7/1の「ASKAブログを思う」という記事に対して多くの閲覧があり、さまざまなご意見をいただきました。

コメントは他人を攻撃する内容であったり、明らかに何かの宣伝であるもの以外は公開いたしております。ただし、申し訳ございません。コメント返信は基本的にしない方針でブログを書いています。

行きどころのない思いというものは文字に起こすことで心のある場所に落ち着かせることができます。

ASKAさんが『700番』を書いたように。

 

さて、ASKAさんの「未来の勲章」のMV収録のYouTube生配信を見ました。

Twitterなどの感想では「ASKAさんは昔と変わっていない」という声がたくさんありました。私は変わっていないとは思いませんでした。随分変わったなと思いました。いわゆる「悪い意味」ではありませんよ。変わらない姿を見せるための様々な努力や工夫をした上で自然体の心身になっているという感じでしょうか?

最初の逮捕より随分前から体調の悪さを感じることが多かったのです。顔色や歌声に不安を感じることが多く、ライブ前などはワクワクした感じよりもむしろ「今日は大丈夫かな」という気持ちになっていることが多かったのです。今回は心身ともに充実した状態であることを感じました。

 

配信は楽しめました。見ながら図らずも涙が流れてくるのを抑えることができなかったほどです。これが本格的な復帰への第1歩、第2歩になってくれることを心から願います。

 

新聞社やテレビ局のメディア対応もしていたようです。新聞やテレビでの今回の報道について私はほとんど見ていません。ネット情報を確認した程度です。

みなさんの呟きから想像もできますが下世話な内容の報道もやっぱり多かったみたいですね。

ASKAさんが薬物後遺症を患っているほうがテレビ的には面白いですし、薬物使用に対しての欲求があるほうがスタジオトークが盛り上がりますし、離婚をして不倫相手と交際しているほうがコメンテイターの興味が沸くんでしょう。この何十年という間、どれだけ批判があっても午前・午後にワイドショーといわれる番組が絶えることなく放送されるということはそれだけ需要があるということです。私も含めて「人の不幸は蜜の味」という気持ちが人の心の中にあるということですね。

テレビ局も新聞社もASKAさんの音楽に興味はありません。そりゃそうです。ASKAさんの音楽の宣伝をするために報道するのではないのですから、「需要」がある世間の興味に合わせて取材内容を「供給」するわけです。だから、報道内容に文句を言っても仕方ないのかな、って思います。ASKAさんもそれをわかった上で報道機関を「利用」したんでしょう。

報道機関に「報道する自由」があるのならば、私たちには「報道を無視する自由」があります。私にはあのYouTubeの生配信があれば十分です。

何度も書いていますが、私はASKAさんの音楽のファンです。

音楽を音楽として楽しめる環境をASKAさん自身が作ってくださったのでそれで満足です。

 

 

そして、ChageさんのLive Tourが始まりました。私は8月26日の土曜日の大阪公演に参加予定です。初日公演に参加された方の感想を見ましたが、純粋にライヴの内容において絶賛の声に溢れています。ASKAさんが一つの壁を乗り越えて「普通のソロ活動」を始めたことでChageさんのLiveについても普通の活動として受け止めることができるようになったのかもしれません。

Chageさんの音楽も「ただの音楽」として楽しめる環境になってきたのかな。

 

これまでChageさんの音楽やChageさんの存在そのものがチャゲアスファンの一部にとっては音楽以上の存在になっていました。(私もそうです)

ASKAさんの『Too many people』も歌い手と聞き手の人生を映し出す鏡のような存在として聞こえてきました。(私もそうです)

そこを乗り越えて、音楽を音楽として楽しめる当たり前の環境が戻ってきたということ。

 

チャゲアス復活についてのASKAさんのコメントについては100%同感です。

「復活は否定」なんて見出しをつけるマスコミの読解力不足は上から目線で嘲笑っておくのがいいと思いますよ。

そんな報道を見てそう思った人は、その後の誰それの不倫ネタの方に興味を移すだけです。この世界に何の影響も与えない、情報とも言えぬものです。

 

 

何度も繰り返す人生の中で「しずくが落ちるような時間に僕らは生まれ合った」と歌うASKAさん。

「たった一度の人生ならば めぐるすべてが始まりなのか」と歌うChageさん。

まったく違う人生観のようで、深く大きく重なり合う人生観。

ソロ活動を本当に楽しそうにやっているおふたりにいつかの復活を待っています、なんて言うべきじゃないのかもしれませんが。

行きどころのない思いというものは文字に起こすことで心のある場所に落ち着かせることができます。

そんなわけで。

私は待つのです。

 

 

でも!

まずは遠景ツアーを楽しまなきゃ!

 

いまだにチャゲアスの楽曲のほとんどはASKAさんが書いていたなんて書いているメディアがあります。ちゃんと調べてないのか、本当のことは知っているのにあえて面白おかしく書くために嘘をついているのか。今の若者たちはこんなマスコミの姿を見て将来その業界に進もうと思うのだろうかと心配になるほどマスコミ業界のレベルの低下が目立ちます。人員不足と予算不足で取材することもできなくて、ネット情報に頼って記事や番組を作ってしまうんでしょうね。

 

さて、Chageさんのオフィシャルサイトやヤマハミュージックコミュニケーションズだけでなく、実はなくなっていないチャゲアスのオフィシャルサイト(https://www.chage-aska.net/information/1613)でも『VERY BEST ROLL OVER 20TH』の販売再開がアナウンスされています。5月からChageさんのライブ会場のみで限定販売が始まっていましたが、本格的に全国規模で再販売されるようです。ありがたく、そして嬉しく思います。ファンとして。

この再販売は大海に小さな小石を投げ入れるようなものかもしれません。しかし、ASKAさんの薬物事件に心を痛めた全国のファンの心をさらに痛めつけていたのがチャゲアスの楽曲が世間から消えていたことなのですから、この小石には大きな意味があるのです。

私はあるコミュニティーFM局のある番組にボランティアで関わっています。ある日、番組で徳永英明さんが歌う「心のボール」を放送でかけようとしたら局のスタッフから止められました。「ASKA色が強い」という理由でした。「ASKA色が強い」ということは「薬物」や「犯罪」を連想させるという意味でしょう。私はその意見を受け入れました。そんなつらい現実をこれまでずっと受け入れてきた多くのチャゲアスファンがたくさんいたのです。

 

ASKAさんはブログでいろいろな思いを発信されています。そのことを喜びうれしく思うファンの方がたくさんいらっしゃることはよくわかります。しかし、私はあのブログは苦手です。嫌いではありません。苦手なんです。

私はASKAソロライブのMCが苦手でした。あのグダグダが面白いと言われていましたし、それを本人もスタッフもライブの魅力の一つと受け取っていたように感じますが、私は苦手でした。Chageさんのようなツッコミもボケも自在にこなし、話をうまくまとめたり広げたりする人がいないからです。やっぱりASKAさんはしゃべっちゃだめだな、といつも思っていました。

同じことをブログでも感じます。楽しんでいらっしゃる方が多いことは百も承知です。しかし、苦手です。

 

ニュースサイトのアサ芸プラスの記事に関するASKAさんのブログでの対応が話題になりました。Chageさんとの不仲説に関する記事を肯定するような内容をASKAさんがブログにUPしたことです。ASKAさんのマスコミ不信からくるちゃかした内容であることは容易に想像がつきますが、それでも少なからずのファンの心をざわつかせたことは事実です。

 

誰かが言わなきゃいけないと思うことなので書きます。

 

「ASKAさん。書いていいことと書いてはいけないことがあると思います。あなたが書くことに傷つくファンがおり、あなたはそんなファンに支えられているのです」

 

「ROCKET」ツアーの権利を買い取って自主レーベルから発売しようとしたものの交渉がうまくいかずお蔵入りとなりそうだということも書いていらっしゃいました。ASKAさんの思いはよくわかりましたが、どこか釈然としないところもあります。ASKAさんの思いのトップにあるのは、聴いてくれるファンの思いではないということです。あの映像が世に出なかった理由はASKAさんの薬物事件での逮捕です。発売時期がどうなろうと聞きたい、見たいというファンのために世に出したいという思いが1番ではないんだなと感じてしまいました

