Marc のぷーたろー日記
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「惑星ソラリス」('72)

 

ポーランドの作家スタニスワフ・レムの小説を原作とし、人知を超えたものとの遭遇、極限状態での人間の葛藤を描いた、アンドレイ・タルコフスキー監督によるSF映画です。主演はドナタス・バニオニス、共演はナタリア・ボンダルチュク、ユーリー・ヤルヴェト、アナトリー・ソロニーツィン他。

 

Wikipedia「惑星ソラリス」

 

非常に有名な作品で、映画ファンなら観ていて当たり前とも言える作品。

 

が、これまで全く食指が動かず、意識的に避けていた部分もあったのですが、機会があったので、一度くらいは観ておかなければという、一種の「義務感」のような気持ちで観てみました。

 

確かに、映画史に残る作品であることは分かります。

 

SF映画の体裁をとりつつも、描きたいのは哲学的なものであり、それを表現するための不条理劇的要素をSF設定で裏付けただけ。後のSF作品などに多大な影響を与えたのは当然と言えば当然。

 

が、この映画の影響を受け、その上で娯楽性を高めた作品があまりに多く作られ、それらを数多く観て来てしまった身としては、純粋にこの作品を1本の映画として観ると、ただただ退屈でしかなく…。

 

要は「歴史的価値」以外に観るべきところはなかったのです。

 

全て予想通りでした。

「死の十字路」('56)

 

江戸川乱歩の小説「十字路」を原作とし、愛人を殺そうとした妻を誤って殺してしまった会社社長の中年男性を描いたサスペンス映画です。主演は三國連太郎さん、共演は山岡久乃さん、新珠三千代さん、大坂志郎さん、芦川いづみさん、三島耕さん、安部徹さん他。

 

Wikipedia「十字路 (江戸川乱歩)」

 

元々原作自体が、乱歩ではない別人が考えたプロットをもとに乱歩が執筆したことが公になっている作品で、乱歩らしさはないのですが、この映画も乱歩らしさはほとんど感じられず。ストーリーは、今の時代となって観ると「平凡な2時間サスペンス」といった感じ。

 

が、とにかく主演の三國連太郎さんの個性と魅力が活きていて、それだけで極上の倒叙ミステリに仕上がっています。

 

倒叙ミステリ好きなら一見の価値はあるでしょう。

「スペンサー ダイアナの決意」('21)

 

ダイアナ元皇太子妃が、(後の英国王)チャールズ皇太子との離別を決意したクリスマス休暇の出来事を描いたドラマ映画です。主演はクリステン・スチュワート、共演はジャック・ファーシング、ティモシー・スポール、ショーン・ハリス、サリー・ホーキンス他。

 

Wikipedia「スペンサー ダイアナの決意」

 

イギリス王室のクリスマス休暇という特異な世界を覗き見る面白さはあるものの、話自体はあまりに退屈。この映画で描かれるダイアナは、良く言えば「無邪気」だが、30歳にしてはあまりに幼稚、皇太子妃としてはあまりに無責任でしかなく、元々ダイアナに対してさほど好印象を持っていない人間にとっては視聴自体が苦痛でしかないでしょう。

 

ただ、アメリカ人のクリステン・スチュワートのダイアナになり切った演技だけは見事。はっきり言ってしまうと、それ以外に観るべきところは全くありませんでした。

「殺人鬼ジョン・ゲイシー〜仮面を被った悪魔〜」('25)

 

1970年代に全米を震撼させた実在のシリアルキラー「キラークラウン(殺人ピエロ)」ことジョン・ゲイシーが起こした事件の捜査から死刑執行までを、被害者たちの背景とともに描いたサスペンススリラードラマシリーズ全8話です。主演はマイケル・チャーナス、共演はガブリエル・ルナ、マイケル・アンガラノ、ジェームズ・バッジ・デール、マリン・アイルランド、クリス・サリヴァン他。

 

Wikipedia「ジョン・ゲイシー」

 

予想以上に観応えがありました。

 

これまでホラー映画など、様々な作品で取り上げられてきた題材を、21世紀の今の時代に映像化する意味や意図は明確。これまで散々描かれてきた事件そのもののホラー映画的残酷さの表現を意図的に控えめにし、事件当時「男娼や同性愛者が快楽を求めたために被害に遭ったのは自業自得」とされた被害者たちの名誉を回復することを目的とした脚本はグッド!

 

また、さほど緻密ではない雑な事件だったにもかかわらず、何年も事件が見過ごされてきた社会的、制度的問題にも踏み込むなど「社会派」の要素があるのもいい。

 

キャストも地味ながら充実しており、特にジェームズ・バッジ・デールとクリス・サリヴァンは(僕にとっての)既存のイメージとは異なる新鮮な魅力を見せていて印象的でした。

「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」('24)

 

シーグリッド・ヌーネスの同名小説を原作とし、不治の病に侵されて安楽死を決意した女性と、彼女から最期の日々に寄り添うことを求められて葛藤する親友のかけがえのない友情を描いた、ペドロ・アルモドバル監督によるドラマ映画です。主演はティルダ・スウィントン、ジュリアン・ムーア、共演はジョン・タトゥーロ、アレッサンドロ・ニヴォラ他。

 

Wikipedia「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」

 

観る前は、いくら親友とは言え、何年も連絡を取り合っていなかった相手に「看取り」を頼むことなんてあるんだろうかとの疑問があったのですが、その点については物語の中でちゃんと説明があって納得。

 

とにかく、自分が主人公2人のそれぞれの立場だったら…と考えながら観ていました。

 

