今日は自転車でサイクリングに出かけた。

コースは簡単。

自宅の前に流れる川をずっとずっと北上するだけ。

スマホにお気に入りの音楽を入れて、景色が変わるまでペダルをこいでみようと思った。



最近の僕は、失くしたものの大きさばかりを思って進めずにいる。

これじゃダメだという自覚はあるものの、うまく自分がコントロールできない。

せめて外の空気だけでも吸ってみよう。



川沿いの細い道を一番軽いギアでゆっくり進む。

BGMはできるだけテンションの高いのを選ぶ。

でもそれだとちょっと疲れるから、合間に穏やかな曲も入れる。

時々鼻先をかすめる金木犀の香りには切なくなるけど、止まらずペダルをこぐ。



2時間近くこいでると太ももやお尻が痛くなってくるが、構わずに進む。

だいぶ来てるのに大して風景は変わらないもんだ。

でもフワフワ飛んでるトンボの群れを見たり、少し冷気を含み始めた空気を胸いっぱいに吸い込んだりしてるうちに、だいぶ楽になってきた。

そういえば深呼吸なんて久々にするな。



日が暮れ始めたので今日はここまで。

結局、風景が変わるところまではいけなかった。

かなり北上してもいつもの川。

何にも変わらず、ずっとそこにある。

こんな風景にすら意味を見出そうとするのは、きっと自分の心が繊細になりすぎてるせいだ。



帰り道はとっぷりと日が暮れて、真っ暗い道を戻る羽目になった。

お尻はじんじん、太ももはパンパン。

自転車のライトが付かずに難渋した。



だけど久々のサイクリングは気持ちよかった。

時々こうして心を解放してあげる時間があってもいいなと思った。