ASKAさんの周囲に客観的な立場からNOと言えるスタッフがいてくれることを望みます。イエスマンばかりになっていないことを。

ナベさんやミヨちゃんのような存在がいてくださいますように。

 

Chageさんの活動がファン第一主義とも言えるものに見えるからこそASKAさんの言動に苛立ってしまうんだろうな…

心の鍵を壊されてもなくせないもの=プライドを大切にするからこその行動であることは重々承知しています。

事件が起きるよりずっとずっと前から、雑誌やテレビ局と「プライド」を守る戦いをしてきたことを知っていますし、それを見守ってきた自負が私にあります。

わかっているからこそASKAさんらしいな… とも思うわけです。ああ、惚れた側の弱みですね。心がざわつきながらも待っているしかないか。

 

そして、ASKAさんのオカルト好きも相変わらずなようです。

残念ですがNASAが南極に超古代文明を発見したと公表したという事実はありません。

学研から出版されている雑誌「ムー」が元ネタのようです。それを元に書かれたあるサイトの記事を読まれたASKAさんが反応したのだと思います。

記事の元となった写真はNASAが公表したものです。その写真には多くの直線的な地形が見られることから「古代文明」の跡なのではないかという憶測に基づく記事です。発見前の南極が描かれていることで有名なピリ・レイス地図というオカルトの界隈では有名なオーパーツネタまで盛り込まれている記事です。

ASKAさんのブログの記事のコメント欄には多くの賛同の声が溢れていましたが… 

ファンにもメディア・リテラシーが求められています。好きな歌手が言うことだから正しいと思うのではなく、冷静に考える必要があると思います。

 

ASKAさんの音楽を愛すればこそ。

多数派の意見ではないことも承知すればこそ。

 

こんな思いのファンもいるということなんです。共感は求めませんので…

 

Chageソロシングル「たった一度の人生ならば

2017.5.3発売 

 

ファンにとっては待ちに待っていたシングル発売です。

この楽曲は2016年6月の「ファンクラブミーティング2016〜ここがファンミのど真ん中!!〜」で「遠景」という仮タイトルで初披露されました。そして、8~9月の「Live Tour~もうひとつのLOVE SONG~」でも「遠景」のタイトルで歌われた後、12月の「 X’mas Dinner Show 2016」で正式タイトルの「たった一度の人生ならば」として歌われました。ここまではすべてChageさんのギター弾き語りでの演奏です。そして、2017年3~4月の「ファンミーティング2017~ドレミファ・ファミリー~」でピアノとギターの演奏による歌唱が披露されました。発売前からこれだけ歌われることも異例ですが、何度も歌われてきたこともありすでにファンの中ではすでに人気曲となっています。

 

作詞は盟友の松井五郎さん。作曲はChageさん。編曲は渡辺等さん。

松井五郎さんの詞がありきの曲作りだと語っていらっしゃいます。チャゲアス時代からChageさんのほとんどの楽曲は曲が先に作られ、後から詞が書かれています。過去の作曲の様子が収められた映像を見る限りでは「ラララ」というような単純な言葉ではなく「デタラメ英語」とでもいうべき意味はないけれどもリズミカルな音の言葉でメロディーを作っているようです。Chage and Askaの現時点での最新アルバム『DOUBLE』の「Wasting Time」のように仮歌で使われていた言葉をもとに歌詞が作られたものもあります。

今回の「たった一度の人生ならば」は歌詞から発想を得てメロディーを作っています。これは同じ松井五郎さんの作詞の「永い一日」でもとられた手法ですが、松井五郎さんとChageさんのお互いの信頼関係があればこそなんでしょう。

 

私はChageさんのバラードが大好きなんですが、Chageさんのバラード曲のメロディーの特徴は「一筆書き」だと思っています。抽象的な言い方なので、少し説明します。

「終章(エピローグ)」、「夢を見ましょうか」、「12色のクレヨン」、「永遠の謎」…

新旧・有名無名を問わず「いい歌」たちです。

これらの楽曲は奇をてらったような意外性のある転調はないんです。

Chageさんの楽曲の魅力の一つは「なんでそこにいくの?」と思わされる意外性のあるコード進行とメロディーの音のもっていき方です(一般大衆への楽曲の浸透度はより強いとされるASKAさんの方が実はコード進行の複雑怪奇さは上ですが…)。

しかし、先に挙げたような楽曲はメロディーが鼻歌で作られそれにコードを乗せた(かのような)自然さがあります。もちろん、緻密に計算されて作られているのでしょうが無駄をそぎ落としてシンプルに仕上げられた結果、あたかも一筆書きで書かれたと思わされるかの如き錯覚に陥ってしまうのです。

ビートルズのポール・マッカートニーはあの名曲「Yesterday」を夢の中で作ったそうです。朝起きたら頭の中でメロディーが鳴っていた。どこかで聞いたことがあるような気がしてメンバーに聞かせたがそんな曲は知らないと言われ自分の曲として発表した、という伝説が語り継がれています。(しかも、詞が書かれる前の仮歌では最初の「イエスタデー」の部分を「スクランブルエッ~グ」と歌っていたそうです…)

「Yesterday」のようにシンプルでありながらどこにも無駄がない(言い方を変えれば新たなメロディーを足しようもない)メロディーが何年かに一度Chageさんから生み出されているのです。

 

「たった一度の人生ならば」をギターでコピーをしてみました。

KeyはGです。初期の名曲「終章(エピローグ)」も「夢を見ましょうか」もGコードで作られたはずです。「終章」はカポを使って半音上げて歌われていますが、絶対にギターのAコードではなくGコードで作ったはずです。(これはギタリストとしての勘です)GのKeyのバラードはChageさんの王道なんです。

そして、BメロでBmに行くところ、サビの泣かせどころでの7thコードの使用、一つのコードの中でのベース音の下降(クリシェ)など、いわばChageさんの作曲法の「常套句」とも言える手法が数多く使われている印象です。まあ、いい歌になって当たり前。でも、長年Chageさんができるのに敢えて避けてきた作曲法だと思うのです。

Chageさんは「終章(エピローグ)」みたいな歌を作ってくれ、というリクエストを数限りなく聞いてきたはずです。その成果が「嘘」や「夢を見ましょうか」なんですが、その後は「夏の終わり」があるくらいではっきりと「終章」っぽさを感じる歌は少ないんです。

つまり、敢えてやらなかったんだと思います。

今回は、敢えてやったんだと思います。

 

デビューのきっかけとなった「ポプコンエイジ」に出演した影響かもしれません。

デビュー時期の盟友の松井五郎の歌詞に触発されたのかもしれません。

セルフプロデュースを初めて行ったことで自身の魅力を客観視したのかもしれません。

 

どれが理由であったとしても…

長年のファンからすれば「待っていました」であります。

メロディーの紡ぎ方はデビュー期のそれとは違いますし、何よりも声が違うし表現力が違います。手法は同じでも現在の新しいChageさんなのです。

 

素晴らしい楽曲だと思います。

 

CDの宣伝文句もファンのみなさんの関心もこの楽曲の「歌詞」に重きが置かれているように感じたこともあり逆に作曲面から語ってみました。

もちろん五郎さんの「人生」という重いことばをリアルな響きを持った意味に聞かせるシンプルかつ深い表現を伴った詞の世界があればこその名曲であることは申し添えしておきます。

 

カップリングの「愛すべきばかちんたちへ」を語るスペースがなくなりました。

意識してなのかせずなのかはわかりませんが2曲が対になっている印象です。

 

20代前半で作った人生の歌と50代の終わりに作った人生の歌のカップリング。

 

