=GYMS= まっくのプレスプログ -13ページ目

=GYMS= まっくのプレスプログ

ニュースや音楽・映像など日々の生活を題材としたお役立ち(?)情報。
たまに、ニュースを題材としたプレスブログ。

 いま、美しく燃え上がる炎の前で、引き攣った笑いを見せながら立ち尽くす少年のところへ、彼を取り巻く大勢の少年・少女たちを掻き分けながら三人のセキュリティが近づいてゆく。点滅を続ける光にコントロールされ、切れ切れに浮かび上がる三人のセキュリティの姿。あまりに明確で、あまりに明白なその姿。

 やがて、三人のセキュリティが少年のところへたどり着く。彼らは、少年をはっきりと認めると、その両脇をがっちり固め、彼をその場所から連行しようとしている。いま、少年のやせた体には、頑丈な二人の男から強烈な力が加えられ、少年は「エリア=豪壱=」から連れ出されようとしている。

 すべてが嘘みたいに、すべてがゲームであるかのように、眩い光のなかで、黄色い男共はノイズのような虚しい轟音をとどろかせ、すべての少年・少女たちはゆっくりと眩い光の腹のなかへ飲み込まれていこうとしている。

 秘やかに、どこかでなにかが取引されたかのように、それまでなにを見つめているのかはっきりと分からないガラス玉のようだった少年の瞳は、にわかに異常な光を孕み始め、凶暴なまでの暴れ方で、セキュリティの手を振りほどこうと懸命になった。

 少年は威嚇するように歯をむき出し、激しく身をくねらせ、膝を蹴り上げ、セキュリティに対して必死の抵抗を見せ始める。激しく揉み合う三人のセキュリティと少年。

 彼らを取り囲んだ大勢の少年・少女たちから歓喜と揶揄の混じった声が沸き上がり、四人を取り囲む輪は次第に狭められてゆく。エレクトリック・ギターを抱えた黄色い男の右手が高々と掲げられ、勢いよくルーズにチューニングされた弦に打ち落とされる。

 黄色い男共のうた。いま、またそれは、歌われようとしている。「ヒート・ウェイブ!!」、黄色い男がそう叫ぶ。


To be continued.


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 ステージ上では、会場内の出来事に一切お構いなしといった具合で、黄色い男共の演奏が続けられていた。ギターはこれまで以上にシャープでタイトな響きを空中に放ち、うるさいくらい激しく動き回っているキーボードを首からぶら提げた黄色い男は、壊れてしまったロボットのようにピクリとも動かなくなったベースの穴埋めをするため、警笛にも似たとぼけた単音を規則的に連続して発してゆく。

 ドラムスは、会場の少年・少女たちをまるであざ笑うかのように、両腕を不自然なやり方で直角に曲げたまま、先程までの正確だったリズムをばらばらに分解し、それを明らかに間違った形で組立て直して叩き出し、他の黄色い男共とすべての少年・少女たちに手渡してゆく。

 彼らは光の点滅により、スローモーションの連続分解画像の中に収まった人物のように、滑稽で窮屈そうな動作を見せつけ続けなければならなかった。周りのすべてのものが分解され、新たに接合され、新しく融合され、様々なところで組み直されることにより出来上がるものを見せ続けさせられ、あるいは聞かされ続けることにより、すでに、僕のすべての感覚はすっかり摩痺し始めている。

 そして、実際には掴んでいないもの、それを考えてみるだけでも、頭の中に収めきれないほど巨大でぼんやりとした、そんな漠然としたものを、ほんの端に触れただけで、しっかりと掌握したかのような錯覚をおぼえてしまうのだ。

 ここにいる大勢の少年・少女たちの誰もが、そんな高揚にも似た気分でもって、踊る、踊る。踊るのだ。


To be continued.



