ADHDの子育て 7つのヒント今回はADHD(注意欠如・多動症)について取り上げます。ADHDは落ち着きがない、忘れっぽい、いつもそわそわしている……などの特徴がある発達障がいの一つです。

 

ADHDの基本について学び、お子さんの対応や、特性の活かし方について見ていきましょう。

この記事でわかること

▶︎ADHDの基本について

▶︎ADHDの対応の7つのヒント

▶︎特性の活かし方

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️発達障がい・不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️子どもから大人までの発達障がい全般に関わる

 

【不登校の対応の基本についてはこちらの記事👇もご覧ください】

 

▶︎ADHD(注意欠如・多動症)について

ADHD(注意欠如・多動症:Attention Dificit / Hyperactibity Disorder)は、発達障がいの主な3つ(ASD・ADHD・SLD)のうちの一つです。

動症)い

ADHDの説明

 

ADHDの診断基準

 

以下のDSM-5の項目で、17歳未満はそれぞれ6個以上、17歳以上の場合は、それぞれ5個以上を満たしており、これらの症状が6ヶ月以上続き、12歳以前、2つ以上の状況で存在した上で、学校や職場で問題化している場合に診断されます。(DSM-5:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fifth Editionより)

 

 

A. 不注意

▫️不注意な間違い:細部の見過ごし、作業が不正確
▫️注意の持続困難:長時間の講義や会話に集中し続けることができない
▫️聞いていないように見える:心ここにあらずのように見える
▫️指示に従えず、やり遂げることができない:課題を始めても、やり遂げられない
▫️順序立てることができない:資料や持ち物の整理ができない、時間の管理が苦手、締め切りが守れない
▫️精神的努力の持続が必要な課題を避ける:宿題や、報告書の作成、書類を漏れなく記入するなどを嫌う
▫️なくしてしまう:学校の教材や、財布、書類、携帯電話などをしばしばなくす
▫️気が散ってしまう:外的な刺激によって気が散る
▫️忘れっぽい:約束、お使い、電話の折り返し、支払いなどを忘れる

 

指示を聞いても、最初に指示されたことを忘れやすかったり、一つのことを集中力を持って取り組むことが苦手な側面があります。

 

B. 多動性-衝動性

▫️手足をもじもじさせる:手足をそわそわ動かす、トントン叩いたりする

▫️席を離れる:教室や職場でとどまるべき場面で、自分の席を離れる

▫️走り回る、高いところへ登る:不適切な状況で走ったり、高いところに登る

▫️静かに遊ぶことができない:じっと遊ぶことができない

▫️じっとしていられない:教室や会議で長時間とどまることができない

▫️しゃべりすぎる

▫️質問が終わる前にしゃべり出す:他の人たちの言葉の続きを言ってしまう、遮る

▫️順番を待つことが困難:列に並ぶことが苦手

▫️他人を妨害し、邪魔をする:会話、ゲームを邪魔する、他人のしていることに口を出す

 

じっと授業を聞いていることが苦手で、いつも何かを触ったり、身体が動いていたりします。また話を遮って、話すこともあり、集団の中で「浮いて」しまうことがあります。

▶︎ADHDによくあること

学校生活で起こりやすいこと

▫️授業中に立ち歩いてしまう

▫️授業中に大きな声を出してしまうことがある

▫️危険な行為(屋根の上に登ったり、危険な道具を使ったり)をする

▫️忘れ物が多い

▫️計算問題などを解いている途中に他のことを考えてしまう

▫️気が散ってしまうとそちらに意識が向き、先生の話を聞いていないことが多い

▫️授業中にそわそわと身体を動かす

▫️イライラと衝動的にクラスメイトを叩いたりしてしまう

注意力を持続させることが苦手なため、先生の指示を聞き漏らし、他の子はできているのに自分だけができていないことにイライラとしてしまうことがあります。イライラすることで衝動的な行動(クラスメイトを叩く、ものを壊す)になる場合もあります。

 

家族が感じること

▫️宿題を終えるのに時間がかかる

▫️一つのことをやっていても、すぐに気が散ってしまう

▫️一度集中すると、いつまでも取り組んでしまう(過集中)

▫️片付け、整理整頓ができない

▫️イライラしやすい。きょうだい喧嘩が多い

集中力を持続させることが苦手なため、宿題を終えられず、そのことを理由に家族で喧嘩になることがあります。またきょうだい喧嘩も日常茶飯事になります。

 

ワーキングメモリーの弱さがある

 

ADHDについて理解するときに「ワーキングメモリー」についての理解は重要な観点となります。

 

ワーキングメモリーとは"行動を起こす際に必要な情報を、一時的に記憶し、処理する力"を指します。

 

例えば「机の上にあるノートをランドセルに直して、その後机の上を拭いて、雑巾は絞ってかけておいてね」という指示があったとします。

 

これらの行動を終えるまでの間、私たちは指示されたことを頭に残しながら行動を行います。そして行動を行いしばらくすると指示の内容は忘れます。

 

一時的に情報を貯蔵する容量のことをワーキングメモリーと呼びます。この力が高い人は、例えば他者と話をしている際も、前の話を記憶しながら、情報を整理し、相手が伝えたいことを的確に把握することができます。

 

ADHDを抱えるお子さんの場合、このワーキングメモリーが弱いため、複数の指示を与えられると、最初の方に言われたことを忘れやすいです。最初を忘れると、初めの行動が取れないため、右往左往してしまうことがあり、周りから叱責されることもあります。

 

ADHDを抱えるお子さんの場合、ワーキングメモリーの苦手さがあることをまず理解しておくことが重要となります。

 

ADHDのお薬による治療

 

ADHDの場合、状態を落ち着かせるために、薬が処方されることがあります。これらの薬は厳格な基準のもとに処方されます。薬物治療を取り入れることで、日中の不注意、多動性を落ち着かせ、学業成績の向上、職場での集中力を高めることができます。ただし食欲不振、頭痛などの副作用もあるため、すべての方に効くわけではありません。ご本人の生活に大きなメリットがある場合に処方を検討されます。薬については必ず医師の指示を受けるようにしましょう。

薬品名

(商品名)

作用機序 副作用

メチルフェニデート

(コンサータ)

ドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑える 睡眠障害、食欲不振、体重減少

アトモキセチン

(ストラテラ) 

ドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑える 食欲不振、下痢、イライラ

グアンファシン

(インチュニブ)

交感神経の働きを抑え、過剰な活動性や攻撃性を抑える 血圧低下、眠気、ふらつき

リスデキサンフェタミンメシル

(ビバンセ)

ドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑える 睡眠障害、いらつき、めまい、眠気

 

▶︎ADHDの得意なこと

ADHDと聞くと問題行動をイメージする方も多いと思いますが、ADHDの特性があることで、武器になることもあります。

 

ADHDを抱えるお子さんの得意なこと

▫️フットワークが軽い・行動力がある

▫️人懐っこい

▫️好奇心が強く、チャレンジ精神が強い

▫️発想力が強い

▫️ひとと異なる視点で物事を考えられる

▫️企画力が高い

▫️初対面の人でも臆せず話をすることができる

人それぞれ特性は異なりますが、愛嬌を感じさせる方が多いのが特徴の一つです。接客のお仕事や、企画力が求められること、営業力などが高く、社会に出てからも能力を発揮することができる可能性が高いと言えます。

 

忘れ物が多く、細かいところの気配りが苦手なところもありますが、持ち前の愛嬌の高さで補っている方もいます。

 

一方で、先のことを見通して考えることが苦手で、大人の方の場合、稼いだお金を散財してしまい、借金を背負ってしまうこともあります。

 

周りのサポートがあると、存分に自分の力を発揮することができるでしょう。

 

▶︎ADHDの対応のポイント

 

 

 