そして、Chageさんは全力でチャゲ&飛鳥を守ってくれています。

ASKAさん。あなたが帰る場所はChageさんが守ってくれていますよ。

だから、安心して今のASKAさんの楽曲を歌ってください。

おふたりの進む道の先に交わるところがもしあるのならばChageさんが守ってくれているその場所に戻ればいいんだと思います。

ChageさんもASKAさんもそこを目指すのではなく、それぞれの音楽をやっていく中で、ふたりでやればひとりでやるよりも「面白い」ことがあるとふたりともが感じたならば…

それくらいの気持ちでやってくれるのが一番うれしいかな。

 

CDジャケットの写真もASKAさんの場所を空けているのかな…

考えすぎかなぁ。

 

オリコンのデイリーチャートでは初登場12位のようです。

なかなかの好発進のようでうれしい限りです。

もっともっとたくさんの人のお耳にとまりますように。

 

というわけで未購入の方はご購入の上、再度お読みください。

 

ASKAソロアルバム『Too Many People

2017.2.22発売

 

凄い1枚が世に放たれましたよ。

さて、これを書いているのはまだ発売日前日の2/21であります。おそらくUPする時間はすでに22日になっていると思うのですが、フラゲして聞き始めて5周目の今の気持ちをレビューとして記録しておこうと思いました。そんなわけでまだ聞いていない人は完全ネタバレですのでお気をつけください。ぜひとも聞いてから読んでください。

 

 

まずは内容の前にアルバム発売に至るまでの雑感をつらつらと綴ります。

みなさん。諦めたことはなかったですか? ASKAさんの歌を聞く日はもう来ないんじゃないかと。

私はあります。

「2016.11.28」

再逮捕のニュースが流れていたよ、と身近な人の口から聞いて急いでインターネットを開いて事実だとわかったあの時です。

「終わった…」と呟きました。すべてが終わったと思いました。あの瞬間だけは。

それから約3カ月。CDショップで『Too many people』を手にしました。

 

『700番 第二巻/第三巻』は読んだ感想は先日UPしました。ASKAさんの視点からこの1年間におきた出来事を書いたものだと理解しました。論理的かつユーモアも交えて書かれた良書だと思いますが、あまり読み返すことはないと思います。

ブログはあまり読んでいません。ななめ読みって感じです。何よりもコメント欄が不快で…。肯定派も否定派も熱がこもりすぎていて…。見えないようにしてくれたらいいんですが見えちゃうので見にいかないようにしています。

 

『Too many people』

タイトルに不安を感じていました。その理由は前回書きましたので繰り返しません。

期待している自分の心に不安を感じていました。ハードルを上げすぎない方がいいんじゃないかと思っていました。

ASKAファンでありながら、ASKAという歌手を過小評価していたのは自分だったようです。

傑作です。名作です。まだ買ってから7時間くらいしか経っていませんが断言します。

ハードルを上げすぎても大丈夫です。スゲぇ曲が13曲も入ってます。

 

『ONE』の音の質感に『kicks』のスリルを加えて、『SCENE』シリーズの甘さも混ぜ、『NEVER END』のように様々な曲調の13曲。しかも、『PRIDE』や『TREE』の世間が思い浮かべるチャゲアスっぽいコード進行やアレンジという衣装をまとい、そこに新たな領域に入ったこれまで以上にEmotionalなVocalが乗っかっている、という感じです。わかります?

 

1曲目の「FUKUOKA」は実質的なシングルカット。この歌の持つ求心力が世間の雑音に勝ったからこそ、このアルバムが普通に流通することになったのだと思います。「俺は東へ向かうつもりだ」とデビュー直前に歌った若者が還暦直前に「僕はここにいる」と故郷のことを歌ったんですね。野球の話をするタクシードライバーのくだりを聞いて私は中島みゆきさんの「タクシードライバー」という歌を思い出しました。興味のある方はそちらもお聞きください。

 

2曲目の「Be Free」は1回目の逮捕の前にファンクラブでデモ音源CDが届けられた楽曲です。私はこの歌を長く聴けませんでした。1回目の逮捕以来一度も聞いていませんでした。二度と聞かないと思っていました。今回のアルバムにこの歌を収録すると聞いて正直な話、怒りすら覚えました。

今回のVersionでは1カ所歌詞が変更されています。

「僕は知らないことばかりで → 僕は唇噛みしめたまま」

そうなんです。私がデモVersionに怒りを覚えていたのはその一節だったのです。ASKAさんもそうだったんでしょう。歌の中で嘘をついてしまったことを後悔していたのではないでしょうか。この一節が書き換えられたことで大きく印象は変わりました。

サウンドはCHAGE and ASKAです。シンセサイザーによるストリングスが壮大です。Vocalもデモのどこか棒読みな感じの歌い方とは全く違う生気に溢れたものに変わりました。最初に聞いた時に全身の毛がぞわっと逆立ちました。Chageさんの高音コーラスが空耳で聞こえてくるのは私だけでしょうか。

 

3曲目の「リハーサル」はミディアムテンポのマイナーロック。バラードばっかりだったらどうしようと思っていた浅はかな私の不安を吹き飛ばすスリリングな楽曲。歌声が力強い!

「やりたいことをやる やりたいように」

 

4曲目の「東京」は16ビートの跳ねたさわやかなメロディーが印象的。歌詞は泣けます。初めて聞く人はハンカチの用意をしてください。我々ファンのことを歌っていると解釈します。勝手に、ね。この曲も私の頭の中ではChageコーラスが聞こえるのです。

 

5曲の「X1」はYouTubeでも公開された楽曲。『700番』の中でタイトルの由来は詳しく語られています。これも私たちファンのことだと解釈しました。勝手に、ね。リズムはよくあるパターンなんですが、このメロディーはなかなか出ないですよ。サビ後半のベースの動きも気持ちいいな。

 

6曲目の「それでいいんだ今は」の歌詞もハンカチ必携。おそらくブログで語られていたギリギリで再録音した3曲のうちの1つです。アレンジが澤近泰輔さんである3曲は演奏メンバーもベースが恵美直也さん、ドラムが今泉正義さん、ギターが狩野良昭さんというチャゲアスのバックの3人だからです。ドラムとベースの音が他の江口さんとメッケンさんとは明らかに違います。今泉さんのストトン…というフィルを聞くだけで涙腺が…。あぁ、チャゲアスの音だ…。

 

7曲目の「Too many people」はタイトルトラック。マイナーの重たい曲調。過去の楽曲で言うなら「judge by myself」や「kicks street」的な存在かな。マスコミや世間のように見えないけど大きく聞こえる声を「too many people」と歌ったように聞こえます。そして、私もその内の1人。

 

8曲目の「と、いう話さ」はブログでも語られていた「NOW」的な存在の曲。前半の低音VocalがCoolでかっこいいのですがサビに入るといつものASKA節になります。歌で使えるKeyの広さをこれでもかと見せつける凄まじい歌唱力。凄いですよ、これ。

 

9曲目の「元気か自分」は再録音3曲のうちの2曲目と思われます。2曲マイナー調が続きましたのでメジャーな曲調でほっとさせます。ASKA比喩全開のタイトル通りの歌詞です。

ただ一つ疑問が…。演奏クレジットが「Bass:恵美直也、Bass:恵美直也」と恵美さんの名前が2回書かれています。エレキギターの音が聞こえますので「EG:狩野良昭」の間違いではないでしょうかね。これは。

 

10曲目の「通り雨」はASKAさんらしい日常ラブソングです。「君が家に帰ったときに」なんかが好きな人はきっとお気に入りの1曲になると思います。59歳でこんな甘いラブソングを照れもなく書けて歌えてしまうなんて…。

 

11曲目の「信じることが楽さ」は歌詞が痛いというかASKAさんの本音が聞こえる感じです。多くの人に裏切られた結果の薬物事件だったはずだったのに「疑うことは寂しいことなんだ 人を信じることが楽さ」と歌います。「信じたい」と歌うのではなく「信じることが楽だ」と歌うのがASKAさんなのでしょう。そして、次のフレーズで号泣必至ですのでハンカチのご用意を。

