p FT(ファイストタイマー)のアヤは、まだ来日1週間。このPPでは一番の新顔だ。
とても小柄で痩せっぽち、身長は140cmあるの?ちゃんとご飯食べてる?という感じ。
出身は、ミンダナオの田舎だそうだ。
田舎といっても日本のそれとは、ちょいと違う。
日本人から見ればジャングルそのものである。
『みんな食べな。好きなもの飲んでいいぞ』
先輩の顔が父親になっている。(笑)
それぞれのコミュニケイーションも深まり、歌って飲んで楽しい時間が過ぎてゆく。
深夜の1時も近くなるとスタッフも今日の売上げ達成は諦めムード。
店内のピリピリした感じもなくなってきた。
カラオケのリクエストも私達だけで、ネタが尽きるとスタッフが勝手に盛り上げ曲を自動選曲。
イントロがかかれば勝手にオンステージ♪
ウェイティングのタレント達も観客状態になっていた。

それは、閉店まで残すところ1セットという時に来た。
入り口のドアが開きエントランスの蛍光灯の眩しい光が店内へこぼれた。
オーバーラップしてウェイティングにいるタレント達が、やや遅れ気味に且つ投槍に「イラッシャイマセー!!!」と狂気の叫びが轟く。
入店してきたのは、見るからにガラの悪い3人組。
こちらは、気にもせず、飲めや歌えやドンチャン騒ぎ。
言い忘れていたが、浅輪先輩のエクステリアは、怖表な顔にド派手なシャツ、おまけに変ったアクセサリーに新興宗教の教祖様のような髪型、付け加えて見ようによれば挙動不審者の要素も大きい。
その証拠に、よく警官から職務質問される。
私の見るところ、間違えなく向こう岸の諸君は、こちらを意識している。
それに対して、こちらの御大将はお構えなし!のドンチャン騒ぎ。
30分もしただろうか。向こう岸の連中がスタッフを呼び、なにやらクレームをつけ始めた。
必死に対応するスタッフ。
内容は「なんで向こうには、女が山ほどいて、こっちは3人だけなんだ!」という感じ。こっちのタレントは全員、指名なのがわかってない様子である。
この後、しばらくは懸念した通りの展開に進展する。
『ふざけんな!もう閉店だろうが。ウェイティングの女もサービスできないのか!この店は!』
胸倉を掴んで、白熱した茶番劇が始まる。
しかたなく店長が行ってなだめたが、収拾つかずに数人のタレントを紹介に送り込んだ。

★この手の店のシステムは前にも説明したが、まずは何はともあれ1セット(各店により様々)60~90分=\3,000~\6,000が基本。
★次に■「メイン指名」:入場時に「指名」する相場は\2,000~\2,500をプラスして入店するか?フリー(指名なし)ではいるのか?を決めて入る。
あとは、店内に座ってからの■「場内指名」というものがあって価格はメイン指名と同じ場合が多いが、タレントへのバックが少ない。

先ほど我々が「場内指名」して、ここで楽しそうに騒いでいるタレントもタダではない。
したがって、いくら店が暇でも、ウェイティングのタレントをサービスで着けるというのでは、指名した客に示しがつかないのである。
そこで、指名は入っていないのだが、今後の売上げの為に「紹介」という無料お試しのようなシステムがある。
今回は、私達の手前、店長はこの「紹介」で、この窮地を逃げた。

するとまた
『おい!おいちょっと店長こっち来いよ!
なんだ!こりゃ。ブスばっかよこしやがってぇ』
かなり酔っているようなのに、しっかりと品定めはできるようだ。
『店ぇ潰しちゃうよ!わかってんのかよ!こらっ』
気がつくと私と先輩以外の客は、ソソクサと帰ってしまった。
そこに、トイレから帰ってきたジーナが向こう岸正面を通る。
『おっ!あの女、あの女呼べや』
『お時間あと40分程ですけど、ジーナさんは指名入ってますので、場内指名でよろしいですか?』
と店長が聞いた。
チンピラは承諾した。
まあ、仕事だから仕方がない、指名されれば「逆指名のシステム」がない限り、拒否はできない。
この店には「逆指名」のシステムはない。

店長がこちらに歩いてくる。
『すいません。ジーナさんお借りします。』
ジーナが意味ありげな笑顔を浮かべて席を立つ。
『ハニー。チョットスイマセン シツレイシマス。カエル ダメァ!』
嫌な予感である。
いつになく背筋をピン!と伸ばし、パリコレのように悠々とジーナは歩いて行った。

【これから蛇道(卑劣)な世界をちょいと披露しよう】
★ラストの1セットくらいで毎回お出ます客には要注意!
だいたい深夜の1時・2時に毎晩飲み歩いているのをみても只者ではないのに加えて、ラストまでいれば、安上がりにアフターで連れ出して「何とかしたい」という邪(ヨコシマ)な考えがみえみえである。
★そして、最悪なテクニックとしては必殺「タオ(客)茶づけ」!
これは、客もとれず連日、針の筵に座らされているタレントを、ある日から、同伴して、店側の株を上げる。楽な仕事に慣れないタレントをぬるま湯に浸けるのだ。
そして、数週間こんな生湯にドップリと浸かると、彼女達は安心して集客活動を止めてしまう。
もう、タレントが自分なしではやっていけないと判断すると!いきなり体を要求する。
もし、そのタレントが応じなければ、同伴も指名も止め、たとえ店に来ても他のタレントを指名して、ターゲットのタレントを精神的に揺さぶる。
特にFTだと効果は覿面。タレントによっては、どんなクソ爺でも体を許すケースも少なくない。
★また、この応用手法での「FT食い」狙いの客も多いのが実情だ。

もちろん、我々はこのような手法はご法度。軽蔑すらしているのだが目の前で落ちてゆくタレントを数多く見てきたのも事実である。
この辺りがP業界・数十万人売春組織と呼ばれる所以(ユエン)であろう。
もちろん、店側が固くガードしていたり、貞操の固いタレントも居るにはいるが、往々にしてさっきの悪い例に陥る方が多いように思われる。
ゆえにタレント達も、この手の日本人に狙われ続けるのである。

あと40分もないのに、客がバンバン注文をしている。
あっという間に、向こう岸のテーブルには、こちらに対向してか、ビール10本、フルーツとスペアリブ、アタリメなんどが所狭しと並んだ。
そして、ウェイティングのタレントも全員呼ばれる。
(何、考えてんだ。あいつ等(^o^;。。。。。)

次に、流行もしないゲームが始まった。
空のグラスの口を一周、水で濡らす。
その上にペーパー・ナプキンを1枚にしてピンと張る。
そして、周りの余分なペーパー・ナプキンを切り落とし、その中心に¥1玉を置く。
最後に、タバコに火をつけて準備完了。

順番を決めて、タバコの火で¥1玉の周囲のペーパー・ナプキンを焼いてゆく。
そう、¥1玉を落としたものが敗者のゲームだ。

この手のゲームをやるヤツの目的は大きく2つ。
①ババエが自分自身、嫌な事を忘れる為に酔いつぶれるまで酒が飲みた為にけしかける。
②客側がババエを酔わせてどうにかしたいか!or 間が持てないのか?
今日は、見るからに後者である。

第一戦は、さっきから一言も叫んでない貫禄のパンチパーマが負けて、ウィスキーのストレートを一気飲み。
第二戦は、大声を出した角刈りが負けて、同じくストレートを一気。
第三戦~四戦とチンピラどもが連敗。
世の中、そう上手くはゆかない。
呂律(ロレツ)も危なげに
『なぁ~んか!姉さん。仕掛けがあんじゃないの!なんで俺ばっか負けんダァ』
『ハイハイ。ガンバッテクダサイ(^Q^)/マケ ナイト ワタシタチ BEER ノメナイデショ!』
『飲みたきゃ飲んでいいんだよぉ~
おい。お前達も飲め飲め』
紹介のタレント達にもビールを振舞う。
そして五戦も、ジーナは決して負けない。
『姉さん。強いや。じゃあ他の子に挑戦。』
結局、このあとのタレントが負け1~2杯のビールの一気飲み。ジーナは負けなしで、店内が暗くなった。閉店5分前である。
私の予想は裏切られた、何も起こらなかった。

ジーナが店長に連れられて戻ってきた。
『タダイマァ ハニー』
『お帰り。しかし、見事だなぁ』
『ナニガ?』
『あんなに騒いでた客がジーナにかかったら。釈迦の掌(テノヒラ)だなぁ。』
『(・・?) ?  ・・・・!ハニー チーク オドル(^.^)b
シゲナァーシゲナァ~』
無理やり手を引かれてステージへ、浅輪先輩もルビーとFTの2人を相手に上がってきた。
その姿を、チンピラは恨めしそうに見ていた・・・・・気がした。(;^_^A