①注意の前に、特性を知る

ADHDを抱えるお子さんの場合、忘れ物や、うろうろと動いてしまったり、授業を聞けていないことがあるため、ADHDを抱えていないお子さんに比べて叱責される機会が増えやすいです。

 

叱責されることが増えると、「自分は他の子と比べて、できない人間なんだ」と自己肯定感を低めることにつながります。

 

自信を失うことで、ときに反抗的な性格形成がなされることがあります。適切な対応がなされず思春期を迎えた場合「DBDマーチ」と呼ばれる状態に進むことがあります。

 

【DBDマーチ】

DBD(Disruptive Behavior Disorder)と呼ばれるもの。

ADHDから始まり

▶︎反抗挑戦性障害(ODD:Oppositional Defiant Disorder)

▶︎行為障害(素行障害)(CD:Conduct Disorder)

▶︎反社会性人格障害(APD:Antisocial Personality Disorder)

に帰着する流れのことです。

 

ADHDという先天的なものに、さまざまな逆境体験が後天的に重なることで、反社会的な行為に進む可能性があると言われます。

この状態を防ぐために必要なことが「特性を理解すること」です。できていないことや、やってしまったことを叱責するだけでは自信を失っていきます。背景にどのような特性があり、その特性があるがゆえに行ってしまう行為があることの理解が対応のスタートになります。

 

②「分かっていてもやってしまう」思いを知る

ASD(自閉スペクトラム症)との違いとして、ADHDの場合は「分かっていてもやってしまう」ことが挙げられます。

 

ASDの場合「どうしてそれが駄目なのかわからない」ということがありますが、ADHDの場合は「それはやってはいけないことだと分かっているけれど衝動的にやってしまう」のです。

 

例えば太っている人が目の前にいたとします。ASDを抱えるお子さんが「あの人太っているね」と言うことがあります。これは「実際に太っている人に太っていると言って何が悪いのか?」という思いがあります。

 

一方でADHDの場合は「太っている人に太っていると言うのは失礼なのは分かっているけれど、つい反射的に言ってしまう」状態になります。

 

やってはいけないということは理解できていることが多いので、くどくどと一から注意されると耳が痛い思いになります。やってはいけないと分かっていないからやるのではなく、分かっていてもやってしまうので、やってはいけない理由の説明よりも、行動してしまいそうになるときに「一呼吸する」など時間を置くことを教える方が効果があります。

 

 

③指示は短く、明確に

ADHDを抱えるお子さんはワーキングメモリーが弱いことが多いことについてお伝えしました。そのため、長い指示や、何を言いたいかわからない内容を理解することに困難さを抱えています。

 

複数の指示を同時に行うのではなく、一つ一つ、もしくは1〜2つの指示を行うにとどめる方が理解しやすくなります。

 

どうしても複数の指示を行う場合は、メモを取るように伝える、もしくはメモを渡すようにします。メモを取ったことを忘れてしまうこともあるので、例えば朝学校に行く前はメモを見直す、などを習慣化すると忘れ物をしにくくなります。

 

 

④耳よりも「目」にアプローチする

ワーキングメモリーは聴覚的な情報の処理に関わる機能です。ここに苦手さを感じるのは耳からの情報処理を苦手とすることです。

 

そのため、視覚的なアプローチが有効です。口で説明するだけでなく、図やフローチャートなどを見せることで、今何をするか、これから何をするかがわかりやすくなります。

 

ただし、視覚的な情報が多過ぎると、そちらに気を取られてしまいます。伝えるべきことだけをシンプルに見せることを意識して作成するようにしましょう。

 

視覚的なアプローチが有効な分、目に入るものに気を取られることも多いので、不必要な情報は視界に入らないようにすることも有効です。黒板や机の周りには、勉強に関係のないものは置かないなどの環境づくりが効果的です。

 

私もADHDを抱える方に学習サポートを行う際は、環境設定を大事にしています。机に座ったとき、目に入るものの量を減らし、勉強に関係のないものは視界に入らないようにします。一つの勉強が終わったら、カバンや本棚にしまい、今やるべきことだけを机に出すようにすると集中しやすくなります。

 

 

⑤呼吸法を身につける

呼吸法はマインドフルネスとも言われます。仏教では「坐禅」「瞑想」という表現されることもあります。

 

やり方は簡単ですので、ADHDに限らずどなたも身につけてほしいものになります。

 

【呼吸法の手順】

①ゆったりと腰かける(電気は薄暗く、目は軽く閉じる)

②まず息を吐き出す

③鼻からゆっくりを息を吸う

④鼻もしくは口からゆっくりと息を吐き出す(吸うよりも倍くらいの長さ)

⑤3~5分ほど繰り返す

授業や宿題を始める前に行うと効果的です。私も学習サポートの際に活用しますが、これをやった場合とやらない場合では如実に違いが現れます。

 

呼吸法を取り入れてから学習に取り組むと集中力を維持しやすくなります。一方でやらないで取り組むとすぐに気持ちがあちこちに飛んでしまいます。場所を選ばずどこでもできることなので、ぜひ取り組んでみてほしいと思います。

 

 

⑥集中力は「切れる前に切る」を意識する

いろんなことに気が散って、集中力を保つことが苦手な特性があります。そこで集中力については「切れる前に切る」という意識を持つようにしてみます。

 

「1時間集中しよう」というのは、ADHDを抱える子どもたちにとっては苦行になります。しかしその半分なら、なんとかなるかもしれません。そこで使えるのが「ポモドーロテクニック」です。

 

【ポモドーロテクニック】

 

ポモドーロテクニック

勉強に取り組む際に、25分をやったら、5分休憩というように、強制的に25分で切るようにします。休憩を取ったら、また25分やって、休憩、そしてまた25分やったら、休憩し、最後に25分勉強したら、長めの休憩を取るようにします。

 

1時間集中し続けるのはなかなか難しいものです。しかし25分なら、「そのくらいなら頑張ろう」と思えやすくなります。

 

最初は25分も長いかもしれませんので、10分くらいから始めてみましょう。休憩時間はこの表の通りで結構です。

 

5分より長くしてしまうと、今度は勉強に戻ってくるのが大変になります。休憩の例は以下のものが挙げられます。

 

▫️5分休憩

・トイレに行く

・軽いストレッチをする

・ちょっとした軽食を食べる

▫️30分休憩

・散歩をする

・好きな音楽を聴く

・仮眠(寝る前にカフェインを摂るようにする)

・好きな動画を観る(タイマーセット)

 

ADHDを抱えるお子さんの場合、休憩をするとそこに意識が向いてしまい、戻ってこられなくなることがあるので、タイマーをセットし、時間が来たら音が鳴るようにしておきます。

 

集中力は「切れる前に切る」を意識しながら、ワンセットを何度か繰り返すという形で取り組んでみましょう。

 

 

⑦好奇心の強さを活かす

ADHDの得意なことでも挙げましたが、新しいことに取り組んだり、発想することが得意な面があります。

 

逆にいうと同じことを繰り返すのはあまり好きではありません。繰り返しはほどほどにし、新しいことにチャレンジできる環境作りは、お子さんの得意を伸ばすために有効になります。

 

親子で、新しいことに取り組むことで、お子さんの可能性をより広げることにもつながります。本当にお子さんが得意なことというのは、やってみないとわかりません。すぐに飽きてしまうこともありますが、やってやらなくなるのと、初めからやらないのとは全く違います。

 

旅行に行ったり、いつもと違う非日常の体験をしたり、親子でもお子さんの特性を「楽しむ」発想を持ってみましょう。

 

【子育てに疲れた親御さんへのメッセージはこちらです👇】

 

▶︎迷ったら一度ご相談ください

ADHDを抱えるお子さんの7つのヒントについてお伝えしました。まずは基本情報を集めることを大事にして、「理解すること」を第一に考えていきましょう。

 

