「性の喜びおじさん」の思い出 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

昨年の今頃の話。

 

 

 

移動中にツイッターを見ていたら「性の喜びおじさん死亡」という情報が回っていた。「性の喜び?」と思って調べてみた。電車で「お前らゆるさんぞ。性の喜びを知りやがって」とつぶやくおじさんを誰かが盗撮してアップして、有名なったらしい。その人が、どうも電車でトラブルを起こして、3人に押さえ込まれて気道を塞がれて、死亡したかもしれないということで、真偽は不明。

 

 

 

その「性の喜びを知りやがって」という動画を見て驚いた。10年以上前、その人と遭遇したことがあったからだ。

 

 

 

そういうわけで、話は十数年前にさかのぼる。

 

 

その日は平日で、昼間に渋谷行きの電車に乗っていた。同じシートに座っている男性が独り言を言っているなあと思ったら、だんだん大声になって、ついに怒鳴り声になった。渋谷に近づいているのに、車両から少しずつ人が移動していき、私の車両だけ乗客がまばらになった。

 

 

 

私も当初は気にしていなかったが、声が大きくさすがに本が読めなくなってきて、「すみません、うるさいんですけど」と言ったら、かなりキレて(というか、ずっとキレっぱなしだったけど)、私のほうを向いて怒鳴り始めた。

 

 

 

年は40代半ばから50歳くらいだろうか、西郷さんの銅像を思わせる濃い顔。声が太いので、ソレ系の人にも見える。まずいなと思ったが、背が高くないし、手足は短いからなんとか応戦はできると判断した。

 

 

 

私はさらに「いいから静かにしなさいよ!」と言った(これは、我ながらどうかと思う)。すると、ものすごい形相でさらに近づいて、身を乗り出して私を罵倒し始めた。

 

 

 

さすがにまずい。どうやって周りに迷惑をかけずにやりすごそうかと考えていると、横にいた眼鏡を掛けた50歳くらいの女性が「そうですよ! みんな迷惑しています!」とぴしゃりと言った。

 

 

おじさんは、今度はこの女性に対して意味不明な罵声を浴びせ始めた。「これはまずいぞ」と思って、対策を考えながら、おじさんの言葉を聞いていると、意味不明に思える言葉にふと法則性があるのに気づいた。

 

 

 

このおじさんは、自分が不満だと感じることを片っ端から言葉にしていちゃもんを付けていた。意味不明に思えていた言葉も、おじさんが違和を感じた順番に、自分の言葉にして侮辱をして消化するということをやっているようだった。電車で言うのは、おそらく人に聞いてもらいたいという願望があるからだろう。

 

 

 

そこで、私は「もう止めましょう。あなたの気持ちはよくわかりますから」と言った。すると、おじさんは私のほうを向いた。目を剥いて驚いた表情をしていた。

 

 

 

おじさんは小声で、私に世の中の不満をぶつけ始めた。私は「うんうん、そうですよね。わかります、わかります」と、相槌を打った。本当はよくわからなかったが、気持ちはなんとなくわかった。

 

 

 

たぶんこの人は精神的な病気で、自分で何かを罵倒することを止められないのだろう。ただ、人が聞いていると思うと安心するらしく、ひそひそ話に近い抑制の効いた話し方だった。それでも罵倒は止まらなくて、声の大きさは関係ないんだなと思った。

 

 

 

横を見ると、さっき注意した女性も安心したようで、目を閉じていた。

 

 

 

10分かそれくらい、そんな感じで話を聞いていると、やがて渋谷駅に到着した。おじさんは握手を求めてきた。握手をしながら、「あんた、よく俺が怖くなかったな」と言った。実際、怖くはなかったし、面白い体験ができてよかったかも、と思った。いい人なんだけど、何かのせいで精神的な病にかかったのだろうと想像した。

 

 

 

そういった縁があるので、本当に亡くなったのかちょっと心配している。年齢はわからないけど、あのときに50歳近くなら、もう60歳かそのあたりかもしれない。もし同一人物なら、たしかにアブナイところのある人ではあるが、いくらなんでも3人がかりで首を締め上げるのはあんまりだろ。

 

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