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「ニューオーダー」('20)
いつ起きても不思議ではない社会崩壊の危機を描いた、ミシェル・フランコ監督によるサスペンス映画です。主演はナイアン・ゴンサレス・ノルビンド、共演はディエゴ・ボネータ、モニカ・デル・カルメン、フェルナンド・クアウトレ、エリヒオ・メレンデス他。
リアリティという点では極端すぎるところや気になるところはありますが、救いの全くない結末まで、すっかり見入ってしまいました。
ディストピアを舞台にしたフィクションは古今東西、世の中にいくらでもありますが、それらはディストピアになってからある程度の月日が経った後が舞台になっていることが多いのに対し、現代社会がディストピア社会になるまでを描いた作品はちょっと珍しいと思います。
また、いわゆる軍事クーデターそのものではなく、格差社会に対する不満を募らせた市民の抗議運動が暴動となってしまったことがすべての始まりであり、その暴動を鎮圧する目的で軍が力を持って支配する、しかも、暴動につながった裏に軍が関与していることが仄めかされるあたりも妙な現実味があってホラー映画のような怖さを感じます。
描かれる出来事は残酷でかなり劇的なのですが、それを一貫して淡々と描くことで一段と恐ろしく感じさせますし、確かにこういったことはいつどこで起きてもおかしくないと思わせる説得力はありました。