私たちは「知らないから恐れてしまう」「過剰に反応してしまう」ことがあります。「知る」ことによって対応がわかり、それが未来につながるようになります。

 

お子さんに発達に課題があるかどうかを明らかにするのは、親御さんにとっても勇気の必要な行為になります。

 

迷われている方は、一度当事業所にご相談ください。お子さん、そしてご家族にとって最適な方法を考えていきましょう。

 

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中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 
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自閉スペクトラム症 ASD その特性と対応について従来は「自閉症」「アスペルガー障害」「高機能自閉症」と呼ばれていたものが、「ASD(自閉スペクトラム症)」という名前に統合されました。まだ聞き馴染みがない方も多いかと思います。

 

この記事では、ASDの特徴や、スペクトラムの考え方、ASDの向き合い方についてお伝えしていきます。

 

この記事でわかること

▶︎ASDの基本について

▶︎スペクトラムについて

▶︎ASDの向き合い方

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️発達障がい・不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️子どもから大人までの発達障がい全般に関わる

 

【発達障がいの基本についてはこちら👇もご覧ください】

 

▶︎ASD(自閉スペクトラム症)とは何か

 

ASD(自閉スペクトラム症)について

「他者の気持ちを汲み取ることが苦手」「人の顔を覚えることができない」「こだわりが強く、板書などに時間がかかる」「同じことを何度も繰り返す」「ルーティンが崩れるとイライラする」という特徴を示す傾向があるお子さんは、ASD(自閉スペクトラム症)の可能性があります。

 

お子さんが幼少の頃は、あまり気にならないこともありますが、小学校中学年くらいになると「空気が読めない」などと周りから言われ、孤立することがあります。

 

社会人になってからも、人間関係で悩まれる方は多いです。

 

ASDの診断基準

 

 

以下の症状が、Aは3つとも、Bは2つが該当し、かつ幼少の頃から(大人になってから明らかになる場合もあります)あり、学校生活や、仕事場で支障をきたしている場合に診断されます。(DSM-5:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fifth Editionより)

 

 
A. 社会的コミュニケーションの障がい

▫️社会的相互反応の問題

他者と社会的なやり取りをしたり、気持ちを伝え合うことが難しい。会話のやり取りがうまくいかない。「暗黙のルール」がわからない、など

 

▫️非言語コミュニケーションの問題

表情の変化で物事を伝えることや、アイコンタクト、ジェスチャーで自分の意図を伝える際の困難さを抱える

 

▫️対人関係の問題

人間関係を発展させ、維持させることの困難さ、友人を作ることの困難さ、など

 

思ったことを言ってしまったり、字義通りに言葉を受け取るため例えが伝わらなかったり、表情を読み取るのが苦手で、いわゆる「KY(空気が読めない)」状態になることが多いです。

 

B:限定された反復的な行動様式

▫️常同反復性

ものを並べたり、飛び跳ねたり、同じ言葉を何度も使ったり、相手の言ったことをおうむ返ししたり、状況と関係のない言葉を発する、など

 

▫️儀式的な行動、思考

常に同じであること、決まって手順を踏むことに強くこだわる、ゼロ100思考、思考の柔軟性の無さなど

 

▫️限定的な興味

特定のものに対しての強いこだわり(特定のものを集める)など

 

▫️感覚の過敏さ/鈍感さ

音、匂い、光などへの過敏さ、もしくは鈍感さなど

 

いわゆる「こだわり」の強さを示します。例えばこだわりが強いため、板書に時間がかかってしまうことがあります。毎日決まったルーティンができないとイライラしやすくなることもあり、臨機応変の対応が苦手です。

ASDを抱える方は、人口中で約1%いると言われています。一般的には男性の方が多いと言われますが、女性にもいらっしゃいます。以前は「自閉性障害」「アスペルガー障害」「特定不能の広汎性発達障害」「小児期崩壊性障害」などと分類されていましたが、現在はASDに統一されています。

 

▶︎スペクトラムとは何か?

「スペクトラム(spectrum)」とは「連続体」という意味で、物理学の世界で使われる言葉です。

 

従来、「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」などは、その様態によって、名称が決まっていました。

 

しかしながら同じアスペルガー症候群であっても、人の気持ちが少しわかる方もいれば、ほとんど理解することが難しい方もいらっしゃいます。一口にアスペルガーと言っても、その程度が人によって異なります。

 

また自閉症と、アスペルガー、高機能自閉症は、明確に線引きができるものでもありません。そこで「強弱がある」という発想を取り入れるようになったのです。

 

自閉スペクトラムのイメージ

特性の強弱を色の濃さで表しています。お子さんがどのあたりに位置するかによっても、こだわりが強くて友達関係に影響を与えているのか、問題が強いとは言えない程度なのかが異なります。

 

ASDとは、実はとても広い概念です。同じASDの診断を受けている方でも人によって大きく特性が異なると私自身も感じています。ASDを抱える方お子さんも個人によって異なります。そしてまた、ASDを抱えない人と、抱える人の間には明確な線引きは行うこともできないのです。

 

この辺りが、ASDについて理解がいまいち進みづらくなっている要因でもあると感じます。「⚪︎⚪︎だったら、ASD!」とはっきり決まるものでもありません。お子さんの抱える特性とともに、外部環境との関わり方も重要な要素になっていきます。

 

▶︎環境との兼ね合いが重要

特性というのは、誰しもが持つものです。しかしながら、人によって、困難にぶつかることが少ない方と、多い方がいます。ASDに限らず発達障がいを抱える方の多くは困難にぶつかることが多いです。

 

しかしこれは逆にいうと、周りとの関係性がうまく築くことができたら、問題にはならないということになります。

 

以下の図は、人がメンタルダウンを引き起こす際の状況を示しています。

 

 

個人の性格傾向や特性があり、そこに外部環境が関わります。もしここで「特性があるけどそれはみんなあるから、チームで支え合っていこう」という環境であれば、失敗経験につながりにくく、メンタルダウンも引き起こしにくくなるのです。

 

逆に「どうして言われたことができないんだ」と叱責が飛び交うような環境であれば、心はやがてすり減り、自己肯定感が下がり、心の健康を損なうことにつながります。

 

▶︎ASDによくあること

 
学生時代に起こりやすいこと
▫️クラスメイトの話の細部が気になり、文脈に関係ない点について言及してしまう
▫️マス目にきちんと丁寧に字を書こうと思うあまり、板書が遅くなる
▫️思ったままのことを口にしてしまう(太ったよね、眼鏡似合わないねなど)
▫️細かい言い間違いや、言葉遣いに反応してしまい、指摘することが多い
▫️規則違反に対して非常に腹立たしい思いになる
▫️興味があることには専門家並みに知識を持つが、興味がないことには一切取り組まない
▫️感覚が過敏で、食べるもの、着る服、匂い、音、光にストレスを感じやすい

しばしばこういったことがあることで、友達関係にトラブルが起こることがあります。しかしながら、一方で、このような強みもあります

 

ASDの強み

▫️細かいミスなどに気づきやすい
▫️納得したことについては、丁寧に行うことができる
▫️他人の目に臆することなく発表することができる
▫️独特な視点から物事を考えることができる
▫️細かく綿密な作業が得意

もちろん個人差はありますが、物事を性格に覚え、緻密に取り組む力は非常に高い方が多いです。ご自身の特性を活かした学校選びや、職業選びをされた方は、メンタルダウンも起こしにくくなります。

 

 

ご家族が感じること

▫️言葉でいくら説明しても理解を得られないことがある

▫️共感を求めても、「意味がわからない」と言われることがある

▫️食やルーティンのこだわりが強いため、一連の行動ができないと出かけることができない

▫️突発的な予定の変更があると、不機嫌になる(子どもの場合癇癪を起こす)

▫️言葉で言い負かされることがある

 

