粉糖/パウダーシュガーの種類と使い分け・粉糖の手作り | 型にはまったお菓子なお茶の時間

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主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

お菓子作りに欠かせない材料のひとつである、粉砂糖。
純度の高い砂糖(グラニュー糖)をパウダー状に挽いたものですが、ものによっては、原材料の欄を見るとコーンスターチなどが添加されている場合があります。
何が何のために添加されているのか、どのように使い分ければ良いのかと言った、ご質問やブログ内の検索ワードが多いので、まとめてみることにしました。

毎回簡潔に…と考えながらも結局長文になってしまったので、わかりにくかったらすみません。
参考になりそうな部分だけ拾っていただいけるとありがたいです。
要は、純粉糖・コーンスターチ入りの粉糖どちらも同じように使え、泣かない粉糖はあくまで仕上げ用言うことを説明しています…笑

●材料や生地の作り方に関してこれまでに書いた記事はこちら
 砂糖 ~甘さと食感を左右する~
 小麦粉について ~ふるう・こす・休ませる・さっくりと混ぜる・お菓子に薄力粉を使う理由~
 オーブン使いこなし
 卵の役割《起泡性・気泡の安定性・乳化作用・殻の色・選び方・メレンゲについて》
 
クッキーにおける卵の役割&卵黄・卵白・全卵で作った場合の比較
 バターなど固形油脂の性質・お菓子作りに無塩バターを使う理由
 生クリーム《ラベルの表記・動物性と植物性の違い・脂肪分別用途・選び方》



↑まぶしたり、混ぜ込んだり。


【粉糖の種類と特徴】

《純粉糖》
 グラニュー糖100%、混ぜ物なしの粉砂糖です。
 クッキーやケーキの仕上げにまぶしたり、焼き菓子の生地に混ぜ込んだ場合の仕上がりも、口どけが良いのが特徴です。
 ただし温度や湿気に敏感で、固まりやすい傾向にあるので、しっかり密閉できる容器や袋で保存して早めに使い切ります。

《粉糖(コーンスターチ/オリゴ糖入り)》
 「純糖」などの表示がなく、一般的にスーパーなどで販売されている粉糖には、コーンスターチが3%前後添加されています。
 コーンスターチ以外に、オリゴ糖が添加されているものもあります。
 どちらも理由は、固まりにくくするためです。
 それでも吸湿しないわけではないので、純粉糖と同じように湿気に注意して保存します。

《泣かない粉糖/プードルデコール》
 水分を吸いにくく溶けにくくなるように、粉糖の粒子に油脂をコーティングしてあるデコレーション用の粉糖です。
 ガトーショコラなどのケーキやタルト、スノーボールの表面にまぶすときれいな仕上がりが持続しやすい傾向にあります。
 ただし、溶けにくい加工をしてあるため、口どけや風味は先ほどの2つの粉糖と比べて劣ります。
 (溶けにくいとは言っても、やはりこちらも湿気には注意して保存します)


【使い分け】

 純粉糖と、コーンスターチが配合してある粉糖は、どちらも「粉砂糖」「粉糖」としてお菓子作りや料理に同じ使い方ができます。

 ただ粉糖をお菓子に使う主な理由は、口どけをよくするためや、ほかの材料との馴染みをよくするためです。
 微量ではありますがコーンスターチが含まれていることによって、例えばマカロンやクッキー用のアイシングなどの"材料の中でも特に粉糖を多く使うお菓子"に使った場合は、仕上がりや風味、保存性が多少変わる可能性もなくはないので、やはり何も混ぜ物がない純粉糖のほうが間違いはありません。

 だからと言って、例えばバターケーキなど小麦粉などの粉類を使うものだったり、粉糖自体の配合率が低いお菓子の場合は、コーンスターチが小数点以下の重さで入っていたところで味に影響はしないので、粉糖の配合率がそこまで高くないお菓子を作る場合は、お好きなほうを使われて構わないと思います。
 
 でも粉糖を多く使うお菓子であっても、お菓子の出来上がりに関してはやはり配合や技術面による影響も大きい割合を占めています。
 レシピや作る人によって、マカロンやアイシングを、コーンスターチ入りのもので問題なく作られる方は多くいます。
 それらを踏まえたうえで、自分がどちらを使うかは、保存性やこだわりなど何を優先したいかに合わせて選んでください。

 また、泣かない粉糖や色がついているデコレーション用の粉糖は、生地に混ぜ込むなどのお菓子作りの材料としてはおすすめできません。
 泣かせない(湿気で溶けないようにする)ために粉の表面に油分やでんぷんなどがコーティングされていますが、熱や湿気にも強く溶けにくいということは、生地にうまく混ざらなかったり油浮きする可能性があるからです。
 泣かない粉糖は、あくまでも、気温や湿度に左右されたくない時の仕上げ専用として使うようにしてください。


【粉糖/微細粒グラニュー糖を作る】
 グラニュー糖をミルミキサー(フードプロセッサーや大きなミキサーは不可)で挽いて、目の細かい茶漉しでふるうと、粉砂糖を作ることができます。
 特に、ケーキに混ぜ込んだり、粉糖の配合率が低いお菓子には問題なく使うことができ、必要な分だけ作れば無駄も出ず、原価も抑えられます。

 ただし、こちらは本当に均一に粒子を細かくできないと、粉糖の配合率が高いお菓子作りの材料としてや、デコレーションとしてまぶす用途には向かない場合があります。
 それは使用するミルサーの性能や、ミルサーの容量とグラニュー糖の分量のバランスによって本当に微妙に粒子の大きさが変わってくるからです。
(粉糖の値段が高いのは、その手間や技術料も含んでいるからですね)

 目にはとても細かく挽けていても、実際に粉糖主体のお菓子作りに使うとムラが出たり(あくまでもお菓子の種類やレシピによります)、口に含むとざらつきを感じる場合があるので、デコレーションや粉糖主体のお菓子に使えるかどうかは、一度口に入れて確かめてから使うか、プレゼントやおもてなしなどに使う場合はやはり市販品を使ったほうが無難です。