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 見えるものすべて、ステージ上の黄色い男共も、踊り狂う大勢の少年・少女たちも、警備にあたる頑強な男たちも、すべての姿は切断され、分解され、どこかとんでもない場所で接続され、組み合わされ浮かび上がってくる。どこからか、これまでとは異なる歓声が沸き上がり、僕はその方向と思われる場所に視線を向ける。

 予めこうなることを予期していたように、僕は、小さく燃え上がり始めた緋色の炎と点滅する光のなかに浮かぶ、一人の少年の攣った笑い顔をたやすく見つけることが出来た。その少年は、シートを滅茶苦茶に裂き、火を放ったのだった。

 少年は、美しく燃え上がる炎を溶け始めたガラス玉のように焦点が定まらずトロンとした瞳で眺め、攣った笑いを見せている。他の少年・少女たちは、彼との関わりをためらうように、微妙な感じで彼からの距離を保ち、ぐるりと遠巻きにしている。彼らは、一様にどこかしら、ニヤけた照れ臭げな笑いをうっすらと浮かべ、不揃いな歓声を浴びせかけ続けている。

 彼らは臆病なまでに慎重に、決して自らは手を出すことなく待っている。自分が、どうしようもなく、巻き込まれていってしまう、その瞬間をじっと待っているのだ。黄色い男共は、相変わらず、こまねずみのように、光の点滅のなかをちょこちょこと動き回り、時代がかった記録映画のように、可笑しな動きをさらけ出している。

 光の点滅により、切れ切れとなって浮かび上がる少年・少女たち。盛んに指笛を吹き続ける少年。眠たげな眼差しで揺らめく炎をじっと見つめ続ける少女。光の点滅のなかで、様々な少年・少女たちの姿が僕のクリアー・ブライト・マット・スクリーンをいっぱいに埋め尽くしては、一瞬にして消えてゆく。


To be continued.



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 気をつけろよ 裏切られるな
 ドアのうしろに隠された あらたなドア
 鏡のむこうで息を潜めるもうひとつの鏡
 破壊された瓦礫のなかから覗き続ける同じ顔
 生暖かい海の奥底深く 秘かに信号は送られ続ける

 気をつけろよ 裏切られるな
 鼓笛隊に先導された 重武装兵士達(メタアーマーズ)
 研究室に閉じこもる 防御服の超科学者達(メタサイエンティスツ)
 崩れ落ちた影の向こうから聞こえ始める同じ声
 生暖かい海の奥底深く 秘かに信号は送られ続ける

 柔らかく湿った空洞の向こう側
 ニヤついてオマエを見つめる冷たく光る目
 訳の分からぬお喋りを続ける凍りついた唇
 オマエの躰を舐めるようにいじくり回すひび割れた指先
 忘れるな 気をつけろ OK?

 気をつけろよ 裏切られるな
 ドアのうしろに隠された あらたなドア
 鏡のむこうで息を潜めるもうひとつの鏡
 破壊された瓦礫のなかで同じ顔がこちらを覗き続け
 崩れ落ちた影の向こうで同じ声が響き始める
 気をつけろよ 裏切られるな

 大切なボタンを握って眠るオマエを
 錆びついた大時計の秒針が指名し
 オマエの耳元で囁くように鐘の音は響き始める
 生暖かい海の奥底深く 秘かに信号は送られ続け
 生暖かい海の奥底深く 秘かに信号は受け取られる

 (「コドン」のうた)


To be continued.


