おかげさまで10月から新しい事務所で働くことになった。
同期が配属研修を受けた事務所で、すごくいい事務所だから是非面接してみるべきだと強く勧められたので受けてみた。
『経営承継してくれる30代の若手』を探していたそうなので、正直落ちたと思っていた。
ちなみにトイレも使えるし、朝夕の挨拶もちゃんとあるとのこと。
それだけで選んだわけじゃないけど、そういうこともすごく大事。
まあ正直なところ、事務所の雰囲気や相性ってのは入ってみないとわかんないので、3か月間の試用期間でよく見極めようと思う。
話変わってシルバーウィークのこと。
面接の結果待ちで暇だったのと、このところのウツウツ気分から抜け出すため、フェス系のイベントでアルバイトをしてきた。
できるだけ賑やかな、そしてできるだけ忙しいバイトなら凹む暇もないかなと思って、敢えて3泊4日の拘束を伴う勤務を希望した。
某海浜公園で開催されたロックフェス。
海に面した解放感ある公園に巨大なステージが組み上げられている。
あちこちにイベント感漂う屋台が立ち並び、ミニDJブースまで設けられている。
僕の担当は入り口ゲートでの“もぎり”。
すぐ横に海が見える最高のロケーションで、数万人分のチケットをもぎってきた。
フェスは初めてだったけど、次から次へと色んなアーチストが出てくるお得感は半端じゃない。
ざんねんながら、僕のいた場所からはステージは見えなかった。
けれど音楽は大音量なので十分に聞こえる。
特に僕たち宿泊組は本番の前日から現地入りしていたので、リハーサルの様子まで聞くことができた。
プロってのはしつこいくらいにリハするもんなんだね。
本番当日はお気に入りアーチストのコスプレや、肌の露出の限界に挑戦しているかのような過激な格好のお客さんも多く、お祭り感はイッキに高まる。
天気は快晴。海風が気持ちいい。
仕事じゃなければ最高だろうなと何度も思った。
基本は立ちっぱなしの過酷なバイトだが、ライブの最中はそこそこ休憩もとれる。
弁当も出るしお茶も出る。
朝は6時から夜11時過ぎまで拘束されるし、設営撤去仕事もあり、正直ラクとは言えない。
でも短期でやる分には、聞こえてくる音楽を聞きながら仕事ができるので、かなり面白いアルバイトだったと思う。
ただし宿はひどかった。
僕らが泊まったのはライブ会場からバスで20分ほどの旅館。
あてがわれたのは一見して宴会場だと分かる大広間で、そこに初対面の男ばかり10名以上が押し込まれた。
布団もギチギチに敷き詰められて、横を向くと知らないオッサンの顔があるような感じ。
お風呂は3人も入れば満員になってしまうミニ仕様。
だから30分以上も行列して待たなきゃ入れない。
仕方なくコンビニでビールを買ってきて飲みながら待つような感じ。
まあ、そんな過酷な環境なので、2日目には同室の面々とはすっかり仲良くなったけど。
疲労感ピークで迎えた最終日の夜、ステージ上では大トリのアーチストがアンコールのサプライズ企画で最後の盛り上がりを演出していた。
僕はこれからの帰宅ラッシュに備え、お客さんの荷物を預かるクロークテントに配置換えされて、周辺に散乱するゴミをまとめていた。
アーチストが「3、2、1!!」とカウントダウンをすると、巨大な花火が打ち上げられた。
色あざやかな花火が、腹の底に音が響くくらいの距離で打ち上がる。
それがちょうど僕のいるクローク広場の真正面の位置だったので、まるで僕のために打ち上げられた花火のように感じた。
ゴミ袋を持ちながら、目の前の光景にしばらく呆然としてしまった。
お客さんを送り出した夜10時過ぎから、ステージの一部撤去作業を手伝った。
男7人で持っても足元がふらつくような鉄製のフェンスをいくつも移動させたのがハイライト。
重すぎて握力がなくなるなんて初めての経験。
おそらく200キロ近くあったんじゃないか。
前々日に降った雨のせいでステージ周りはひどいぬかるみで、何度も滑りそうになった。
その後、ステージ周辺に落ちてる大量のゴミを拾い、別の柵の移動も終えて、12時を回ってようやく解放された。
宿に帰りついてビールを飲もうとしたが、腕が震えてプルタブが開けられなくて困った。
風呂でシャンプーするときも、腕が上がらなくて大変だった。
けれど明日は帰れるという解放感の中、ビールを飲みながら布団に寝そべって、同室のおっさんたちと他愛もない話をした時間は、忘れられない経験となった。
教訓。