チークも終わり照明が明るくなる。
あとは会計を済ませて、帰るだけだ。
席に戻り伝票を見て、カードを出してスタッフに渡す。
『ハニー マダ カエル ダメナァ。(^_-)』
タレントは指名客がいる場合には、各自の帰りがけを出口まで見送らなければならない。ジーナは、あのチンピラ達の後に我々を帰そうということだ。
それにしても、意味ありげなウィンク。。。すると
『キョウハ マダ イッショ アァ』
『えっ?! 今日はもう帰る・・・・・・。』
私が全てを言い終わらないうちに、ジーナは私の言葉を人差し指で制し、スタッフのコールもないのに、自分から席を立ち去り、向こう岸に行ってしまった。
カードとレシートがきたので、金額を確かめてサインをする。
ジーナが気になり、そっと覗いて見れば、何やら向こう岸は伝票の内容に目を凝らして不服そうな雲ゆきである。
すると大きな声で幕は開いた。
『なんじゃ~あ。こりゃ』
あの角刈りのチンピラが大声で言った。
応対する店長が伝票を確認する。
『ぼったくりじゃ!お前、誰に恥かかせようとしてんのか。わかってんのか!』
店長の顔に伝票をぶつけて、勢いよく立ち上がろうとした角刈りはフルーツの載ったテーブルに足をぶつける。
次の瞬間、フルーツとボトルが、その反動で落ちる。
「ガシャーン!」
『キャー!』
同席のタレント数名が驚いて悲鳴をあげてた。

しかし、ジーナは角刈りの直ぐ隣に座っているのに微塵たりとも動かない。
こんな時にも背筋を伸ばして姿勢がいい。(拍手)
『おい!お前じゃ話にならん。社長かオーナー呼べ!
でなきゃ、交番行って垂れ込むぞ!みんなパスポート持ってんのか?あぁ~』
ジーナの形相が変った。
しかも、今までこのセリフを待っていたかのように角刈りをみら目付ける。
ちょっと、ひるんだ角刈りは、ジーナのご機嫌をとるように言った。
『おい。この店、潰れたら。ジーナさんだけは、面倒見てやるからな。』
と、やめときゃいいのに加えてジーナのあごに手をやる。
『あっ!痛てててててててて』
すばやく!ジーナの右手が角刈りの左手を後ろでに、ねじり伏せる。
角刈りは、酔いも手伝ってか、防ぎようもなく頭(コウベ)を垂れる。
次の瞬間、ジーナがその手をポイっと捨てた。
『何すんだヨォ!』
出たァ。以前にも見たジーナの毅然たる態度。
彼女は立ったまま、左斜め下45°に角刈りを見下ろしながら目を大きくして言った。
『ワタシタチハ ドック(犬) ジャナイ デ~ス!』
角刈りはジーナに許しを得るように微笑みかける。

そして浅輪先輩が、その光景を見ながら言った。
言わなきゃいいのに!言ってしまった。
『まったく、Pinaにブッ飛ばされてるようじゃ。ヤクザも実も蓋もねぇな。がはははは』
(;^_^A 聞こえた!絶対に聞こえた。。。。。。。。完全に聞こえた!
BGMもない、静寂な店内である。小声で言っても聞こえていた。
この先輩、自己中のB型天才肌の典型。周囲が見えないのは、言うまでもない。
これまでにも、この手のトラブルは数知れず。
やっぱり、聞こえていた。
『おーい。そこのオッサン!誰がヤクザじゃあ?』
恰幅のいい方が立ち上がって怒った。
浅輪先輩は、ヤバって顔はしたものの「忍法知らんふり」を決め込んで苦笑している。
これが、余計に火に油を注ぐ。
当然、燃え上がった二人は、こっちに向かって歩いて来る。
先輩の後ろから胸倉を締め上げてさらに言った。
『こらぁ~!なめてんのか?』
先輩も精一杯の抵抗をしながら言い返す。
『こっ、こっちの話で、あんた達には関係ないでしょ。』
先輩も切れると相手が誰であろうと頑固なのだ。
『やめてくださいよぉ!』
と言いながら先輩は、チンピラの手を両手で掴み、振り切ろうと腕力合戦になってしまった。
角刈りもババエに制された腹癒せをこちらに向けて、矛先は完全に誰が見ても我々に。
最悪の事態である。
(しゃあねえや。こうなったら行くとこまで行くか?) とも思った。
でも、出来ればもめたくない!ってのが本音。
しかし、(ジーナにも勇敢なところみせとかないとなぁ。)
などと考えて立ち上がろうとした瞬間。
また、ガシャーン!とガラスの割れる音。
今度はカウンター上に並んでいた空のグラスが落ちて割れる音である。

誰かがカウンターを飛び越え厨房へ入った。
皆が音につられてカウンターを見る。
それは、これから何が起こるのかが、直ぐにわかる場面がそこにあった。
厨房から凄い勢いで帰ってくるアヤの姿がそこにあった。
一瞬にして、みんなの視線がアヤを釘付けにした。
しかし、アヤはその釘を撥ね退けるようにクルッ!と身を翻(ヒルガエ)した。

次の瞬間アヤが包丁を手に持ち走ってくる。その姿は、まるで忍者のような身のこなしで、包丁を持つ手も洒落にならないほど板についている。
我々4人は、アヤの行動が視界には入っているのだが、呆気にとられて身動きが取れない。私も先輩も座ったままだ。
いや瞬時に「立ったら間違えて刺されるかも?」と思うほどである。

いち早く、先を予見するかのように待ち構えていた者がいた。
ジーナである。
ジーナはアヤの包丁を握る手を抑えて、体でアヤの目的を阻むように立ちはだかった。
アヤは、すごい形相でチンピラ達に叫び続ける。
これには、店内はおろか、チンピラ達も完全に畏縮している。
私もテーブルを乗り越えてジーナに加勢した。
ジーナが現地語でアヤを説得するが、アヤの興奮状態は治まらない。
続けざまにジーナがチンピラに言い放った。
『ハヤク!ハヤクゥ!クヤータチ コロサレルヨ!サラバース(外へ)!!!』
チンピラ2人は引きつりながら言った。
『しょ、、しょうがねえなぁ。フィリピン人はこれだからなぁ。。。。。わかった、わかったよぉ』
と言いながら、完全に顔は引きつっている。
先輩から手を離し、向こう岸に戻る。
駆けつけたスタッフや店長もチンピラをまるでガードするように取り囲む。
角刈りとデブを迎える1人は、騒ぎもせず苦笑いを浮かべていた。
アテ達もアヤを宥(ナダ)めに入る。
チンピラ達は、そんな姿を横目に会計を済まして矢継ぎ早に店を出ようとする。
一番、最初に出て行った男は今日一言も発せず騒がず、ちょっと不気味な雰囲気を持つ男。3人の中でも一番の格上という感じであった。
残る2人の顔は、うっすら笑いはしているが内心は、酔いからも覚めて「あ~ぁクワバラ、クワバラ」といったところであろう。
とにかく、店内から本日の悪玉菌は排出された。
一件、落着かと思いきや・・・・・・・・ポタッ!ポタッ!
(;^_^A 私はアヤの持つ包丁で手を切ってしまったようだ。(ドジった)
とりあえず、4人掛かりでアヤの包丁を取り上げて、アテ達がトイレにアヤを連れてゆく。
スタッフがティッシュペーパーと救急箱を持ち寄り。
『大丈夫ですか?すいません!すいません』
と駆け寄る。
とりあえず、傷はたいした事なかったので、ポケットティッシュで圧迫して止血した。
あまり大事にしてしまっては、来難くなってしまうので、平静を装って店から出た。

ちまたでは、正月ムードも抜け今年開催される「サッカー・ワールドカップ」の経済効果を期待した報道がうるさいほど流れている。
本来、無髄のサッカー好きであれば、韓国まで行って観戦するところなのだが、私の頭の中には「サッカー」の「サ」の字もない。
結局「大丈夫!大丈夫(^Q^)/」と言っていたにも関わらず、PPに入店するとスタッフは何も聞かずに案内するようになっていた。
そして、周囲のタレントにも「クヤァー。オハヨウ(^Q^)/ 」と挨拶される始末。
そう、私はこの店の常連客と化してしまったのだ。(;^_^V

快晴の続く東京で、この数週間ジーナと毎日のように会った。外でも店内でも。
今月は聖バレンタイン・デーもあったので、お察しの通り仕事は午前中で切り上げて、午後からは、ほとんどジーナと一緒なのである。
通常のラブ・ストーリーであるならば「聖バレンタインデー」は、かっこうの話題なのだが、お店のイベントは大々的に行われたものの、彼女達キリスト教徒と私のような無宗教徒(墓は仏教)では、ただ一緒に時を過ごしただけで、書き記すエピソードもなかったので割愛します。

★そもそもバレンタインに女性がチョコをエサで告白するのは、日本のチョコレート会社の陰謀である。世界的には男女が花やお菓子などを贈り合ったり、デートするのがクリスチャンの世界ではスタンダードなのだそうだ。
起源は、1700年以上も前にバレンチノ(英語読みでバレンタイン)教司祭が、結婚禁止令を破って若者達に結婚式を行っていたのがバレて処刑された日が由来らしい。
★フィリピンの街ではバレンタイン一色になっていて、映画館や夜のクラブなどデートコースは大渋滞。
これを当て込んでるライブハウスなどは、ちょっとした芸能人を呼んでプラチナチケットを販売し販促に専念する月だそうだ。

