たとえば「彼が買ったのは車だった」と言う場合、もっとも大事な部分は「車」です。
「彼が買ったのは車だった」と、日本語では大事な部分を後ろに置きます。それに対して、英語では前に置きます。
これを英語に直せば、次のように強調構文を使うことになります。
It is a car that he bought.
(  ̄っ ̄) 強調構文は大事な部分を前に出すためにあるんだね。
そのとおりです。
強調構文を使わないで、A car he bought.とすると、会話でなら意味は通るでしょうが、ふつうは関係詞の省略で「彼が買った車(の中の1台)」ととられてしまうでしょう。
(  ̄っ ̄) そりゃそうだ。
わざと文法をくずして書くなんてめずらしいことではないので間違いではないけれど、誤解を受けやすくなります。強調構文を使えばそういった誤解は起こりません。
もちろん、He bought a car.のa carの部分に下線を引いたり、イタリック体や太字にしたり、音声ならその部分を強く言うのと同じです。
それができないのなら、強調構文が必要になるわけです。
(  ̄っ ̄) 強調するのが主語だったら、前に出す必要ないけどね。
英語では主語がいちばん大事だから最初に言うんでしょうが、またそれとは別のはなしです。
原理は「前に出す」だけど、強調構文はあくまでIt isとthatで大事なところをはさむものです。たとえば、「悪いのはあなただ」なら、
It is you that are in the wrong.
となります。
(  ̄っ ̄) ん?wrongとin the wrongはどう違うの?
同じです。ただ、in the rightとin the wrongがあるから、正しいほうと間違っているほうのうち、間違っているほうだというニュアンスはあるでしょうね。
「間違っているのはわたしじゃなくて(あなただ)」といった前提がある場合が多いと思います。
(  ̄っ ̄) ところでさ、なんで強調なんてするだろうね。
根本的な疑問ですね。
(  ̄っ ̄) 前の回で、「新しい情報」だって言ったよね。
はい。基本的に強調するのは新しい情報です。
(  ̄っ ̄) なんで、新しい情報なら強調するのさ?
それは、新しい情報≒言いたいことだからだと考えてください。正確な説明ではありませんが、これでだいたいは説明できると思います。
(  ̄っ ̄) あそう・・・あとね、最初に出てきたIt is not ~ thatの強調構文の否定だけど、どういうときに使えばいいの?
考える材料はぜんぶ出てきましたよ。
(  ̄っ ̄) オレに考えろってか?
はい、もうわかると思いますよ。
次回は強調構文の役割について掘り下げます。


