Marc のぷーたろー日記 -19ページ目

「星の消えた空に」('21)

 

不安障害を抱えた絵本作家の女性が産後鬱に苦しむさまを描いたドラマ映画です。主演はアマンダ・セイフライド、共演はフィン・ウィットロック、ジェニファー・カーペンター、ダーレン・ゴールドスタイン、マイケル・ガストン、エイミー・アーヴィング、ポール・ジアマッティ他。

 

Wikipedia「星の消えた空に」

 

不安障害や産後鬱に関する啓発ビデオとしては良い出来。

 

トラウマとなった幼少期の経験は、主人公が映画の中で語っているように記憶が曖昧であることは珍しくなく、そのため映画でも仄めかすだけで明確に描かないのは現実的。

 

また、安易なハッピーエンドにしないのも、問題の深刻さ、回復の難しさを示す意味で現実的。

 

が、純粋に1本の「映画」として観ると、そもそも物語として成立しておらず、ただ心の病に苦しむ女性の姿をただ延々と見せられ続けるだけ。これはシンドイ。

 

エンディングではなく、その前に入れたエピローグ的なシーンで「救い」を表現しようとしたのかもしれませんが、むしろ悲劇性が強調されているし、ただ単に問題の深刻さをストレートに表現しただけなのです。

 

なので確かに「啓発ビデオ」としては充分な出来なのですが、そもそも「映画」になっていないので、「映画」を期待して観るとかなり戸惑います。

「2度目のはなればなれ」('23)

 

老人ホームで妻と暮らす元海軍の退役軍人が、ノルマンディー上陸作戦の70周年記念式典に出席するために老人ホームをひそかに抜け出したことから起きる騒動を描いたドラマ映画です。主演はマイケル・ケイン、共演はグレンダ・ジャクソン、ダニエル・ヴィタリス、ウィル・フレッチャー、ローラ・マーカス他。

 

実話をもとにした「いい話」で、映画化されたのは大いに納得。

 

が、好みの題材、好みの話なのに、何故か最後まで全く入り込めず…。

 

実話をもとにしているから仕方ないとは思うのですが、あまりに「いい話」過ぎて、ちょっと冷めちゃったのかも…。

 

辛い経験をしたとは言え、それでも、その後は70年も愛する人と幸せに暮らせた主人公に嫉妬のような感情を抱いてしまったのかも知れません。

 

たぶん、この映画を観る時機ではなかったんでしょう。

「邪教団地 嗤う隣人たち」('24)

 

韓国第2の大都市プサンを舞台に、あるカルト教団の暗躍と、家族を守ろうとそれに抵抗する男性の奮闘を描いた社会派サスペンスです。主演はイ・ヒョヌさん、共演はムン・ジョンヒさん、パン・ミナさん他。

 

カルトの怖さはそれなりに描かれていましたし、娯楽サスペンスとしては充分な出来だと思います。90分に満たない短い尺なのも観やすいですし。

 

ただ、現実にあるカルト宗教の問題を題材にした「社会性」の観点からすると、分かりやすさを優先するあまりに、最終的に荒唐無稽な話になってしまったのは残念。

 

あそこまで分かりやすく犯罪行為を行なっている異常な宗教団体なら、とっくに警察や公安が動いているレベルだし、有力者が関わっているほど町に根付いている割に、エピローグは能天気すぎるし。

 

などなど、ツッコミどころは満載。

「フェラーリ」('23)

 

イタリアの名ブランド自動車メーカーの創始者エンツォ・フェラーリが、苦境に追い込まれていた1957年に、伝統あるレース「ミッレミリア」にすべてを懸けた実話を再現した伝記ドラマ映画です。主演はアダム・ドライヴァー、共演はペネロペ・クルス、シェイリーン・ウッドリー、サラ・ガドン、ガブリエル・レオーニ、ジャック・オコンネル、パトリック・デンプシー他。

 

Wikipedia「フェラーリ (映画)」

 

車にもレースにも全く興味がないので、ほとんど期待しないで観たのですが、そのせいもあってか意外に楽しめました (^^)v

 

ただ、最後まで観終わっての感想は、エンツォ・フェラーリの妻や愛人、愛人に生ませた子供の認知問題といった、彼の私生活に関する部分が本当に全く面白くないダウン

 

同じ話でも、彼1人を主人公にするのではなく、関係者、特にレーサー1人1人にも焦点を当てた群像劇にした方がよっぽど感動的で胸に迫る物語になったんじゃないかなぁと思えて仕方ありませんでした。

「ビッグエデン」('00)

 

ニューヨークで画家として活躍している30代の男性が、唯一の肉親である祖父が倒れたために、久しぶりに故郷「ビッグエデン」に帰ったことから繰り広げられる人間模様を描いたロマンティック・コメディドラマ映画です。主演はアリー・グロス、共演はエリック・シュウェイグ、ティム・ディケイ、ルイーズ・フレッチャー他。

 

Wikipedia「ビッグエデン」

 

四半世紀も前にこんな映画が作られていたことを知ってちょっと驚き。

 

当時としては相当に斬新な内容だし、そこで敢えて現実味のない「おとぎ話」として描いているのも、興味深いアイデア。

 

今の時代からすると、現実の問題から目を背けているだけにも見えますし、都合が良過ぎる話なのですが、「こんな夢のような世界になって欲しい」との切なる想いを描いた作品だと思うと、むしろ今の時代にこそ多くの人に観て欲しい作品と言えるかもしれません。

 