これらはごく一部ですが、特にこだわりについては、家族も振り回されてしまうと感じられる方は多いです。偏食がある場合は、外食もなかなか行けないこともあります。また着る服について同じメーカーの同じ製造所で作られたものでないと着られない、ということもあります。
 
他の家庭の話を聞いて初めて「うちだけ特別だったんだ」と気づかれ、それをきっかけに知能検査を受け、診断を受ける、ということもあります。
 

▶︎ASDの向き合い方

それではASDを抱えるお子さんの向き合い方について考えてみましょう。
 

①受容すること

ASDに限ったことではありませんが、私たちはどんな人の言うことなら耳を傾けるでしょうか。おそらくそれは「自分を受け入れてくれる人」ではないでしょうか。

 

自分の考えを否定せずに受け入れてくれること。これがもっとも心の安心感を育てます。愚痴を家庭で言ってすっきりすることで、外での問題行動が減ることも十分に起こり得ることです。逆にいえば家庭の中で受け入れられていないと感じたら、そのストレスが外でも行動化するようになります。

 

【傾聴の基本については👇をご覧ください】

 

 

「受容」と「言いなり」は違う

受容することは「言いなりになること」ではありません。お子さんの思いを「なるほどそういうふうに考えるんだね」と受けた上で、「そんなときはこういう方法もあるんだよ」「相手はきっとこう考えているんだよ」などと意見を伝えます。
 
意見はむしろ伝えた方がいいのです。大事なことは順番です。「まず受けて」から「伝える」という順番が重要になります。
 
この順番が逆になってしまっていることがあります。お子さんの発言を遮って、受ける前に「それは違うよ!」と言ってしまう。反論されると人は攻撃的になります。「いつも子どもと喧嘩になる」というご家庭の場合は、一度発言の順番を変えてみましょう。これはかなり効果的なものです。
 
 

②イメージしやすい方法で伝えること

ASDを抱えるお子さんの場合「相手の立場に立ったらどう思う?」という質問を苦手にすることも多いです。

 

これは特性が理由となります。ASDを抱える方は共感性が低いと言われますが、それは共感する脳の働きが弱いことが原因となります。

 

つまり生まれ持った脳の器質の問題になるため、いくら「相手の立場で考えなさい!」と言っても、うまくイメージすることができないのです。

 

例えばクラスの子がちょっとからかっただけで、グーで頬をパンチしたとします。周りから見たら「からかっただけで、殴られるのはおかしい」と感じます。

 

しかし当人からすると「嫌なことをされた、嫌なことを返さないと不公平だ」と考えます。グーでパンチする、足を引っ掛けて倒す、馬乗りになって殴るなど些細なことに対して大きすぎる罰を返してしまうことがあります。

 

このときに、行動の大きさをお子さんがわかりやすい指標に置き換えて伝えるようにしてみます。

 

例えば先の例で言えば「からかい」はお金で言えば100円くらいの罰金のもの。でもグーでパンチするのは10,000円くらいの罰金になるんだよ。というようにです。ゲームが好きな子には、そのゲームのポイント制を使ってもいいです。お子さんが関心のあるもので例えるとそれまで理解されなかったことが、急にわかるようになることがあります。

 

「からかい」をされたら、100円分の罰を送ることになるから、100円分の仕返しは「そんなことを言うのは嫌だ」と言い返すことだよ、というように例を示していきます。

 

「こういえばわかるだろう」という考えは、ASDを抱えない人の常識になりますが、ASDを抱える方にとってはそれは常識ではありません。

 

お子さんがイメージしやすい方法での伝達を意識するようにしてみましょう。

 

 

③数字を用いて答える

「庭の花に水やりをお願いね」「どのくらいやればいいの?」「大体でいいよ」。

 

こういったやりとりはASDを抱えるお子さんはとても苦手です。大体の匙加減がわからないためです。

 

「上手にやってね」「丁寧にやってね」「早くやってね」という人によって感覚が異なる表現は、混乱を招く要因となります。

 

先の例ならば「一つの鉢に100mlの水を土の部分全体にかけてね」というように「数字」を出して伝えるようにします。「ジョウロに水いっぱいを2回やってね」という表現でも構いません。

 

数字は主観的なものではなく、客観性の高いものです。小さじ一杯分と伝えると「少なめ」と伝えるよりも、同じ量を選ぶことができます。

 

何を具体的にどうすればいいのかを、数字を盛り込みながら伝えるように意識してみましょう。

 

 

④行動面に着目してトレーニングする

例えば人を傷つける発言をしてしまうお子さんに「相手の気持ちを考えよう」と伝えても、難しい場合があります。

 

相手の立場に立って物事を考えることが苦手だからです。「自分はその人じゃないから、立場に立つことなんて無理だ」と考える方もいます。

 

情緒的な面に訴えるよりは「こういう場合には、こういうことはしない」というように「行動面」着目したアプローチの方が有効です。

 

例えば「太っている人を見て『太っている』とは言わない」と短い言葉で、その時々の行動を明確化します。

 

さらに広げて「容姿については何も言わないようにする」というように行動の幅を広げ、応用範囲を広げていくようにします。

 

「相手が傷つくから言わないようにしよう」というのは情緒的なアプローチですが、先に言ったように、相手の感情を汲み取ることに苦手さを抱えています。「わからない」状態になるので、応用することが難しくなります。

 

情緒的よりも、行動面を変容するイメージを持って接するようにしてみましょう。

 

 

⑤理由を伝える

なぜやらないといけないのか、何のためなのか、が曖昧だと気になってしまう特性も持ちます。「これはこういう理由でやるんだよ」と行動を促す際に一言理由を付け加えるようにしてみましょう。

 

理由を伝えるのは「安心」につながります。ASDを抱えるお子さんの多くは未知のことをやることに不安を抱えます。しかし理由があり、目標が明確だと行動につなげやすくなります。

 

 

⑥お子さんが得意な方法を活用する

ASDと言ってもお子さんによってその状態や強み弱みは異なります。耳からの情報が苦手な方もいれば、言葉で説明してもらった方が楽な方もいます。一方で視覚的な情報の方が処理しやすい方もいます。

 

お子さんの得意不得意を明らかにしていくために知能検査が存在します。よく使われるものとしてはWISCとK-ABCがあります。

 

知能検査というと、IQを測るものと考えられがちですが(その要素はもちろんあるのですが)、もっとも重要な活用方法は「何が得意で何が苦手か」を明らかにすることです。

 

得意を見つけ、そこをより伸ばし、苦手なことをカバーすることで、将来に向かっての課題克服につなげるのが本来の役割になります。

 

知能検査は、クリニックや病院、発達障害者支援センター等で受けられます。お子さんをより深く理解するために、一度検討してみましょう。

 

▶︎「治す」のではなく「活用する」

これは私の考え方になりますが、発達障がいに限らず、お子さんの特性(得意、不得意)というのは「治す」発想ではなく「活用する」ことが重要になります。

 

人を傷つける言動などは、改善が必要となります。しかしながら、こだわりの強さは、例えばアートの世界においては、作品作りに貢献することがあります。

 

とはいえお子さんが小さなうちは特にですが、問題行動の方に目が行きやすいと思います。なかなか「活用」のイメージを持つのは難しいものです。お子さんと関わることが密になるため、できないところに目が行きやすくもなります。

 

だからこそ、必ず、相談できる人を親御さんも持つようにしましょう。違う視点から見ることで、お子さんのことで「発見」が生まれることがあります。

 

客観的に観ることで、お子さんの能力に気づくことがあります。お一人で悩まれず、相談する相手を持つようにしましょう。

 

【お子さんの対応に疲れた親御さんへ】

 

 
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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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成人の発達障がい オンラインセミナー

 

※残り3名様となりました!

