不登校やひきこもりと、夫婦の関係は関連があるのだろうか?そう考える方もいらっしゃると思います。

 

「うちはあまり夫婦の仲が良くないから……」

「夫婦の会話が少ないけど、子どもに影響するのだろうか?……」

 

今日は夫婦関係と不登校、ひきこもりの関連について見ていきましょう。

 

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️不登校やひきこもりの進学・就労をサポートする

1. 夫婦の関係性の影響について

 

 

不登校やひきこもりにはいくつかの要因が重なりあいます。

 

その中に「家庭環境」も含まれ、親子関係はもちろん、夫婦関係も影響の一つになります。

 

夫婦の関係性が良くないことで、子どもが家庭内で気を遣い夫婦間のバランスを取る役目を担うことがあります。

 

ときに父と母の間に立ち「メッセンジャー」の役割を担い、母の意見を自分が父に伝え、また父の意見も自分が間に入って母に伝える役割を担います。

 

「この言い方をしたら、お母さん(お父さん)は傷つく」と考え、自分なりにマイルドな言い方に変えたりもします。

 

家族でご飯を食べていても、妙な緊張感に包まれているため、話題を提供したり、無理に明るく振る舞うこともあるでしょう。

 

家庭では安心して気楽に過ごしたいのに、それが叶わないとき、子どもたちは学校や社会でも疲れ、家庭でも疲れるという状況に追い込まれます。

 

このことが要因となり、次第に学校に行く気力を奪ってしまう、ということは当然に考えられることになります。

 

つまり不登校やひきこもりに、夫婦関係の悪さは、関連が「ある」ということになります。

 

 強い影響を与えてしまうこと

 

特に以下に挙げられることについては、子どもたちに強い悪影響を与えることになります。

 

【特に影響を与えてしまうこと】

▫️四六時中夫婦喧嘩をしている

▫️母は父の、父は母の悪口を子どもに言う

▫️父から母(もしくは母から父)への暴力がある

▫️どちらかが従順に言い返さず、されるがままになっている

▫️夫婦は顔を合わせることもせず、会話も無い

 

この中で特に「暴力」については、目の前で片方の親が殴られているのを見ることで、心理的なトラウマを与えることにも繋がります。

 

例えば父親が母親に日常的に暴力を振るう様子を見て、男性に対して過度に怯えるようになったり、反対に「女性は殴ってもいい存在だ」と認識し、子どもも暴力的になる場合もあります。

 

また何も言い返さず従順であることは、短期的には目立った影響は与えないかもしれませんが、嫌なことをされたときにどう対応していいかというモデルがないため、子どもにパートナーができたときに、高圧的になったり、反対に従属的になることがあります。

 

先にも述べたように、家庭内でこのような状況が続いていると、子どもたちは自然と「自分が調整役にならないといけない」と感じるようになります。

 

この傾向は長男、長女により高いと言えそうです。

 

下にきょうだいがいるとより「自分がしっかりしないといけない」と考えます。

 

学校など外の世界が、自分にとって安らげる場所になっていれば、まだ乗り切れます。

 

しかしそうではない場合、家庭の中に自分を曝け出す場所がなくなり、やがて追い詰められ、不登校、ひきこもりという形として現れるようになります。

 

またこの経験が、時間が経つほど醸成され、やがて「自分がこうなったのはお前たちのせいだ」と親に対して暴力的になる場合もあります。

 

 不登校やひきこもりは子どもたちからの「サイン」

 

しかしながら、夫婦の影響が大きい状態での不登校やひきこもりは子どもたちからの「サイン」でもあります。

 

子どもが学校に行きづらくなったことで、必然的に夫婦の会話が増え、仲が良いとまでは言わずとも、それなりにうまくやれるようになることもあります。

 

子どもたちがしっかりとサインを出してくれることで、自分たちのあり方を見直すきっかけにもなります。

 

私が一番不幸と考えるのは、子どもたちが我慢に我慢を重ねて、学校も休まず、仕事も頑張り続けた結果、あるとき燃え尽きてしまい何もする気力が湧かなくなることです。

 

また人間関係においても、適切な関係性を築くことが難しくなり、社会から孤立してしまうこともあります。

 

その意味で、不登校やひきこもりになるということは、今一度夫婦関係を見直す重要なきっかけになるとも言えます。

 

2. 夫婦関係が良くないときの対応

 

夫婦関係が良くない場合、では何をすればいいでしょうか?