どんなに離れても 僕は帰って来る その繰り返し

曲調は70年代フォークを彷彿とさせるんです。中村雅俊さんが歌いそうな感じです。

 

12曲目は「未来の勲章」は8ビートの王道ポップス。サビのコード展開がASKAさん節というかチャゲアス的。Chageさんがハモリを入れたら… って考えてしまうのを許して欲しいなぁ。

クールでシュールでキュートな 夢を守って

素晴らしいフレーズです。

 

13曲目の「しゃぼん」は3曲目の再録音でしょう。そして、名曲です。こんな近く感じる歌声がこれまであったかなぁ。少し荒れ気味に歌われるシャウトが胸を打ちます。歌詞はあえて引用しません。聞いてください。聞きながら書いていますが泣けて仕方ない。

 

何度も何度も書いてきましたが私は歌手ASKAのファンです。

わかりきっていたことですがそのことを思い知らされました。

ルックス? どうでもいいです。そんなもん。

ぶっちゃけて言えば、不倫だの、お茶だの、文春だの、どうでもよくなりました。

いい歌がここにありました。13曲も。

戦慄します。この作品がお蔵入り寸前になっていただなんて… 

 

このCDは売れてほしいな。世の中の多くの人に聞いてもらいたい。そして一緒にChageさんの『Another Love Song』も聞いてほしいな。とんでもない才能の2人が一緒に組んでやってるのがチャゲアスだと改めてわかってもらえると思います。

 

演奏者のクレジットにさまざまな事情で名前を出せない人がいるようです。

ラジオやテレビではあまり楽曲は流れないでしょう。(でも、ワイドショーでは流れるでしょう)

楽曲を聞いていない人はCDや本を出してお金儲けをすることを批判するでしょう。

歌詞の一節を切り取って好き勝手に悪口を並べ立てるでしょう。

 

まだまだ始まってはいません。

On Your Markと聞こえた状態でしょうか。今は。

 

でも、待ってて良かった。ほんとに良かった。

ではあと1周聞いたら寝ます。寝不足だけど明日は頑張れそう。

2月17日に発売されたASKAさんの書籍『700番 第二巻/第三巻』を読み終えました。
その内容は詳しくは書きません。尿検査のお茶とのすり替えなどの一連の出来事のASKAさんが語る内容を知りたい方は本をお買い上げください。

私は昨年の1/10に「『ASKAブログ』を読んで」という記事をこのブログにUPしました。「第一巻」にあたる内容のブログが1/9にUPされたものを読んだ直後の感想を書いたものでした。
次の引用はその時に私が書いた内容です。


「盗聴・盗撮に悩まされていた、集団ストーカー行為にあっていたということがこの長い文章の半分を占めています。そのストーカー行為の証拠集めなどの戦いのためにクスリに手を出しはまっていった、と語られています。
ASKAさんが語るその事実の真偽はわかりません。この文章だけでは判断はできません。ASKAさんが語るから間違いないと言うのも、そんなのクスリの影響の妄想だと言うのも、情報が一方的ですので判断がつきません。一般的には統合失調症的な症状だと思われるでしょう。全般的に客観的に綴られている文章の中で、この盗聴行為・集団ストーカー行為の描写だけは主観的な記述になっています。ASKAさんから見た「理解者」が少なかったこともあるでしょう。ASKAさんにとってはそれが事実だったということです。
「集団ストーカー」や「盗聴・盗撮」の事象は妄想であることが多いのが事実です。「ASKAのブログ」のその記述もにわかに事実とは信じられないような荒唐無稽な内容が綴られています。しかし、現在のASKAさんにとってそれが事実であり、それを語らずに活動再開に向かえなかったことは承知しなければいけません。そんなことを書いてしまえば興味本位に「病気」を疑われ、「普通の」音楽活動からは遠ざかってしまう可能性が高まることがわかっていたとしても書かざるを得なかった重大な事実だったのです。」


私がこのようなことを書いた数日後に実際に強制入院することになっていたんですね。
「病気」を疑われ、「普通の」音楽活動からは遠ざかってしまう、って私が書いたとおりになっていたんだなぁと改めてあの長文ブログを読んで途方に暮れた日のことを思い出しました。

今回の書籍も盗撮・盗聴の内容が中心です。その事実を理解してもらえないことから生じた出来事が強制入院であり再逮捕であるということです。
このことに関してもASKAさんのおっしゃる通りだとは思いません。また、妄想や被害妄想に過ぎないとも思いません。
ASKAさんにとってはそれが現実であったということがASKAさんの口から語られたということです。
ASKAさんのその現実を受け入れました、という感覚でしょうか。

ネット上ではいろんな意見が飛び交うでしょう。
擁護派の喜びの声もありますし、否定派の厳しい意見もあるでしょう。
野次馬的な群れの声もあるでしょう。でも、それは無視でいいですね。

冷たいと思われるかもしれませんが私は擁護派ではありません。
本の帯には「真実は一つ」という煽り文句がありますが、真実ではなくASKAさんの現実だと捉えています。
事実ではなく現実として。
言葉遊びのように思われる向きもあるでしょうが、そういう捉え方しかできません。

マスコミ不信は想像通りではありますが相当強いものがあるように感じます。
テレビのワイドショーというのは「漠然とした世間」が注目しそうな出来事を吟味する時間もなく垂れ流すものです。
事実であるかどうかは優先順位が高くはありません。

マスコミについて個人的意見を書きます。
私が以前に勤務していた職場で世間で大きな注目を浴びることになったある問題が起こったことがありました。
週刊誌にもとりあげられました。全国ネットのワイドショーでもとりあげられました。
事実は捻じ曲げられました。
ストーリーがあらかじめ作られており、それに証言や噂話をはめ込んでいました。
対応のための記録を依頼されていたために録画して見ていたテレビをぶち割ってやろうかと思いましたから。
週刊誌の記者の取材はひどかったそうです。自宅まで来たそうですから。取材を受けた方は誠実に対応されていましたが話せないことはあります。隠しているということではなく弱者を守るために話せないことです。
記事ではそれを大きく批判していました。隠蔽している、と。
忘れたいけど忘れられない、心が大きく疲弊した記憶です。

それ以来、ワイドショーの取材というのは表面的なものにすぎないと思って見ています。
また、私の週刊誌嫌いの原点でもあります。

 

でもね。テレビの誠実さを信じてもいるんです。
NHK以外でも深夜や早朝にドキュメンタリー番組がレギュラー放送されているのを知らない人も多いでしょう。
そんな番組では各局が良質の番組を放送しています。しかし、数字は取れないので日曜深夜や早朝にしか流れません。
私はそんな番組を毎週予約して見ていますのでテレビ局はクズだなんて思っていません。
資本主義と自由主義には正と負の側面があるということです。

 


あの時に私が感じた以上の辛さをASKAさんは感じているわけです。
想像もつかない痛みを。
しかも、発端は自らの過ちであり、正面切って相手を非難しにくい痛みを。

発端は自らの過ち。

消せない過ちです。

本の中でくらい吐き出しちゃっていいじゃないですか。
相手は電波というそれ以上の権力を握っているんですから。

 


ただ一つ。
緑内障の治療のくだりの記述は正確さを欠くかなぁと思いました。ちょっと誤解されてるなぁ、と。
私も緑内障の治療を受けていますので、ちょっと言葉足らずだと思います。
ASKAさん。主治医さんの言うとおり毎日の目薬は欠かさないようにしてくださいね。そこは少し心配。


アルバムタイトルにもなっている『Too many people』の歌詞だと思われるものが書かれていました。
実はアルバムのタイトルが発表になったときから一番気になっていたことです。
ポール・マッカートニーが1971年に発表したアルバム『Rum(ラム)』の1曲目に同名曲があります。
ビートルズの解散直後に書かれた歌です。メンバーであり、曲作りのパートナーであったジョン・レノンを当てこすった内容だと言われており、実際に歌を聞いたジョンが激怒してアンサーソング「How do you sleep?」を作りました。歌を通じてかつてのパートナーが喧嘩を繰り広げる事態になってしまったのです。
そんなわけで「Too many people」という題を聞いて正直怖かったのです。
どんな内容かは本を読むか、もうすぐ発売される歌を聞いてください。
私の恐怖は杞憂のようです。
でも私も「Too many people」の中の1人であると感じました。