 

2024年76日(土)20:00〜22:00にzoomによるオンラインセミナーを開催します。今回のテーマは「成人の発達障がいについて考える〜進路・就職・メンタルケア〜」についてです。

 

学校に属している間は決まったカリキュラムに取り組めばよく、また周りのサポートも整っているため、比較的過ごしやすい環境が用意されていることがあります。

 

しかしながら、一度学校を卒業し、社会に出て働くようになると、これまでのようなサポートを受けられないことがあります。青年期と呼ばれる10代後半以降の方々の発達障がい、並びにグレーゾーンを抱える方が、これからの人生を生きていく上でのポイントについてセミナーを行います。

 

発達障がい(ASD・ADHD・SLDなど)の診断の有無は問いません。「もしかしたら特性があるかもしれない」と思われる方や、診断は受けていないけれど、特性があると考えられるグレーゾーンの方もご参加いただけます。

 

また現在まだ小中高に在学しているけれど、将来のことを心配されている方もぜひご参加ください。お子さんとご家族の「これから」に向けての内容をお届けします。

 

セミナー講師
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️小中高、大学生、社会人などあらゆる年代の発達障がいのサポートを行う

 

【ひきこもりと発達障がいについてはこちら👇をご覧ください】

 

▶︎セミナーの内容

 

セミナー内容(セミナーの内容は若干変更になる場合もございます)

▫️成人の発達障がいの特徴について

▫️メンタルケアの方法

▫️進学や就職について

▫️質疑応答

タイムスケジュール(目安)

20:00〜21:15 セミナー(途中小休止も挟みます。多少延長する場合があります)

21:15〜21:20 休憩

21:20〜21:55 質疑応答

21:55〜22:00 アンケート・終了

 

顔出し・声出しは必要ありません

当セミナーは顔出し・声出しの必要はございません。ご質問はzoomのチャット機能からお受けします。自己紹介などの必要もございませんので、人前でお話しすることが苦手な方や初めての方もご安心して参加いただけます。

 

※セミナーのご予約の際にはお名前は必要ですが、オンラインセミナーにおいてはzoomのアカウントの名称を変更いただければ個人のお名前が出ることもございません。ただ、セミナー冒頭に参加の確認を取らせていただきますので、私宛に直接チャットでお申し込み時のお名前をお伝えください(他の方には送らないようにご注意ください)。

 

※ご質問は全体と共有させていただきながらお応えいたしますので、個人名など個人が特定される表記はご遠慮ください。またここで出てきたご質問は外部には漏らさないご協力をお願いいたします。

 

▶︎セミナー特典

 

セミナーにご参加いただいた方には以下の特典をお渡ししております。

 

セミナー資料(PDF資料)

 

無料カウンセリングの優先的なご案内

 (初回の方のみ。すでにご予約の入っている時間帯を除く)

今後のセミナーへの優先的なご招待

 

冊子はセミナーの内容をまとめたものと、統計データ等を記したものとなります。今後のお子さんへの対応にもご活用ください。

 

▶︎セミナーの対象となる方

 

▫️発達障がいを抱えるご当人やご家族

▫️グレーゾーンで悩まれている方

▫️仕事が長く続かない、自分に合う仕事を見つけたいと考えている方など

※ご本人並びにご家族の方にご参加いただけます。(大変申し訳ありませんが、今回は支援者の方は対象としておりませんことをご了承ください)対象となるか迷われた場合はご遠慮なくお尋ねください。

【お問い合わせ】

お電話090-1958-4902(10:00〜20:00)

E-mail:nakagawahiroka0530@gmail.com

【お願い🙇】

皆様にお願いしたいことは、セミナー後のアンケートのご協力です。セミナーの良かったところ、改善した方がいいところなど忌憚のないご意見をお寄せください。

 

▶︎セミナー詳細

日程 :2024年76日(土)

時間 :20:00〜22:00

使用ツール:ZOOM(10分前から招待いたします):事前にインストールをお願いします

料金 1,000円(税込)

※開催一週間前までのキャンセルは手数料を引いた金額を返金いたします。

定員 :先着10名様 残り3名様

ご予約締め切り:当日午後12:00まで受け付けます。ただし募集人数に達した場合その時点で締切となります。
お申し込みご参加をご希望の方は、下記のお問い合わせよりご連絡ください。

 

\オンラインセミナーのお申し込みはこちらからですなかがわひろか オンラインセミナー申し込み

 

※お問合せいただいた方には24時間以内にお返事をお送りしております。もし届いていない方お手数ですが再度お電話090-1958-4902(10:00〜20:00)もしくはnakagawahiroka0530@gmail.com宛にご連絡いただきますようお願い申し上げます。

連絡先:090-1958-4902

講師:なかがわひろか(公認心理師)カウンセリングオフィスOFFICE NAKAGAWA代表 

HPはこちらです

 

▶︎セミナーお申し込み流れ

 

1. 下記のセミナーの申し込みフォームよりご連絡くださいセミナーの申し込み・お問い合わせフォーム

2. 必要事項を記入の上送信


3. 24時間以内にお返事をお送りします。その際にお振込先等をお伝えいたします。(この時点では仮予約となります)

4. お振込が確認され次第本登録となります。

5. 当日10分ほど前にzoomにご招待いたします。

 

6. セミナー終了後アンケートにご協力いただき、冊子をお送りいたします。

 

▶︎ご参加者様の声(一部)

 

参加して、とても元気がでました。難しいことではあるけれど、今日のセミナーの内容を もとに自分の言葉で言いたいことを言えるようになれそうだと思いました。

やはり、しっかりとしたエビデンスと、図解でロジカルにお話しいただけて、分かりやすかったです。

親である自分の考え方や行動を考える事は大事だな、と改めて思いました。 他のセミナーでは「一般的にはこれには〇〇するといいですね」というようなものが多く細かい事はすっ飛ばされる感がありますが、カウンセラーである先生は視点が全然違い、聞きたい所を教えてくださるな、と思いました。

先生の優しいお人柄が、他とは違います。お話をさせていただいても、とにかくあたたかくて、悲しい思いをすることがありませんでした。私も、心が折れて、諦めてしまいそうなのですが、中川先生は、唯一、子どもの解決につなげていける方だと、未来に向かえる気持ちになります。
大変、勉強になりました。 自分の考え方の転換や、何かが起こった時のためにリフレーミングトレーニングを実践していこうと思いました。
様々な視点から多くの情報や知識を分かりやすくまとめてくださっていたと思いました。スライドや説明の要点がシンプルで良かったです。日常で使える知識や方法もあり学びになりました。

 

■-講師プロフィール-■
プロフィール写真

■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

■資格:公認心理師・産業カウンセラー・ひょうご発達障害サポーター・大阪市スクールカウンセラー

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、発達障がいを抱える方、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習・キャリアサポート

3. 親子の関わり方

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 

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発達障がいの種類 ASD・ADHD・SLD「発達障がい」は「神経発達症/神経発達障害」とも言われます。発達において脳機能に生まれ持っての課題があり、対人コミュニケーションでトラブルが起こったり、特定の物事に過度にこだわる、落ち着きがなく、多弁であったり、学習に課題があります。

 

発達障がいという言葉は、ずいぶん一般化したと思いますが、ひとくくりに発達障がいということはできません。それぞれに特徴がありますし、対応が異なることもあります。

 

このブログでは「今さら聞けない発達障がい」と題し、基本について学んでいきましょう。

 

【2024.07.06(土)開催の成人の発達障がいセミナーのご案内はこちらです👇】

 

この記事でわかること

▶︎発達障がいの種類について

▶︎診断の基準について

▶︎相談機関について

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️発達障がい・不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️子どもから大人までの発達障がい全般に関わる

 

【不登校の対応の基本についてはこちらの記事👇もご覧ください】

 

▶︎発達障がいの種類について

 
代表的な発達障がいの種類としては、次の3つが挙げられます。「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如・多動症)」そして「SLD(限局性学習症)」です。
 
