砂糖 ~甘さと食感を左右する~ | 型にはまったお菓子なお茶の時間

型にはまったお菓子なお茶の時間

主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

お菓子作りに欠かせない重要な材料の1つ、砂糖。
なんと言っても、スイーツは甘くないと始まりませんよね。
ただ、健康志向に伴いよく見かけるようになったのが
“砂糖を減らして甘さ控えめ”というフレーズ。
甘さはダイエットの敵、砂糖は体を冷やすということもあり、悪者扱いされることもあります。

確かに甘すぎるのは考え物ですが、ただ単に減らしただけでは、糖に水分をひきつける性質があるため、甘さだけでなくその分のしっとりさまで失われる場合も。
クッキーの固さも、砂糖が少ないとサクサクとした食感にはなりません。
更にさっくり感が失われるだけでなく、減らしすぎるともろくなり、割れやすくなる原因に。
逆に砂糖が多ければケーキはしっとり、クッキーはカリッとするということです。
ここはバランスの問題ですね。

そして砂糖は種類も様々で、どれを使うかによって仕上がりが違ってきます。
例えば主役となる素材そのものの味や香り、色を残したい時には、独特な風味がついたものよりも精製されたもののほうが仕上がりに生かせますし、独特な風味の砂糖を使えばその砂糖自体を主役にしてしまうことも可能。
お菓子の仕上がりによって、それぞれの特徴を生かして使い分けることが大切です。

これらを頭に入れておくと、自分でレシピを調整したい時の参考にできます。
砂糖の種類は本当に多いので全部が全部は載せられませんが、主にお菓子によく使われるものに絞ってご紹介します。


型にはまったお菓子なお茶の時間☆-20130531_094132.jpg


●上白糖
 日本独自の、転化糖をまぶした砂糖で、どっしりとした甘味が特徴。
 糖分が高いほどに水分をひきつける性質があるため、お菓子作りに使うとしっかりとした甘味と、しっとりさが加わります。


●グラニュー糖
 くせがなく、すっきりした甘さで、溶けやすく混ざりやすいのが特徴。
 上白糖と比べて、軽い食感に焼きあがります。
 素材の味・色・香りをそのまま生かしたい時に。


●微細粒グラニュー糖
 グラニュー糖を更に溶けやすく、混ぜ込みやすく、6粉の1程度まで細かくしたもの。
 使う分だけ、グラインダーでグラニュー糖を挽いて作ることもできます。


●粉糖・粉砂糖
 純度の高い砂糖を粉末状にしたもので、仕上げにまぶしても、焼き菓子の生地に混ぜ込んだ場合の仕上がりも、口どけが良いのが特徴。
 特に仕上げ向けには、水分を吸いにくく溶けにくい“泣かない粉糖”というものもあり、こちらは粉糖の粒子に油脂をコーティングしてあるので食感がよくないと感じる場合もありますが、季節や気温によっては普通の粉糖が溶けてしまうのに比べて仕上がりの見た目が綺麗です。
 ただ、泣かない粉糖や色がついているデコレーション用の粉糖は、生地に混ぜ込むなどのお菓子作りの材料としてはおすすめできません。
 泣かせないために粉の表面に油分やでんぷんなどがコーティングされていて、熱や湿気などにも強く溶けにくいということは、生地にうまく混ざらなかったり油浮きする可能性があるからです。


●黒糖
 サトウキビの汁を煮詰めたもので、ミネラルを豊富に含む含蜜糖。
 コクが出るものの、渋みや苦味などのクセがあり、お菓子に使った場合も独特の風味が加わります。


●きび砂糖
 精製途中の砂糖液を、そのまま煮詰めて作られた砂糖で、お菓子に使うとやさしい甘味に。
 ただ、ミネラルが含まれるため健康的だと思われることも多いものの、ヘルシーとは言ってもそれは上白糖と比べた場合で、砂糖は砂糖。
 上白糖は体を冷やすと言いますが、それはきび砂糖も同じで、マクロビでは使われません。


●三温糖
 ショ糖を結晶化させた砂糖の一種で、結晶させる際に再三過熱していることからついた名前。
 加熱させる度にカラメル成分が形成されて色がつくために茶色をしていて、カラメル風味から上白糖よりも甘味を強く感じます。
 茶色く、健康的なイメージを持たれることも多いものの、製法・成分は上白糖と同じ。
 使用する砂糖量からすれば摂取できるミネラルの差も微量で、上白糖より健康的と言うことはないので、目的によって使い分けを。


●てんさい糖
 甜菜(ビート、砂糖大根)から作られた砂糖。
 ビフィズス菌のえさとなるビートオリゴ糖が含まれていて、マクロビに使われます。
 甘味が柔らかく、他の砂糖と同じ量を使って同じお菓子を作った場合、甘さ控えめになります。


●ブラウンシュガー(カソナード、ヴェルジョワーズ他)
 ブラウンシュガーは、白色でない砂糖の総称。
 茶色い砂糖は健康的と言うイメージがついていますが、三温糖や黒糖などのミネラルや風味があるものから、普通の砂糖にカラメル色素などで色をつけてあるものまでブラウンシュガーと呼ばれるので、目的によって使い分けを。
 外国ではブラウンシュガーと言えばカソナードですが、カソナードとはサトウキビから作られた精製前の砂糖のことで、クレームブリュレの仕上げに使われる砂糖として一般的。
 対してヴェルジョワーズはビート(砂糖大根)から作られた精製前の砂糖で、フルーツソテーやスパイスクッキーに使われます。
 どれも普通の砂糖と同じように使うことができます。


●あられ糖(ワッフルシュガー)
 大きな粒状に加工された砂糖。
 焼いても溶けないので、パンの飾りや、ワッフルに混ぜ込んで使われることが多いため、ワッフルシュガーとも呼ばれます。