Marc のぷーたろー日記 -86ページ目

「別れる決心」('22)

 

夫殺しの容疑をかけられた人妻に惹かれていく刑事の禁断の恋の行方を描いた、パク・チャヌク監督によるサスペンスロマンスです。主演はタン・ウェイさん、パク・ヘイルさん、共演はイ・ジョンヒョンさん、パク・ヨンウさん、コ・ギョンピョさん他。

 

輝国山人の韓国映画「別れる決心」

 

パク・チャヌク監督の作品と言うと、韓国映画らしい、激しい感情を、激しい演技と演出で力強く描くイメージがあるのですが、この映画はだいぶイメージが違います。

 

この映画は、同じように激しい感情、それも狂気に近い感情を、抑えた演技と静かだが凝った演出で表現しているのが特徴的。

 

そして、その表現の仕方の違いによって、一段と「狂気」が際立ち、観る者に恐怖を感じさせる効果を生んでいます。

 

また全体的にヘビーでシリアスであるにもかかわらず、唐突にオフビートなユーモアがちょこちょこと挟み込まれるあたりも印象的。

 

ただ、ヒロインの狂気、特に最後の行動があまりに恐ろしくて、ドン引きしちゃったのも事実。

 

とにかく、インパクトのある芸術作品ではありました。

「チケット・トゥ・パラダイス」('22)

 

バリでスピード婚をすると決めたひとり娘の結婚を阻止しようと現地に向かう元夫婦を描いたロマンティックコメディです。主演はジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、共演はケイトリン・デヴァー、マキシム・ブティエ、ビリー・ロード、リュカ・ブラヴォー他。

 

Wikipedia「チケット・トゥ・パラダイス」

 

話自体は全て予想通りにしか展開しなくて本当につまらないし、くだらないのだけれど、主演の2大スターの魅力だけで映画1本を完全にもたせているのは流石としか言いようがありません。

 

主演2人に当て書きされた脚本で、しかも2人が製作総指揮にも加わっており、2人の魅力をあますところなく活かしています。

 

そして何より、長年にわたってトップスターであり続けている2人が、良い年の重ね方をして、その年齢に合った役を演じているのはグッド!

 

とにかく、ストーリーには1mmたりとも期待してはいけません (^O^)

シス・カンパニー公演「帰ってきたマイ・ブラザー」

 

2023年4月から6月まで上演された舞台の東京・世田谷パブリックシアターでの4月15日の公演を収録し、WOWOWで放送したものを観ました。出演は水谷豊さん、段田安則さん、高橋克実さん、堤真一さん、池谷のぶえさん、峯村リエさん、寺脇康文さん。

 

水谷豊さんの23年ぶりの舞台出演で話題となった作品。

 

本格的な「お芝居」ではなく、大スターの水谷豊さんを中心に、実力派の役者を揃え、それぞれの役者の個性と魅力を活かした役柄と脚本で、観客を楽しませる「ショー」という感じ。

 

当然ながら生の舞台で楽しむことが前提の作品なので、映像ではどうしても物足りなさは否めませんが、もし再演することがあれば「生で観たい」と思わせるものはあるので、WOWOWでの放送が今後の良い宣伝になっているのかもしれません。

「BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ」('22)

 

人里離れた屋敷に集まった若者たちの「殺人ゲーム」が惨劇に発展していくさまを描いたスリラー映画です。主演はアマンドラ・ステンバーグ、マリア・バカローヴァ、共演はリー・ペイス、ピート・デヴィッドソン、マイハラ・ヘロルド、レイチェル・セノット他。

 

Wikipedia「ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ」

 

めっちゃよく出来てる (^^)v

 

チャラチャラしたイケ好かない若者たちがバカンスで訪れた人里離れた場所で次々と殺されていくというスラッシャー映画の定番中の定番の舞台設定を用意しながら、全く違う展開をしていき、最後の最後に明らかになる真相によって、この映画自体がキョーレツにブラックなコメディであることがわかるというオチ。

 

男たちが単純なわかりやすい類型的キャラクターとして意図的に描かれているのに対し、女性たちがそれぞれ個性的でその描き方がリアルなのは女性監督ならでは。この微妙な女同士の関係性を男性監督が演出すると、相当にわざとらしくなっちゃうんじゃないかと。

 

とにかく、スラッシャー映画が苦手でない方にはお勧め (^^)

「札束と寝る女神たち」('21)

 

実際にあった高級売春事件をもとに、裸一貫でのし上がる美女たちの栄光と挫折を描いたポーランドの官能ドラマです。主演はパウリーナ・ガウォンスカ、共演はカタジナ・フィグラ、カタジナ・サウチュク、オルガ・カリッカ、ジュリオ・ベルーチ他。

 

予想外に社会派映画。

 

