前回の雑記のFriedrich Beckerのワインのラベルには写真のような興味をそそる絵が書かれています。この由来を、生産者社長から直接聞きました。
この生産者は6代も続いていますが、ワイナリーは第二次世界大戦で破壊され、戦後現社長の祖父が協同組合を創立してワイン造りを再開しました。しかし現社長の父親は1973年に協同組合を辞めて自社独自でワイン造りを始め、辛口ワインを造りました。当時の近辺のワイナリーでは、甘口ワインやバルクでのワイン製造が普通でありました。収量を抑えて収益の少ない辛口ワインを造る祖父はかなり変わり者扱いをされていました。
顧客の中に大勢の芸術家がいて、その中の画家の一人でBadenバーデン州KarlsruheカールスルーエのHans Martin Erhardtハンス・マルティン・エアハルトという人が1976年にラベルの絵を書いてくれたそうです。
イソップ物語の、「狐が高い枝になっている良く熟したぶどうを飛んで取ろうとしたが取れないので、どうせあのぶどうは酸っぱいに違いない、といって去っていった」という話に引っ掛けているそうです。
英語のSour Grapes(酸っぱいぶどう)は「負け惜しみ」という意味で、この物語から生まれています。
「ブラインドテイスティングが上手くやれないのは、最近の醸造が多様化しているから」、と、私が言うのもSour Grapesと認識すべきなのでしょう。
写真は、Becker社長の名刺の裏に書かれている絵