発達障がいの種類

この他にも「知的能力障がい」「協調運動症」「チック症」「吃音」なども含まれます(ここでは細かくなりすぎるため上記の代表的な3つに絞ってお伝えします)。

 

「発達障がい」というと「あの人はASDの人だからこんな特性がある」「ADHDの人にはこう接しよう」などと言われることが多いですが、特性や苦手、得意とするものは人それぞれ違います。ひとくくりに捉えられるものではない、という大前提を大事に一つ一つ見ていきましょう。

 

▶︎ASD(自閉スペクトラム症)について

ASD(自閉スペクトラム症)について

 

対人コミュニケーションや、強いこだわりがある場合、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:以下ASD)の可能性があります。

 

幼児期に診断を受けていなくても、大人になってからわかる場合もあります。人間関係でつまづくことが多く、二次障害(発達障害を一次障害とし、その影響でうつ病などの障害が出ること)で苦しまれている方もいます。

 

ASDの診断基準

 

 

以下の症状が、Aは3つとも、Bは2つが該当し、かつ幼少の頃から(大人になってから明らかになる場合もあります)あり、学校生活や、仕事場で支障をきたしている場合に診断されます。(DSM-5:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,Fifth Editionより)

 

 
A. 社会的コミュニケーションの障がい

▫️社会的相互反応の問題

他者と社会的なやり取りをしたり、気持ちを伝え合うことが難しい。会話のやり取りがうまくいかない。「暗黙のルール」がわからない、など

 

▫️非言語コミュニケーションの問題

表情の変化で物事を伝えることや、アイコンタクト、ジェスチャーで自分の意図を伝える際の困難さを抱える

 

▫️対人関係の問題

人間関係を発展させ、維持させることの困難さ、友人を作ることの困難さ、など

 

思ったことを言ってしまったり、字義通りに言葉を受け取るため例えが伝わらなかったり、表情を読み取るのが苦手で、いわゆる「KY(空気が読めない)」状態になることが多いです。

 

B:限定された反復的な行動様式

▫️常同反復性

ものを並べたり、飛び跳ねたり、同じ言葉を何度も使ったり、相手の言ったことをおうむ返ししたり、状況と関係のない言葉を発する、など

 

▫️儀式的な行動、思考

常に同じであること、決まって手順を踏むことに強くこだわる、ゼロ100思考、思考の柔軟性の無さなど

 

▫️限定的な興味

特定のものに対しての強いこだわり(特定のものを集める)など

 

▫️感覚の過敏さ/鈍感さ

音、匂い、光などへの過敏さ、もしくは鈍感さなど

 

いわゆる「こだわり」の強さを示します。例えばこだわりが強いため、板書に時間がかかってしまうことがあります。毎日決まったルーティンができないとイライラしやすくなることもあり、臨機応変の対応が苦手です。

 

ASDを抱える方は、人口中で約1%いると言われています。一般的には男性の方が多いと言われますが、女性にもいらっしゃいます。以前は「自閉性障害」「アスペルガー障害」「特定不能の広汎性発達障害」「小児期崩壊性障害」などと分類されていましたが、現在はASDに統一されています。

 

▶︎ADHD(注意欠如・多動症)について

 

ADHDの診断基準

 

以下のDSM-5の項目で、17歳未満はそれぞれ6個以上、17歳以上の場合は、それぞれ5個以上を満たしており、これらの症状が6ヶ月以上続き、12歳以前、2つ以上の状況で存在した上で、学校や職場で問題化している場合に診断されます。

 

 

A. 不注意

▫️不注意な間違い:細部の見過ごし、作業が不正確
▫️注意の持続困難:長時間の講義や会話に集中し続けることができない
▫️聞いていないように見える:心ここにあらずのように見える
▫️指示に従えず、やり遂げることができない:課題を始めても、やり遂げられない
▫️順序立てることができない:資料や持ち物の整理ができない、時間の管理が苦手、締め切りが守れない
▫️精神的努力の持続が必要な課題を避ける:宿題や、報告書の作成、書類を漏れなく記入するなどを嫌う
▫️なくしてしまう:学校の教材や、財布、書類、携帯電話などをしばしばなくす
▫️気が散ってしまう:外的な刺激によって気が散る
▫️忘れっぽい:約束、お使い、電話の折り返し、支払いなどを忘れる

 

掃除や片付けができない、指示が達成できない、予定を忘れてしまう、時間の管理がうまくできず遅刻を繰り返してしまうなどが当てはまります

 

B. 多動性-衝動性

▫️手足をもじもじさせる:手足をそわそわ動かす、トントン叩いたりする

▫️席を離れる:教室や職場でとどまるべき場面で、自分の席を離れる

▫️走り回る、高いところへ登る:不適切な状況で走ったり、高いところに登る

▫️静かに遊ぶことができない:じっと遊ぶことができない

▫️じっとしていられない:教室や会議で長時間とどまることができない

▫️しゃべりすぎる

▫️質問が終わる前にしゃべり出す:他の人たちの言葉の続きを言ってしまう、遮る

▫️順番を待つことが困難:列に並ぶことが苦手

▫️他人を妨害し、邪魔をする:会話、ゲームを邪魔する、他人のしていることに口を出す

 

授業を聞いていてもいつも体が動いていたり、席に座っていられない、場の空気にそぐわない場面で話をしてしまうなどが当てはまります。

ADHDのお薬による治療

 

ADHDの場合、状態を落ち着かせるために、薬が処方されることがあります。これらの薬は厳格な基準のもとに処方されます。薬物治療を取り入れることで、日中の不注意、多動性を落ち着かせ、学業成績の向上、職場での集中力を高めることができます。ただし食欲不振、頭痛などの副作用もあるため、すべての方に効くわけではありません。ご本人の生活に大きなメリットがある場合に処方を検討されます。

薬品名

(商品名)

作用機序 副作用

メチルフェニデート

(コンサータ)

ドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑える 睡眠障害、食欲不振、体重減少

アトモキセチン

(ストラテラ) 

ドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑える 食欲不振、下痢、イライラ

グアンファシン

(インチュニブ)

交感神経の働きを抑え、過剰な活動性や攻撃性を抑える 血圧低下、眠気、ふらつき

リスデキサンフェタミンメシル

(ビバンセ)

ドパミン、ノルアドレナリンの再取り込みを抑える 睡眠障害、いらつき、めまい、眠気

 

▶︎SLD(限局性学習症)について

 

 

限局性学習症(Specific Learning Disorder:以下SLD)は、従来学習障害と言われていたものです。知的な問題がないにもかかわらず、学習課題でつまづきが出てくる場合、SLDの可能性があります。

 

主に、読み書き障害(ディスレクシア)、書字障害、算数障害の3つが、代表的なSLDです。

 

識字障害:ディスレクシア(dyslexia)

 

▫️文字がぼやけたり、滲んだり、歪んだりして見える

▫️単語の音と内容がリンクしないなど

 

書字表出障害:ディスグラフィア(dysgraphia

▫️漢字などの文字を書くことの困難さ

▫️マス目をはみ出して書いてしまう

▫️鏡文字になることがある

 

算数障害:ディスカリキュリア(dyscalculia)

▫️計算が苦手で、九九が覚えられないことがある

▫️計算式を立てることが苦手

▫️数の大小の把握が難しい

SLDの診断基準

以下の症状のうち、少なくとも1つが存在し、6ヶ月間持続しているものであり、暦年齢に期待されるよりも、低い学業、職業遂行能力、日常生活活動に障害を引き起こしている状態の場合に診断されます。

 

