間違いなくジャッキーアクションの集大成
★★★★★
（★…1点 ☆…0.5点，★5つで満点）
（1994年／香港／101分／酔拳Ⅱ Drunken Master Ⅱ）
『酔拳2 スペシャル・エディション ［2枚組DVD］
』【 監督 】
ラウ・カーリョン
【 出演 】
ジャッキー・チェン
アニタ・ムイ
ティ・ロン
ラウ・カーリョン
【あらすじ】
欧米列強が進出を繰り広げる清朝末期の中国。
酔八仙の使い手・黄飛鴻（ウォン・フェイフォン）は、かなりの腕前にもかかわらず
医者でもある厳格な父のもと使うことを禁じられていた。
そんな中でも継母にそそのかされては町中で大暴れする毎日だったが、
あるとき、イギリス大使館で中国の国宝が密輸されていることを知り、
武術家フク・マンケイとともに阻止に動くが、
イギリス大使館の英国人とその利益にあやかろうとする中国人から
仲間たちへ魔の手が伸びる―
【コメント】
さて、とにもかくにも僕の映画好きの原点はジャッキー・チェン。
もとをたどればジャッキー・チェンというアクションスターの存在があったからこそ。
今でこそ徐々に演技派ジャッキーへ移行しているものの、
ジャッキー・チェンといえばやっぱりカンフーアクション。
スピーディでパワフルでアクロバチック、“観せる格闘”を体現し、
まさに「手に汗握る映画」を作る唯一無二の存在であることに間違いはない。
そんなジャッキーの数々の名作群から、あえて『酔拳２』をピックアップした理由、
それは、『酔拳２』がジャッキー・チェンのキャリアにおける
総決算・集大成の作品だと僕は感じているからだ。
『プロジェクトA』以降、直接的なカンフーを題材にした映画を辞め、
現代アクションを突き詰めていたジャッキーが
ここでそれを復活させたのも評価に値するところだが、
いちばん評価すべきは、現代アクションで完成させたジャッキー流アクションを
過去自分が携わったカンフー映画というものにぶつけたことだ。
まあぶっちゃけ、現代アクションといってもカンフーやってたけどね。
ただ、過去のパシッパシッというカンフーの動きとは一線を画す
ジャッキースタイルのアクションを創造したことは最大の功績であり魅力なのだ。
その魅力が本作で爆発するのは後半。
竹を使った“ジャッキーVS刺客100人の対決”と
クライマックスの“工業用アルコール酔拳”の2点。
もうね、これだけでも十分に観る価値があり、
ジャッキースタイルのアクションを存分に堪能できる場面。
「100人が斧持ってて勝てるワケねーだろwww」とかいう意見は聞かん！
とにかくすげーんだ！竹が！
先っちょをザンバラにした竹であれだけ殺傷能力があるのか！！と。
そしてなんといっても、本編でいちばん手に汗握るクライマックス！
こいつだよこいつ！
こいつの圧倒的な足技のおかげで、
圧倒的かつ最高峰のカンフーアクションが堪能できる。
『九龍の眼』のアパアパとは比べものにならないくらいスゲー足技！
その圧倒的な強さに大ピンチのジャッキーの土壇場の策として
がぶ飲みする工業用アルコールによる大反撃という
格闘モノとして最高にゾクゾクする面白さ。
これだよ、これなんだよ！カンフー映画の面白さは！
ぶっちゃけ、アホでもわかるお子ちゃまストーリーとか
継母役のアニタ・ムイが実はジャッキーより年下とか
そんな細けーことはどうでもいいわけで、
とにかく完成されたジャッキー流カンフーアクションを
存分に堪能してほしい作品のひとつである。
しかしながら、『酔拳２』に否定的な意見もよく耳にする。
どうしても前作『ドランクモンキー酔拳』と比べると
修行して強くなっていくシーンとか、
酔拳に対抗する極悪な拳法が出てこないとか、
どうしても物足りない部分があるのかもしれない。
ただ、自分自身の成長とともにジャッキー・チェン自身の成長も
リアルタイムで観て応援し続けている僕にとっては
本作がジャッキー映画の中でいかに重要な位置にあるか
を分かっているつもりだ。
この作品以降、僕は“手に汗握る映画”に出会っていない。
【さ行一覧】
［さ］
座頭市 THE LAST ★★☆
サベイランス ★★★
SOMEWHERE ★★★★
さや侍 ★★★☆
猿の惑星：創世記＜ジェネシス＞ ★★★☆
サロゲート ★★☆
三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 ★★
［し］
シャーロック・ホームズ ★★
シャッター アイランド ★★★
十三人の刺客 ★★★☆
白いリボン ★★★
［す］
酔拳２ ★★★★★
SUPER 8／スーパーエイト ★★☆
スカイライン－征服－ ★★☆
ステキな金縛り ★★★☆
SPACE BATTLESHIP ヤマト ★★☆
スペル ★★★☆
［せ］
世界侵略：ロサンゼルス決戦 ★★★
ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲 ★★★☆
ゼロの焦点 ★★★☆
［そ］
SAW6 ‐ソウ６‐ ★★☆
ソウ ザ・ファイナル 3D ★★
ソーシャル・ネットワーク ★★★
ソルト ★★★
ゾンビランド ★★★☆
孫文の義士団 ★★★