バレンタインも終わり日に日にPPも暇になってきたある日、浅輪先輩と同伴した。
同伴で客と一緒に入ったタレントが、着替えて席に着くまでの間、早い時間からスタンバイしていた同伴のないタレント達がヘルプとして席につく。
最近、入りびたりの私に、そろそろタレント達がチェックを入れてくる頃である。
ここ気を抜いて、近づいてきた他のタレントに気を許して、何でもかんでも正直に答えていると、その後大変な事になってゆくのだ。
どこの世界も女だけの世界は厳しいものである。特にJapayuki’s Worldには「チースミース
という口軽女や、色々な意味での「泥棒」が多い。
短的に言えば「隙あらば・・・」の世界なのである。

★彼女達の得意技の一つとして、狙った客の耳元で「そっと他人の秘密」を囁く。すると、その客は「俺、信用されてるな。」とか「このババエ、俺に気を許してる?」または「こいつ!俺に惚れてる?」などと勘違いする客が多い。
そして、ババエを落とそうと攻め込めば、結果は返り討ちになるのが関の山なのだ。

ここで万一、私が「そうだよ。でも皆には内緒ね!」なんて惚気たら、来月からさっき積算した「魔の同伴~ラストの年中無休出勤」をするはめになる。
なぜか?って、そう(^Q^)/このババエが先ほどの技でジーナの客に揺すぶりをかける。そして、この店のババエ達が耳にすると性格の悪いタレント達が1人・・・・・2人・・・・・と、彼女の客を略奪してゆくのだ。油断も隙もあったものじゃないのが実情だ。
ゆえに!常連客をなくした彼女は私に縋って泣き (;_;) 私は、それをなだめる様にして毎日、同伴から寄り添いPPに大枚を払う。
気がつくと、無人君に走り、借金はパンパン、毎食¥50~60のハンバーガー1個を水で流し込み。ファミレスのドリンク・バーも注文できなくなり、借金ばかりでお腹が膨らむ。
最終的に、タレントが帰国しても残るのは借金だけ。
そんな事を回想しながら、ヘルプのタレントと差し障りのない会話をしていると、ジーナが席に来た。

『クヤー アリガトウ』
握手をしてヘルプが去る。
すかさずジーナに
『タノシソウネ。ナンノ ハナシ?』
『なんでもないよ!ただのジョークだから。
アコはベテランでしょ。(先ほどの回想を端的に話す)わかってるから。』
すると返答は、ジーナであればもっともな答えが返ってきた。
『ハニーダイジョブヨォ。アコハ ソンナニ ヨワクナイカラ(^_-)』
やっぱりジーナは、店内だと頼もしく見える。なんでだろう(・・?)
『そうだよなぁ。ジーナはベテランだから』
『ハニー ソノ イミ ジャナイデス。
レベル ノ モンダイ ナノ。
アコ ソンナニ オバカ ニ ミエル?』
『ははははは。。。もうこの辺にしましょう。』
殺気を感じたので会話を無理やり打ち斬った!(;^_^A

しばらく、浅輪先輩とジャレながら騒いだ。
『ハニー ソロソロ ウタッテ クダサイ』
『活(イ)きますか!浅輪ちゃん!?』
とカラオケ本を捲る。
まずは、先輩に華を持たせてお得意の何曲かを入れる。
先輩は四捨五入もすれば五十路なのだが、選曲は私より若い。
お決まりのイエモンから流してラルカン~セックス・マシンガン’ズ。そして憧れの山下達郎へと移行して矢沢に落ちる。これを「浅輪ちゃんの歌ステ5世代活用」という。
席についてもすごい!酒を一滴も飲まないのに座った瞬間からババエとヤクァップ(抱擁)し合えるのだ。
されるババエも先輩が乳揉みしても、いやらしく感じないと口々に言う。
ここで先輩の格言!
『でも、みんなはマネすんなよ!簡単そうに見えて「モモ擦り三年!ケツ8年!」ってな(^^)v』
なんのこっちゃ(・・?)

今日は、いつになく暇な日だ。
すると先輩が言う。
『タク。給料日前に加えて、木曜日だから今日は暇だなぁ。よ~し、客もいない事だしバ
ンバン歌うか!』
同伴客は我ら2人を除いて、たったの3人。この店にしては本当に暇なスタートである。
結構、歌った。時間を見ると23時。
まだ客はまばらで、ジーナもルビーも、客は私達だけだ。珍しい。
私がトイレに立つと、後から先輩も入ってきた。
『おいタク。お前、今日カード持ってるか?』
『カードって、クレジット・カード?』
『そう。』
『持ってるけど、何で?・・・・・・あっ!わかった必殺!貸切?』
『違うよ!こんな大箱、貸切にしたらいくらあっても足りやしない。
とりあえず同伴~ラストで、タイマー場内してドンチャン騒ぎしようか?
金は明日、清算するから。』
この先輩は、根っからの遊び人。人と変った事が大好きで、金の有意義な使い方にはうるさい人である。
およそ考えはわかっている。
タレントの特性として、印象に強いものが残像としていつまでも残る。要するに今日のような超暇な日は、店長をはじめスタッフは神経が尖ってる。
入店してから、ウェイティングのババエに嫌味や恫喝をして客に電話をさせている。
それにも拘らず暇なのである。
また、先輩はこう見えても、とても人情派で情けに弱い。ウェイティングで畏縮している日本語も覚束無いファースト・タイマー(初来日のタレント)が、かわいそうでしかたがないのである。
『あいつら飯食ったのか?毎日、客もいなきゃなぁ。』
すると次の瞬間、スタッフがウェイティングに近づきFT目掛けて¥10玉を投げつけた。
聞き耳を立てれば、この¥10玉で客に電話をかけ捲れ!というような事を言っている。
この店は都内でも有数なタレントには厳しいPPで、働かざるもの食うべからず!と言わんばかりに毎週の指名バックで食事は全て自腹。
おまけに、タレントのバハイは他に例を見ないくらいの狭小スペースに多数をぶち込み、キッチンやトイレの不衛生さも他に例を見ないほどだそうだ。(タレント情報。)
FT達にはやせた娘が多いが、売春まがいな事をして連日客を引くババエ達は対照的にバブイ(太っている)。PP業界では定説の焼肉強食(客が多ければ毎日「焼肉」が食え、強いものだけが生き残るという意味)が一目瞭然な店である。
『本当にひでぇなぁ( ̄~ ̄)ξ 見たかぁタク。 』
先輩いわく、このような時に「金」を使えば「金も本望」なのだそうだ。
相乗効果で自分のお気にのルビーにも好印象。
この人は、吉原あたり行けば一晩で¥5万も、いや¥10万も使ってしまうのだから、この日の費用対効果としては、こんなに効果的な使い方はないのである。
私もジーナの気を引くには、持って来いo(^-^)oだった。

『なぁルビー。あの一番小柄で痩せてるタレントはFTか?
今、部長に¥10玉ぶつけられた真ん中のババエ。。。』
『アソコノ 8ニンハ FTノ タレント。
シャー(彼女は)ハ アヤ ヨ。』
『おい。タク!さっきのいくか!』
『いいっすよ。』
商談成立(^^)v
店内のタレント42名中、FT(ファーストタイマー)は8名。ジーナとルビーの2人を合わせて10名。

★おっと!(^o^;ここで忘れちゃいけないのが「アテ(姉さん)」である。
ジーナが日頃面倒見てもらっているアテ:サラと、この店を牛耳っている春日アテのカレンをしっかり場内指名して、本日のジーナ株はストップ高である。
これで今後、アテ達とジーナのギブ&テイクが成立する事になる。

さぁ、ここから我々のテーブルでドンチャン騒ぎ。(^.^)b
ライブハウス状態のオンステージが始まるのだ。
(*画像と内容の関係はございません。)

image 言うまでもないが、既に私はジーナにゾッコンである。
それからというものは、彼女のことばかりを考えていた。
タレントの誘惑や手口には、慣れっコ且つベテランの私が嵌ったかもしれない(>_<)
妻子持ちで、会社経営者である私には、スタッフを含めて複数の家庭生活への責任がある。これまでも、自ら嵌って堕落し、破綻した兵(ツワモノ)どもを数々見てきた。タレントに嵌ったら、どうなるのか?は、各時点での想像がつく。
なのになぜ?????

