Marc のぷーたろー日記 -83ページ目

「スペースアドベンチャーコブラ」('82)

 

寺沢武一さんのSF漫画「コブラ」の初の映像化作品となるアニメーション映画です。声の出演は松崎しげるさん、中村晃子さん、風吹ジュンさん、藤田淑子さん、睦五郎さん、田島令子さん、榊原良子さん他。

 

Wikipedia「コブラ (アニメ)」

 

「コブラ」のアニメ化作品というとテレビシリーズが有名なので、主人公コブラの吹き替えとしては野沢那智さんがよく知られていると思いますし、確かに野沢那智さんの声はピッタリ。

 

が、そのテレビシリーズの前に「コブラ」の初アニメ化作品として公開された本作もそんなに悪くない。作画は美麗だし、演出もダイナミックで、むしろかなり好き。

 

映画公開当時は松崎しげるさんをはじめとする声優のプロではない方の吹き替えに対して批判的な声が多かったですし、確かにお世辞にも上手くはありません。

 

それでも、松崎しげるさんの声自体は合っているし、中村晃子さんのジェーン、風吹ジュンさんのドミニク、睦五郎さんのクリスタル・ボーイもそれぞれ雰囲気があって悪くないし、実は結構気に入っていたりします。

 

そして何と言っても、松崎しげるさんが歌う主題歌「デイドリーム・ロマンス」が本当に素晴らしく、本編ではオープニングとクライマックスシーンの2回使われているのですが、実に印象的で作品の世界観にもピッタリ。この主題歌だけでも充分に観る価値のある映画と言えるほど。

 

もしまだ観たことのない方がいらっしゃるのであれば、是非ともお勧めしたい作品の1つです。

「ドント・ウォーリー・ダーリン」('22)

 

理想の楽園のような町で幸福な日々を送っていた人妻に忍び寄る恐怖を描いたスリラー映画です。主演はフローレンス・ピュー、共演はハリー・スタイルズ、クリス・パイン、オリヴィア・ワイルド、ジェンマ・チャン、キキ・レイン他。

 

Wikipedia「ドント・ウォーリー・ダーリン」

 

出演もしている女優オリヴィア・ワイルドの長編映画監督2作目となる本作。前作の「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」('19) とは全く違う系統の作品で、その振り幅にビックリ (@o@)

 

しかし、前作以上に女性映画監督としてのメッセージ性を強く感じました。

 

正直なことを言えば、世界観の構築が甘く、物語としてのまとまりがちょっと悪い気がするのですが、それでもメッセージは強く迫ってきましたし、共感も理解もできました。

 

女性だけでなく、むしろ男性こそ観るべき映画でしょう。

 

関連記事

「ラーゲリより愛を込めて」('22)

 

辺見じゅんさんのノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を原作とし、第2次世界大戦後に夫がシベリアのラーゲリ(強制収容所)に不当に抑留されながらも、再会を願い続けた夫婦の11年に及ぶ愛を描いたドラマ映画です。主演は二宮和也さん、共演は北川景子さん、松坂桃李さん、中島健人さん、寺尾聰さん、桐谷健太さん、安田顕さん他。

 

Wikipedia「ラーゲリより愛を込めて」

 

主人公のモデルとなった山本幡男さんの実話はよく知られていますし、同じ原作は既に1993年にテレビドラマ化もされています。

 

そんなこともあって、内容そのものよりも、この話を21世紀の今の時代に、このキャストで映画化した意味を考えながら観ていました。

 

はっきり言ってしまうと、収容所のシーンが小綺麗で明るく、また映画全体を通して照明が明るすぎて現実味がなく、シベリア抑留の悲惨さの描き方としては充分とは思えませんでした。ただ、これは今の時代に映画館の大画面だけでなく、テレビやスマホなどでも観られることを想定してのことなのかなと。

 

また、登場人物の感情表現がわかりやすく大仰なのですが、少なくとも当時の日本人はこのようなストレートな感情表現はしないので、かなり違和感がありました。ただ、この映画に限らず、最近の日本映画は全体として昔の日本映画と比べて感情表現をわかりやすく描くようになっているので、仕方ないのかなとは思っています。

 

とにかく、若い世代に人気も知名度もある有名俳優を多く起用していることからも明らかなように、シベリア抑留を知らない世代に、過去の事実を知ってもらいたいという作り手の意図はよくわかりましたし、その目的は充分に達していると思います。

