Marc のぷーたろー日記 -85ページ目

「四畳半タイムマシンブルース」('22)

 

森見登美彦さん原作のアニメ「四畳半神話大系」の登場人物で、劇団ヨーロッパの戯曲「サマータイムマシン・ブルース」を描き直した青春SFアニメです。声の出演は浅沼晋太郎さん、坂本真綾さん、吉野裕行さん、中井和哉さん、諏訪部順一さん、甲斐田裕子さん、佐藤せつじさん、本多力さん他。

 

Wikipedia「四畳半タイムマシンブルース」

 

充分に成功している2つの別作品を敢えて組み合わせるというアイデアがそもそも斬新。しかも、うまく融合しているし。

 

どちらの作品のファンでも充分に楽しめるんじゃないかなぁと思いますが、それぞれの作品に特に強い思い入れがないから言えるのかもしれません (^^;;;

 

とにかく、僕は楽しめました (^^)v

 

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「ラッキー」('17)

 

アメリカ西部の荒れ果てた町を舞台に、自由奔放で頑固一徹な90歳の独居老人の姿を描いたドラマ映画です。主演はハリー・ディーン・スタントン、共演はデヴィッド・リンチ、ロン・リヴィングストン、エド・ベグリー・ジュニア、トム・スケリット他。ハリー・ディーン・スタントンの最後の主演作です。

 

Wikipedia「ラッキー (映画)」

 

第二次世界大戦中は海軍で調理師をしていたというハリー・ディーン・スタントンの経歴をそのまま役の設定にしているなど、明らかに彼のために作られた作品。本作が初監督作品となる、ベテラン俳優のジョン・キャロル・リンチが大先輩であるハリー・ディーン・スタントンへの敬意を込めて撮った、その思い入れの強さを感じました。

 

また、物語らしい物語はなく、1人の老人の日常生活を淡々と描いているだけなのですが、それでも飽きることがないばかりか、最後まですっかり見入ってしまいました。

 

そして最終的に強く印象に残るのは哲学としての仏教の教え「色即是空」。

 

東洋の文化に対する西洋人の過度な幻想を感じなくもないですが、確かに90歳まで自由に、そして「それなりに」幸せに生きてきた老人だからこその説得力はありますし、「老い」や「死」を意識せざるを得ない「お年頃」になってきた今の自分だからこそ、心に沁みるものは間違いなくありました。

「ワイルド・ロード」('22)

 

犯罪組織から金と麻薬を奪い、命を狙われることになった男が、銃撃で深手を負いながら長距離バスで逃亡するさまを描いたクライムアクションです。主演はコルソン・ベイカー、共演はストーム・リード、ドレア・ド・マッテオ、ルイス・“トリックズ”・ダ・シウヴァ・ジュニア、メーガン・ホルダー、トラヴィス・フィメル、ケヴィン・ベーコン他。

 

再出発のために組織の金を盗み出した男の逃亡劇なんていう手垢のつきまくった題材を、基本的に長距離バスの中だけで描くというアイデアは新鮮。また、たまたま同乗した乗客の背景を絡めていくアイデアも悪くない。

 

が、最終的に仕上がった映画自体は大して面白くないダウン

 

意味ありげに強い印象を残した妊婦の女性についてはほとんど描かれないのも「この役はそもそも必要だったの?」という疑問しか湧きませんし。

 

アイデアが新鮮なだけで、それをうまく「娯楽映画」としてまとめられなかったのは本当に残念。

「リミット」('22)

 

野沢尚さんの同名小説を原作とし、連続幼児拉致事件で娘を拉致された母親の代役を務めることになったものの、それがバレてしまったために自分の息子まで拉致されてしまったシングルマザーの警官を描いたサスペンス映画です。主演はイ・ジョンヒョンさん、共演はムン・ジョンヒさん、チン・ソヨンさん、パク・ミョンフンさん他。

 

輝国山人の韓国映画「リミット」

 