通常のタレントの基本は自己中。こちらが嵌ってゆけば蟻地獄のように、どこまでも貪欲な要求がエスカレートしてゆき、そして本命といえどもそれに溺れて破滅してゆく。
こんな場合がセオリー(理論)なのだ。(;^_^A

しかし、その期待に反し、ジーナは店にも一向に呼ばないし、電話も午後2時前後に「オハヨウオキタヨォo(^-^)o」と一度、留守電に入れるだけでしつこくしない。
★よくベテランのタレントになると電話の会話でも決して「オキャクサン イナイ・・・・・・」とか「オイデェ~」など、直接的な言い回しはせず。
「イソガシイデスカ?・・・・・・」など、間接的にニュアンスで伝えるだけなのだが・・・・・
ジーナは輪をかけて『ダイジョウブヨ(^Q^)/ コレハ ワタシノ シゴトディバ?アナタモオシゴト ガンバッテネ!』とか、私が『たまにはお店、行こうか?』と言っても『オカネ モッタイナイ ダカラ。ガンバッテ シゴト シテクダサイ(^-^)o』というような反応なのだ。
人間というのは、「されないと」(・・?) 「されたくなる」性質をもっているのです。
これらも含めて、私が十数年見てきたタレントのパターンとジーナは違っていた。そう明らかに違うのだ。今までのようにはゆかない。(;^_^A
この1ヶ月半、ジーナの色々な顔を見てきたつもりだが、十代のように無邪気な一面があるかと思えば、周囲にアテ(アネゴ)呼ばわりされ、しっかりとした判断やアドバイスを施す面もある。
特に仕事、そう店内に関して言えば完璧なプロの雰囲気を漂わせる。ここが怖い。
その反面、寂しげな・・・・・とても悲しげなしぐさを見せる時もあり。
特に店外のプライベートな時間では、気持ちをフィリピンに残したような抜け殻的な気配に身を包み、それと妖艶さのコラボレートが独特の雰囲気を醸し出す。
とにかく、代わる代わる、複数の女性といるようなのだ。
最近では、どれが本当のジーナなのか?わからなくなってきた。
こんな、他のタレントにないところが、一層 私の興味を引いた。

ある日の夕方、浅輪先輩の店で時間を潰していた。
『おいタク。お前大丈夫か?最近、あのPPに入りびたりじゃないの?
もしかして嵌った?』
『店外ばっかりで店には敬遠されっぱなし(・・?) 自分でもどうなってんのか?・・・・・・・(;^_^A 』
『まぁ、お前の事だから大丈夫だとは思うけど、財布の紐には気をつけろよ!
この遊びは、嵌るとタチが悪いからな。
せいぜい、身の丈にあった遊び方しないと、破産するの「あっ!」といいう間だからね。』
『だよねぇ。いくら俺達サラリーじゃないたって、打ち出の小槌があるわけじゃなし。』
『でもなぁ。。。同伴1セットで¥11,000にババドリ(ババエ・ドリンク:女性の飲み物)とつまみで最低¥13,000だろ。
これにスタート~ラスト(閉店まで)プラス¥2万前後だから、1日=¥3~4万。
1ケ月30日として、月に¥120万。半年で軽く¥700万超。
これにショータ(恋人)にでもなってデートしたり飯食ったりしてたら、半年で¥1,000万
コースかぁ。そう考えれば日本人の愛人囲うよりは安上がりか?がはははははは』
冷静に計算すれば、そうだが。。。。
これまでにも無人君に走ってまでも貢いで破滅していった客を何人も知っている。
『わかってますよ。大丈夫。でも、頭からはなれないのは事実なんだよなぁ・・・・・』
『人間、行っちゃってる時には、とことん行かないと、吹っ切れないもんだからなぁ。
いくところまで行け!屍(シカバネ)は俺が拾ってやるから。』
『浅輪ちゃん。人ごとだと思って・・・・・・・( ̄~ ̄)ξ 』
『今のお前は、誰が見ても「行っちゃってる」もんなぁ。恋は盲目っていうだろ?
見えてないよ!今のお前には周囲が見えてない。
ここ数ヶ月、ジーナの話ばっかり。これ本人は結構気がつかないんだよね。』
『マジ?そんなにひどい俺?』
『ん~( ̄~ ̄)ξ。。。。重症だな。』
『そっかぁ・・・・・・・・・・・・』
自分でも、誰かに聞いて欲しい。。。この今の気持ちやこの感覚を誰かに理解して欲しい。そんな気持ちでいっぱいなのである。
できれば、この気持ちを誰かが彼女に伝えてはくれないだろうか?そんな事さえも思っている自分が居る。恋とは情けないものだ。
まさか!三十代になって、こんな気持ちになるとは思ってもみなかった。
『でっ、タク!今日は?』
『このあと電話があれ・・・・』
(携帯がブルった!) いつも2時前後に一度鳴る。しかもジーナはワンギリをしない。
『おぅ。起きた?』
『オハヨウ ハニー。メズラシイネ イカウ コノ ジカン TEL デルノ。ダレカ イッショ デスカ?』
『今、浅輪先輩のお店。』
彼女は、私の事を「ハニー」と呼ぶ。「アサワコ(夫:あなたぁ)」や「クヤァー(お兄さん)」などの呼び方をされたら、既に脈はないのであしからず。
『2人ナニシテルノ?オジャマ デスカ?』
『大丈夫だよ。仕事の話だけど、もう直ぐ終わるから』
『ゴハン タベタ?』
『よし。一緒に食べるか!?』
『ホント!ハニー ダイジョウブ?\(^O^)/ ナンジ スル?』
いつにないハシャギよう。でも、一番心ときめいていたのは、私だったかもしれない。
浅輪先輩の目を見ながら、今晩の出動時間を決める。
阿吽の呼吸で、先輩の指示を伝えた。
『じゃあ、ルビーにも聞いておいてよ。浅輪ちゃんもいるから、あとで電話ちょうだい。』
『ワカリマシタ』
ガシャ!
そして、数時間後に4人でボーリングして夕食を食べ、今晩も私は天国への階段を昇るのである。

★渡比(トピ:フィリピンへ渡る事)すれば、わかるがフィリピンには華僑が経営する大型のショッピングモールが各街に点在する。それは、うるさい「建築基準法」やら「大型店舗・・・」「消防法」などの取り締まりがないせいか、日本にはない大規模なもので、地下には食堂街、最上階には小規模遊園地がある。
★有名なところで、「SM」「ロビンソン」などといったものがあるのだが、その中にボーリング場などの娯楽施設が入っているところもある。
ジャパユキ達は、スポーツも室内ものであれば結構経験がある。特にボーリングは必修なのだ。
驚くべき事に、7000もの島国から形成される国でありながら、泳げるジャパユキの方が少ない。

そして、その日は同伴入店してシンデレラ・ボーイとなった。

翌日も14時の電話を待つ。
(;-_-+。。。。。。。まさか自分が大鴨様と同じ事をするとは夢にも思わなかった。
よく、店内で「あの客、また!来てるのかよ・・・・」って、自分の事は棚に上げて、己中なタレントに負けずとも劣らない自己中な日本人男性客を見る。
先月までは「昼頃から、かかりもしない電話の待機をするなんて!大鴨様もやるなぁ・・・・・」なんて高みの見物をしていた自分が、今では毎日ジーナからの電話を待っている。
結局、そうしてみんなPP中毒になってゆくのに。

14時07分!私の携帯がジーナのコールで震える。ブルブル・・・
私は、犬がご主人の帰宅に思わずハシャグそれと変らない喜びに満足し始めていた。
いつしか、日課となっていった。
今日もまた19時45分をちょっとずらして、天国への階段を昇る。
そして、明日もまたこの時刻に昇るであろう。
もう私には、塗る薬がない。むしろジーナという媚薬の中毒になっているのだ。
この薬に解毒剤はない。きっと・・・・・・・・・・・・・・・

(*画像と内容の関係はございません。)

co

ご覧のとおり年代で言うと『1980年代のP初心者だった頃を第一章』として、わざわざ書き出しにしたんだけど、何が言いたかったかと言うと↓
『この頃のPina達は、今よりも人もよかったし純粋だったって事なんだ。もちろん今もよい娘はたくさんいますよ。
でも、この頃は「純粋に男性を愛し、騙されるPinaの方が多かった」ように思えるんだよね。
こうして、歳月が流れてPinaたちも多くの泣きを見たアテ達の教訓を身につけ・・・・・段々と進化を遂げてゆく。
いわば、彼女達をそのようにしていったのは、我々 日本人の方だったのかもしれない。
気がつけば「ラブ・ゲーム」的なPPへ変化してゆく』
そんな様を描きたかったんだ。

【第二章】では、私が23年間 見てきた中で最も賢い『魅惑的なPinaジーナ』を題材に、PPに嵌ってゆく様をえがいてゆきます。
して!彼女の正体はいかに。。。『○●○ピナ』・・・・・こうご期待(^^)v

帰り際に彼は一言。
『せんぱい方。お騒がせしました。気は強いけどいい女だね!』
と言って帰っていった。
結局、ラストまでいた。そしてアフターに行く事になった。
店を出て、近くのファミレスでお茶して待つ事にした。
『ところで、さっき浅輪ちゃん、あの酔っ払いがロシア人¥1万っていったら。反応してたよね?』
『いぃ~っしししししし(^o^; 』
本当に、女の話になると弱い人である。
『ねぇ、よっぽどジーナの方が立派だよね!』
『俺もそう思った(;^_^A 1万って聞いて「おっ!安い!」って思う自分が情けないよ。』
微塵も思ってないくせに!

