇って水力発電ダムを占拠した元レンジャーの父親と、彼の凶行を止めようと奮闘する元レンジャーの溶接工を描いたサスペンスアクションです。主演はブルース・ウィリス、パトリック・マルドゥーン、共演はマシュー・マースデン、マイケル・デヴォーゾン、スティーヴン・サイラス・セファー、エイバ・パロマ他。
→ Wikipedia「デッドロック (2021年の映画)」
悪役をただの悪役にしたくなかったのであろう作り手の意図はわかるものの、それが全く功を奏しておらず、所詮はただのサイコパスでしかないというテキトーさ。
もちろん、本当に描きたいのはただのアクションなので、背景などはどうでもいいんでしょうけど、それにしても傭兵部隊がことごとく間抜けで激弱なのはもうちょっと何とかならなかったのかなぁ…。
主人公の溶接工が無双の強さなので安心して観られるんですけど、あまりに敵が弱すぎて全然ハラハラもドキドキもできないのは致命的にダメ。
「デンジャラス・プレイス」('22)
アメリカの田舎町を舞台に、人質に取られた愛娘を救うために戦う元警察署長の警備員を描いたサスペンスアクションです。主演はブルース・ウィリス、アシュリー・グリーン、共演はマイケル・シロウ、テキサス・バトル、ステイシー・デンジャー、マッシ・ファーラン他。
いつものブルース・ウィリス出演のB級映画なのはわかっていたので、期待値はかなり低くして観始めたのですが、その期待値をさらに下回る酷さ (^^;;;
とにかく無駄なシーンが多く、テンポが悪い。
悪役がとことん間抜けだとか、新しい警察署長がヘタレだとか、ユーモアを加えようとしているのはわかりますが、それがことごとく滑っていて、ただ邪魔なだけ。
本気で殺しに来ている悪党に対して致命傷を与えず、ちょっと刺したり切ったりするだけという甘々な対応だとか、観ていてストレスがたまるし、尺を稼ぐために無駄に引き伸ばしているだけにしか見えず。
正直なことを言えば、主人公であるはずの元警察署長のキャラクター自体が不要で、人質になった娘が幼い頃から父に教わってきた知識と技を使って自らの力で敵を倒すストーリーの方がよっぽど痛快だったはず。
唯一良かった、というか新鮮だったのは、ヒロインである娘が同性愛者という設定だったことくらいかな…。
「ボイリング・ポイント/沸騰」('21)
ロンドンの人気高級レストランを舞台に、店のオーナーシェフが波瀾万丈の慌ただしい1日を送るさまを、全編ワンショットの長回し撮影で描いた群像劇です。主演はスティーヴン・グレアム、共演はヴィネット・ロビンソン、ジェイソン・フレミング、レイ・パンサキ、ハンナ・ウォルターズ他。
ただただ感心。
とにかく、エキストラも大勢いるのに「よく撮れたなぁ」と、スタッフやキャストの頑張りに感心するばかりで、ストーリーにはなかなか入り込めなかったのですが、飲食店や接客業の過酷さがよくわかる話で、この映画をきっかけにいわゆる「カスタマーハラスメント」が少しでも減ることを願うばかりです (^^)v
「デリシュ!」('21)
革命前夜の18世紀のフランスを舞台に、侯爵の専属料理人の座から追われた中年男性が、心機一転して庶民のためにも開かれたレストランを開業するに至るさまを描いた歴史ドラマ映画です。主演はグレゴリー・ガドゥボワ、共演はイザベル・カレ、バンジャマン・ラヴェルネ、ロレンツォ・ルフェーブル、クリスティアン・ブイェット他。
全体に落ち着いた空気感を含め、雰囲気はいい。
フランスの田舎の景色を美しく撮った映像、主張し過ぎないが印象的な衣裳など、ビジュアル面は文句なし。
また、キャストも概ね適役で、特に主演のグレゴリー・ガドゥボワは、その厳ついルックスが、寡黙で頑固な職人気質の料理人役にピッタリだし、その上でロマンティックな面も的確に演じていて![]()
が、ストーリーがあまりに雑…。
物語を盛り上げるためだけのあまりにご都合主義の作為的なエピソードは、まだ許容範囲内ですが、それ以前に、展開がぎこちなさ過ぎて、登場人物の言動に説得力がないのです。ありえないとまでは言いませんが、観ている側にすんなりと入ってこないのは致命的…。
題材はとてもいいし、いい役者を揃えているのに、どうしてこんな話にしちゃったのか、本当にもったいないです。
ところで、公爵の執事を演じているが、フランスの名門貴族ケンゴ・トンケデック家の末裔で、セザール賞受賞経験のある俳優ギヨーム・ドゥ・トンケデックというのは、本作がフランス革命を背景にした映画であることを考えると、ちょっと感慨深いものがあります (^^)