子どもを信じること
子どもの可能性を信じることは
大切です。
でも、
その力をもっと伸ばそうと
思うあまり、
呪文のように
「あなたはできる子だから」
と言い続けてしまうのは
場合によっては
子どもの負担になりかねないのです。
それは、
子ども自身が
「自分はやればできる」
と思っていなくて、
どちらかというと、
肯定的に自分を見ていないとき。
自分のことを
「自分はそれほどできるほうではない」
と
自分で捉えている状態で、
親から
「あなたはできる子だから」
と言われると、
子どもは混乱します。
そして、
「あなたはできる子だから」
という言葉が
そうなりたいけど、なれない自分
となって
かえって子どもを
縛ったり
苦しめたりしてしまう。
ということです。
おかんは
長男が高校生のとき、
何気に言ってしまって、
長男から
「そういうことを言われるのが嫌」
と
はっきり拒否されて
初めて気づき、
もう一度学びなおしました。
あの経験がなければ、
無意識のうちに
相手を傷つけることを
続けていたかもしれません。
また
自分自身がそう言われ続け、
しんどい思いをしてきた方も
いらっしゃるかと思います。
大人になってからも、
周囲からそういう風に
言われることって
ありますよね。
良かれと思って
言っていても、
本人は全く嬉しくないどころか、
しんどさ倍増なのですから、
無意識って
時には大きな罪に
なってしまうのだということを
知っておいた方が
いいのでしょうね。
「あなたはできる子だから」
これは、
自己肯定感の低い子ども、
自分を否定的に捉えている子ども、
思春期に入り、
自分で自分を周囲と比べだす時期の
子どもに対しては
特に注意が必要です。
なので、
「この子はきっとできる」
というのは、
子どもに伝えるためではなく、
自分が子どもの可能性を信じるために、
自分自身にだけかけておいてくださいね。
子どもにかけるといい言葉、
それは、
今子どもができていることを
そのまま
「できたね」
できていないことを
「できていないね」
「どうすればいいと思う?」
と
言葉にして伝えていくこと。
ただし、
責めるような気持ちや
怒りはそこに込めません。
状況をそのまま伝えるように
するだけです。
おかんはあえて、
できていないことは笑顔で伝えていました。
リビングにキミのものが散乱してるよ~!
今日はまだ弁当出てないよ~!
もう寝る時間だけど、宿題まだなんだね~!
今日はプリントなしでいいのかなぁ~?
「あなたはできる子だから」
を
繰り返し子どもに伝えてしまうのは、
自分が望む子どもの姿へ
今目の前の我が子を
追い立てたいから。
つまり、
今現在の子どもを
そのままで認めていない。
現実から目を背けようとしている。
という可能性があります。
「子どもができていることが
見つからない」
というのは、
自分の中の
できる・できないの基準を
満たしていない
子どもの行動を
すべて見ないように、
あるいは否定的に捉えて
いるからかもしれません。
どちらも、
今目の前のことを
感情ではなく
事実でとらえるということを
練習していくのが
大事です。
そのためには、
子どものできない行動を見たとき、
自分がどう感じるのか、
その奥には
自分自身のどんな思いがあるのか。
まで
見て行った方が
いいのです。
我が子ができないことを
見るたびに、
自分がちゃんと母親を
できていないと感じる
ためなのか、
自分の理想に
追い付いていない我が子に
我慢がならないのか、
今のありのままの
我が子を受け止めるほど、
自分に余裕がないのか、
心の奥、
あるいは
そのもっと奥に、
実際に自分自身が持っている
本当の感情が
あるはずです。
自分自身が
出来ないことについて
怒られたり
責められたりして
そうならないように
頑張ってきた人ほど、
それをまた子どもにも
おしつけがち。
怒られないように
責められないように
ちゃんとしなきゃ
がんばらなきゃいけない。
と
体や脳が
勝手に反応してしまうのです。
もう怒る人も、
責める人も
いないのですから、
実体のない敵と
戦っているようなもの。
そして今度は
自分自身が
怒る人、責める人となって
子どもの前に立ちはだかる。
根本的に自分を変えるというのは、
そこまで行って
自分を見るからこそ。
そして、
そんな自分も
丸ごと受け止め
時には許して、
認めていくからこそ。
表面的に
考え方を変えようとか、
行動を変えようとかは、
一時的にできても、
また元に戻りやすくなります。
あきらめずに、
継続して
子どもの接し方を
意識し続けること。
そして、
いつも自分の内面に問いかけ、
自分としっかり対話していくこと。
子育てを変える、
自分を変えるには、
そこから目を背けるわけには
いかないのです。
自分一人で
考えたり、
継続したりが難しいときは、
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