閉店後、10分でジーナは来た。
『ジーナ早いね!』
『日本人ハ オソイ ダメディバ』
さっきの言い合いといい、時間の正確さといい。フィリピン人にしては、きっちりした性格であった。
結局、ルビーは40分後に来た。

その後、皆で食事をして今晩は彼女達のバハイへ送る。
タクシーに乗り込むと直ぐに電話がバイブする。
『今日ハ アリガトウネ!気ヲツケテ 帰ルアァ。・・・・・・・・・・・・・ラヴユ!
(^ε^)-☆Chu!!』
『は~い。おやすみぃ!』
と言って電話を切ると、即コールバックが。
『バキット( ̄~ ̄)ξ「ラヴ ユー」言ワナイノ?』
『ラヴ ユー トゥー』と返答せざるを得なかった。
『テイク ケアー,ハー』
電話は切れた。
運転手が背中越しに聞いていた。
そして、タクシーの外を見れば、他の日本人は出勤していた。

あの日以降ジーナから電話がない。
私も、自分からは絶対にしない。

そして、また数日経った。
(まぁ、気まぐれな天使とちょいと夢見たって事で済ませとくか!)そう思うように心がけてた。
しかし、帰宅しても気持ちが家出をしているような日々が続く。

ある日、知り合いの店で飲んでいる友人から誘いがあったので、気晴らしに行ってみた。
ちょうど、飲み始めて30分くらいした時に携帯がバイブした!
(あれっ?ジーナだ)
しかし、店の規則で午後9時以降はババエの携帯は使用できないはず?
今は午後9時15分。
(・・?) 出てみた。
『イカウ 本当ニ ツメタイナ。イマ ドコ デスカ?』
『どこって。ジーナこそ、こんな時間に電話なんかして。。。。ペナルティーでしょ?』
『アコ 今日ハ 休ミデス。イカワ電話ナイカラ・・・・』
『今、友達と飲んでるし・・・・』
でも、内心は(ここのパブは知り合いのマスターとバイトの一美ちゃんの二人だし、女性が加わる分には他の客も文句言わないよなぁ)ってな感じで。
『日本人のお店だけど来る?』
『イキマス(^Q^)/・・・・・デモ アコ ワカラナイ ディバ』
『じゃあ、タクシーに乗って「豪徳寺駅の南口まで」って言って乗ってきな。電車で1駅だから。あっ、タクシー乗ったら電話ちょうだい、迎えに出てるから。』
『ハイ。ワカリマシタ。』
15分後にジーナは来た。時間に正確なフィリピン人は何かへん。

この小さなパブでは、物珍しいのか?ジーナは来るなり人気者である。
彼女は、身長160cmくらい、細身だかキューティー・ハニーみたいに豊乳 。お尻は大きく、その上に腰骨が張っていて、Gパン姿はまるでマネキンが抜け出してきたよう。
加えて私服のセンスもいい。
冬には、とかくミスマッチな格好のフィリピン人が多い中、連れて歩いても鼻高々である。
顔は、オードリー・ヘップバーンをエキゾチックにしたような妖艶な顔立ちで、肌が薄褐色に透き通っている。実物には会った事ないがまるで「映画に出てくるクレオパトラ」のようだ。
さっきから、店の客より一美ちゃんが興奮して喋り捲っいる。
『ねぇねぇ、ジーナさ~ん。ジーナさんの国は1年中暖かいんでしょ?』
『肌が綺麗れぇ。何か特別なケアしてるんですか?』
『日本語お上手なんですね?』
『・・・・・・・・・』
ちょっと、困惑しているジーナに助け舟を出す。
『一美ちゃん。彼女シンガーなんだよ!』
『わぁ~。是非 歌って!歌って!』
店の客7名は皆、ジーナに釘付だった。
そして、ジーナが恥ずかしがりながらセリーヌの曲を歌う。
♪♪~ ( ̄^ ̄)  ♪♪ ♪♪あたり前の事だが・・・・・うっ!上手い!

それから、店を出て。。。
新宿へオールナイトの映画を見に行った。
酔った私は、不覚にも寝込んでしまった。。。。。(-_-)zzzzzzzz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『ハァ~イ。。。ベイビィ~。朝デスヨー』
やさしい耳元の囁きで起きた。
(^o^; 私はジーナの膝の上で熟睡してしまっていた。
あたりを見渡すと、館内は明かりが点き、清掃が始まっている。
しかも、ガードマンに出るように促されたあとのようだ。
オールナイトの映画も終わっている。
『ごめん!ごめん!』
と言いながら映画館を出ると・・・・・・
(あっ!朝・・・・・・・・・\(~o~)/)
(えっ?映画館・・・・深夜の2時前に入ったよなぁ?????)
そう、映画2本分。私は寝ていたのだ。
『怒ってる?』
『バキ~ット?(・・?) 日本人ノ ババエハ オコルデスカ?』
『いやいや、そうじゃないけど・・・・でも4~5時間も暇だったろう?足 痛くないか?』
『ヒンディ ポ。ナンカ 2人 恋人ミタイデ ウレシカッタヨ (^-^) 』
『そっかぁ。Gustomo bang kumain?(何か食べたい?)』
『Oo.Po(はい)』
『Saan mo gusting kumain?(どこで食べたい?)』
『Bahala na kayo.(お任せします)』
その日は、朝食を食べて彼女を送り届けて帰宅した。。。。。。
今日は、楽しい1日であった。しかし、我ながらヤバイ予感がする。
(この店には、しばらく近づかないようにしよう)と帰路では、そう思った。

★ベテラン客にもなると、店でいちいちPinaに電話番号は与えない。
なぜなら、彼女達の日課は⇒まず、NTTソバット(片っ端から客の電話をワンギリする技)から始まる。
しかも、16時以降のワンギリは全て単なる客と考えた方がいい。(;_;) 
★セリフもワンパターンでコールバックするや否や『オハヨ・・・・イマ オキタ バッカリ。。。。。ドコニ イマスカ~?』から始まる。
↑このセリフも彼女達の裏技が隠されていて①自分は今起きたばかりなので、支度しても1時間はかかるのよ!だから同伴でも17時以降よ!という意味と②客の場所を聞き出しておいて、このあとの会話での追い詰め材料として、所在を掴んでおく。
電話があったからといって、舞い上がっている客は既に業界でいうところの「鴨」様である。
鴨様は昼前後から、ババエの携帯に着信履歴や留守電メッセージなど残すのもいる(爆)。そうそう彼女達が言う『ゴハン タベタァ~?』は、タガログ(フィリピン)語での「クマイン カナァ?」にあたり。挨拶みたいなものなので、マジに考えない事。
でも、聞きなおして彼女も食べてなければ、食事に誘うのは自由ですから、あしからず。

あれから、2週間は経ったろうか。
私とした事が、あれからジーナの事が気になって仕方がない。浅輪先輩から、その後 数回あの店に誘われたが、自粛して行っていない。

そして、今晩とうとう天国への階段を昇ってしまった。(;^_^A
『俺、ルビー!タクは?』と浅輪先輩。
『ジーナで』(フットボール(*1)のボタンを押してしまったぁ。)
言うまでもなくジーナは大ハシャギ\(^O^)/
『キタキタァ(^O^) アサワーチャン アリガトネ!』
(嵌ったぁ)そう自覚した。
そして、あげないはずの携帯番号を渡してしまった。(;^_^A

ここで「なぜ(;^_^A ヤバイ)」と感じたのかというと、Pinaは不思議な生き物で、第一印象で心のスイッチが入らないと、その相手を恋愛対象として見ない。。。。見えないという特性がある。
まぁ、あった瞬間にババエのスイッチが入らないと99%の確立で恋愛には持ち込めないのだ。
ジーナは、座った瞬間にスイッチが・・・・・いや、私が入店したチェックで目をつけたのがわかったし、もちろん私の好みのババエだったからだ。

この日は、2時間もかけて昔いた店の客がジーナ目当てに来店していた。
店内の状況とは裏腹に、ジーナは私にこう言った。
『キョウハ ハヤイ カエル ダメアァ~ (^-^)』
『いいじゃん、馴染みのお客もいるみたいだし。』
次のチェンジで、私は余計な事を言ってしまった事を後悔する。
その来ていた客が突然、店内で大声出して怒り出したのだ。言うまでもなく次の瞬間・・・
(;^_^A 客は、帰った。しかも、15分ほどで
ジーナが仕掛けた事は、ベテランの私にはわかった。
だって、私達のテーブルに戻るジーナは、とてもご満悦の様子(^.^)bだから。

席に着くなり彼女は言った。
『モウ カスタマー イナイ ディバ?』
(^o^; やられたぁ~。こいつの方が一枚上手。
『ていうかぁ。大丈夫なのか?埼玉から来てくれた客、怒らせて?』
『モウイイ イカウ ナラン(^3^)/ 』
『おいおい!俺、結婚してるし、子供もいるから。』
『ダカラ ナニ?カンケイ ナイ ディバ。アコノ ジユウ ディバ?』
まぁ、そう言われてしまえば実も蓋もない。
『ハイ。モウ イイカラ。ウタッテ♪ウタッテ♪♪』
それから2時間ほど飲んで歌ったろうか?
『そろそろ、帰りましょうか?先輩』
『おう、もう2時だしな!』
ジーナが、いきなりテーブルに福沢諭吉を3人も出して。。
『アト 1アワー ディバ。ラスト マデ。オネガイ。シゲナァ~』
『なんじゃこの金?』と先輩。
『オキャクサン ノ チップ。アゲルカラ オミセ オワッタラ。ショクジ イッショ。シゲナァ~シゲナァ~』
『冗談じゃない。(^o^; 明日も仕事だし。だいたい¥3万も飲んでないし。)』
『ジャア オツリハ ショクジ。』