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 選りすぐりの頑強なセキュリティがつくった小さな空間の移動に伴って、三人の黄色い男共は縦一列に並んだゼンマイ仕掛けのおもちゃのようなトロトロとした動きを見せつけながら、ゆっくりと進んでゆく。取り囲んだ少年・少女たちは彼らの方へ硬直し震え続ける手を差し伸ばし、盛んに歓声を送っているのだけれど、不思議なことに三人の黄色い男共のいる空間はそれ以上には小さくなりもせず、ゆっくりとステージ上へと向かうのだった。

 三人の男共のうちの最後の一人がステージへ上がり終えるのと同時に、再び、「エリア=豪壱=」全ての照明装置が点滅し始める。そして、「エリア=豪壱=」のいたるところに浮かんだ、ぬめぬめとした薄気味悪い輝きをみせる金属棒が光に反応し、生き物のようにくねくねと動き出す。

 不意に黄色い男共の甲高い笑い声が場内に響き渡ると、小刻みで変則的なリズムがドラムスによって刻み込まれ、音量の上げられたエレクトリック・ギターによるヘビーでタイトな曲の演奏が始められるのだった。黄色い男共は「コドン」のうたを歌い始める。



To be continued.



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Part TWO : SIREN (サイレン)


 なんだ。あれはなんだろう。僕のどこか遠いところから聞こえてくるうなり。超高層ビルの地下機械室に設置された、たくさんの機械から生じるような低い唸り。あるいは、光を通さぬ暗く静かな深い海底を削ぐ海流の秘やかなうねりの音。音。何の音だろうか。いいや、音なんか聞こえない。何も響いてこない。ただ、僕の周りは、大勢の少年・少女たちでいっぱいに埋め尽くされているだけだ。

 黄色い男共のエレクトリックでエキサイティングな演奏が少年・少女たちの奇妙な波形を刻み込んだ脳のなかに新しい刺激を送り込み、拡散してしまうと、ドラムスの叩き出す規則正しく、強烈なリズムが前面に押し出されてくる。

 それが、合図なのだろうか、周りを各々少年・少女たちに囲まれながら、思い思いの演奏を展開していた三人の黄色い男共は、上体だけをリズムに乗せて、前方にグイグイ押し出すあのぎこちないロボットのような動作でゆっくりと歩き出す。

 あぁ、僕のどこか遠いところでは、やはり同じように、広く冷たく、そして乾ききった空間にずらりと並び置かれた機械群から生じるような低い唸りと有音性物体からでも発生するような音の混じり合った、どこまでも漠然としたざわめきのような音が感じられているのだ。音。あの音は一体なんなのだろうか。



To be continued.


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 少年・少女たちは信じている。いま、ここにいる大勢の少年・少女たちは、すべての伝達回路を閉じたうえで、一人ひとりがそれぞれに、たった一つの音のみを捜し求め続けている。そして、各自が探し当てたひとつの音を自分のなかに素材としてインプットして、それを思い思いに偏向させたうえでアウトプットさせる。

 彼らは、探し当てたひとつの音に自分自身が投影した意味をじっと見続ける。そして、この黄色い男共の創り上げた確定的な意味を持たぬ音楽に対して、少年・少女たち一人ひとりが投影させた意味というのは、彼ら自身の影であり、鏡の中のもう一人の自分なのだということに彼ら自身は気づかないままでいる。

 彼らは、黄色い男共から与えられた不確定な言語と音とを、自分の中で思い思いに組み立て続ける。それらが、ばらばらに分断された彼ら自身の一部であることに気付かぬまま、彼らはそれらを自分の中で思い思いに組み立て続けている。あぁ、騙されるな。それだけではいけない。それだけでは不足なのだ。騙されてはいけない。それだけでは不十分なのだ。

To be continued.


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 強烈な光の跳ね返りによって、切れ切れに見える黄色い男共の表情。激しく、しかもぎこちない身振りでドラムスは叩かれ、物静かに俯いたまま硬直した体でベースは弾かれ、エレクトリック・ギターは失神寸前の状態といった感じで痙攣を引き起こしながら掻き鳴らされる。大勢の少年・少女たちは、黄色い男共の喋る不確定な言葉の意味を探り、様々に送り出されるパルス信号のたったひとつの波を、その構造自体とは関わりなく、ただひたすら追い続けるのに懸命だった。

 ここにいる大勢の少年・少女たちは、いまや、まったくの一人きりとなり、彼ら一人ひとりが、そこに違ったものを見つめ続けている。彼らが、ロックした「エリア=ONE=」で聴き続けた黄色い男共の虹色に光り輝くディスク、そのディスクから彼ら自身が偏向させて与えた意味をここ「エリア=豪壱=」において、増幅させ、見つめ続けているのだ。

 黄色い男共のディスクには書かれてあったはずだ。レーベルはスタンダード、レーベルはオマエ自身だと・・・。


To be continued.


