ステージ上では、会場内の出来事に一切お構いなしといった具合で、黄色い男共の演奏が続けられていた。ギターはこれまで以上にシャープでタイトな響きを空中に放ち、うるさいくらい激しく動き回っているキーボードを首からぶら提げた黄色い男は、壊れてしまったロボットのようにピクリとも動かなくなったベースの穴埋めをするため、警笛にも似たとぼけた単音を規則的に連続して発してゆく。
ドラムスは、会場の少年・少女たちをまるであざ笑うかのように、両腕を不自然なやり方で直角に曲げたまま、先程までの正確だったリズムをばらばらに分解し、それを明らかに間違った形で組立て直して叩き出し、他の黄色い男共とすべての少年・少女たちに手渡してゆく。
彼らは光の点滅により、スローモーションの連続分解画像の中に収まった人物のように、滑稽で窮屈そうな動作を見せつけ続けなければならなかった。周りのすべてのものが分解され、新たに接合され、新しく融合され、様々なところで組み直されることにより出来上がるものを見せ続けさせられ、あるいは聞かされ続けることにより、すでに、僕のすべての感覚はすっかり摩痺し始めている。
そして、実際には掴んでいないもの、それを考えてみるだけでも、頭の中に収めきれないほど巨大でぼんやりとした、そんな漠然としたものを、ほんの端に触れただけで、しっかりと掌握したかのような錯覚をおぼえてしまうのだ。
ここにいる大勢の少年・少女たちの誰もが、そんな高揚にも似た気分でもって、踊る、踊る。踊るのだ。
To be continued.
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