そこへ、閉店1時間前だというのに、ベテランっぽいGパンのおっさんが酔って、隣に座った。
『せんぱ~い!やってますねぇ』
テーブルの万冊を見て、何やら勘違いしたらしい。
もちろん我々は知らないオヤジだ。(・・?) あっけにとられていると。
『この店は評判どおりだ!いい女いますね!マラミ(^^)vマラミ!(沢山)・・・・』
そして、接客に着いたタイマー(始めて来日のタレント)に言い寄る。
『お~う。ハウマッチ ワン ナイト?¥1万かな?2万かな?』
もう泣き出しそうな顔でタイマーが見る。
いい加減、邪魔なようなら、一喝してやろうかと思いきや・・・ジーナが割って入った。
『(^ε^)-☆Chu!!ハアーイ オキャクサ~ン。コノ ミセハ 芸ヲ ウッテモ カラダハ ウラナイ ノヨォ~。。。』
『おう。こっちの方が食い時のいい女だなぁ(*^_^*)~。せんぱい!もう、やったんすか?』
『ソンナニ ヤリタイノ?』
(ヤバイ(;^_^A ジーナの目つきが変わった。)と思った。
『OKey!ナラバ ワタシデ ドウ?』(口調も変わった。やけに凛々しい。)
『せんぱ~い。いいすかっ?』と酔っ払い。
次の瞬間
『ねぇ。オキャクサン。私と ハナシテヨ。他の オキャクさんには メイワク だからサァ。ところでいくらで買ってくれるの?』
ジーナの口調が段々と変化してゆく。(日本人顔負け)
『姉ちゃんなら¥5万だすよ!』
酔っ払いがそう言った瞬間!ジーナはテーブルをバーンと叩いて一喝した。
『冗談ジャナイワヨ!』
『じゃあ、¥10万!?』
『私がぁ?¥5万ん~?\10万ん?? ( ̄~ ̄)ξ\5,000万の間違イジャナインデスカ?
デモ 気モチ ヨクナイワ ダメアァ?オジサン ソンナニ 自信アルノ?』
酔っ払いが、切り替えした。
『高いなぁ~。隣駅じゃロシア人が¥1万でやらせてくれるぞ!』
どこどこ?といった感じで、浅輪先輩が反応した。(情けない(;^_^A)
『ロシアン人ト ワタシヲ イッショニ シナイデヨ!』
とジーナが言い放った瞬間に、酔っ払いがジーナの乳房を触った。
しかし、ジーナも負けてはいない。反射的に酔っ払いの逸物を握った。
『タイシタモン ツイテ ナイジャン』
『あ痛たたたたた。。。すいませんm(__)m アコ ラシーン カナ?・・・・』
『へぇ~、酔っ払っいなら、何シテモイインデスカ?私達をフィリピン人だと思ってバカにしてんじゃないの?あなたのスタイル(格好)みれば、アサワ(奥さん)フィリピン人だってワカルヨ!調べて電話して迎えに来るよう!言ってあげようか?』
勝負あった(^Q^)/
『あんた、若いのにバイトかぁ(^o^; 参ったなぁ・・・・・』
酔っ払いの、惨敗だった。
『まぁまぁ、それくらいで(^!^)y~』と私が制して集結。
その後は、閉店まで彼がこちらに話しかける事はなかった。
小泉総理が平壌に行き、金正日は拉致を認めた。総理が帰国するまでみんなTVに釘付け。しかし数日後には、アザラシのタマちゃんと拉致問題の枠は、ほぼ同等。
やっぱりこの国は、おかしい・・・・・っていうかぁ~。めでたい\(^O^)/これじゃ、10年たっても邦人拉致被害者は全員取り戻せない。
絶対に!
メデタイついでに(^^)v 始まっちゃいました。Pパブ公認、公開完全復活!
実は、1~2年ほど前から、こっそり一人でPPへ通い始めてたんです。もう、昔のようなオコチャマ的な事は言いません!タガログ語も少々(^^)vお店の裏情報もバッチリ。
しかも、十数年前とは違い。連日、飲み歩いても破綻しないほどの経済力。
またまた相棒が輪をかけて遊び人。
浅輪先輩も元バンドマン。カラオケも♪二人でハモッちゃったりして(;^_^A 絶好調でございます。
バカには塗る薬もないと申しますが、まさにこうなったら止まらないのなんのって!
今となっては、単なる言い訳にしか過ぎませんが、私もただ楽しんで歌っていれば、何の問題もなかったのです。
携帯も進化して、メールにブログ。。。何でもゴジャレ。

そう、彼女に・・・・・あのPinaに・・・・・ジーナに(>_<)さえ会わなければ。。。
↑このセリフ、ワンパターン過ぎますが、後悔すると誰でも言うのです。
・・・・・・・・・語るも爆笑!聞くも爆笑!PP物語の始まり始まりぃ。。。

平成13年1月5日夕暮れ時。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
『タク!行くぞ。』
『浅輪ちゃん。今日はどこにしますか?』
『近場で見っけた。看板に1セット(90分)\6,000って書いてあった。(^^)v』
『マジ?\6,000で済むのぉ?済まないでしょ???ババドリ(ババエ・ドリンクの略で1杯:\500~\2,000)は?』
『大丈夫!オーバーしたら俺が出す。』
『行った事、あるんすかぁ?』
『ない!(;^_^A)』
(怪しいが、オーバーしたら出してくれるっていってるし・・・)

それから、午後8時も過ぎ。。。食事も終わり、その店へ行く。
店は2階にあった。そして2人は天国への階段を昇る。
『2人ぃ。指名なし。フリーで!』と慣れた調子で先輩が切り込む。
席に着き周囲を見渡すと広いステージに豪華な音響&照明設備。座席も100は越える大箱(大型店)だ。
タレントは35~40名いるだろうか?今日は、まだ正月休みも手伝って常連客の同伴客10組ほとんどだ。

ここで、『平成PPの解説』をしておこう。・・・・・・・・・・・・・・・・・
★PPは「フィリピン・パブ」。働くホステスを⇒通称Pina(ピナ)という(フィリピーナ:フィリピン女性の略。【対義語は、ピリピーノ】)
★また、彼女達を総称してジャパユキ(JAPANゆき)。但し、ジャパユキとは差別用語なので、彼女達は「興行VISA」で入国しているので⇒「タレント」と呼ばれたい。
★『同伴システム』とは、厳密には違法なのだが、もてないオヤジ達は、この営業前の店外デートがお目当てなスケベも多い。もちろん、出てくる時間はババエ次第。愛人ともなれば昼頃から出てくるが、ただの客には防御の意味もあり17時以降からが相場だ。
とにかく外で2時間以上の時間を客に与えなきゃ、ホテルに連れ込まれる危険性もかなり下がる。2時間若い外人女性とデートして\5,000前後なら、考え方によれば安いもんだ。
★とにかくPP客はチビ、デブ、ハゲと老人の品評会に等しい。これらの日本人は他の種の店に行っても、まったくモテない。たぶん。
★彼らから見ればPPは、まさに天国。だって、何十年間も恋人がいなかった歴コヤジが、嘘でも迫真の演技で『イカウ ラァ~マン(^ε^)-☆Chu!! 』←「あなただけ・・・」なんて言われて擦り寄られたら。しかも追い討ちをかけてPinaの甘ぁ~いスキンシップ攻撃に免疫のないヤツ等はイチコロだ!
その証拠に店内では、あちらこちらでお客が調子に乗って「恋人口調」。
★常連客のほとんどは、ババエが席に着くなり『バキット オソイ?(何で来るのが遅いの?)』とか『ナニ シテタァ~?パロパロ カッ?!(浮気?)』とババエに一喝されてから、今晩のゲームも始まるのだ。・・・・最初は皆、知らないPinaが実は乱暴者だって事を。(^^)v

それでは、店内に戻る。
正月休みなどのフリー客は、全てのババエのターゲット。なぜなら、Pinaもご新規客の争奪戦が激しい。
結局、スケベな客が多いので、通ってもXXXが出来ないとなると戦線離脱してしまうのだ。
それに追い討ちをかけて経営者側からのノルマとペナルティーの責め。ババエ達も死活問題である。

この店も入るなりお約束の『イラッシャ!イマセェ~!』と同時に約80もの瞳が我々をミラー越しにチェック!
30分ほど経った。店にも慣れてきた頃に彼女は来た。
彼女は、少し斜め気味にスト~ンと座るや否や!『クーヤー!』と常夏の笑顔で私の頬をつねった。
『バケッ?痛いよぉ~(;^_^A 。イカウ 名前は?アコ シー タク(僕はタク))
『クーヤー、ベテラン ナマン( ̄~ ̄)ξ 』
突然、彼女の顔が曇る。
『ソーリーアー(ごめん)アコ トラバホ(仕事)でフィリピン行った事があるから。』
『オホント デスカァ~\(^O^)/ 』
晴れた!(よかった。でも嘘、言っちゃった)
『ジーナ指名ネ。』
私は彼女を指名した。
彼女は、一層無邪気に喜んだ。
そして、得意の歌を歌った♪まるで喜びの雄叫びのように・・・・
あれからバブルも崩壊し、米やオレンジの輸入規制神話も崩壊。
東証一部上場の証券会社までもが倒産し、翌年には、ケネディーの再来と言われたクリントン大統領が不適切な関係を暴露され。大阪でもハゲた元コメディアンが女性問題で知事を辞任した。そして郵便番号が7桁になった。
世の中、ニュースを聞けば目まぐるしく今までの常識が崩壊してゆく、そう世の中はリストラの名の元、崩壊の10年であった。
しかしなぜか政治家だけは悠長な事ばかりを言い続けている。
なんだかよくわからない国?
携帯電話も安く、より軽く、なってゆくが、よくわからない?