ただ、もうちょっと登場人物の心の動きを丁寧に描いて欲しかったかなという気も。現状のままでも充分に分かるんだけれど、ちょっと物足りなさを感じちゃったんですよね。

「HOW TO HAVE S○X」('23)

 

卒業旅行でギリシャの観光地を訪れた英国の10代の少女の恋の冒険を切なく描いた青春ドラマ映画です。主演はミア・マッケンナ=ブルース、共演はララ・ピーク、エンヴァ・ルイス、サミュエル・ボトムリー、ショーン・トーマス他。

 

ハリウッド映画なら間違いなくコメディとして描くような話を、敢えてそうせず、主人公の心の動きをセリフではなく、演技と演出だけでシリアスに丁寧に描いているのは見事。

 

また、この題材の多くが、主人公を分かりやすく地味でおとなしい少女に設定することが多い中、確かに遊び慣れてはいないものの、それなりに明るく元気な「普通の女の子」に設定しているのも現実味があってグッド!

 

その現実味のおかげで余計に終盤の主人公の失望感が際立って来るのです。

 

致命的な悲劇で終わるわけではなく、また「男はみんなクズ」のような安易な描き方もせず、本当に理解してくれる親友の存在など、ちゃんと救いも用意してあるのもグッド!

 

切ないけれど、主人公には前を向いて生きていってほしいと強く願うばかりの映画でした。

「ジョイランド わたしの願い」('22)

 

パキスタンの保守的な家庭に生まれ育った既婚男性が、トランスジェンダー女性と出会ったことをきっかけに家父長制の伝統的価値観と自由な生き方の板挟みとなって苦悩するさまを描いたドラマ映画です。主演はアリ・ジュネージョー、共演はラスティ・ファルーク、アリーナ・ハーン、サルワット・ギーラーニ、ソハイル・サミール他。

 

個々のエピソードは悪くないんだけれど、全体の構成やバランスに違和感。

 

こういう結末に持って来るなら、もっと主人公の妻の描写を増やすべきだし、そもそも主人公とトランスジェンダー女性の関係は、この物語で本当に必要だったのか? と思ってしまうほど、中途半端な描き方ブー

 

イスラム教国のパキスタンでトランスジェンダー女性を物語の中心に据えた映画が作られたこと自体が画期的で、それ故に高い評価を得てるんでしょうけど、そういうバイアスを外して客観的に1本の映画として観ると、決して出来のいい映画なんかじゃないです。過大評価もいいとこ。

「二つの季節しかない村」('23)

 

雪深い辺境の村での単調な日常生活に不満を抱く独善的な教師の姿を描いたトルコのドラマ映画です。主演はデニズ・ジェリオウル、共演はメルヴェ・ディズダル、ムサブ・エキジ、エジェ・バージ他。

 

200分近い長尺、しかもドラマティックな展開が起きそうで起きないまま淡々と進むストーリーであるにもかかわらず、最後まで全く飽きずに観ることができました。

 

雄大な大自然を美しく見せる一方で、そこで暮らすことの閉塞感が伝わってくる内容で、とにかく、主人公のキャラクターが興味深い。

 

この一見、共感しづらい主人公の「小物感」がリアルで、誰もがこの主人公のダメな部分を多少なりとも持ち合わせてるんじゃないかと思わせる説得力があり、それがこの映画に最後まで惹きつけられてしまった理由なのでしょう。

 

ところで、主人公を演じたデニズ・ジェリオウル。目力の強さが印象的で貫禄がありますが、1986年生まれなのでまだ30代。役の「まだ若い」という設定には合っているのですが、もうちょっと実年齢相応に見えるメイクやヘアスタイリングをしても良かったんじゃないかなぁと思ったり (^^;;;

「告白 コンフェッション」('24)

 

福本伸行さんとかわぐちかいじさんの漫画「告白 CONFESSION」を原作とし、久しぶりに登山をした男性2人のひとりが16年前に同級生の女性を殺したと告白したことから起きる惨劇を描いたスリラーです。主演は生田斗真さん、ヤン・イクチュンさん、共演は奈緒さん。

 

Wikipedia「告白 CONFESSION (漫画)」

 

好みの題材だったので期待値を高く設定しすぎてしまったかなという感じ。

 

面白くなくはないし、出来も悪いとは思わないのですが、最初から最後まで全てが予想通りの展開で、意外性も新鮮味も全くなかったのが、ただただ残念。

 

繰り返しますが、出来が悪いわけではないです。

 

ただ、期待値が高すぎて、それを全く超えて来なかったというだけです。

「ドリーム・ガール/ママにはないしょの夏休み」('24)

 

1991年の同名映画のアフリカ系キャストによるリメイクで、わけあって25歳と偽ってアパレル企業で働くことになった17歳の少女の夏休みを描いたブラックコメディです。主演はシモン・ジョイ・ジョーンズ、共演はパトリシア・ウィリアムズ、ジャーメイン・ファウラー、ジューン・スキッブ、ニコール・リッチー他。

 

Wikipedia「Don't Tell Mom the Babysitter's Dead (2024 film)」

 

1991年のオリジナル作品を観ていないのですが、アフリカ系キャストにしたことで現代的な空気は感じるものの、それでも、このノーテンキ過ぎるノリは1991年だから成立したもので、それを2020年代に持って来ても、違和感しかない…。

 

堅苦しいことを考えずに、このノーテンキなノリに無邪気に乗ってしまえばいいんでしょうけどね…。

 

コメディとして悪い出来だとは思いません。