「レベッカ・マーティンソン〜型破りな捜査〜」('17)

 

変わり者でやり手な弁護士の女性がかつて捨てた故郷へと戻り、次々と起きる事件の渦中に巻き込まれていくさまを描いたミステリドラマシリーズ全8話です。主演はイーダ・エングヴォル、共演はエヴァ・メランデル、トーマス・オーレドソン、ヤーコプ・エールマン、ラース・リンド他。

 

全8話ですが、基本的に2話ずつで完結するので、日本で言うところの2時間ドラマ4本分という感じ。

 

北欧のサスペンスらしく、寒々しく、残酷な内容ですが、ミステリとしてはさほど意外性はなく、そのため逆に気楽な気持ちで観られる、まさに「時間潰しにはちょうど良い」ドラマ。期待値を高くしなければ充分に楽しめます。

 

ただ、主人公の生い立ちを意味深に見せていながら、それが物語の本筋にほとんど関わって来ず、そのため企業弁護士として充分に成功している主人公が何故そこまで殺人事件にこだわるのか、臨時の検事の仕事に没頭するのか、そのあたりの理由づけがわかるようでわからない、曖昧な描写なのは気になりましたけどね。

 

シーズン2も既に本国では放映済みらしく、機会があれば観たいとは思うのですが、主演だけが別の女優に変わっていて、しかもタイプがちょっと違うので「う〜む」という気持ちにはなっています…。

「封印された入り江」('20)

 

出産したばかりの息子など子ども3人を連れて失踪した妻の行方を追う夫が知ることになる悲劇の真相を描いたサスペンススリラーです。主演はオルガ・キュリレンコ、クレス・バング、共演はブライアン・コックス、キャロライン・グッドール他。

 

Wikipedia「封印された入り江」

 

この映画の作り手はそもそもリアリティなど全く考えておらず、一種の「ファンタジー」のように描こうとしているとしか思えないので、そんな映画に対して指摘しても何の意味もないのはわかっているけれど、それでも言いたい。

 

リアリティがないにもほどがある!!

 

どこを取っても、とにかく雑。

 

この映画の関係者は誰も何も指摘しなかったんでしょうか?

「スモールワールド」('21)

 

国際的な人身売買ネットワークを追って、児童ポルノや児童売春の世界で10年以上も捜査を続ける刑事の執念を描いたサスペンスアクションです。主演はピョートル・アダムチク、共演はエンリケ・アルセ、ユリア・ヴィーニャーヴァ、モンセラート・ロイグ・デ・プイグ、アンドリス・ケイス、アナスタシア・ミクルチナ他。

 

作り手の意図はわかります。

 

現実にある深刻な問題を1人でも多くの人に知ってもらうために、ドキュメンタリーではなく、敢えて「サスペンスアクション」という娯楽映画の体裁で作りつつも、テーマに対して真摯に取り組んでいるのは伝わってきます、

 

また、主人公を「ヒーロー」ではなく、おぞましい事件を追い続けているうちに自らも狂気に陥っていく生身の人間として描いているのも理解できます。

 

ただ、あまりに尺が足りない…。

 

これは単なる想像ですが、脚本や撮影の段階ではもっと長い尺だったのを興行面の理由から大幅にカットしたんだろうなと思えてならないのです。

 

そのため、物語の中心である人身売買の問題と主人公の苦悩という2本柱のどちらも充分に描ききれておらず、ストーリーテリングとしてはあまりにぎこちなく、展開に唐突感が否めず、ディテールの雑さも気になって仕方ないのです。

 

また、主人公が最後に取る行動も、理解はできますし、それまでの流れから言えば当然の帰結と言えなくもないのですが、あまりに極端すぎて、「サスペンスアクション」を期待している観客の溜飲を下げさせるための「作り物感」が強すぎるのです。

 

とにかく、2時間以内の尺に収める必要があるのであれば、いっそのこと主人公の物語を削って人身売買の物語に完全にフォーカスしてしまった方が良かったんじゃないかと思うのですが、作り手側はどうしてもそこは譲れなかったんでしょうね…。

 

題材もいいし、主演のピョートル・アダムチクは熱演しているだけに「惜しい…」という気持ちになってしまう映画でした。

「天使のたまご」('85)

 