時に私は、この煽りを喰った二部上場会社のパンドラの箱隠しで、個人的にはバブルっていた。そしてしばらくは、このダメな大手管理職の足元をみながら稼がせてもらっていた。

早いもんで、気がつけば20世紀のカウントダウン!
3・2・1・ゼロォ―! 世間は21世紀の幕開けで浮かれていた。
それも、そうだろうこの10年、暗いニュースばかりでみんな滅入っていたから。
携帯電話で「明けお目」言おうと2000年元旦0時0分に電話をかけるが繋がらない。
(あちゃ~。。。メールもダメかぁ。。。広域緊急時には携帯はダメだぁ。)本当に、いざと言う時、先進機器が役にたたない国でもある。

そろそろ、生涯の出会いというべき浅輪先輩を登場させよう。
この先輩、東京のとある地主さんの8代目。知り合って4年ほど経つが、つかみ所のない天才肌。たぶん血液型はB型だ。人の話はぜんぜん聞かない・・・・(;^_^A
2年ほど前から、私が投資をしていた上海などに一緒に行っている。自己を強く持っていて、付き合い方を間違えなければ、四六時中いっしょにいても疲れない人だ。
昨年などは、1年365日のうち300日以上いっしょにいたようにも思える。
妻にも『あなたは、浅輪さんと結婚したほうがよかったんじゃないの?』なんて嫌味をいわれるほど。
そう私も10年ほど前に結婚して、既に三児の父親である。

ある時、浅輪先輩が宿泊先でシャツを脱ぐ
『浅輪ちゃん!お腹の傷どうしたの?』
明らかに盲腸とは違う刺し傷が
『これなぁ・・・・若い時に刺されたぁ~』
『もしかしてぇ~!!女ぁ?』
『おう。フィリピン人に・・・・』
二人が、知り合って既に6年は経過するが、これまでにPPやフィリピン女性との関係など互いに口にする事はなかった。正直いって驚いた。
浅輪先輩が20年も前のエピソードを私に克明に話す。当時、彼は25歳くらいで、そのババエ(女性)とは肉体関係はなかったものの、ババエが先輩を本気で愛し始めたのに気づき、(ヤバッ)と思った彼が既婚者である事を告げたら、逆上して鋭利なピンでグサッ!
私も、思い起こすように10年以上昔の事を切り出す
『そうかぁ~おまえもPに嵌ったかぁ・・・・・』。
お互いの同情とも友情ともいえない、ただただ親近感が深まったような気がした。
変な感じ

そうこれで止めとけばよかったのだ。後悔先にたたず、とはよく言ったもんだ。・・・・・
ハウス・ボトルを半分飲み干したころ・・・・・ボーイが来て『お客様、そろそろお時間ですがぁ?』と何かお約束の返答でも待っているような言い方。
先輩が『お~う。いいよ延長で!』
かなり先輩は、このレイナという女性を気に入っているようだ。
私も、彼女と色々な話に熱中していた。しかも、フィリピン人とは言うものの日本語が流暢で助かった。
「日本には過去3回来ている事。」「兄弟が他に1人いる事。」「現在22歳である事。」「フィリピンの住まいは、ケソンシティーという町である事。」
その他、彼女の家族構成やフィリピンの習慣など、色々な事を話してくれた。
気がつけば、私の方も根掘り葉掘り、彼女の事を聞いていた。

聞けば彼女は歌手だと言う。実は私も学生時代バンドの一員だったほどの音楽好きなのだ。
日頃の、カラオケでは他の客に嫌味になるので、萎縮をしていたが、相手がプロともなれば望むところだ。
『日本語の歌。大丈夫なの?』
『コンティーラン
ゴメンナサイ イカウ ピリピンジン ミタイ カオ ダカラ・・・』
『今茶欄(コンティーラン)とか医科鵜(イカウ)とかどういう意味?』
『コンティーランは、少し。イカウは、あなた。』
『あ~あ、少しねぇ。じゃあ、デュエットで英語の歌とかは?』
『ダイジョウブデス。』
軽く親指を出しながら、ニコッっと微笑んで
『オネガイシマァ~ス』
と彼女のバックから取り出したリクエスト・チケットをボーイに渡す。
考えてみれば、ステージまであるのに誰も歌っていないので、ちょっと緊張する。
イントロが流れ始めた。(おっ、なかなかのミキシングだ。)
男性パートからの歌い出し!ちょっと様子みに手を抜いてしまった。今度は、畏縮。
すると!さすが!外国人シンガーめちゃくちゃ上手い。
次のパートは全力で!しかも相手は外国人。英語の発音もバッチリだ。
他の客に気兼ねせず、思いっきり歌う。
並んで客待ちして座っている女性達から喝采な拍手。
『ウタ オジョーズデスネ』と彼女が囁く。
『スチューデントの時、バンドやってたから(汗)
・・今、思い起こせば
・・・ それが二人の始まりだった。
・・・・ その2ヵ月後には、二人は結ばれ。
・・・・・・ 翌年には、結婚する為にフィリピンへ。
・・・・・・・私にとっては、これが始めてのフィリピン。
・・・・・・・・ とても楽しい数ヶ月が経過した。・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・空は常夏。海はマリンブルー
・・・・・・・・・・・・夢のような日々が続いていた・・・・・・・・・・・・
・・・・・結婚したらフィリピンで暮らすのも・・・そうも考えた・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、フィリピン最後の晩に彼女から私にとっては衝撃的な告白。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『ワタシ 前ノ アサワ(夫)トノ アイダニ子供ガイルノ』・・・・・・・・・
(うそぉ!騙された)私は、そう思った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今、考えれば、私は若かった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼女の制止を振り切り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼女の話も聞かずに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ひとりで帰国! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・彼女からの電話も無視した・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・数ヵ月後、彼女は日本で電話してきた
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・連日、何回もの留守番電話が
・・内容は、いつも同じ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『サイゴニ モウ一度ダケ 話ヲ聞イテクダサイ・・・・・オネガイシマス』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな、メッセージが1ケ月以上も続いた・・・・・・・・・・・・・・・
でも、私はそれに答えなかった・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
当時、経験の浅い私には ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼女の既婚の過去が ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
許せなかった ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・翌月・・・・・・・彼女はランナウェーした・・
マリは日本の地で雑踏に紛れてしまった・・・・・・・・・・・・・・・・
聞けば、店の客と一緒だという・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(やはり騙されてた)そう思った・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんなもんか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・国際結婚の夢はたった1年半で果かなくも消えた・・・・・

・・・・・・・・・・・・あれからまた1ケ月以上が経った・・・・・・・・・

森下先輩に連れられてマリの親友が私の元を尋ねてきた。
『おう。フェイひさし 』
会うなり、彼女は頬を引っ叩いた「パシ~ン!」
(痛てっ!)
『何すんだよ!』
『マリ ノ カワリ!』
『何いってんだよ!騙されたのは・・・・』
私の抗議に言葉をかぶせるように
『アナタ!ピリピン人ノ コト 何モ ワカッテナイ ダカラ。バカダヨ!ホント・・・・』
言葉の途中でフェイが泣き崩れた・・・・・
しばらく、見守るだけの沈黙が続いた。
私の中では、とても永く感じた。

フェイが冷静さを取り戻してから、無知な私に、時間をかけて教えてくれた。
日本のフィリピン・パブで働くフィリピン人女性の多くは、既婚経験があるか?未婚でも子供がいる事。
そして、そうであってもそうでなくとも、基本は経済的な理由から日本へ出稼ぎにきている事。
その多くは、自国に多くの問題を抱えている事。
そして、何よりもマリも自分も、その例外ではない事。