2000年夏に野沢尚さん自らの脚本で「リミット もしも、わが子が…」のタイトルで連続ドラマ化されたこともある原作。そのドラマも観ていませんし、原作も読んでいませんが、

 

何じゃこりゃ?! (@o@)

 

としか言いようがありません。

 

中盤までは韓国映画らしい容赦のない残酷なサスペンス映画で引きつけられたのですが、中盤以降は支離滅裂で無茶苦茶。いくら登場人物が頭のおかしいキャラクターだからと言って、これはないでしょう。

 

この映画が何故日本で劇場公開されなかったのかは大いに納得。

 

それよりも、何故この出来で韓国で劇場公開できたのかは謎。

「悲しみよさようなら」('90)

 

米オハイオ州の小さな田舎町を舞台に、その町を15年前に去って今は大スターとなった女性の帰郷をきっかけに町の人間関係に波紋が広がっていくさまを描いた青春映画です。主演はウィノナ・ライダー、共演はジェフ・ダニエルズ、トーマス・ウィルソン・ブラウン、ライラ・ロビンズ、フランシス・フィッシャー他。

 

大まかなストーリーは、1950年代の青春映画のような古臭さはありますが、それ自体は悪くないし、キャストも悪くない。

 

が、登場人物のキャラクター造形がかなりずれていて、それは作り手の意図通りなんでしょうが、ことごとく外してる…。

 

古臭い話を映画公開時の「1990年っぽい」テイストで描こうとして失敗した感じ。

「ミッドナイト・マーダー・ライブ」('22)

 

深夜ラジオの生放送中に悩み相談コーナーに電話してきた男に「妻子を人質にした」と告げられたDJの奔走を描いたシチュエーションスリラーです。主演はメル・ギブソン、共演はウィリアム・モーズリー、アリア・セロール=オニール、ポール・スペラ、ナディア・ファレス、ケヴィン・ディロン他。

 

ありがちなスリラーと見せて最後で全てをひっくり返す展開自体はいいのですが、そのドンデン返しとオチが史上最悪に胸クソ。

 

これを面白いと思える人も少なくないんでしょうが、いわゆるサプライズやドッキリの類が嫌いな自分にとって、この映画のオチは最悪。作り手の意図としては主人公たちを含め、このオチを否定的なものとして描こうとしているのかもしれませんが、それでも自分としては受け入れられないです。

 

二度と観たくないし、思い出したくもないです。

「エスター ファースト・キル」('22)

 

9歳の「少女」を幼女として引き取った家族が見舞われる恐怖を描いた「エスター」('09) の前日譚で、前作に引き続き、主人公である「少女」をイザベル・ファーマンが演じています。共演はジュリア・スタイルズ、ロッシフ・サザーランド、マシュー・アーロン・フィンラン、ヒロ・カナガワ他。

 

Wikipedia「エスター ファースト・キル」

 

前作は確かに面白かったのですが、だからと言って、エスターの正体がわかってしまっている以上、前日譚が面白くなるとは到底思えず、全く期待せずに観たのですが、これが予想以上に面白かった (^^)v

 

前作で紹介されていたように、エスターの家族が全員火事で亡くなって孤児となった経緯を描いているのですが、そんな単純な話ではないのがグッド!

 

確かに、行方不明だった娘を名乗る少女を無条件に娘として受け入れてしまう時点で妙だなぁとは思いましたけどね (^^)v

 

そして、前作で大人びた「少女」を子役として演じていたイザベル・ファーマンが再び同じ役を演じる驚き!!