第一巻も発売されるそうです。
実は今回の本の購入はギリギリまで悩みました。どうしても読みたいというわけではなかったのです。
でも気になって結局読んじゃうんだろうなと思って買いました。
ただし、ネット注文で。

アルバムは店頭で予約しました。
自分の声で店員さんに「ASKAの『Too many people』の予約をしたい」と言いたかったのです。
ネットではない生の声で伝えようと思いました。
それが自分なりの応援です。
小さな小さな抵抗なのかもしれません。

いろいろな思いはあります。
無邪気にASKAさんの復帰を待つことはできない複雑な心境であるのが事実です。
でも待ちます。

もうすぐアルバムの発売ですね。

 

 

追記

「私たち」ということばに泣きました。
 

SMAPが今日解散します。
1988年から活動してきたグループが正式に解散するわけです。
すでにSMAPロスなんて言葉が生まれています。

1982年から現在のメンバーで活動している少年隊は解散していません。
3人での活動はなくなっていますがユニットとして解散はしていないのです。
少年隊のファンにとって解散していないという事実は心の支えになっているのではないでしょうか。

 

CHAGE&ASKAは解散していません。
昨今の報道では「今後の再結成」と言われるときもありますが、「活動休止」状態でありユニットとしての解散はされていません。
確かにASKAさんは事務所であるロックダムを解雇されていますし、レコード会社の契約も解除されています。
現実的には「解散状態」であるのでしょう。
しかし、Chageさんは解散を選択しませんでした。ASKAさんにはその選択権はないでしょう。

 

Chageさんは解散という選択肢を選ぶこともできましたし、ビジネス的にはそうするべきだったのかもしれません。
ASKAさんの事件によってChageさんが負った被害は想像を絶するものです。


CHAGE&ASKAの全作品の流通・配信が自粛されたことにより、Chageさんが作詞・作曲したチャゲアス名義の作品から得られる収入はなくなりました。
風評被害を入れたらどれだけの損害を被ったことでしょうか。

解散することでチャゲアス楽曲の権利のあり方を再確定させてChageさん名義の楽曲の配信を再開する方法もあったかもしれません。
CHAGE&ASKAというグループの一員であることからソロ活動の支援が受けにくい面もあったでしょう。
Chageさんと関われば自然とASKAさんの存在もクローズアップされます。
クリーンなイメージを大切にする企業にしてみればChageさんと関わることすらためらうはずです。
ビジネス的なことを考えれば、解散してからASKAさんのとの関係を書いて暴露本のような書籍にすれば大きな話題になり大儲けできたことでしょう。
そして、すべての問題が解決してから「再結成」という選択をとれば再結成ビジネスで将来の一儲けを目論むこともできたでしょう。

しかし、Chageさんは解散を選択しませんでした。


その理由はふたつのことを考えていたからだと思います。

ひとつは「ファンの思い」です。
2013年の復活ライブの告知でファンがどれだけ喜んでいたかをChageさんは肌で感じていたはずです。
ASKAさんの事件でファンがどれほど動揺していたかもレギュラーのラジオ番組やSNSを通して実感していたはずです。
もうひとつは「ASKAさんの思い」です。
ASKAさんが戻ることのできる場所をなくさなかったんだと思います。
戻るか戻らないかは別として、戻る場所があるかどうかは大きいです。

 

昔々にナベさんがこんなことを言っていた記憶があります。
チャゲ&飛鳥は他のグループと違ってお互いがバラバラだ。
だから、解散はない、って。
逆説的だけど真実。
もともと解散しているようなものであるソロの2人が一緒に組んでやっているんだから今さら解散はないってこと。

 

想像すると怖いもんね。
あの事件のあとに解散宣言なんかされていたと考えると…

 

Chageさんが随所で語る「僕ら」という言葉にあたたかみや思いやりを感じてきた2016年。
個人的には2017年のうちにチャゲアスの復活は望みません。
まだまだ機は熟していないし、ASKAさんはまず活動の土台を固めることの方が大切でしょう。
執行猶予も終わってないし… 悲しいことですが。

 

解散はしてほしくないけど、すぐには一緒にやってもらいたくもない。
なんてわがままなファンなんでしょうか。

そんなわがままを大きく受け入れてくれるChageさんに感謝を。
そして、ASKAさんにはエールを。
Hurray! Hurray!

これほどのことがあっても解散しない「チャゲ&飛鳥」に感謝。


「FUKUOKA」を聞いたことでわだかまりが少し(少し、ね)解けた感じがあり、久々に『SCRAMBLE』を聞きました。
あの事件以来、聞くのに勇気がいるアルバムになってしまいました。
1年以上聞かずにいて、半年前に1回聞きましたが、それからまた聞けずにいました。
「FUKUOKA」を聞いたことで改めて聞いてみようか、と思いました。
傑作なんだよね~。間違いなく。続けて2回聞いちゃったもん。
ホントにもったいないよなぁ。

こんなに勇気がいるアルバムになっちゃったことが。
この傑作が世の中から抹殺されていることが。


今年は1月から12月までずっと想定外の事態に振り回された私たち。
その中で変わらずに音楽を、言葉を届けてくれたChageさん。
これからもずっと「僕らの音楽を愛するあなたたち」でありたいな。

 

2016年大晦日の雑感でした。
1年間ありがとうございました。来年もよろしくおねがいします。

うろ覚え1986年

 

今日の内容は自分のために書きました。ほとんどの人にとっては何の役にも立たない内容であることを予告しておきますね。

こんな折だから思い出そうと思いました。自分がチャゲ&飛鳥を好きになったのはいつだったのか? なぜ好きになったのか? 

リアルタイムでは覚えていない「ひとり咲き」ですら、目をつぶっていてもギターで弾き語りができてしまう私です。チャゲアスの音楽が自分にとっての当たり前になっているからこそ全力で思い出します。

そんなわけで時計の針を今から30年前の1986年に戻します。この年は私がチャゲアスのファンになった、と公言している年なのです。

 

実際のチャゲアスの歴史と1986年当時の私自身の状況を重ね合わせながらのうろ覚え回想です。

 

1月にNEW YEAR EVENTONE NIGHT MAGIC』が開催されました。日本武道館、福岡サンパレス、大阪城ホールという大きな会場です。そして、25日にキャニオンレコード遺跡第1弾シングルの『モーニングムーン』が発売されました。

さて、当時の私は中学2年生でした。サッカー部に入っており、まだ音楽にはそれほど興味を持っていません。放課後や休みはサッカーボールを追いかけまわしていました。家族で小さな古いアパートに暮らしていましたし、テレビも父が見る野球中継が優先。3月から4月にかけて人気音楽番組「ザ・ベストテン」に「モーニングムーン」でチャゲアスが久しぶりに出演していますが、見た記憶はありません。

4月に私は中3に進級しました。でも、4月からのコンサートツアー『Big Explosion Series』も421日に発売されたアルバム『TURNING POINT』も当時はまったく興味の外にありました。

521日に私がファンになったきっかけの楽曲『黄昏を待たずに』がリリースされますが、最後の夏の大会に向けてサッカー部の活動が佳境に入った頃です。リアルタイムで聞いた記憶はありません。

 

状況が変わるのが8月です。

夏の大会が終わりサッカー部を引退したのです。放課後の部活動がなくなりました。そしてあるテレビ番組に夢中になります。夕方5時の大人気番組「夕やけニャンニャン」です。