そう、思い起こせばこんな事があった。
二人が恋人同士になってから、マリが何度も聞く事である。
『アナタハ永遠ヲ シンジル?』
私は、こう言った。
『永遠って、なかなか難しいとは思うけど。信じればー・・・あるかなぁ?』
『「信ジレバ」ッテ ドウユウ コト?』
『よく皆、「信じてたのに!○○・・・」とか言うけど。アコは、そんな言葉はないと思うんだ!
「信じる」って事は、一度信じたら信じきる事。何があっても、何が起きても、何をされても・・・信じてなきゃいけないんだ。
だから、信じられれば それは永遠って事かなぁ』
『アナタハ 私ヲ 信ジテル?』
『もちろん!・・・信じてなきゃ誰がフィリピンまで行くんだよ。』
『ワタシ ディクショナリー デ 好キナ言葉 ミツケタノ』
『なに?なんという言葉?』
『(最愛)サイアイ。意味ハ店長が教エテ クレタノ。一番アイシテル ダッテ (^-^) 』
『「最愛」かぁ。』

今、思えば、今、思えば、今、思えば、今、思えば、今、思えば・・・・・・
後悔って「今、思えば」って事をあらためて思い知らされる事。

そして、このあと フェイが私にマリの真実を伝えた。
☆マリは、本当に私の事を愛してくれていた事。
☆別居していたフィリピン人の夫と正式に離婚する為に、弁護士などを雇い努力していた
事。
☆前夫との子供は、両親に任せる為に、これからの生活設計をたてていた事。
☆↑これらの事を実行する為に、これまでの貯蓄の全てを費やしていた事。
☆初婚である私に、経済的にも迷惑が及ばぬように全てを考えていた事。
しかし、私にしてみたら これらはあたり前の事であった。なぜならば、この時の私は、彼女に対して嘘偽りはなかったからである。
しかも、さよならパーティーで号泣するほど、おめでたい客であり且つ純粋に彼女達に接していたから。
ところが、次の瞬間 私の胸に激震が轟いた!
★マリのお腹には、私の子供がいる事。しかも、現在4ケ月になるという。

彼女からは、一言もそんな事を聞いていなかった。それどころか、微塵のそぶりも見せなかった。
私は、気がつかなかった。
そういえば「愛シ合ッテイルノナラ大丈夫」いつも彼女は、そう言って避妊を拒んだ。
ちょうど私がフィリピンで一緒に暮らしている頃の出来事になる。
私は、焦った。何としてでもやり直さなければと痛感した。

フェイは、マリの居場所を知っている。たぶん・・・・・
フェイを何度も問いただすが、一向にマリの居場所については語らない。
『じゃあ、フェイは何の為にアコに会いに来たんだ!ブンティス(妊娠)の事を何でアコに教えた!』
1分ほどの沈黙の後でフェイが言った。
『クゥヤー・・・・・モウ オソイ ダカラ・・・・・・・・・・・・・・・』
『遅いって!???どう事だよ!』
『ウワサ キイタ ディバ?
モウ マリハ 他ノ オ客サント 暮シテルダカラ』
『なにぃ!お前達フィリピン人は誰でもいいのか!ポクポク(売春婦)だな!』
次の瞬間!フェイはブチ切れて、私に馬乗りになった。
森下先輩が見兼ねて征した。
『お前達!ちょっと落ち着け。
要するに、マリはタクと添い遂げたかったけど。結果、自分にも非があったと思ったんだろう。身を引いたんだよ。
あいつは、利口なヤツだから善悪はわかってるはず!そのマリが客とランナウェーせざる得なかったのは、クリスチャンだから中絶できない事もあったろうが、何よりもお前の子供を生みたかったみたいだな。』
『なんなんっすかぁ!じゃあ、俺は何なんですか!』
『クゥヤー ゴメンネ。デモ アコハ マリノ 本当ノ 気持 知ッテ 欲シクテ。
クゥヤー言ウトオリ、フィリピン人ハ バカ多イケド。マリハ バカジャナイ 知テッル ディバ。シャー(彼女)ハ ミステーク ナイヨ 今マデ日本デ。』
『でっ、マリはそれで幸せなの?』
『大丈夫、イカウノ子供イッショダカラ。幸セダッテ・・・』
私は、彼女を妊娠させたという重圧と自分の無力さに足が震えた。
『それって、酷だよな・・・・・・俺にしてみたら』
私にしてみれば、初めて結婚しようと考えた女性であっただけに、帰国後の心の傷も大きかった。しかし、今の告白によって一気に、これまでの彼女との思い出を封印しなくてはとも感じた。
そして、忘れる事のできない自身への重荷として背負った。
背負うしかなかった。
『今日ノ事ハ マリニハ シークレット ダカラ。バレタラ・・・・・・』
今の一言で近くにいる事は察した。
『言うにも言えないだろ。居場所もわからないんだから』
私のセカンドバックに、いつも入っていたマリのエイリアンカードをフェイに渡し。
『このエイリアンカードはクヤ・森下からって言って。それからチャンスがあったら、マリに「タクは永遠を信じてる」って伝えてくれ・・・・』

しかし、その後 彼女から連絡がある事はなかった。
ただの一度も
そして、今までも
世の中は、不景気だった。
その、はずだった。
街工場の二代目に生まれた私にも、世の中の好景気風が生温かく吹いているのが感じられた。
そうこれが、のちに言われる、バブル景気到来の予兆であった・
そんなある日、学生時代の先輩に、誘われた。
私は、子供の頃からのサッカー少年で、高校の時にはインターハイまで出場した。
先輩は、当時キーパーだった。PKで森下先輩が両手を広げて守りに入ると、それは弁慶の仁王立ちと言われるくらいの迫力、巨体であった。
『おいタク。今晩、付き合えよ。ちょっと面白いところに連れてってやるから。』
私は、大きくうなずいた。
そして、その晩 先輩に連れられて行ったのが、通称PP、フィリピン・パブであった。
店に入るなり『イラッシャイ! マセェ~』とギコチナク且つ大きな声の出迎えに驚いた。
内心(なんだこりゃ、薄暗くてヤバくなぁ?)と思った。
とりあえずは、先輩のあとに続き、席までたどり着く。
しばらくするとボーイが
『ご指名は?』
すかさず先輩が
『おれ。あそこのレイナったっけ?・・・・こいつは初めてだからフリーで』と私を指差す。

そして、レイナとマリという女性が来た。
まわりを見回すと、まだ時間が早いせいか他に客は、まばら。でも(まだ午後6時半。4人も座ってんだ、この店) とも思った。
『ハジメマシテェ マリ デス』と彼女が握手を求めてきた。
『あっ。どうも』と私も答える。
ヘアスタイルは、日本人のそれにはない、まるでオカメインコのように前髪が斜め前方へ長く吊り下がっていて、何と言っても目が大きく輝いていた。
服装は、この手の店内なのでお約束の安っぽいドレスだが、明らかに日本人とは腰の位置がちがう。
彼女は、日本人っぽいが、先輩のレイナは完全に白人的、長椅子に座る10名ほどの女性は白から茶色そして黒と、まるで多国籍に見える。
まず、最初にわたしの方から
『はじめまして、日本語大丈夫?』
『ハイ。ダイジョウブデス。』
(よかった)
『このお店の女の子は、どこの国の人が多いの?』
『ミンナ ピリピンジン デス。』
(フィリピン人って様々な人種がいるのかなぁ?これじゃ、見分けつかないや)そう思った。

ここから、しばし彼女の質問が始まる。
①『コノオミセハ ハジメテ デスカ?』
②『オナマエハ?』
③『ナンサイ デスカ?』
④『オシゴトハ イッショ?』
⑤『ピリピンノ オミセ ハジメテ?』
上から①はい。②タクマです。③23です。④いや別々だけど・・・⑤はい。初めてです。
そして、第二段!カーン
⑥『ケッコンハ シテマスカ?』
⑦『オシゴトハ ナンデスカ?』
⑧『ゴハン タベタ?』(・・?)
⑨『ドコニ スンデマスカ?』
⑩『ナニカ ウタ♪イマスカ?』
そして、⑥いいえ。⑦ん~ん。。自分で・・・(なに言ってんだろ)⑧食べたよ。⑨この近く。と答えた。

『⑩のカラオケ?・・・・歌うかぁ~って、まだ何も飲んでないじゃん。』
『君は何か飲まないの?』
すると彼女が私の耳元で囁く
『サラマット ポー。デモ ドリンク タカイ ダカラ、カワリニ シメイ イイデスカ?』
先輩の顔を見ると
『どうした。気に入ったら指名すればいいんだよ。そうすりゃ、他に指名客が来なければ、ずっとここに居るから。』
私は、彼女に言った。
『じゃあ、指名』
この時、微かに「カシャ」と音がしたような?しないような?とにかく彼女の万弁の笑みが降りかかった。
すると次の瞬間『チョット スイマセン』と言い彼女は中座しカウンター越しに消えた。
席に戻る彼女は、左手に小さなグラスを持って帰ってきた。そして、そのグラスに置いてあったウーロン茶を注ぐ。
『ウーロン茶でいいの?』
『ハイ。ダイジョウブデス。』
そして、ようやく
『乾杯』
ここまで来るのに5分・・・いや10分も費やしただろうか。