お母さんが一緒
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三姉妹が親孝行のために母親を連れ出した温泉旅行の行く末を描いたコメディ映画です。主演は江口のりこさん、内田慈さん、古川琴音さん、共演は青山フォール勝ちさん他。
ここまで姉妹同士の仲が悪く、しかも3人とも母親を嫌っているのに、どうして家族旅行をすることにしたのか謎でしたが、結局は、孝行したいと思うほどには母親を愛しているし、三姉妹も所謂「喧嘩するほど仲が良い」関係であるというオチは、悪くはないのですが、僕の好みではありませんでした。
三姉妹のキャラクター造形にしろ、その3人によって語られる両親の姿にしろ、コメディとして誇張はあるにしても、現実味があり、その生々しさのせいで観ている間はただただしんどく、家族全員が互いに完全に縁を切った方がいいとしか思えなかったのです。
直木賞作家・佐藤愛子さんのベストセラーエッセイ集「九十歳。何がめでたい」「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」を映画化したコメディ映画です。主演は草笛光子さん、共演は唐沢寿明さん、藤間爽子さん、木村多江さん、真矢ミキさん他。
エッセイの映像化作品ではありがちなので観る前から予想はしていましたが、エッセイを映像化した部分は面白いのに、それ以外の「追加」部分がノイズ。とにかく陳腐で退屈。
エッセイ集をそのまま映像化しても「映画」にはならないので、「物語」にするために色々「足す」のは分かるんですけど、もうちょっと工夫が欲しかったです。
高齢の元大統領を執拗に悩ませ続けている悪夢に秘められた陰謀に気付いた精神科医を描いたスリラー映画です。主演はジョン・ヴォイト、マートン・チョーカシュ、共演はローナ・ミトラ、フィリップ・ウィンチェスター、ショーン・マグワイア、アレクサンダー・カリム他。
一般的にこの手の映画では、精神科医の方が大活躍すると思うのですが、最終的には陰謀のターゲットである元大統領が最も活躍するという、往年の大スターであるジョン・ヴォイトのための「接待映画」としか思えない内容 (^^;;;
キャストはそれなりに充実しているのに漂いまくるB級感は、映像のチープさのせい。もうちょっと照明や撮影を工夫すれば、だいぶマシになったんじゃないかなぁと思えてなりません。
シリアスなスリラーのつもりで作ったけれど、いろいろと間違ってコメディになってしまった映画と思えば、充分に面白いと思います (^^)
イギリスの作家ヴェラ・ブリテンの1933年の自伝「Testament of Youth」を原作とし、第一次世界大戦時に看護師として働いた女性を描いた歴史ドラマ映画です。主演はアリシア・ヴィキャンデル、共演はキット・ハリントン、タロン・エジャトン、コリン・モーガン、ドミニク・ウェスト、エミリー・ワトソン、ミランダ・リチャードソン他。
21世紀の今の時代、戦争の悲惨さを描いた作品は世に溢れており、それらの他の作品と比べて何か特筆するほど目新しいものはないのですが、それでも気を衒うことなく、真摯に映像化されており、心を打つものは間違いなくありました。
ただ、主人公のキャラクターは、物語の主人公としてはいいのですが、相手の気持ちを無視して自分の感情を押し付けがちで、実際に身近にいたら距離を置きたくなる (^^;;;
ところで、主人公の弟を演じたタロン・エジャトンにとっては、出世作の「キングスマン」('15) の前に公開された作品。非常に印象的で彼の個性や魅力も活かされており、彼のファンならば必見の作品です (^^)v
1947年のボストンマラソンに、祖国の独立と名誉のために出場した韓国チームの苦難と栄光を描いた歴史ドラマ映画です。主演はハ・ジョンウさん、共演はイム・シワンさん、ペ・ソンウさん、パク・ウンビンさん、キム・サンホさん他。
予想通り、良くも悪くも「韓国映画らしい韓国映画」。
その「ベタさ」が気にならないと言ったら嘘になりますが、そういうものだと割り切れば、感動的なスポーツ伝記映画です。
とにかく、シリアス一辺倒ではなく、全体にコミカルな味付けだったのは![]()
そのおかげで、かなり観やすい映画になっていたと思います。
1968年にフォード自動車のダゲナム工場で起きたストライキをもとに、男女の賃金格差に抗議してストを断行した女子労働者たちの姿を描いたドラマコメディ映画です。主演はサリー・ホーキンス、共演はミランダ・リチャードソン、ボブ・ホスキンス、ジェラルディン・ジェームズ、ロザムンド・パイク、アンドレア・ライズボロー、ジェイミー・ウィンストン、ダニエル・メイズ、アンドリュー・リンカーン、ルパート・グレイヴス他。
