2月17日に発売されたASKAさんの書籍『700番 第二巻/第三巻』を読み終えました。
その内容は詳しくは書きません。尿検査のお茶とのすり替えなどの一連の出来事のASKAさんが語る内容を知りたい方は本をお買い上げください。

私は昨年の1/10に「『ASKAブログ』を読んで」という記事をこのブログにUPしました。「第一巻」にあたる内容のブログが1/9にUPされたものを読んだ直後の感想を書いたものでした。
次の引用はその時に私が書いた内容です。


「盗聴・盗撮に悩まされていた、集団ストーカー行為にあっていたということがこの長い文章の半分を占めています。そのストーカー行為の証拠集めなどの戦いのためにクスリに手を出しはまっていった、と語られています。
ASKAさんが語るその事実の真偽はわかりません。この文章だけでは判断はできません。ASKAさんが語るから間違いないと言うのも、そんなのクスリの影響の妄想だと言うのも、情報が一方的ですので判断がつきません。一般的には統合失調症的な症状だと思われるでしょう。全般的に客観的に綴られている文章の中で、この盗聴行為・集団ストーカー行為の描写だけは主観的な記述になっています。ASKAさんから見た「理解者」が少なかったこともあるでしょう。ASKAさんにとってはそれが事実だったということです。
「集団ストーカー」や「盗聴・盗撮」の事象は妄想であることが多いのが事実です。「ASKAのブログ」のその記述もにわかに事実とは信じられないような荒唐無稽な内容が綴られています。しかし、現在のASKAさんにとってそれが事実であり、それを語らずに活動再開に向かえなかったことは承知しなければいけません。そんなことを書いてしまえば興味本位に「病気」を疑われ、「普通の」音楽活動からは遠ざかってしまう可能性が高まることがわかっていたとしても書かざるを得なかった重大な事実だったのです。」


私がこのようなことを書いた数日後に実際に強制入院することになっていたんですね。
「病気」を疑われ、「普通の」音楽活動からは遠ざかってしまう、って私が書いたとおりになっていたんだなぁと改めてあの長文ブログを読んで途方に暮れた日のことを思い出しました。

今回の書籍も盗撮・盗聴の内容が中心です。その事実を理解してもらえないことから生じた出来事が強制入院であり再逮捕であるということです。
このことに関してもASKAさんのおっしゃる通りだとは思いません。また、妄想や被害妄想に過ぎないとも思いません。
ASKAさんにとってはそれが現実であったということがASKAさんの口から語られたということです。
ASKAさんのその現実を受け入れました、という感覚でしょうか。

ネット上ではいろんな意見が飛び交うでしょう。
擁護派の喜びの声もありますし、否定派の厳しい意見もあるでしょう。
野次馬的な群れの声もあるでしょう。でも、それは無視でいいですね。

冷たいと思われるかもしれませんが私は擁護派ではありません。
本の帯には「真実は一つ」という煽り文句がありますが、真実ではなくASKAさんの現実だと捉えています。
事実ではなく現実として。
言葉遊びのように思われる向きもあるでしょうが、そういう捉え方しかできません。

マスコミ不信は想像通りではありますが相当強いものがあるように感じます。
テレビのワイドショーというのは「漠然とした世間」が注目しそうな出来事を吟味する時間もなく垂れ流すものです。
事実であるかどうかは優先順位が高くはありません。

マスコミについて個人的意見を書きます。
私が以前に勤務していた職場で世間で大きな注目を浴びることになったある問題が起こったことがありました。
週刊誌にもとりあげられました。全国ネットのワイドショーでもとりあげられました。
事実は捻じ曲げられました。
ストーリーがあらかじめ作られており、それに証言や噂話をはめ込んでいました。
対応のための記録を依頼されていたために録画して見ていたテレビをぶち割ってやろうかと思いましたから。
週刊誌の記者の取材はひどかったそうです。自宅まで来たそうですから。取材を受けた方は誠実に対応されていましたが話せないことはあります。隠しているということではなく弱者を守るために話せないことです。
記事ではそれを大きく批判していました。隠蔽している、と。
忘れたいけど忘れられない、心が大きく疲弊した記憶です。

それ以来、ワイドショーの取材というのは表面的なものにすぎないと思って見ています。
また、私の週刊誌嫌いの原点でもあります。

 

でもね。テレビの誠実さを信じてもいるんです。
NHK以外でも深夜や早朝にドキュメンタリー番組がレギュラー放送されているのを知らない人も多いでしょう。
そんな番組では各局が良質の番組を放送しています。しかし、数字は取れないので日曜深夜や早朝にしか流れません。
私はそんな番組を毎週予約して見ていますのでテレビ局はクズだなんて思っていません。
資本主義と自由主義には正と負の側面があるということです。

 


あの時に私が感じた以上の辛さをASKAさんは感じているわけです。
想像もつかない痛みを。
しかも、発端は自らの過ちであり、正面切って相手を非難しにくい痛みを。

発端は自らの過ち。

消せない過ちです。

本の中でくらい吐き出しちゃっていいじゃないですか。
相手は電波というそれ以上の権力を握っているんですから。

 


ただ一つ。
緑内障の治療のくだりの記述は正確さを欠くかなぁと思いました。ちょっと誤解されてるなぁ、と。
私も緑内障の治療を受けていますので、ちょっと言葉足らずだと思います。
ASKAさん。主治医さんの言うとおり毎日の目薬は欠かさないようにしてくださいね。そこは少し心配。


アルバムタイトルにもなっている『Too many people』の歌詞だと思われるものが書かれていました。
実はアルバムのタイトルが発表になったときから一番気になっていたことです。
ポール・マッカートニーが1971年に発表したアルバム『Rum(ラム)』の1曲目に同名曲があります。
ビートルズの解散直後に書かれた歌です。メンバーであり、曲作りのパートナーであったジョン・レノンを当てこすった内容だと言われており、実際に歌を聞いたジョンが激怒してアンサーソング「How do you sleep?」を作りました。歌を通じてかつてのパートナーが喧嘩を繰り広げる事態になってしまったのです。
そんなわけで「Too many people」という題を聞いて正直怖かったのです。
どんな内容かは本を読むか、もうすぐ発売される歌を聞いてください。
私の恐怖は杞憂のようです。
でも私も「Too many people」の中の1人であると感じました。


第一巻も発売されるそうです。
実は今回の本の購入はギリギリまで悩みました。どうしても読みたいというわけではなかったのです。
でも気になって結局読んじゃうんだろうなと思って買いました。
ただし、ネット注文で。

アルバムは店頭で予約しました。
自分の声で店員さんに「ASKAの『Too many people』の予約をしたい」と言いたかったのです。
ネットではない生の声で伝えようと思いました。
それが自分なりの応援です。
小さな小さな抵抗なのかもしれません。

いろいろな思いはあります。
無邪気にASKAさんの復帰を待つことはできない複雑な心境であるのが事実です。
でも待ちます。

もうすぐアルバムの発売ですね。

 

 

追記

「私たち」ということばに泣きました。