『うまれる』
はい、まったく以って更新遅れの中野です。
はい、論文は停滞中です。
今尚プライベートの諸状況において、日々浮き足立っております。
加えて、現在急激な気温低下傾向に、やや(
?)化もしております。
石川さんのお話の科学捜査官ギル・グリッソムの表現にある
「公明正大な社会」
の実現のためにスポーツが大きな役割を持ってくれればよいですね。
フェアな精神が社会の暗黙知であれば、もうこれは実現したも同然かと。
しかしながら、ある団体競技では競り合う中、見えないように積極的反則行為をしたり、
故意に相手にダメージを与えておきながら「日本人には謝っておけば問題ない」と言われたり、
転んだりすればオーバージェスチャーで痛がっていたり、
などのフェアなスポーツ精神とは言いがたいあれやこれやの行為があると聞きますし、
また、各種競技の審判の資質に問題が存在する場合も間々あります。
そんな中、ラグビーやホッケーにおいて公明正大が実現できているその根底には、
規律と罰則が機能すると同時に、
自分自身の誇り並びに
自分を取り巻く諸氏への敬意が失われていないということかなーなどと考えたりしていました。
さて、先日曜日、見てきました
『うまれる』 http://umareru.jp/
これは、言葉に尽くせません。
私自身、
自分の命がこの世に出現した奇跡、今も生きていることの奇跡、
そのことに気付いて以来、自分の意思を意識するようになりました。
これは10年ほど前のことです。
それに気付かず、他者との関係に心を痛めていたり、
自己を肯定できずにいたり、
幼い経験の中で自らの命を絶ってしまったり、
そんなつらい、光の無い世界に自分をおいていてはいけない
一人一人に、希望や夢を描く心のよりどころがちゃんとあるんだ
この映画にはこんなメッセージが秘められていると思います。
反抗期に差し掛かる小学生、
自分を見失いがちな中高生、
近い将来社会を担い、新たな人生を始める機会の多い専門学校生や大学生、
社会や自分自身に不足を感じているあなた、
どのような段階でこの映画を観ても、きっと心に訴える力があるのではないかと思います。
そして、自分は生きていていいんだ
と言う自信と、
自分が自らの命を責任もって全うすることが求められているのだ
と言う自負を胸に、
力強い一歩を刻むきっかけになるのではないかなーーーと感じます。
男性も女性も、
未婚の方も既婚者も、
お子さんのいる方もいない方も、
皆さんに観てほしい映画です。
この映画は、いまは日本各地で自主上映されています。
皆さんのお近くで、もし上映の機会があるようでしたら、
是非時間を無理やりにでも作ってご覧になってくださいね
映画館にリクエストすると言う手もあると聞き及んでいます
ただし、この映画は
お子さんをお持ちのご家庭の方々にも広く映画を楽しんでいただくことを目的の一つにすることもあり、
「ママさんタイムあり」の上映には一般的映画上映と状況が違う場合があります
(場内の照度が違う、音量が大きいなど)
ことをご理解ください。
中野
チームスポーツは一種の社会実験?
石川ですー。
またまた遅れがちのアップで申し訳ありません。
私は何ヶ月も映画を観ていないのですが、
アメリカのテレビドラマ『CSI』シリーズには
どっぷり漬かっています
CSIシーズン2:16話「儚い人生」は
アイスホッケーの試合中に起こった事件を扱っています。
作中で主人公の科学捜査官ギル・グリッソムは、
アイスホッケーを次のように表現しています
「皆が同じルールに従い、
不正をすれば即座に罰せられる。
これは公明正大な社会のひな型である。」
まさに的確にこのスポーツの特徴を言い得ていると思いました。
プレー中の選手は、審判にはおとなしく絶対服従しています。
ラグビーと並び、これほど審判に威厳を感じるスポーツは
他にありません
規律と罰則が機能する純粋な氷の箱庭。
これはもう一種の社会実験なのではないでしょうか
自分がこの二つのスポーツが大好きな理由がわかった気がします
日本映画
このところ、日本映画を観る機会に恵まれています。
1.クロサワ映画(渡辺琢 監督)
思いがけなくお台場フジテレビでの試写会チケットが回ってきました。
まずは、会場に向かうために久しぶりに乗った新橋駅からのユリカモメ。
ぐるっと回るパノラマの景観は、夕刻から夕闇に向かう時間、
空と雲のオレンジとグレー、ネイビーのグラデーションの移り変わりが美し~
そして気持ちはすっかり日常を捨て去り、
映画は、女お笑い芸人の日常と恋愛、リアルとフィクションの行きつ戻りつに
厳しさと夢と切なさとを織り込んでいて、
泣き笑いの時間を過ごしました。
2.スマグラー お前の未来を運べ(真鍋昌平さんの同名マンガの映画化、石井克人 監督)
前知識なしで、映画館でどれを観ようかなーーーと迷った挙句、妻夫木さんと言う名前のなじみと、
「お前の未来を運べ」との副題興味から選択しましたが、
イヤーーーー、こんな血塗られた映画をみる覚悟はありませんでした。
でも、殺し屋的業務の立場の人物の問う
「死とは?」
については、生とは?との問について考えるに等しく、
答えが出るものではありませんが、
改めて自分の存在意義を考えよとの課題を出されたように感じました。
また、永瀬正敏さんの重い役どころも評価して、
ラストの演技の整合性への「えッ!!!!?」
を除けば『見る価値あった』と思っています。
3.そして、「うまれる」(豪田トモ 監督)を来週末観る予定です。
知人が東大NICU(新生児特定集中治療室)看護師でして、
たまたまめぐり合わせで映像に参加したと聞いたので観たかったのですが、
そのときには既に劇場公開が終わり頃で行ける映画館が無く、がっかりしていました。
が、自主上映が行われる情報を埼玉の友人が教えてくれたので、南越谷に一緒に観に行きます。
日本映画は概してスケールの大きな作品というものではなさそうですが、
伊丹 十三さんの作品のそのテンポや社会への風刺・投石、
周防正行さんの何気なくありそうな身近なストーリー、
三谷幸喜さんの劇場的演出など、
さまざま魅力的な監督さんの作品もさることながら、
他にもたくさんの監督さんの思いをこめた作品が観られて、
心豊かに過ごせる時間を提供してくださることに感謝です
中野