Marc のぷーたろー日記
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「Naked As We Came」('12)

 

死期の迫った初老女性の屋敷で彼女の世話をしている「庭師」の青年と、その女性の娘と息子を描いたドラマ映画です。出演はベンジャミン・ウィーヴァー、カーマイン・アラーズ、ライアン・ヴィジラント、ルー・マクウィリアムズ他。

 

Wikipedia「Naked as We Came」

 

「いい話」だとは思います。

 

母と娘、母と息子、姉と弟、それぞれの間にある「しこり」のようなものは、いずれも類型的ではあるものの、現実的ではあります。

 

そんなわだかまりを抱えた家族3人に、1人の「他人」が混ざることで、家族間の関係に変化が生まれるのも、これまた類型的ですが、理解はできますし、その変化を「いい話」として描きたかった意図も分かります。

 

ただ、息子と「庭師」の青年の関係だけは、物語上の必要性が非常に乏しく、そこは同年代の同性同士の単なる「共感」で良かったんじゃないかと思えてならないのです。

 

この2人の「蛇足」とも言うべき関係が思いっきりノイズになっていて、映画全体が散漫でピンボケな内容になってしまっているように感じてしまったのは残念。

「さらば、わが愛/覇王別姫」('93)

 

激動の中国近代史を背景に、京劇の世界で生きる2人の役者の愛憎を描いた、チェン・カイコー監督による大河叙事詩です。主演はレスリー・チャン、チャン・フォンイー、共演はコン・リー、リゥ・ツァイ、グォ・ヨウ他。

 

Wikipedia「さらば、わが愛/覇王別姫」

 

大昔に観て以来、本当に久しぶりに観てみました。

 

昔、初めて観た時に最も印象に残ったのは、主人公2人が10代の頃、初めて「覇王別姫」を演じた頃の一連のエピソード。演じる子役のハマりぶりと説得力のある演技が強く胸に迫りました。

 

今回も同様に、そのエピソードには心を打たれましたが、映画全体に対しては前回とはちょっと違った感想を抱きました。

 

前回は、主人公が「時代に翻弄された」部分が強く印象に残ったため、主人公に対して「気の毒」という感情を抱くととともに、文化大革命のおぞましさや愚かさに強い憤りを感じました。

 

今回も確かに文化大革命に対する怒りの気持ちは変わらなかったものの、主人公の「愛する人と舞台に立って完璧な演技を披露すること以外に興味も関心もない」純粋さを全面的に肯定することができなかったんですよね…。もちろん、その純粋さを否定してしまっては物語として成立しないことは頭では分かっているんですけどね…。

 

主人公のあまりの「純粋さ」を素直に受け入れられる気分じゃなかったのでしょう。また別の機会に観れば、素直に受け入れられるのかもしれませんけどね。

 

いずれにせよ、中国の20世紀の歴史を背景にしたスケールの大きい、格調高い切ないラブストーリーとして大傑作であることに変わりはなく、まだ観たことがない人には積極的にお勧めしたい作品ではあります。

「フライト・リスク」('25)

 

小型飛行機を舞台に、司法取引した証人と保安官補とパイロットの攻防を描いた、メル・ギブソン監督による航空サスペンスアクションです。出演はマーク・ウォールバーグ、ミシェル・ドッカリー、トファー・グレイス他。

 

Wikipedia「フライト・リスク」

 

ほぼ「密室を舞台にした3人芝居」で、娯楽映画としてはそれなりに楽しめますが、取り立てて出来がいいとは思えず。登場人物たちが物語に合わせて都合よく動いている不自然さは終始否めませんでした。

 

そして何より不思議なのは、この脚本がハリウッドの脚本プロジェクト「ブラックリスト」で発表され、高く評価されたことで映画化が決まったこと。

 

そこまでの出来の脚本???

 

どこを取っても既視感しかない凡庸なプロットで、この脚本のどこが良いと評価されたのか全く分かりませんでした。

「リンリー警部の事件簿」('25)

 

米国の推理作家エリザベス・ジョージによる人気小説「リンリー警部」シリーズを原作とし、貴族の称号を持つリンリー警部が、たたき上げの巡査部長ヘイヴァースとコンビを組んで難事件に挑むさまを描いた英国産のミステリーシリーズ全8話です。主演はレオ・スーター、共演はソフィア・バークレー、ダニエル・メイズ、マイケル・ワークアイ、ニーヴ・ウォルシュ他。

 

刑事ドラマとしては悪くない。オチへの持って行き方に物足りなさを感じるところはあるものの、充分に楽しめる。

 

が、主人公2人のキャラクターが設定の割にキャラクターとしての面白みに欠けるというか、イマイチ魅力が足りないのが残念。

 

それにしても、ダニエル・メイズって、こういう役がハマるのは確かなのだけれど、同じような役ばかりでちょっと気の毒な感じ。

「時を超えたクリスマス」('15)

 

遠い地で憧れの仕事に就くか、故郷で理想の男性と結婚するかの選択で悩む若き心理学者の女性が不思議な御者に導かれて3年後の人生を体験することになるさまを描いたテレビ映画です。主演はエロイーズ・マムフォード、共演はマイケル・スタール=デヴィッド、クリストファー・ロイド、ウィリアム・シャトナー、テス・アトキンス他。

 

毎年クリスマスシーズンに米国で放映されるロマンティックコメディとしては充分な出来で、家族で安心して気楽に観られるのはいいんですが、「そんなに簡単に問題が解決するなら、最初から悩む必要なんてなかったじゃん!!」としか思えないのは👎