絢爛豪華で華やかな映像とセクシーな美女たちという娯楽性を前面に出す一方で、主人公がどんな方法で成り上がろうとも、結局は女性が搾取される側であることに変わりはないことを赤裸々に描いています。

 

若くして波乱万丈の人生を送る主人公の末路は自業自得であり、同情は全くできないけれど、それでも彼女を利用するだけ利用し、女性たちから搾取しまくっていた男たちは誰一人罰せられることのない「不公平さ」は観ている側に鋭く突き刺さってきます。

 

なかなかに観応えのある映画でした。

 

「デュアル」('22)

 

余命わずかを宣告され、残される恋人や母のためにクローンを作成したものの、奇跡的に病が完治したためにクローンと生存権を争うことになった女性を描いたSFサスペンスです。主演はカレン・ギラン、共演はアーロン・ポール、ビューラ・コアレ、テオ・ジェームズ、マイヤ・パウニオ他。

 

Wikipedia「デュアル (映画)」

 

シリアスっぽく描いてはいるけれども、実際にはすっとぼけたオフビートなブラックコメディ。

 

ただ、クローン人間をすぐに作れちゃうほど技術が進歩しているのに舞台は現代のままだとか、どう考えても現実にはあり得ない法律だとか、どこを取っても現実離れしていて、完全に不条理劇の作りになっているのはともかくとして、この題材と世界観で90分を超える尺の映画にするにはかなり無理があります。

 

20分から30分程度の短編で不条理劇に徹していれば、もっと面白かったんじゃないかなぁと思えてなりません。

「異動辞令は音楽隊!」('22)

 

強引な捜査が災いして警察音楽隊に異動させられた鬼刑事と彼が追っていた連続アポ電強盗事件を描いた刑事ドラマです。主演は阿部寛さん、共演は清野菜名さん、磯村勇斗さん、高杉真宙さん、モトーラ世理奈さん、見上愛さん、倍賞美津子さん他。

 

Wikipedia「異動辞令は音楽隊!」

 

予想以上に古臭い内容だったなぁ…。とても2020年代の映画とは思えない。

 

でも、ターゲット層が50代以上の中高年だとすると、この古臭さはむしろぴったりなのかもと思ったり。

 

全てが薄っぺらくて観終わった後に何にも残りませんが、この軽さは時間潰しにはちょうどいいので、ネット配信向きだと思います。少なくとも映画館に足を運んでまでして観る映画ではないです。

「アルゴンヌ戦の落としもの」('16)

 

第一次世界大戦に従軍し、過酷な戦場から何とか生還したものの、心に深い傷を負った兄と弟の戦後を描いた歴史ドラマ映画です。主演はロマン・デュリス、共演はセリーヌ・サレット、グレゴリー・ガドゥボワ、マリヴォンヌ・シルツ、ワビレ・ナビエ、ジュリー=マリー・パルマンティエ他。

 

題材はとてもとてもいいのに、それを最終的に陳腐なラブストーリーでまとめちゃってダウン

 

キリスト教的価値観だとか、フランスの国民性としてラブストーリーが好きとか、いろいろな理由はあるんでしょうけど、深刻な題材に対してあまりに軽いし、不謹慎にしか見えません。

 

愛する人さえいれば、それだけで全てが解決するかのような能天気なエンディングで本当にいいんでしょうか?

「30日の不倫」('10)

 

それぞれに家庭を持ちながら情事におぼれていく男女を描いた不倫メロドラマ映画です。主演はアルバ・ロルヴァケル、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、共演はテレーザ・サポナンジェロ、ジュゼッペ・バッティストン、ファビオ・トロイアーノ他。

 

Wikipedia「30日の不倫」

 

主人公2人が情事におぼれていく気持ちそのものは充分に理解できますし、理屈では割り切れない非合理的で不安定なところはとてもリアルだとは思います。

 

それでも、本当の意味で愛し合っているのではなく、単なる現実逃避でしかないことが明らかなので、そんな浅はかで身勝手な2人に裏切られたそれぞれの配偶者がただただ気の毒でなりませんでした。

「プロセッコ殺人事件」('17)

 

イタリアの有名スパークリングワイン「プロセッコ」の生産者である伯爵が遺体で発見されたことをきっかけに起きた連続殺人事件を描いたコメディミステリ映画です。主演はジュゼッペ・バッティストン、共演はラデ・シェルベッジア、リズ・ソラリ、テコ・セリオ、ロベルト・チトラン、シルヴィア・ダミーコ、ババク・カリミ、ミルコ・アルトゥーゾ他。

 

ハリウッドや日本などのコメディミステリを観慣れた目からすると、コメディとしてもミステリとしてもゆるゆるで、それがイタリアの美しい田園風景とは合っていますが、物語としては全く面白くないのです。

 

主人公の警部を演じたジュゼッペ・バッティストンは、トトロのような見た目で、そのゆるさにはぴったりでしたけどね。