▫️読むことが不的確または速度が遅く、努力が必要である

 単語を間違ってまたはゆっくりと音読する、言葉をあてずっぽうに言うなど
▫️読んでいるものの意味を理解することの困難さ
読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解できないなど
▫️つづり字の困難さ
母音や子音を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりする
▫️書字表出の困難さ
文法または句読点の間違い、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない
▫️数学の概念、数値、または計算を習得することの困難さ
数字、その大小、関係の理解に乏しい。一桁の足し算を指を折って数えるなど
▫️数学的推論の困難さ
定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、数学的方法を適用することが非常に困難

知的水準は平均並にあるにもかかわらず、読み・書き・聞く・話す・計算する・推論することに苦手さを感じることが特徴となります。テストで点数を取れない場合、音読で問題文を読むと高得点が取れることもあります。

▶︎発達障がいの相談場所

 

「もしかしてうちの子は発達障がいがあるかもしれない」と思われた方は、「どこに相談したらいいだろう」と悩まれると思います。

 

一歳半検診や、三歳児検診で発達の課題が見つかるお子さんもいますが、そこでは引っかからず、就学してから、場合によっては就労してから「もしかして…」と思うこともあります。

 

その場合の相談場所について代表的なものは以下のものになります。

 

【2024.07.06(土)開催の成人の発達障がいセミナーのご案内はこちらです👇】

 

 

学校のスクールカウンセラー

各小学校や中学校、高校にはスクールカウンセラー(以下SC)の方がいらっしゃいます。週に1回から、月に1回程度巡回されていることが多いです。

 

まずはこちらに相談し、そこから支援センターなどに繋げてもらうのがスムーズな方法となります。

 

学校での様子や、家での様子を整理し、どんなところに相談に行けばいいかも聞いていただけます。無料で活用できるものですので、第一選択として考えてみましょう。

 

ただもしSCの面談日程がいつも埋まっていて相談できない事態がある場合においては、以下のものも参考にしてみてください。

 

 

児童発達支援センター

地域の障がい児や家族の支援を行う場所です。社会的スキルなど集団生活に馴染むためのトレーニングを受けることもできます。「お住まいの地域名+児童発達支援センター」で検索してみてください。

 

 

発達障害者支援センター

子どもだけでなく、大人の相談も受けられる場所です。都道府県・指定都市自ら、または、都道府県知事等が指定した社会福祉法人、特定非営利活動法人等が運営しています。

 

こちらも「お住まいの地域名+発達障害者支援センター」で検索してみてください。

 

 

発達障がいを専門とする民間のカウンセラー

有料のカウンセリングルームを指します。「最初はどう動いていいかわからない」など最初の一歩を踏み出すことが難しい場合は、民間のカウンセリングルームも活用できます。相談することで、どの機関につながることが適切かがわかります。

 

また継続してカウンセリングによるサポートを受けることができます。

 

 

その他の機関

子育て支援センターや、各自治体の窓口(市役所子育て支援課など)に連絡することで、道筋を知ることができます。

 

ネットの情報だけに惑わされるのではなく、専門家の目から助言を受けるようにしましょう。

【お子さんとの向き合い方はこちらもご覧ください】

 

▶︎発達障がいの診断

診断を受ける場合は、医療機関に行き、医師による診断を受ける必要があります。注意いただきたいのは診断は医師にしかできない、という点です。

 

もしカウンセラーなどから診断のようなことを言われたら、それを鵜呑みにするのではなく、まずは医師に診てもらうことを第一に考えましょう。

 

 

診断までの流れ

①医療機関に相談し、問診を受ける

②子どもの様子を診てもらう

③検査(WISCなどの知能検査・発達検査)を受ける

④観察や、検査結果によって診断を受ける

 

一見簡単に診断されそうですが、検査を受けるまで、また検査を受けてから結果が出るまでに少なくとも1ヶ月、長ければ数ヶ月かかることもあります。

 

特別支援教室や、学校に配慮を求める場合、行政からの支援を受ける場合は、それぞれに期間が存在します。

 

もし気になる場合は、早め早めに行動するようにしましょう。

 

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▶︎迷ったら一度ご相談ください

発達障がいに関しての基本的な考え方、動き方についてはここに述べたものが代表的なものになります。

 

まずは基本情報を集めることを大事にして、「理解すること」を第一に考えていきましょう。

 

お子さんに発達に課題があるかどうかを明らかにするのは、親御さんにとっても勇気の必要な行為になります。

 

迷われている方は、一度当事業所にご相談ください。お子さん、そしてご家族にとって最適な方法を考えていきましょう。

 

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ゴールデンウィーク明けに増える不登校5月の連休が明けました。気候も良く、過ごしやすい時期ではあるのですが、小中高の子どもたちに関わる先生やカウンセラーの方はみなさん口を揃えて「ゴールデンウィーク明けからしんどくなる子が増える」と言います。

 

私も実感しているものです。新しい年度に変わってからの張り詰めていた疲れがどっと出てくる時期です。この時期から、夏休みまでの過ごし方について考えていきましょう。

 

この記事でわかること

▶︎どうして連休明けがしんどくなるのか

▶︎不調のサイン

▶︎7つの過ごし方ポイント

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️発達障がい・不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️子どもから大人までの発達障がい全般に関わる

 

【不登校対応の基本については👇をご覧ください】

 

▶︎どうして連休明けはしんどくなるのだろう?

日本人にとって「4月」とは特別な月です。入学式はもちろん、進級、進学の季節です。クラス編成が変わることで、友達づきあいにも変化が現れてきます。
 
4月は、無意識のうちに「力が入りやすい月」だと言えます。逆に言うと、いつもよりテンションが高めになるため、多少のしんどさを乗り切って「しまい」ます。3月まで学校に行きづらかった子も、4月は頑張ることがあります。
 
授業もまだ本格化しないので、比較的簡単な内容が多いです。勉強にもついていきやすく、年度の始めということもあり、まっさらな教科書、ノートを見て気持ちもやる気が高まります。
 
そしてゴールデンウィークがあるため「目一杯やっても休みがあるから大丈夫」と思ってしまいがちです。そのためより一層力が入り、どうしても力んで過ごしてしまいやすくなります。
 
そして連休を迎えます。ここで、これまで張り詰めていた気持ちが一気に緩み出します。そこで疲れが出やすくなるのです。
 
 

5月を4月と同じように過ごさないといけないと思う

そして連休が明け、5月がスタートします。ここからは授業も本格化します。中学校や高校であれば、連休が明けてすぐに中間テストが始まります。

 

4月と違って、すぐに通常モードになることが求められます。5月も4月と同じようなテンションで過ごそうと思いますが、なかなかそうはなりません。

 

やがて「4月はあんなに頑張れたのに、5月はどうしてこんなにしんどいんだろう」と感じるようになり、頑張れない自分に落ち込むようになります。そこに加えてテストや、学校によっては体育祭や、文化祭があったり、梅雨の時期を過ごし、そして夏を迎え暑さが増し、過ごしにくい季節を迎えます。

 

夏休みまで祝日もほぼないので、約2ヶ月半の間、ぶっ通しで学校が続くようなイメージになります。一方で、1学期は年度が変わることで、友達関係も変わってきます。ここで休んだら、クラスから取り残されるようなプレッシャーも感じます。

 

しんどくて休みたい気持ちもあるのだけれど、休んだら置いていかれるという思いでより緊張感を持つようになり、すり減っていくようになります。

このようにして連休明けはしんどくなりやすくなるのです。

 

▶︎この時期に出やすいサイン

では、疲れも出てくるこの時期には、どのようなサインがお子さんから発されるでしょうか?代表的なものは以下のものが挙げられます。

 

【この時期のサイン】

▫️お腹が痛い・頭痛がすると言う

▫️眠れない、熟睡感がない

▫️朝が起きづらい(夕方には元気になる)

▫️食欲がなくなる

▫️ゲームやネットなど趣味の時間が減る(もしくは惰性的に長時間やる)

▫️イライラし、感情的になりやすい

ポイントは「趣味」「睡眠」「食欲」の3つです。1つでも不調になると、心身のバランスが崩れていきます。

 