 

後ろ姿やロングショットは明らかに代役だとわかってしまうし、かなり無理はありましたが、元々子役時代から大人びた顔立ちだったおかげで、実際に大人になった今も雰囲気は大きく変わらず、エスターの正体を知った上で観ると、むしろ今の方が役には合っているように思えてしまうのです。

 

とにかく、前作を楽しめた人なら、この前日譚も充分に楽しめるのではないかと思います。

 

ところで、あれだけの大金持ちの一家の唯一の生き残りということになっているはずなのに、遺産はどうなったんでしょう? (^^;;;

 

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「ボーダータウン 報道されない殺人者」('07)

 

メキシコで12年間も続いた大量女性殺人事件から着想を得た作品で、米国の女性記者による命懸けの調査を描いた社会派のサスペンス映画です。主演はジェニファー・ロペス、共演はアントニオ・バンデラス、マヤ・サパタ、マーティン・シーン、ソニア・ブラガ、フアネス他。

 

実際にメキシコで起きた大量女性殺人事件を娯楽映画の題材として単に「消費」するのではなく、グローバル化に伴う格差の拡大という社会問題と結びつけることで、メッセージを世の中に広く訴えようという作り手の意図はわかります。その意気込みは強く感じました。

 

が、問題をあまりに簡略化し過ぎたために、結果的に大量女性殺人事件と社会問題の結びつけ方が雑でダウン

 

こんな雑な内容では、カルトに洗脳された頭のおかしい活動家やテロリストと同じです。意気込みだけでは本当に伝えたいことも伝わらないという当たり前のことを一から学び直した方が良いと思います。

「あのこと」('21)

 

フランスの作家アニー・エルノーの自伝的小説「事件」を原作とし、当時はまだ中絶が違法だった1960年代のフランスを舞台に、予期せぬ妊娠をした女子大生が、孤立無援の中でも自身で事態を解決しようと苦闘する姿を描いたドラマ映画です。主演はアナマリア・ヴァルトロメイ、共演はサンドリーヌ・ボネール、アナ・ムグラリス、ケイシー・モッテ・クライン、ルアナ・バイラミ、ピオ・マルマイ他。

 

Wikipedia「あのこと」

 

ほぼ一貫してカメラが主人公を撮し続けることで、主人公に寄り添って彼女と同じ体験を共有する、一種の「バーチャルリアリティ」のようなイメージ。

 

聡明で相手の男性にもはっきりと自分の意思を伝えられる主人公が何故避妊をしなかったのか、また妊娠の可能性をどうして全く考えていなかったのかという疑問はありつつも、それでもこのような事態に陥った場合に女性側が一方的に苦しむことになる不公平さ、そして家族を含めて周囲に表立って助けを求められない孤独感は強く胸に迫りました。また、何とか対応してくれる「闇医者」を見つけたとしても、その手術環境はあまりに貧弱で不衛生。当時は中絶を試みて亡くなる女性が珍しくなかったのも当然でしょう。

 

歴史的事実として、こうやって映像として記録に残しておくことの重要性を感じる映画でした。

「ニューオーダー」('20)

 

いつ起きても不思議ではない社会崩壊の危機を描いた、ミシェル・フランコ監督によるサスペンス映画です。主演はナイアン・ゴンサレス・ノルビンド、共演はディエゴ・ボネータ、モニカ・デル・カルメン、フェルナンド・クアウトレ、エリヒオ・メレンデス他。

 

リアリティという点では極端すぎるところや気になるところはありますが、救いの全くない結末まで、すっかり見入ってしまいました。

 

ディストピアを舞台にしたフィクションは古今東西、世の中にいくらでもありますが、それらはディストピアになってからある程度の月日が経った後が舞台になっていることが多いのに対し、現代社会がディストピア社会になるまでを描いた作品はちょっと珍しいと思います。

 

また、いわゆる軍事クーデターそのものではなく、格差社会に対する不満を募らせた市民の抗議運動が暴動となってしまったことがすべての始まりであり、その暴動を鎮圧する目的で軍が力を持って支配する、しかも、暴動につながった裏に軍が関与していることが仄めかされるあたりも妙な現実味があってホラー映画のような怖さを感じます。

 

描かれる出来事は残酷でかなり劇的なのですが、それを一貫して淡々と描くことで一段と恐ろしく感じさせますし、確かにこういったことはいつどこで起きてもおかしくないと思わせる説得力はありました。