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それは、不思議な光景だった。自己発振を起こしたサーバントロボがするような滅茶苦茶な演奏を展開する三人の黄色い男共の回りそれぞれを、ぐるりと大勢の意図振顫患者が取り囲み、口々に訳の分からぬ言葉を叫び、あるいは呟きながら、たて振れを続けているのだから・・・。

 エレクトリック・ギターの音が軋みをあげて、不協和音の尾を引くようにしながら広がってゆく。男共は互いに顔を見合わせることもなく、体をコチコチに硬直させたまま、ヘンテコな動作で激しい不協和音を創り出す。そして、それらは、整理され、連絡され、より大きな異なった音となって、選ばれた方向にのみ向かって拡がってゆくのだ。

 それに伴い、三人の自己発振するサーバントロボを取り囲んだ大勢の意図振顫患者の震えも一段と激しくなってゆく。彼らは、皆同様にトロンと何を見つめているのか分からないような目と、ポカァンと半開きにされたままの口を持ち、その体を激しく震わせ、時折、思いついたようにピョン、ピョン跳ね上がるのだった。

 ギターのキンキンとした鋭角的な音が反響し合い、黄色い男共が次々と無茶苦茶に絶叫する声が電気増幅され、場内に反射する。黄色い男共の演奏方法が次第に即興的なものへと変化し、そのボーカルも言葉であるというよりは、むしろ声、あるいは叫びそのものといった感じになってゆく。そうだ、今では、黄色い男共は伝達不能な個人言語で喋り始め、メンバー各々が思い思いのパルス信号を送り出し始めている。


To be continued.


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 三人の男共は、硬直させた直立の姿勢を崩さず、機械的な動きでもって体の向きを変えながら、「イエロー・ペリル」を歌い続ける。唸りを上げるシンセサイザーの響きは、徐々に前面に押し出され、その苛立たしげな音は、少年・少女たちの体内にたて振れエネルギーとして蓄積され、彼らの脳に一人ひとり、形も、大きさも異なった波形を刻みこんでゆく。そして、その波がより大きなものへと変化するのにともなって、黄色い男共の歌い方は、徐々にエキサイティングなものへとなってゆく。

 そのうち、ギターとベースを弾く三人の黄色い男共は何度かステージの下へ降りようとする仕草を見せ始め、その度に大勢の少年少女たちから一層大きな歓声が沸き上がる。

 彼らは挑発するかのように、ステージの縁にいる少年・少女たちに向かって足を蹴り上げ、ギターのネックを突き出す。少年・少女たちは、黄色い男共に向かって、その手を伸ばせる限り伸ばし、嘆願するかのように絶叫し続ける。

 三人の黄色い男共は、焦らし続け、少年・少女たちは焦れ始める。興奮した少年・少女たちの間から、一段と凄まじい歓声が沸き上がり、彼らの視線は一様に、おもちゃの兵隊のような動作で、いまにも階段から転げ落ちそうにゆっくりとステージを降りてくる三人の黄色い男共に向けられる。

 少年・少女たちは、ひしめき合い、押し流されながらも、その体を少しずつ黄色い男共の方へと移動させる。三人の黄色い男共は、数人のきわだって頑丈そうな体格をしたセキュリティーが、その腕力に任せてつくりだす大勢の少年・少女たちに囲まれた小さな空間の中を余裕とさえ感じられるギクシャクとした動作でゆっくりと進んでゆくのだった。

To be continued.


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