写真は、Touraine Noble Jouéトゥーレーヌ・ノーブル・ジュエという一寸トスカーナのヴィノ・ノービレを思い起こさせる、気になる名前のAOCワインですが日本では一寸見当たりません。
Touraineトゥーレーヌ地区のToursトゥール市の南、Cherシェール川とIndreアンドル川の間にある24haの小さな地区(Jouéという町があります) で年間1250hlのVin Grisヴァン・グリと呼ばれる薄いロゼワインが造られています。
Pinot Meunierピノ・ムニエ最低40%、(骨格と力強さ)
Pinot Grisピノ・グリ 20%、(果実味と繊細さ)
Pinot Noirピノ・ノワール 10% (長熟と滑らかさ)
が使用される珍しいAOCで2001年に認定されました。
これら3種類は高貴な(noble)Pinot種ということでNoble Jouéと命名されたそうです。
薄いサモンピンク色で熟したイチゴ、梨の香りのするフレッシュな味わいの楽しいワインでした。



㈱徳岡のボルドー・プリムール試飲セミナーに出席しました。
日本でボルドーの34シャトーの2006年プリムールを試飲できるなんて素晴らしい企画で㈱徳岡の意気込みを感じました。

初めにセミナーで、フランスからわざわざ来日したChâteau ValandraudのJean-Luc Thunevin氏やボルドーのネゴシアンからプリムール及び2006年のぶどうの出来の説明を受けた後、テイスティングを行いました。

まだ熟成中のワインですので、当然タンニンや酸の粗さはありますが、これらが数年後どのように変わっていくか、正直のところ確実な判断はまだ私の経験では出来ませんでした。そういえば2月のロワールの見本市でも日本からの私たち4人グループが別室で2006年のロワール赤ワイン10本の試飲を行い順位付けをしましたが、判断は難しかったです。

1855年メドック格付け、グラーヴ格付け、サンテミリオン・グランド・クリュー、ポムロールなどのワインで、やはり上級と思われるワインのプリムールは濃縮度や複雑性で違いを感じさせてくれました。

最後のアンケートに、プリムール買い付けに興味があるか回答欄がありました。ワインスクールとしては「あまり興味はない」と回答せざるを得ませんでしたが、ワイン販売をしていれば、「価格次第で興味ある」と回答したいところでした。この試みが是非成功し毎年続くように興味ある人が沢山出ることを期待しています。

Thunevin氏のワインも幾つか試飲できました。ミーハーみたいに写真を一緒に撮りました。大変気さくな人でした。

彼のETS THUNEVIN Négocian en vinsと書かれた名刺に生産されているシャトーが列挙されていましたので参考まで下記します。
Château Valandraud
Virginie de Valandraud
Clos Bodon Thunevin
Château Bel Air Ouÿ
Château Priuré Lescours
Château Bellevue de Tayac
Domaine Calvet-Thunevin
Le Présidial Thunevin
Calandray



日本で殆ど見られないワインの中で試飲したものを一部列挙してみます。

Muscadet Coteaux de la Loire、
Coteaux de l'Aubance、
Touraine-Noble joue、
Orleans、Orleans-Clery
Cour-Cheverny、Cheverny
Jasnieres、Coteaux du Loire、Coteaux du Vendomois、
Valencay、
Coteaux du Giennois、
Pouilly sur Loire
Fiefs Vendeens
Haut-Poitou
Saint-Pourcain
Chateaumeillant
他にも沢山ありましたが時間が足りませんでした。

写真は、Fiefs Vendeensです。Nantes市の南のVendee県にあるVDQSで、白・ロゼ・赤ワインを産します。シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・シャルドネ;ガメイ、ピノ・ノワール・カベルネ他色々な品種が使用されています。このVDQSは日本にも輸入されています。



見本市でロワールワインの多様性を知ったと前回書きましたが、代表的なAOCを出店している生産者の数をカタログで数えてみました。如何に日本で飲めるロワールワインの数が少ないかお分かりいただけると思います。

Sancerre:79、Pouilly Fume:65、Menetou-Salon36、Quincy37、Reuilly27。

Vouvray:52、Montlouis-sur-Loire:21、Chinon:73、Bourgueil:57、Saint-Nicolas de Bourgueil:51、Touraine:103。

Coteaux du Layon:84、Bonnezeaux:22、Quarts de Chaume:23、Saumur-Champigny:71、Anjou:119、Rose d’Ajou:55、Rose de Loire:117。