ノアの方舟が陸地を見つけられなかった世界を舞台に「天使のたまご」を抱きかかえて温めながら孵るのを待っている少女と謎めいた少年を描いた、押井守監督によるファンタジーアニメです。声の出演は根津甚八さん、兵藤まこさん。

 

Wikipedia「天使のたまご」

 

押井監督作品の中では好きな方の作品で、これまでに何度も観ていますが、今回久しぶりに全編を観直してみて、改めてその素晴らしさに感激。

 

今では難解な作品の代名詞とも言われていますが、公開当時からそこまで難解だとは思えないんですよね。

 

この作品の前年の押井監督作品「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」('84) とコンセプトは基本的に同じで、彼が本当に描きたかったことだけを抽出して煮詰めたような感じ。聖書をはじめとするキリスト教からの引用も、フロイト的メタファーもストレートでわかりやすいし。

 

とにかく、もはや狂気レベルの緻密な作画、絵画のようにバッチリと決まっている画面構成、不気味だが美しく物悲しい音楽、それら全てが見事に融合し、素晴らしいアート作品として仕上がっています。

 

押井作品が好きな人なら一度は観ておくべき作品だと思います。

「VETERAN ヴェテラン リベンジ」('22)

 

娘のためギャングにたてついて殺された元軍人の無念を晴らすため、彼を慕った退役軍人の老兵たちが復讐に立ち上がるさまを描いたリベンジアクションです。主演はニック・モラン、共演はダニー・トレホ、リー・メジャース、イアン・オギルヴィ、ルイス・マンディロア、パッツィ・ケンジット、マイケル・パレ他。

 

超シリアスな感じで始まったかと思ったら、本格的に復讐に挑み始めてからは、いわゆるアクションコメディに。それもかなりゆる〜い感じ。

 

それはともかくとして、続編を作り気満々な終わり方でしたけど、おじいちゃん俳優たちが見た目以上に本当に老人なので、いつまで続けられるんでしょ (^^;;;

 

とにかく、何も考えずに気楽に観られるのはいいんだけど、もうちょっとおじいちゃんたちが工夫を凝らして敵を倒すのかと思いきや、大した工夫もなく、正攻法で普通に戦って勝っちゃうので、単に敵がしょぼいだけに見えちゃうダウン

 

敵のギャングのボスは、警察も怖がって手を出せないほど、冷酷非情なサイコパスという設定のはずなのに、ただの無能な間抜けにしか見えないダウン

 

おじいちゃんたちのキャラは魅力的なので、本当に続編を作るなら、もうちょっとマシな脚本でお願いします。

「コードネーム:バンシー」('22)

 

スパイ反逆罪の容疑をかけられた父と恩師の汚名をそそぐため、バンシー(死神)の異名を持つ美しき暗殺者が真相解明に挑むさまを描いたサスペンスアクションです。主演はジェイミー・キング、共演はアントニオ・バンデラス、トミー・フラナガン、キム・デロンギ、キャサリン・デイヴィス他。

 

映像のタッチは比較的好み。

 

セピアを基調としたくすんだ色調の画面は雰囲気があってグッド!

 

主演のジェイミー・キングも悪くないし、シリーズ化しそうなエンディングも嫌いじゃない。

 

が、ストーリーがテキトーなのは、そもそもそこに何も期待していないのでどうでもいいんですけど、肝心のアクションが単調すぎて面白くないし、アクション以外のシーンに作り手のこだわりは感じつつも、ただテンポを悪くしているだけダウン

 

素材が悪くないだけにもったいないなぁとしか思えませんでした。

「かがみの孤城」('22)

 

本屋大賞を受賞した辻村深月さんの同名ベストセラー小説を原作とし、鏡に吸い込まれるように不思議な孤城に集められた7人の中学生たちの成長を描いたアニメーション映画です。声の出演は當真あみさん、北村匠海さん、吉柳咲良さん、板垣李光人さん、横溝菜帆さん、高山みなみさん、梶裕貴さん、麻生久美子さん、芦田愛菜さん、宮崎あおいさん他。

 

Wikipedia「かがみの孤城」

 

とても繊細に丁寧にまとまっているのですが、綺麗に美しくまとまりすぎているので、人によっては綺麗事に見えてしまうかもしれませんし、現実の残酷さを矮小化しているように感じる人もいるかもしれません。

 

それでも、この作品に触れることで救われる子供は確実にいると思いますし、子育て中の親御さんはもちろん、1人でも多くの大人が触れるべき作品だと感じました。