 

趣味が楽しめなくなる

この中でも特に私が注目しているのは「趣味」についてです。ゲームやネット、漫画や、スポーツなど、これまで「やめなさい」と言っても取り組んでいたものを楽しんで取り組むことができなくなります。

 

趣味というのは心に余裕があって初めて楽しめるものです。心身の元気を失った状態の場合、趣味を楽しむことができません。学校から帰るとぐったりとしたような状態になり、何も手につきません。趣味を楽しめるかどうかは心の健康度を測る重要な要因になります。

 

 

睡眠がうまくとれなくなる

朝が起きづらくなったり、寝つきが悪くなることもよく起こります。特に起きづらい場合は、起立性調節障害の可能性もあります。

 

【起立性調節障害】

自律神経の働きが悪くなることで、起床時に脳へ血の巡りが低下し、なかなか起きづらくなる病気です。貧血のような状態になり、気持ち悪くなったり、頭痛が起こります。

 

起立性調節障害は、ストレスを要因とするものではないと考えられていますが、起立性があることで、朝起きづらくなり、そこから不登校につながることもあります。

 

寝つきが悪い場合は、色々と考え事をしていて、寝つきが悪くなり、睡眠時間が少なくなることで起きづらくなると考えられます。

 

睡眠がうまくとれないため、日中も眠気が取れず、ぼーっとしたような状態になります。身体もだるくなり、この状態が続くと、疲れやすくなります。身体に不調が出ると心も元気がなくなるようになります。睡眠は健康な生活を送る上で最も重要なものになります。

 

 

食欲が落ちる・もしくは過度に増える

元気がなくなると、食欲が落ちやすくなります。また一方で、ストレスを食で癒すように過食傾向になることもあります。

 

普段の食事を基準として、そこから減っているか、過度に増えているかという点に着目してみるようにしてみましょう。

 

▶︎お子さんのサインが出たら行う7つの対応

連休明けの過ごし方には、気をつけておきたいポイントがあります。逆に言うとこれらを意識することができると、不登校につながりにくくなると言えます。以下のポイントを参考にしてみてくださいね。

 

 
①「疲れが出てよかった」と捉える

これは実は一番大事なことです。一番怖いのは、疲れのサインが出ているのに本人も周りも見落として、燃え尽きてしまうことです。

 

疲労というのは、最初のサインを見過ごすと、脳の認識が鈍くなり、今度は疲れを感じなくなってしまいます。本当は疲れているのに、疲れていないと間違った認識を行い、無理をしてしまうようになります。

 

この状態になると、少し休息した程度では回復が難しくなります。長期にわたって学校を休むようになるのは、無理をし過ぎてしまう場合に多くなります。

 

お子さんが疲れた様子を見せていたら「ちゃんと『休ませないといけない』というサインを出してくれている」と捉えるようにしてみましょう。

 

 

②4月を「イレギュラーだ」と考え、活動量を7割くらいに抑える

4月のように元気いっぱいに過ごさないといけないと考えることがよりプレッシャーになります。

 

そうではなく「4月がイレギュラーだった」と考えるようにしてみましょう。冒頭でも述べたように、4月はついつい気負ってしまう時期です。無意識に頑張ってしまいます。この状態を通常モードと考えてしまうと、疲れが出てくる5月以降が、「自分はダメになった」と感じてしまうことになります。

 

4月が特別で、通常モードよりも活発に動き「過ぎて」いたのです。むしろここからの状態が「通常モード」になります。

 

マラソンで例えると、最初の数キロを全力以上に早く走ってしまっている状態です。その状態で完走するのは難しくなります。スタートダッシュよりも緩めて、ここからは長時間走れるようにしていきます。

 

感覚的には4月の7割くらいのテンションで十分です。夏休みまで約2ヶ月半を過ごすためには、目一杯のテンションでは息切れしてしまいます。テンションを下げてちょうどいいんだと言う気持ちで過ごすようにしてみましょう。

 

 

③疲れたときこそ「規則正しい生活を」

疲れが出てくる時期こそ、「規則正しく過ごす」ことを大事にしてみましょう。いつものように起きて、準備をして、程よく肩の力を抜きながら過ごすようにします。

 

一日のルーティンを「淡々と」「粛々と」過ごすようにしてみるのです。部活動などでハードな運動をすることもあるかと思いますが、それ以外では身体を休めることも大事にしていきます。

 

疲れは一日一日ケアすることが大切です。平日は夜更かしを控えて、早めに休むようにしていきましょう。

 

疲れたときは、長時間寝たいと思いますが、それよりもいつも通り規則正しく生活した方が疲労は早く回復します。疲れたときこそ「規則正しい生活」を意識してみましょう。

 

 

④休日を一日はオフにする

土日があれば、一方は、しっかりと休ませる日にします。一日は買い物や部活、友達と遊ぶなど活動的に過ごしても構いません。

 

ただ週末を目一杯フル稼働すると、月曜日から息切れしてしまいます。一日は身体をゆっくり休ませるようにしましょう。

 

プロのスポーツ選手のようなイメージです。プロスポーツ選手は試合の次の日はリカバリーに当てます。翌日にはハードな練習は行いません。軽く散歩やジョグ程度で終わり(もしくは何もしないこともあります)、疲れをとる一日に当てます。こうすることで疲労が溜まりにくくなり、シーズンを乗り切るようにしているのです。

 

ただ、ゆっくりとすると言っても、一日中寝る日にしてしまうと、今度は月曜日の朝が起きづらくなります。

 

いつもより長めに寝るのであれば土曜日に行い、日曜日は、平日+1~2時間までの睡眠で抑えておきましょう。できれば平日と同じが理想です。そうすることで日曜の夜の寝つきをよくし、月曜日の朝起きやすくできます。

 

 

⑤家族で「サボりの日」を作ってみる

親御さんがセカセカと日々を過ごしていると、お子さんもそうしないといけないと思いがちです。

 

「週に1度はサボりの日を作ろう!」と家族で「サボり」に取り組んでみるのです。④で挙げたように週末の一日は、家事も控えめにして、食事も外食や出来合いのものでもいい、とします。みんなで「サボる」のです。

 

家族がみんなで「サボる」ことで、お子さんも気楽に休みやすくなります。親御さんも疲れを癒す日を作るようにしましょう。

 

【親御さんに向けてのメッセージはこちらです】

 

 

⑥お子さんの思いにも耳を傾ける

新しい学期になり、クラスメイトも変わることで、お子さんも思うこともあります。お子さんと2人でカフェに行ったりドライブに行くなどしながら、お子さんに思いを発散してもらうことも大切なことです。

 

愚痴なども出てくると思います。否定するのではなく「発散」というイメージで、耳を傾けてみましょう。

 

【お子さんの話の聴き方はこちら👇をご覧ください】

 

 

⑦学校の先生と話す機会を作る

お子さんのしんどさが続くようであれば、学校との連携も必要になります。先生に時間を取ってもらったり、必要であればスクールカウンセラーの先生に相談することもいいでしょう。

 

学校での様子と家庭での様子を擦り合わせることによって、お互いに見落としていることを把握することができます。

 

家ではぐったりしているけれど、学校では活発に頑張っていることもあります。学校生活で無理をしやすくなるので、先生にも家庭での様子を知っておいてもらうことはお子さんの環境を整える意味でも効果的です。

 

▶︎お子さんが疲れているなと思ったらご相談ください

連休明けから、6月頃にかけては一番疲れが出やすい時期です。この時期は特にお子さんの様子に着目するようにしてみてください。

 

逆に言うとこの時期を乗り切れたら、お子さんにとって自信につながります。2学期、3学期はより楽に過ごせるようになるでしょう。

 

お子さんの様子で気になることがある方は、無料カウンセリングもご利用ください。早め早めにサポートしていきましょう。

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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