Muscadet –Sevre et Maine:64。

AOCの名前だけ覚えていてどんなワインか飲んでみる機会がなかったものを実際に飲むことが出来ました。

写真は、Saint-Nicols de Bourgueilのロゼです。



5日から7日までSalon des Vins de Loireサロン・デ・ヴァン・ド・ロワールを視察しました。

このサロンは、毎年2月にAnjersアンジェで開催されているロワールワインの業界関係見本市で、今年で21回目、パンフレットによると出展者600、フランス初め世界からの来場者9,000人とありますが、会場が広いためゆっくり各ブースをまわれました。

第一印象は、ロワール地方の沢山の数のAOC、VDQS、VdPの殆どが試飲できるので、日本で飲めるロワールワインの種類が極端に少ないことを認識しました。家族経営的な生産者が沢山いてそれぞれが個性あるワイン造りをしていて味わいが様々でした。

それと、ロワールは北の産地なので比較的薄いワインという大雑把な理解でいましたが、なんとしっかり凝縮感のあるワインが沢山ありました。中にはありすぎてバランスが悪いのもありました。

多くのブースで、まだ瓶詰めの終わっていない2006年ものを試飲させて、来場者に風味を判断させているのも印象的でした。

写真は、3日目の昼食時の会場風景です。1日目に比べるとかなり空いていました。



コート・デュ・ローヌのTain Hermitageタン・エルミタージュに本拠のあるChapoutierシャプティエ社のアジアマーケット輸出担当Christophe Thomasクリストフ・トマ氏と会食の機会がありました。日本語の語感が好きで日本語を勉強している、身長2.06メーター、体重はワイン80本分だというユーモアのある話をする人に質問していくつか参考情報を得ることができました。

1. 自社畑はフランスに360ha、オーストラリアに80ha所有しているがすべてビオディナミ農法である。この農法により多様な香りとエレガンスが得られる。

2. ラベルに点字も使われているのはその経緯と共にご存知の方が多いと思いますが、一体何と書いてあるのか質問した所、「飲んだら乗るな」という冗談の次に、「ワイン名、収穫年、色、Chapoutier」だと真面目な回答がありました。
白ワインをグラスサービスするとき、氷水に何回も出し入れしていると点字のところから破れやすい欠点があると指摘した人がいましたが、それに対して、2005年ヴィンテージより穴の裏側にプラスティックを入れているので今後その問題は起こらないととこと。

3. シャトーヌフ・デュ・パプの使用認可品種が13あるのは呼称資格受験する人には面倒なことと思いますが、1800年代後半のフィロキセラ被害前はグルナッシュだけだった。植え換え後、沢山の品種になって、それを整理して13になったそうです。

今回飲んだのは写真のChâteauneuf du Pape Croix de Bois 2001 でした。グルナッシュ100%、アルコール度15%でしたが、アルコールの突出感がなくタンニンが柔らかさで、バランスの良さが印象的なエレガントな造りでした。グルナッシュ100%でChâteauneuf du Papeを造っているのは3社しかいないそうです。

4. Côte Rotie la Mordoree 1997 シラー100%を最後に飲みました。凝縮感ある素晴らしいワインでしたが、もう少し熟成させてから飲みたいと思いました。Cote Rotieは東向き急斜面で朝晩が冷え込むので、南斜面のHermitageに比べ柔らかく、エレガントな貴婦人のようだとMr. Thomasが表現していましたが、まだまだ先が楽しみなワインでした。




春の会に行ってきました。104種類の中から特に注目したものを数点挙げると、
1.新取扱商品、ブルゴーニュのDomaine Antonin Guyonドメーヌ・アントナン・ギヨンのシリーズ。特にジュブレ・シャンベルタン2004。
2. Domaine Jean Collet et Filsドメーヌ・ジャン・コレ・エ・フィスのシャブリ2005。
3. Chateau Cajouシャトー・カジューのボルドー・クレレ2005
4. Niepoortニーポート社のポートワイン
5. シャトー酒折ワイナリーのマスカットベリーA樽熟成2005
他にも沢山の興味あるワインがありました。

マデイラの水割りを宣伝していました。ウイスキーやブランデーの代わりに甘味のあるマデイラで一日の疲れを取るのに面白いかなと思いました。Sercialセルシアル、Verdelhoヴェルデーリョ、Boalボアル、Malvasiaマルヴァジアの順で甘口になりますが、この中でボアルの水割りが最適とは木下社長のご意見です。



大塚食品のRidgeリッジ試飲会でRidge社CEO、Paul Draperポール・ドレーパ氏のセミナー「自然なワイン造りの哲学」を聞いてきました。同氏の穏やかで丁寧な語りぶりと、立花峰夫氏の完璧な通訳でRidgeのワイン造りの考え方を理解しながら、4アイテムのワインを楽しみました。