チャゲアスになかなかたどりつきませんね。ごめんなさい。もうしばらくかかります。

私は小学生の頃からあだち充さんの漫画が大好きでした。特に「みゆき」が好きだったんです。その「みゆき」がドラマ化されてフジテレビ系列の月曜ドラマランドという枠で8月4日に放送されたのです。主演していたのがおニャン子出身の河合その子さんでした。そして、その子さんのあまりの可愛さに一目ぼれしてしまったわけです。河合その子さんのことを書きだすと止まらなくなるのでここでは書きませんが、このドラマを見たことで河合その子さんを知り、おニャン子を知り、「夕やけニャンニャン」を見るようになりました。それまでサッカー部の練習で夕方5時のテレビ番組は見ようにも見れなかったのが、サッカー部を引退してぽっかりと時間が空いた時間がおニャン子で埋まったんですね。

 

その夏を境にその子さんやおニャン子の歌をレコードで聞くようになります。しかし、中学3年生のおこずかいでは欲しいレコードを全部買うことはできません。1986年はレコードからCDにメディアが移っていく時期ですが高価だったCDプレーヤーはまだ持っていません。レンタルレコード屋で聞きたいレコードを借り、カセットに録音して聞くようになりました。おニャン子に限らず当時のヒット曲を聞きたいと思って借りた1本のカセットテープがありました。キャニオンレコード系列のポニーから発売されてヒット曲のオムニバスベストでした。もうタイトルも覚えていません。今、インターネットで調べてもまったくデータは出てきません。しかし、確かに借りました。目当てはアルフィーだったと思います。「Sweat&Tears」だったか…、いや、「風曜日、君を連れて」かもしれません。とにかくヒットを連発して歌番組に出まくっていたアルフィーやアイドルの楽曲を目当てに、その10数曲のヒット曲が収められたカセットテープをレンタルしたのです。

そのカセット限定のテープに「黄昏を待たずに」が入っていたのです。もうかっこよくて、かっこよくて。ただ、小学校の頃に聞いた「万里の河」の人たちだとは気づきませんでした。

すぐに同じシリーズの一つ前のカセットを借りました。それには「モーニングムーン」が収録されていました。もうかっこよくて、かっこよくて。その2曲ばかり聞いていました。

まだ音楽情報にはまだ疎かったので8月に発売された新曲の『Count Down』はちゃんと聞いた記憶はありません。

 

921日にアルバム『MIX BLOOD』が発売されていますが、買ってはいません。たぶん翌年に中古CDで買った記憶があります。それが初めて買ったCDのはず。まだCDプレーヤーは持っていなかったのですが。

振り返ってみるとこの頃はアルバムもシングルも持っていなかったので「黄昏を待たずに」「モーニングムーン」の2曲だけを聞いていたわけですね。まだ音楽に興味を持ち始めたばかりの頃ですからそんなもんでしょう。

その頃、生まれてからすっと住んでいた小さなアパートを出て、近所の小さな文化住宅に引っ越しました。小さなダイニングキッチンと6畳2部屋というこれも小さな家でしたが、妹と共同ながら自分の部屋をもらいました。テレビや音楽をそれまでより自由に楽しめるようにもなったのです。部屋には河合その子さんのポスターをたくさん貼っていました。ChageさんやASKAさんが天地真理さんやアグネス・チャンさんのポスターを部屋に貼っていた話を聞くと親近感を覚えるのはこんな理由です。ASKAさんが消しゴムを落とした時のために机の下にアグネスのポスターを貼っていたという話をされていましたが、全く同じことを全く同じ理由でしていましたから。

さて、1121日になんとこの年4枚目のシングル『指環が泣いた』が発売されました。この頃には「私はチャゲアスのファンだ」という意識がありました。ラジオの電話リクエスト番組で「指環が泣いた」がかかった時に母と会話をしたことを覚えています。「チャゲ&飛鳥のこの歌が好きだ」と話したら母は「『万里の河』の方がいいな」と言いました。それで「万里の河」の人たちだったことに気づきました。

 

125日にクリスマスミニアルバム『Snow Mail』が発売されます。もちろん欲しかったのですが最優先は河合その子さんであり、おニャン子であり、南野陽子さんであり() とにかくアイドル優先でしたので「借りて」聞きました。

年末にはチャゲアスのコンサートツアー『Super Explosion Series X'mas Special』が開催されていましたが、あったことすら知らなかったでしょう。今と違ってインターネットがなかった時代です。私が初めてコンサートに行ったのは翌年のおニャン子クラブの解散コンサートです。まだライブという言い方はされていませんでしたよね。

大晦日にはチャゲアスにとって活動の大きな分岐点となったフジテレビの特別番組「世界紅白歌合戦」がありました。洋楽はまだ全く聞いていませんでしたがチャゲアスが出る! というだけでNHKの紅白歌合戦ではなく世界紅白を見ました。4カ月ほどでチャゲアスにはまっていたわけです。

 

思いだせないことがあります。その頃の私は一体どのアルバムを聞いていたのかです。

『スーパーベスト』は発売されていません。『TURNING POINT』は高校1年の冬にレンタルで借りて聞いたのが初めてです。別の記憶(部屋でレコードを聞きながら好きな女の子とロッテリアのてりやきバーガーを食べた())とセットなので間違いはありません。『MIX BLOOD』は先にも書いたように高1の時に中古で買ったはず。『Mr.ASIA』は発売前。当時のベスト『Standeing Ovation』もアナログレコードを借りた記憶はない。ワーナー時代のアルバムは高校の先輩に『熱風』のカセットを借りたのが最初だったはず。初めて「新品」を「予約」して買ったのが翌年の「SAILOR MAN」のシングルだったことはよく覚えています。

とうことは、つまり。

「モーニングムーン」と「黄昏を待たずに」と「指環が泣いた」だけを繰り返し繰り返し聞いていたのか‼

恐るべし中学3年生のてるれのん。

情報が少なかった時代とはいえ、半年間ほどはそんな状況だったとしか思えません。

 

その後のことも少し…

19874月。地元の公立高校に入学しました。理不尽な上下関係が嫌だったのでサッカー部には入りませんでした。チャゲアスの歌が歌いたくてフォークソング部に入りました。1学年11クラスという大人数の学校でしたが、バンドブームの頃ですからフォークソング部は人気がなく、新入部員は私だけでした。2年生もさだまさしファンの先輩が1人だけ。3年生は女子2人。その3年生の先輩(確か「宮崎」先輩だっと思う…)が「チャゲアスが好きならこれを見いてみぃ」と『熱風』のカセットテープを貸してくれたのです。5月に発売された『Mr.ASIA』とともに聞きまくりました。

高校の文化祭では毎年チャゲアスを歌いました。1年は「翼」。2年は「涙BOY」と「ひとり咲き」、3年は「終章(エピローグ)」。

アイドルも大好きでしたが、チャゲアスもそれ以上に好きになっていきました。高1の時に大ブームを巻き起こした光GENJIの楽曲をチャゲアスが手掛けていたことも大きいな。早見優さんや酒井法子さん、畠田理恵さんなどの女性アイドルソングも数多く書いていましたし。アイドル好きな自分とチャゲアスの接点があったんです。おこずかいは相変わらず少なかったのでチャゲアスのアルバムはなかなか買えませんでしたね。高3の時に発売された『PRIDE』をおこずかいをためて買ったのが初めての「新品」でした。

 

 

今、こうしてチャゲアスを語る私のブログをたくさんの人が読んでくれているという状況。

そのはじまりはいくつもの偶然が重なりあっていました。

サッカー部を引退したこと。おニャン子を好きになったこと。借りたカセットに「黄昏を待たずに」が入っていたこと。高校に軽音楽部はなくて人気薄のフォークソングしかなかったこと。先輩が『熱風』を貸してくれたこと。

 

うろ覚え1986年。

 

みなさんがチャゲアスに恋したのはいつですか。

その出会いをはっきり覚えていますか?

