いま、美しく燃え上がる炎の前で、引き攣った笑いを見せながら立ち尽くす少年のところへ、彼を取り巻く大勢の少年・少女たちを掻き分けながら三人のセキュリティが近づいてゆく。点滅を続ける光にコントロールされ、切れ切れに浮かび上がる三人のセキュリティの姿。あまりに明確で、あまりに明白なその姿。
やがて、三人のセキュリティが少年のところへたどり着く。彼らは、少年をはっきりと認めると、その両脇をがっちり固め、彼をその場所から連行しようとしている。いま、少年のやせた体には、頑丈な二人の男から強烈な力が加えられ、少年は「エリア=豪壱=」から連れ出されようとしている。
すべてが嘘みたいに、すべてがゲームであるかのように、眩い光のなかで、黄色い男共はノイズのような虚しい轟音をとどろかせ、すべての少年・少女たちはゆっくりと眩い光の腹のなかへ飲み込まれていこうとしている。
秘やかに、どこかでなにかが取引されたかのように、それまでなにを見つめているのかはっきりと分からないガラス玉のようだった少年の瞳は、にわかに異常な光を孕み始め、凶暴なまでの暴れ方で、セキュリティの手を振りほどこうと懸命になった。
少年は威嚇するように歯をむき出し、激しく身をくねらせ、膝を蹴り上げ、セキュリティに対して必死の抵抗を見せ始める。激しく揉み合う三人のセキュリティと少年。
彼らを取り囲んだ大勢の少年・少女たちから歓喜と揶揄の混じった声が沸き上がり、四人を取り囲む輪は次第に狭められてゆく。エレクトリック・ギターを抱えた黄色い男の右手が高々と掲げられ、勢いよくルーズにチューニングされた弦に打ち落とされる。
黄色い男共のうた。いま、またそれは、歌われようとしている。「ヒート・ウェイブ!!」、黄色い男がそう叫ぶ。
To be continued.
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