三人の男共は、硬直させた直立の姿勢を崩さず、機械的な動きでもって体の向きを変えながら、「イエロー・ペリル」を歌い続ける。唸りを上げるシンセサイザーの響きは、徐々に前面に押し出され、その苛立たしげな音は、少年・少女たちの体内にたて振れエネルギーとして蓄積され、彼らの脳に一人ひとり、形も、大きさも異なった波形を刻みこんでゆく。そして、その波がより大きなものへと変化するのにともなって、黄色い男共の歌い方は、徐々にエキサイティングなものへとなってゆく。
そのうち、ギターとベースを弾く三人の黄色い男共は何度かステージの下へ降りようとする仕草を見せ始め、その度に大勢の少年少女たちから一層大きな歓声が沸き上がる。
彼らは挑発するかのように、ステージの縁にいる少年・少女たちに向かって足を蹴り上げ、ギターのネックを突き出す。少年・少女たちは、黄色い男共に向かって、その手を伸ばせる限り伸ばし、嘆願するかのように絶叫し続ける。
三人の黄色い男共は、焦らし続け、少年・少女たちは焦れ始める。興奮した少年・少女たちの間から、一段と凄まじい歓声が沸き上がり、彼らの視線は一様に、おもちゃの兵隊のような動作で、いまにも階段から転げ落ちそうにゆっくりとステージを降りてくる三人の黄色い男共に向けられる。
少年・少女たちは、ひしめき合い、押し流されながらも、その体を少しずつ黄色い男共の方へと移動させる。三人の黄色い男共は、数人のきわだって頑丈そうな体格をしたセキュリティーが、その腕力に任せてつくりだす大勢の少年・少女たちに囲まれた小さな空間の中を余裕とさえ感じられるギクシャクとした動作でゆっくりと進んでゆくのだった。
To be continued.
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