これだけ充実したキャストが揃っている作品なのに、これまで存在すら全く知らず。そんな自分を叱りたいくらい、いい映画でした (^^)v
もちろん、実話をもとにしている割には上手く行き過ぎているし、綺麗事に見えてしまう部分もありますが、基本的に明るく軽やかに描かれており、痛快で後味が良いのが![]()
21世紀の今では当たり前のことも、こうやって闘って来た人たちの努力の成果であるということを決して忘れてはいけないんだなと思わせてくれます。
そして何より印象に残ったのは男性の描き方。
女性たちを都合よく助けてくれる「白馬の騎士」的な、「結局は男が助けなければダメなんでしょ?」と思わせるようなキャラを一切登場させず、あくまで主導するのは女性であり、味方の男性たちはそれを陰ながら応援するという立ち位置で徹底させているのがいい。中でも、主人公の夫を単なる「理解のある良い夫」として描くのではなく、当時としては確かに「良い夫」ではあるものの、彼もまた古い価値観に縛られて勘違いしていたことに気付かされて「成長」するのが![]()
お勧め (^^)v
大学を卒業したばかりの男女7人の成長を描いた青春映画です。出演はエミリオ・エステベス、ロブ・ロウ、アンドリュー・マッカーシー、デミ・ムーア、ジャド・ネルソン、アリー・シーディ、メア・ウィニンガム、アンディ・マクダウェル、マーティン・バルサム他。
1980年代を代表する青春映画としてあまりに有名で、僕と同年代以上の映画好きなら、ほぼ間違いなく1度は観ているであろう作品。
が、何故か当時から全く食指が動かず、これまで観たいと思ったことは一度もなかったのです。
今回、たまたま観られる機会があったので試しに観てみました。
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全く合わなかった…。まさに「not for me」。
男たちがことごとく気持ち悪いし、女たちはご都合主義な薄っぺらいキャラだし、観ていて「うわぁ…」という寒気しかしませんでした。そもそも2時間程度の尺で7人ものキャラクターを描き切るのは無理でしょう。
ただ、仲間の中の誰かと誰かが結ばれて「幸せに暮らしましたとさ」という安易なエンディングにしなかったのだけは![]()
このエンディングのおかげで、後味は悪くないし、観て損したとまでは思いませんでした。でも、もう二度と観ることはないと思います (^^)
誘拐した大富豪の12歳の娘が吸血鬼だったことから6人組の誘拐犯が見舞われる惨劇を描いたサバイバルアクションホラーです。出演はメリッサ・バレラ、ダン・スティーヴンス、アリーシャ・ウィアー、キャスリン・ニュートン、ウィル・キャトレット、ケヴィン・デュランド、アンガス・クラウド、ジャンカルロ・エスポジート他。
観る前は、よくあるスラッシャー映画の殺人鬼を「12歳の少女に見える吸血鬼」に設定しただけと思って、さほど期待していなかったのですが、これが予想外に面白かった (^^)v
「12歳の少女に見える」設定も、「吸血鬼」の設定も活かし切っているし、終盤の展開は「そう来たか!!」という感じ。
当然ながら「血みどろ」なので観る人を選びますが、少なくとも「スラッシャー映画」好きなら楽しめると思います (^^)
テレビアニメ「鉄腕アトム」初の劇場版であるパートカラー映画を全編フルカラー化した特別版です。声の出演は清水まりさん、勝田久さん、水垣洋子さん、矢島正明さん、熊倉一雄さん、田上和枝さん、北条ミチルさん他。
元々は、第46話「ロボット宇宙艇」、第56話「地球防衛隊」、第71話「地球最後の日」の3本を劇場用に再編集し、「地球防衛隊」の全編と「地球最後の日」の一部を劇場公開の際にカラー版として再制作したパートカラー作品。それをAIを使ってフルカラー化したとのこと。
ストーリー自体は完全に幼児向けなのでどうでもいいのですが、AIによるカラー化がとても自然で違和感が全くなかったのは![]()
モノクロの実写映像をカラー化するとどうしても「色を塗った」感が出てしまうのですが、アニメーションの場合はそういった違和感がないのは当然ではあるものの、間違いなく成功しています。
昭和30年代から40年代にかけて制作されたモノクロのテレビアニメの中にはモノクロであることに意味があったり、そこに芸術性があったりする作品もあるにはありますが、多くは予算や技術的な問題でカラーにできなかっただけ。この技術を使ってカラー化するのは悪くないと思います。ただし、オリジナルはモノクロであり、それを着色したものであることは明示すべきですけどね。