
「over sleeper - release party」
2015年6月19日、下北沢440にて
ヤマジカズヒデ氏のレコ発ライヴが
開催されました。
今回はバンド形態にて、
・ヤマジカズヒデ(Gt&Vo)
・須藤俊明(Ba)
・石橋英子(Key&Fl)
・山本達久(Dr)
といった編成で登場。
ちなみに、こちらのバンドは
「ヤマジカズヒデともう寝た人たち」
と命名されていますが、
その呼び方は
「もう寝(しん)た人たち」
というのだそうです。
ジム・オルーク、波多野敦子氏以外の
「もう死んだ人たち」が、
今回のライヴには加勢されている。
それに因んだバンド名なのだ
そうですw。
――――――――――――――――
事前に告知された通り、
ライヴは「oversleeper」の
曲からスタート。
まずは「宙を撃て」から。
半覚醒状態のダウナーな気分。
そんな、寝覚めの悪い朝の
雰囲気を漂わせた曲。
「朝が嫌で殺した」
やはり、
このフレーズは印象的だった。
呪文の詠唱のように繰り返され、
深く、静かに沁み入る。
言葉は、場の空気を
徐々に変えて行きました。
そんな曲の直後に、
ヤマジ氏がネタばらしのMC。
こちらの詞は、
「中央線」の駅名に
因んだものだ、と解説。
「信じ行く」→「新宿」
「朝が嫌」→「阿佐ヶ谷」
このように、
ダブルミーニングが各所に
織り込まれているのだとか。
でも、これは言わずとも
結構伝わっていると思いますけどねw
まあ、そんな砕けたMCも交え、
リラックスしたムードで
ライヴは進んで行ったのです。
――――――――――――――――
その後、
「からみあうワイヤー」、
「know you want」と
ハネのあるビートの曲が続く。
どちらの曲も
リラックスしたムードの中で
演奏は進行したのですが、
やはり今回はリズムセクションが
特別でした。
須藤俊明氏、山本達久氏、
両者共にテクニカル。
しかも山本氏に限っては、
更に「個性」を上乗せして行く。
唯一無二の、彼にしか出せない
「粘り」のあるビートを
繰り出す。
下手をすれば
淡々としてしまうだろう曲にも、
繊細なグルーヴを描き出して
行ったのです。
このリズム隊、
とても魅力的でありました。
――――――――――――――――
そして、石橋英子さん。
彼女は今回、キーボードの他に
フルートを演奏された。
それがバンドにとても良い彩りを
与えていました。
4曲目の「遅い痛み」。
この曲の終盤で、突如石橋さんの
フルートが鳴り響く場面が
ありました。
それはとても蠱惑的で、
まるで「悪魔のささやき」かの
ように聴こえました。
今回のバンド、
思った以上にフェミニンな空気が
漂っていたのですが、
それは石橋さんの存在が
あったからこそだと思います。
彼女はバンドにとって、
重要な1ピースでしたね。
――――――――――――――――
そして次の5曲目が
「屋根裏の地下室」
今回、私がどうしても
聴きたかった曲のひとつです。
特別な「詩」なのです、
この曲は。
特別過ぎて、
語る言葉を持ち得ない。
只々、聴き入るのみでした。
――――――――――――――――
次なる曲は、
「some velvet morning」
これも楽しみにしていた
曲のひとつです。
こちらはカヴァー曲なのですが、
今までのヤマジ氏のライヴや
音盤上では、女性ヴォーカルの
パートをヤマジ氏がファルセットで
唄うという「ねじれ」、あるいは
変態性があって、そこが魅力にも
なっていました。
今回は、その女性パートを
石橋英子氏が担いました。
それにより、
「ねじれ」という「惹き」は
若干薄れてしまったかも…。
しかし、
ヤマジ氏がファルセットによる
歌唱から解放されたことにより、
演奏面がよりスリリングに。
男/女パートの入れ替わりが
今まで以上に素早くなった。
ヤマジ氏のヴォーカル(男)と
ギターは、一刀するかのように
斬り込んで行く。
(これにきちんと合わせて行く
バンドメンバーも凄い!!)
そして、そこから終盤の
インストゥルメンタル・パートへ。
バンド全てが「混沌」へと
なだれ込んで行ったのです。
この時の演奏、まさしく圧巻でした。
――――――――――――――――
「some velvet morning」
その演奏の熱冷めやらぬ中、
次の曲へ。
と、その直前に山本氏が
やおら立ち上がる。
「楽屋行っていいですかね?」
え、一体何事?と思いましたが、
ここからはドラムレスで
演奏という事なのでした。
そしてキーボードも。
山本達久、石橋英子両氏が
ステージから去り、
ヤマジ氏と須藤氏が残される。
そして始まった曲は
「night rider」。
右足の無い、泣かない猫。
真夜中の散歩者の歌。
歌とギターとベース。
それだけで描かれて行く。
夜のしじまを湛えた楽曲は、
それまでの熱を
静かに冷まして行きました。
――――――――――――――――
そしてその後、
更にステージ上の人間は
減って行く。
須藤さんが去り、
そこにはヤマジ氏がひとり。
となると、
演奏する楽曲はやはりアレですよ。
今回の新譜の中で、
最もエモーショナルな「あの曲」!
この後に
それがやって来るのです。
(続く)
Link→
ヤマジカズヒデともう寝た人たち (その2)