 Chage X'mas Dinner Show 2016

ハイアットリージェンシー大阪にて

平成28年12月25日(日) 食事時間:19:00〜20:15 SHOW時間:20:15〜
 

クリスマスディナーショーのレポートです。

いつものごとく音楽的に… といきたいのですが、酔っぱらってましたので… うろ覚えレポートです。

 

さて昨年に続いての大阪でのディナーショーです。

会場は10人掛けテーブルが40ありました。つまり、お客さんは400人くらいということですね。

 

みなさんドレスアップしております。私は男ですのでスーツを着てりゃいいんで気楽です。ただ胸に花を挿してみたりはしました。

テーブルは私と同じように1人参加も複数おられましたが、自然と会話ははずみました。

男性の1人参加は少ないように感じました。男性ファンも物怖じせず参加しましょう!

 

さて、ディナーは昨年同様おいしゅうございました。ワインがおいしくてついつい飲みすぎてしまいます。

前菜はChageさんの「C」に並んでいたんですよ! しゃれています。

 

さて、ほぼ予定通りにショーが始まりました。

全公演が終了していますのでセットリストを出しちゃってもいいでしょう。

 

1 ジングルベル(あの「ジングルベール、ジングルベール♪」です)

2 もうひとつのLOVE SONG

MC

3 箱の中身はなんだろう(Xmas Version)

4 誰かさん~CLOSE YOUR EYES~

5 告白

MC

6 愛の奇跡(「ヒデとロザンナ」の1968年デビュー曲にして大ヒットした楽曲)

7 街の灯り(堺正章さんの1973年のヒット曲)

MC

8 Make You Feel My Love

9 迷い猫のシャッフル

MC

10 NとLの野球帽

アンコール

11 たった一度の人生ならば(2016年のファンミとツアーで「遠景」の仮題で歌われていた新曲です)

12 君の瞳に恋してる

13 僕が見つけた気持ちのいい場所

 

久々の披露となったのが「誰かさん」です。1991年の『TREE』に収められていた楽曲です。会場にいたほとんどの人が泣いていたんじゃないかな… もちろん私も。

「告白」は「SAY YES」のカップリング曲。Chageさんは「15回に1回くらいは聴いたでしょう(笑)」なんておっしゃっていました、そんなことない! 私みたいに「こっちの方が好き!」 ってファンも多いはず。

 

中盤の会場グラウンドタイムはまさかの「愛の奇跡」。さすがの私も生まれる前の歌ですのでかろうじて知っているくらいです。「アモーレ!」の歌として。

今話題の「アモーレ」つながりですね。会場のどなたにマイクを向けてもちゃんと「アモーレ!」と叫ぶんですから! Aさんのソロなら無理だろうな… この違いがチャゲアスだな~。

そして、センターステージでマチャアキの1973年の名曲「街の灯り」。そういやASKAさんは「さらば恋人」をカバーしてたなぁ… なんてことも思っていました。

 

そしてノーベル賞受賞記念の「Make You Feel My Love」も。

 

アンコールは「遠景」改め「たった一度の人生ならば」。松井五郎さんが歌詞の中から題をつけたいと変更されたそうです。渡辺等さんのアレンジで録音は終わっていて、来年の春までにはリリースされるようです。

私はこの歌で2度目の落涙でした。本当にいい歌です。

 

ステージはこんな感じでした。

 

バンドは以下のメンバーです。昨年と同じメンバーだったと思います。

ベース 渡辺等さん。説明不要でしょう。ここ数年のChageさんの活動の重要なパートナーです。

ギター 西海孝さん。最近ならば「もうひとつのLOVE SONG」「NとLの野球帽(2016)」のギターを担当されています。太田裕美さんのバックも担当されているそうですので、私は何度か観ていると思います。

パーカッション 梯郁夫さん。前衛的というか、斬新なアレンジの叩き方が印象的でした。
キーボード 力石理江さん。力姉さんも最近のChageさんのライブには欠かせぬ存在ですね。

コーラスはAMAZONSの3人。吉川智子さん、斎藤久美さん、大滝裕子さん。さすがの存在感です。ちなみに大滝裕子さんはデビュー当時はアイドルっぽい活動をされていたんですよ。

 

ちょうどASKAさんの新曲「FUKUOKA」がYouTubeにUPされたばかりのタイミングで行われたこのディナーショー。

大阪のファンはChageさん、ASKAさんの両方からのクリスマスプレゼントをもらうことができたのでした。

 

Chageさんの2016年の活動のラストでした。

いろいろ風向き変わってきたような気もします。

 

Chageさんは来年はたくさんライブをするとおっしゃっていました。

いい1年のしめくくりのディナーショーでした。

 

 

 

 

レビューではありません。

まだ冷静には聴けませんからね。

 

YouTubeにASKAさんの新曲「FUKUOKA」がアップロードされました。

澤近さんと思われる繊細なピアノと古川さんと思われる繊細なガットギターに繊細なメロディー、繊細な歌詞、繊細な歌声が重なります。

繊細だけど力強い歌です。

 

やっぱり私はミュージシャンASKAのファンなんだと実感しました。

ミュージシャンASKAを待っていたんだな。

多くの人とは違いブログにはちっとも感動しませんでした。

やめてほしいと思っていたくらいです。いや、今でもそうか(笑)

ゴシップ的な話題はもういいです。

ワイドショーも見ません。

雑誌は買いません。

CDは買います。

本は… どうしようかな? ちょっと考えます。

 

 

やっぱりいい歌書きますよ。歌いますよ。ASKAさん。

私が惚れただけのことはある。あっ、上から目線だ。

ごめんなさい。

でも待っていたんですよ。

待っていたんです。

 

Twitterでも呟いたんですが。

「遠景」を思いました。

似てる、という意味ではなく。

同じ風景を見ているというか。

もちろん「遠景」は松井五郎さんの詞ですから詞の世界云々ではなく。

わかってくれる人がいますでしょうか。

とにかく「遠景」をファンミーティングやライブの会場で聞いた時と同じ感情に襲われました。

こうなったら早く「遠景」をリリースしてほしいです。

早く聞きたいな。Chageさん。

 

こうして2人の歌のキャッチボールが再開されました。

来年はいい年になるかな。

 

さあ、今からスーツに着替えてチャゲさんのディナーショー千秋楽の大阪公演に行きます。

なんて素敵なクリスマスなんでしょうか。

 

Merry Xmas!

 

 

 

 

 

Chageソロ・ライヴアルバム

Chage Live Tour 2016〜もうひとつのLOVE SONG

20161214日発売 オリコン最高68

 

ソロでは初となるライブアルバムです。2016916日の東京・豊洲PITでのライブがCD2枚に収録されています。

収録曲は以下の通りです。

CD1

1 SE

2 &C

3 Hurray!Huray!

4 アイシテル

5 迷い猫のシャッフル

6 MC1

7 Reason

8 春の雪

9 MC2

10 空飛ぶ電車とPancake

11 夏の終わり

12 SOME DAY

CD2

1 MC3

2 もうひとつのLOVE SONG

3 君の瞳に恋してる(バンドメンバー紹介)

4 GO!GO!GO!

5 ふたりの愛ランド

6 ロマンシング ヤード

7 NLの野球帽

8 Encore

9 YAH YAH YAH

10 WINDY ROAD

 

ライヴの様子はいろいろな方がブログなどでレポートをUPされているようです。臨場感を味わいたい人はそれらもご参照下さい。今回、私は大阪公演に参加した上でこのCDを聞いた感想をまとめます。

 

ソロとしては初のライヴアルバムです。ネット配信ではここ数年ライブ音源がリリースされてきました。しかし、今作はCDとして発売することに意義を見いだしていると感じます。MCでも触れられていますが20169月に発売されたTHE BEATLESの『LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL』に触発されたようです。