この試飲アイテムの一つに、パリ対決30周年記念として2006年に行われたテイスティングで、カリフォルニアの若い赤ワイン部門で第1位になったMonte Bello 2000がありました。

1976年の有名なパリ対決では、Monte Bello 1971が第5位に入っています。(10年後1986年のテイスティングでは、同じ1971年ものがClos du Val 1972に次いで第2位。)更に、熟成後の評価のために30年後の2006年に行われた米仏対決の古酒部門でMonte Bello 1971が大差で第1位になっています。

「自然なワイン造り」と訳された原文は「Natural Winegrowing」ですが、ドレーパー氏の「ワイン造りにおいて、人間は、自然酵母の働きや自然MLFなどをガイドしてワインを育てるもので、人為的に色々な手を加えるのではない。後者はWinemakingというべきワイン造りである。」という主張に感銘しました。

試飲会場では、写真のRidge California Zinfandel Late Picked Pagani Ranch 2002に注目しました。アルコール度がなんと15.8%もありますが、アルコールの突出感は無く全体がバランスよくやさしい凝集感があり印象に残りました。ドレーパー氏にこのような遅摘みワインは毎年造るのか質問したところ、「極く稀にしか造らない。Pagani Ranch Zinfandelを作り始めて14年だが2回のみ、Geyservilleでは40年間で1回のみである。合わせる食事はリッチなものが良いと分かるようにLate Pickedとラベルに書いた。」と説明されました。



ビールの造り方理解の一助にすべく初めてアサヒビール西宮工場を見学に行きました。

Website:http://www.asahibeer.co.jp/factory/brewery/ に各工場の見学申込やビール造り方の説明があります。電話一本で簡単に見学予約がとれました。

現在のイヴェントは『こだわりの「うまい!」樽生ビール体験』でした。

20分ほどビデオを見た後、工場の見学通路を通って、ガイドの説明を聞きながら仕込釜から瓶詰めまでの設備を窓越しに見て進みます。最後の20分くらいはゲストハウスでの樽生ビール体験で350mmlのグラスで3杯まで飲ませてくれました。工場で出来立てのスーパードライ生を洗浄の利いたグラスで適性温度で飲むと特別に美味しく感じました。帰りにグラス一人1個お土産に貰って1時間20分の見学が終わりました。

原料の二条大麦やホップの雌花を実際に触ったり、瓶詰め装置の能力が1分間で600本と聞いてワインとは規模がずいぶん違うなと感じたり、ビールの注ぎ方を教わったり、見学ならではの体験ができました。来月から始まる次回の見学テーマは、「家庭でのうまい飲み方講座」です。また行ってみるつもりですが、ビール会社も頑張って宣伝しています。

それにしても、春休みのせいか、60人くらいの見学者の中に15人くらいの幼児を含む小さな子供を母親が連れてきているのに驚きました。ビデオ鑑賞時に泣き出す子達が居て、何故ビール体験に連れてくるのかと思っていましたが、最後にゲストルームで大人がビールを飲む間にジュース類(色々造っています)を貰っていました。将来のビールのお客予備軍なのでしょうね。しかし、子供連れがOKの見学時間帯を特別に作ってもらいたいものです。

写真は、ビールを試飲したゲストルーム。工場見学中は撮影禁止でした。


前回の雑記のFriedrich Beckerのワインのラベルには写真のような興味をそそる絵が書かれています。この由来を、生産者社長から直接聞きました。

この生産者は6代も続いていますが、ワイナリーは第二次世界大戦で破壊され、戦後現社長の祖父が協同組合を創立してワイン造りを再開しました。しかし現社長の父親は1973年に協同組合を辞めて自社独自でワイン造りを始め、辛口ワインを造りました。当時の近辺のワイナリーでは、甘口ワインやバルクでのワイン製造が普通でありました。収量を抑えて収益の少ない辛口ワインを造る祖父はかなり変わり者扱いをされていました。

顧客の中に大勢の芸術家がいて、その中の画家の一人でBadenバーデン州KarlsruheカールスルーエのHans Martin Erhardtハンス・マルティン・エアハルトという人が1976年にラベルの絵を書いてくれたそうです。

イソップ物語の、「狐が高い枝になっている良く熟したぶどうを飛んで取ろうとしたが取れないので、どうせあのぶどうは酸っぱいに違いない、といって去っていった」という話に引っ掛けているそうです。

英語のSour Grapes(酸っぱいぶどう)は「負け惜しみ」という意味で、この物語から生まれています。

「ブラインドテイスティングが上手くやれないのは、最近の醸造が多様化しているから」、と、私が言うのもSour Grapesと認識すべきなのでしょう。

写真は、Becker社長の名刺の裏に書かれている絵