 

もちろん、21世紀の作品としては「妥当な結末」であり、その結末自体は悪くないのですが、主人公が人生の岐路に立って悩むという物語の根幹部分に説得力が皆無だったのは致命的。

 

雑な脚本だなぁとしか思えませんでした。

「ロイヤル・クリスマス:恋する家庭教師」('15)

 

ふとしたことから、クリスマスの時期にヨーロッパ某国の王女の家庭教師として働くことになったアメリカ人女性を描いたテレビ映画です。主演はダニカ・マッケラー、共演はルパート・ペンリー=ジョーンズ、エリー・ボタリル、パヴェル・ダグラス、デボラ・ムーア、アレクサンドラ・エヴァンス他。

 

10年前の映画なので古臭さは否めませんが、いかにもアメリカ人が好きそうなシンデレラストーリー。

 

設定を聞いただけで、誰もが完璧に結末まで予想できてしまう陳腐なストーリーで、意外性も新鮮味も皆無。

 

それでも、クリスマスシーズンにアメリカの一般家庭で家族揃って観るにはちょうどいい内容で、同じような内容のテレビ映画が毎年作られ続けていることを考えれば、充分に及第点は取っています。

 

ただ、内容よりも主演のダニカ・マッケラーの化粧のケバさが気になって仕方ありませんでした。清貧で心優しいキャラクターという設定に全く合っておらず、何故ここまでケバいメイクをする必要があったのか本当に謎。

「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」('22)

 

驚異の3D映像が話題となり、世界中で大ヒットしたSF映画「アバター」('09) の16年後を描いた続編です。主演はサム・ワーシントン、共演はゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、クリフ・カーティス、ケイト・ウィンスレット他。

 

Wikipedia「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」

 

前作は当時話題になっていた3D映像を「体験」するために観ただけで、ストーリーそのものは陳腐で退屈だったので、続編には全く期待するところがなく、観る気は全くありませんでした。ただ、今回たまたま機会があったので観てみました。

 

いつものことながら、ジェームズ・キャメロンは娯楽大作を作るのが上手いなぁ。

 

ストーリーもキャラクターもシンプルで分かりやすく、下手をすれば凡庸で退屈になりそうなところを、映像と演出で「映画として」観客を楽しませることを徹底して追求してる。

 

とは言っても、ストーリーそのものはあまりに単純なので「退屈な話」であることは否定しようがないけどね (^^;;;

 

宮崎駿監督作品からの影響を公言しているだけあって、前作は「もののけ姫」、本作は「風の谷のナウシカ」の影響がはっきりと見て取れますが、内容自体は劣化版でしかなく、薄っぺらい。とにかく「大味」。

 

それでも、広く一般大衆に受け入れられることを目的として作られる「ハリウッド超大作」としての仕上げ方は「流石」としか言いようがないです。

 

関連記事

「ハリケーン」('79)

 

南海の孤島を舞台に、禁断の恋に落ちた一組の男女のロマンスと彼らに襲い掛かる強烈なハリケーンの行く末を描いたスペクタクル冒険恋愛映画です。主演はミア・ファロー、共演はデイトン・ケイン、ジェイソン・ロバーズ、ティモシー・ボトムズ、マックス・フォン・シドー、トレヴァー・ハワード他。

 

Wikipedia「ハリケーン (1979年の映画)」

 

クライマックスの特撮シーンだけは今でも充分に観るに耐える出来ですが、それ以外の、特にストーリーは雑すぎてダウン

 

ヒロインも、当時とっくに30歳を過ぎていたミア・ファローが演じるには無理があるし、そもそも役に合ってないし。

 

何故これでOKと思ったのか謎。

 

「Make the Yuletide Gay」('09)

 

クリスマス休暇で帰省中の大学生のカミングアウトを描いたコメディ映画です。主演はキース・ジョーダン、共演はアダモ・ルッジェロ、ケリー・キートン、デレク・ロング、ハリー・ハーシュ、アリソン・アーングリム他。

 

今の時代に観ると、ちょっと古臭い題材。

 

それでも、今の時代にそぐわない話ではなく、今もこの主人公のような葛藤を抱えている人は少なくないのが現実ですから。

 

ところで、主人公の両親のキャラクター造形はかなりカリカチュアされていて、自分はとっても苦手なのですが、米国のコメディ作品では定番とも言えるキャラクターなので、こういったキャラクターを主人公の両親に設定している本作は、恐らく「米国では」安心して観られるホームコメディなんでしょう。

「憐れみの3章」('24)

 

ヨルゴス・ランティモス監督による3章形式のオムニバスドラマ映画です。主演はエマ・ストーン、ジェシー・プレモンス、共演はウィレム・デフォー、マーガレット・クアリー、ホン・チャウ他。

 

Wikipedia「憐れみの3章」

 

ヨルゴス・ランティモス監督らしい不条理な世界。

 

かなり極端で突飛な話ではありますが、背景に「マインドコントロール」「被害妄想」「カルト宗教」という現実にある問題を置くことで「こういうこともあるかも…」と思わせる怖さがあります。人間とは何と恐ろしく、おぞましい生き物か…。

 

笑うに笑えない、でも笑っちゃうダークなユーモアもあり、ヨルゴス・ランティモス監督作品が好きな人なら充分に楽しめるはず。

 

ただ、これまでのヨルゴス・ランティモス監督作品と比べても、不条理さやおぞましさが増しているので、観る人を相当に選ぶことは確かでしょう。

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