このTHE BEATLES唯一のライヴアルバムは1964年と1965年にアメリカツアーのハリウッドボウル公演をライヴアルバムとして発表したものです。しかし、録音はしたもののファンの歓声があまりにも大きく録音状態があまり良くなかったことから当時は発売が見送られていました。解散後の1977年に録音されている4回分の公演から13曲が選ばれ、ようやくライヴアルバムとして発売されました。その後、オリジナルアルバムがCD化されても、最近になってリマスターCD化されてもこのライブアルバムはCD化が見送られてきました。今年の3月にお亡くなりになったプロデューサーのジョージ・マーティンの意向だったと言われています。私はHOLLYWOOD BOWLの全公演の全曲が収録されているいわゆる海賊盤CDを持っていますが、とてつもない歓声というか悲鳴にかき消される演奏が印象的でした。モニタースピーカー(演奏者自身が自分たちの音を確認するスピーカー)がなかったこともありリズムがあからさまにずれてしまう楽曲もあるほどです。今回の再発売は新たにオリジナルのマスターテープから最新技術を使ってリマスター&リミックスされた音源でした。オリジナルと比較すると格段と演奏をはっきり聴くことができるまさに「ライヴアルバム」でした。その「音声だけ」ならではの臨場感や記録性に私も改めて惹かれました。Chageさんも私と同じようにこのアルバムを聴き倒したんだなあと思うと嬉しいです。

 

さて、今回の「もうラブツアー」の映像化を見送ったのにはさまざまな事情があるかとは思いますが、特典ではない正規のCDという形に残して下さったことに感謝です。

2015年の天ハンツアー、2014年のequalツアーはビデオ化されています。実はその2つのツアーも特典や配信限定などで音源化はされていますがMCはほとんどカットされていました。今回はMCも含めたほぼ完全版です。ただし、アンコールの最後に弾き語りで歌われた未発表曲の「遠景」は収録されませんでした。別の形でのリリースを考えているのでしょう。

 

さて、大阪公演に参加した記憶とライヴCDの「音」を聞いた上での感想です。

演奏はシンプルです。チャゲアス時代のように打ち込み音源をシンクロさせた「厚い」音像ではなく、ミュージシャンひとりひとりの出す音がダイレクトに伝わってくる「薄い」音です。しかし、楽器一つ一つの音が分厚く響きます。バンドメンバーが年齢的に若いこともありロックの初期衝動を感じさせる弾けた「熱い」音像になっています。

編成的にはドラムのタナカジュンさんとベースの小島剛広さんの若いリズム隊が特徴的です。今回のメンバーになってずいぶんと音が変わったなと思いました。(特にドラムの変化が顕著です)

長年の相棒である西川進さんのギターは安定かつ大暴れ。セカンドギターの芳賀義彦さんもするどく切れ込んでくる魂の籠もった音です。

ここ数年のChageさんのライヴのキーボードといえば力石理恵さん。力強いソロを奏でるだけでなく、さまざまな音色を使い分けて世界観を広いげております。

そして、去年のツアーに引き続いて参加のコーラスの石橋優子さん。絶対にピッチを外さない。「ふたりの愛ランド」だけでなく「SOME DAY」のような楽曲もあり、コーラスと言うよりはツインヴォーカルですね。

 

オープニングの3曲は最近のソロアルバムの1曲目であり、タイトルナンバーでもあるんですね。アルバムの代名詞的な楽曲を3曲並べています。「&C」のアレンジは原曲のイメージですが「Hurray!Hurray!」「アイシテル」はラテン風味にアレンジされています。実は初日の大阪公演では「アイシテル」を派手に間違えてしまった(ラストサビ前のブレイクを忘れて早く歌い始めて演奏とズレたんです)んですが、演奏も含めてしっかり歌われております。

MCを挟んで新作より「迷い猫のシャッフル」。90年代のチャゲアスを思い起こさせる憎い楽曲です。

そして、どの会場でもイントロで歓声があがったことでしょう。90年の『SEE YA』に収録されていた人気曲「Reason」。ASKAさんの掛け合いヴォーカルは石橋優子さんが再現されました。続いて『&C』の人気曲の「春の雪」。季節はずれですが()

新作『ANOTHER LOVE SONG』から「空飛ぶ電車とPancake」と「夏の終わり」、前半のラスト「SOME DAY」とバラードコーナーです。「SOME DAY」は披露されるたびにアレンジが微妙に異なるのですがどう料理してもいい歌はいい歌です。歌唱力が試される楽曲でもありますがここでも石橋優子さん、オリジナルのひろみさんへのリスペクトも感じる悪感の歌声です。オリジナルの啓介さんパートはChageさんも少し啓介さんを意識したような歌い方に感じるのは私がMULTI MAXを聞き過ぎたからでしょうか。

CD2枚目は怒濤の後半戦。ELTサウンド全開の「もうひとつのLOVE SONG」。Boys Town Gangの「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」に乗せてのメンバー紹介から、印象的なベースのリフのイントロを奏でる「GO! GO! GO!」。一時の封印状態はどこに行った? すっかり定番曲になった「ふたりの愛ランド」。そして「ロマンシングヤード」とUPテンポの元気な楽曲で攻めます。

本編ラストは「NLの野球帽」。『ANOTHER LOVE SONG』でのセルフカバーアレンジですが歌い方は少しオリジナルも混じったような感じ。この曲も様々なアレンジで歌われてきた歌ですが土台の歌詞とメロディーと歌声が素晴らしいので、いい歌はやっぱりいい歌なんです。

そして、アンコールでの「YAH YAH YAH」。このライヴアルバム発売時期にちょうどこの曲を作詞作曲したASKAさんの再逮捕の話題で世間が大騒ぎだったこともあり、初めてCDで聞いたときは涙が出てきてしょうがなかったです。もちろん会場でも泣いてましたが。Chageさんにつられずにみなさん歌うことは出来ましたでしょうか? 演奏はほぼオリジナル通りのアレンジながらより生バンド感がリアルに伝わってきます。西川進さんが弾く「YAH YAH YAH」…。感慨無量です。そして、ブックレットの作詞作曲:飛鳥涼の文字。オリジナル通りの表記なんですね。感慨無量であります。

ラストは「WINDY ROAD」。よく考えてみたら「ロマンシングヤード」「NとLの野球帽」「WINDY ROAD」が同じライヴの中で共存しているなんて… なんて贅沢なんでしょうか。チャゲアスを、Chageさんをずっと聞き続けてきて本当に良かったと思います。

 

 

チャゲアスでは活動初期に2枚のライヴアルバムが発売されています。「田園コロシアム」と「代々木競技場」の初期の活動における最重要なコンサートの記録としての意味があったのでしょう。その後はライブを記録する形態としてはビデオが一般的になりましたので、正式なアルバムとしてはお互いのソロも含めて1枚もありませんでした。今回、CDでのライヴアルバムという「時代遅れ」「時代外れ」な形での発売がされました。ミニアルバム2枚をアナログレコードのA面・B面に例えてみたり、80年代ディスコサウンドを再現してみたり、ギターの弾き語りで未発表新曲を披露してみたり…。今のChageさんのキーワードはこの「時代遅れ」の格好良さなのかもしれません。

 

また、今回のChageさんは昨年、一昨年のツアーと比較して声の調子が非常にいいんです。「天ハン」ツアーの映像や音声でのChageさんは少しツアー疲れか風邪気味かが感じられる歌声でした。CDに収められていない最後の「遠景」を聞いた方ならおわかりだと思いますが最後までとにかくよく声が前に出ていました。この国宝級の喉を大切にしてもらって、今後もいいライヴをお願いしたものです。

 

ASKAさんの話題で少々心が疲れてしまっているチャゲアスファンのみなさん。

ASKAさん寄りのチャゲアスファンでChappy=ファンクラブequal会員ではないみなさん。

今こそこのライヴアルバムを聴くべきです。

音楽の素晴らしさ、初期衝動を味わうことができます。

自分がなぜChageさんを、チャゲアスを愛しているのかを再確認できます。

 

世間がASKAさんで騒いでいる今だからこそ!

Chageさんの「音楽」に注目する人が1人でも増えてくれたらこの記事を書いた意味があるというものです。

Chageさんは変わらずに変わりながら音楽を奏でています。

もうすぐASKAさんも帰ってきてくれるでしょう。

ふたりの音楽をただの音楽として楽しむ日々はかならずやって来ます!

 

音楽はただの音楽でなければならないはずです。

色眼鏡を外して無邪気に音を楽しむ。

だから、今は新たに届けられたこの音源を楽しみましょう。