また同時に、女性2人だからこそ成立する話だなと思いながら観ていたのですが、観終わった後には、これが男性2人ならどういう話になるんだろうか? と想像を巡らせてしまい、それも観てみたいと思いました。

「ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース」('24)

 

アーティストで音楽プロデューサーでもあるファレル・ウィリアムスの半生を全編レゴアニメーションで描いたドキュメンタリー映画です。声の出演はファレル・ウィリアムス、モーガン・ネヴィル、ケンドリック・ラマー、グウェン・ステファニー、ティンバランド、スヌープ・ドッグ、ジャスティン・ティンバーレイク、ジェイ・Z他。

 

Wikipedia「ファレル・ウィリアムス」

 

ミュージシャンの半生を描いたドキュメンタリー映画としては、比較的オーソドックスな構成。

 

本人をはじめとする関係者のインタビュー映像に再現映像やアーカイブ映像を絡めるのは当然として、それらをミュージカル仕立てでまとめ上げるのも珍しくはありません。

 

が、それらを全て実写ではなく、レゴアニメで描くのはかなり画期的。

 

観る前は「奇を衒ってる」だけかと思っていたのですが、早い段階でレゴアニメで表現することの意味を説明していて「なるほど」と納得。

 

ただ、極端に鮮やかな色彩のレゴアニメで延々と綴られる映像は目に優しくない (^^;;;

 

登場人物の区別もしにくいし、途中から視聴自体がしんどくなってきました…。

 

「物語」としてはアメリカ人が好きそうな話だとは思います。

「ハルビン」('24)

 

1909年にハルビン駅で起きた伊藤博文暗殺事件の実行犯アン・ジュングンとその仲間たちの運命を描いた歴史サスペンス映画です。主演はヒョンビンさん、共演はパク・ジョンミンさん、イ・ドンウクさん、チョ・ウジンさん、チョン・ヨビンさん、パク・フンさん、リリー・フランキーさん他。

 

輝国山人の韓国映画「ハルビン」

Wikipedia「伊藤博文暗殺事件」

 

「韓国の英雄」を主人公にしているので、間違いなく「歴史大作」として作られているし、サスペンス映画として盛り上げようとした意図は分かります。

 

が、そもそもの暗殺事件自体が、緻密な計画に基づいた巧妙な事件ではないため、サスペンス映画として盛り上げるにはかなり無理があります。

 

アン・ジュングンを描くなら、事件そのものよりも、その後の裁判や獄中での看守をはじめとする日本人たちとの交流を描いた方が「人間ドラマ」として観応えのあるものになったと思うのですが、そこには興味は全くなく、あくまで「英雄譚」として描きたかったんでしょう。

「聖なるイチジクの種」('24)

 

ある一家の崩壊を通じてイランの現体制を痛烈に批判した、モハマド・ラスロフ監督によるドラマ映画です。主演はミシャク・ザラ、共演はソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ他。

 

Wikipedia「聖なるイチジクの種」

 

観応えは間違いなくあって、高い評価を得ていることには大いに納得。

 

その一方で、前半と後半で別の映画を観たような印象。

 

前半はイラン社会の現実を描いた社会派映画。

 

後半はサイコスリラー。

 

もちろん、両者は密接に関係していて、前半があるからこその後半の展開なのだけれど、それでもあまりにテイストが違うので、ちょっと戸惑ったのも事実。

 

正直なことを言えば、自分の趣味としては前半のテイストのままで「一家の崩壊」を描いてほしかったなぁとは思います。

 

関連記事

「オークション〜盗まれたエゴン・シーレ」('24)

 

第2次世界大戦中に行方不明となり、21世紀になって奇跡的に発見されたエゴン・シーレの幻の名画の実話に着想を得た群像劇です。主演はアレックス・ルッツ、共演はレア・ドリュッケール、ノラ・アムザウィ、ルイーズ・シュヴィヨット、アルカディ・ラデフ他。

 

実話から着想を得たフィクションの割に、めっちゃ地味な話。

 

ハリウッド映画とは違う、ヨーロッパ映画らしさとも言えますが、だとしても、いくらでも面白くできる題材なのに、「何でこんな退屈な話にしたんだろ?」という疑問が。

 

特に主人公のアシスタントの女性のエピソードは意味があるようで大してないし、とにかく「何でこういうストーリーにしたの?」としか思えず。

 

競売の舞台裏はそれなりに興味深く観ることはできましたし、絵の発見者の青年が聖人のように真面目な好青年なのは良かったですけどね。

 

それと、オリヴィエ・ラブルダンが主人公の上司として特別出演(?)してたのは、出演していること自体を全く知らなかったのでラッキーでした (^^)v

「Playground/校庭」('21)

 

小学校に入学したばかりの内気な少女がそこで目にする意外な世界を描いたベルギーのドラマ映画です。主演はマヤ・ヴァンデルベック、共演はギュンター・デュレ、カリム・ルクルー、ローラ・ファーリンデン、シモン・コドリー他。

 

一貫して主人公である少女の目の高さにカメラを置き、背景を含めた周囲をぼやかせた映像は、極端に狭く閉塞感のある世界を表現しており、とにかく息苦しい。そして、そこに映し出される人の醜さの生々しさにただただ「しんどさ」を感じます。

 

小学1年生にしては幼かった少女が、いい意味でも悪い意味でも「成長」していく姿はリアルで説得力がありましたし、同時に、子供の持つ残酷さもリアルに表現されています。

 

子供のいない自分が観ても、これだけしんどいんですから、子を持つ親なら「観ていられない」と感じる人も少なくないんじゃないかと思います。

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