フェスは楽しむもの。働いちゃいかん。
同期が配属研修を受けた事務所で、すごくいい事務所だから是非面接してみるべきだと強く勧められたので受けてみた。
『経営承継してくれる30代の若手』を探していたそうなので、正直落ちたと思っていた。
ちなみにトイレも使えるし、朝夕の挨拶もちゃんとあるとのこと。
それだけで選んだわけじゃないけど、そういうこともすごく大事。
まあ正直なところ、事務所の雰囲気や相性ってのは入ってみないとわかんないので、3か月間の試用期間でよく見極めようと思う。
話変わってシルバーウィークのこと。
面接の結果待ちで暇だったのと、このところのウツウツ気分から抜け出すため、フェス系のイベントでアルバイトをしてきた。
できるだけ賑やかな、そしてできるだけ忙しいバイトなら凹む暇もないかなと思って、敢えて3泊4日の拘束を伴う勤務を希望した。
某海浜公園で開催されたロックフェス。
海に面した解放感ある公園に巨大なステージが組み上げられている。
あちこちにイベント感漂う屋台が立ち並び、ミニDJブースまで設けられている。
僕の担当は入り口ゲートでの“もぎり”。
すぐ横に海が見える最高のロケーションで、数万人分のチケットをもぎってきた。
フェスは初めてだったけど、次から次へと色んなアーチストが出てくるお得感は半端じゃない。
ざんねんながら、僕のいた場所からはステージは見えなかった。
けれど音楽は大音量なので十分に聞こえる。
特に僕たち宿泊組は本番の前日から現地入りしていたので、リハーサルの様子まで聞くことができた。
プロってのはしつこいくらいにリハするもんなんだね。
本番当日はお気に入りアーチストのコスプレや、肌の露出の限界に挑戦しているかのような過激な格好のお客さんも多く、お祭り感はイッキに高まる。
天気は快晴。海風が気持ちいい。
仕事じゃなければ最高だろうなと何度も思った。
基本は立ちっぱなしの過酷なバイトだが、ライブの最中はそこそこ休憩もとれる。
弁当も出るしお茶も出る。
朝は6時から夜11時過ぎまで拘束されるし、設営撤去仕事もあり、正直ラクとは言えない。
でも短期でやる分には、聞こえてくる音楽を聞きながら仕事ができるので、かなり面白いアルバイトだったと思う。
ただし宿はひどかった。
僕らが泊まったのはライブ会場からバスで20分ほどの旅館。
あてがわれたのは一見して宴会場だと分かる大広間で、そこに初対面の男ばかり10名以上が押し込まれた。
布団もギチギチに敷き詰められて、横を向くと知らないオッサンの顔があるような感じ。
お風呂は3人も入れば満員になってしまうミニ仕様。
だから30分以上も行列して待たなきゃ入れない。
仕方なくコンビニでビールを買ってきて飲みながら待つような感じ。
まあ、そんな過酷な環境なので、2日目には同室の面々とはすっかり仲良くなったけど。
疲労感ピークで迎えた最終日の夜、ステージ上では大トリのアーチストがアンコールのサプライズ企画で最後の盛り上がりを演出していた。
僕はこれからの帰宅ラッシュに備え、お客さんの荷物を預かるクロークテントに配置換えされて、周辺に散乱するゴミをまとめていた。
アーチストが「3、2、1!!」とカウントダウンをすると、巨大な花火が打ち上げられた。
色あざやかな花火が、腹の底に音が響くくらいの距離で打ち上がる。
それがちょうど僕のいるクローク広場の真正面の位置だったので、まるで僕のために打ち上げられた花火のように感じた。
ゴミ袋を持ちながら、目の前の光景にしばらく呆然としてしまった。
お客さんを送り出した夜10時過ぎから、ステージの一部撤去作業を手伝った。
男7人で持っても足元がふらつくような鉄製のフェンスをいくつも移動させたのがハイライト。
重すぎて握力がなくなるなんて初めての経験。
おそらく200キロ近くあったんじゃないか。
前々日に降った雨のせいでステージ周りはひどいぬかるみで、何度も滑りそうになった。
その後、ステージ周辺に落ちてる大量のゴミを拾い、別の柵の移動も終えて、12時を回ってようやく解放された。
宿に帰りついてビールを飲もうとしたが、腕が震えてプルタブが開けられなくて困った。
風呂でシャンプーするときも、腕が上がらなくて大変だった。
けれど明日は帰れるという解放感の中、ビールを飲みながら布団に寝そべって、同室のおっさんたちと他愛もない話をした時間は、忘れられない経験となった。
教訓。
フェスは楽しむもの。働いちゃいかん。