 

ヒントを見ていきましょう。

 

 ① 第3者を交えて話す機会を設ける

 

夫婦だけで話し合って、前に進めるのであればそれに越したことはありません。

 

しかしそれすらも難しい場合は、二人で話すのは現実的ではありません。

 

罵り合いになって終わることもあります。

 

この場合は、第3者を交えることです。

 

共通の友人や、信頼できる人、必要に応じてカウンセラーを活用することもありますし、より法律的な視点を得たい場合は弁護士も選択肢に入ります。

 

あまりおすすめできないのは「双方の両親を交えての話し合い」です。

 

それぞれの両親が自分の子を守るのはまだいいのです。問題は、例えば母側の両親が「あなたは我慢が足りない」と父側についてしまうような場合です(逆も然りです)。

 

こうなると、1対5と言ってもいい対立関係ができてしまいます。それぞれの両親を交える場合は、きちんと自分の味方になり、かつ冷静に話を進めてくれる場合のみと考えておきましょう。

 

※話し合いは一回で全てが解決することはまずありません。次回の日時を決めて、複数回重ねていくイメージを持ちましょう。場合によっては年単位でかかる場合もあります。腰を据えてじっくり進めていきます。

 

 ② 一度離れて暮らしてみる

 

意外に効果的なことは物理的な距離を取る方法です。

 

一緒に生活して、嫌な空気が家庭に蔓延するのであれば、一度夫婦が離れて暮らすことも考えてみましょう。

 

お子さんは一方の家に生活の基盤を置き、双方を行き来できるようにします。

 

単身赴任家庭が意外にうまくいっていることが多いのは、離れて生活しているという面もあると思います。

 

特に仲がこじれている場合は、距離を取った生活を一定期間することも夫婦関係の改善において効果がある場合があります。

 

 ③ 改善が難しい場合の離婚も選択肢の一つ

 

離婚という選択肢も一つの解決法です。

 

夫婦という関係性を一度解消することで、適度な距離が生まれ、たまに会うくらいでうまくいく場合もあります。

 

ただ離婚に至る選択をする場合は、子どもたちに説明できるようにしておきましょう。

 

いろいろなことをやってみたけれど、難しかった。だから夫婦関係を解消することになったけれど、あなたの親であることは変わらない、と子どもたちに提示することです。

 

当初は子どもたちも受け入れられないかもしれませんが、次第に理解するようになります。

 

3. 夫婦喧嘩をしてしまったとき

 

ここまで、夫婦関係がかなり悪い状態の対応についてお伝えしました。

 

「まだここまでではないけれど、でも喧嘩もよくしてしまうからなあ」と思う方には以下のことを試してみてください。

 

 ① できるだけ子どもたちの目の届かないところで喧嘩する

 

喧嘩をしない夫婦はありません。

 

きっかけは些細であっても、それは長年降り積もった結果でもあります。

 

喧嘩はどのような夫婦に起こりえます。

 

喧嘩はしないようにする、のではなく「子どもの前でを極力避ける」ことを意識しましょう。

 

部屋が狭く声が聞こえてしまう場合は、車の中であったり、場合によっては外に出ることもあるかもしれません。

 

もちろん予期せず突発的に始まる喧嘩もあります。いつも目の届かないところで行うのは難しいかもしれませんが「極力」努力するようにしましょう。

 

 ② 仲直りのプロセスを見せる

 

喧嘩をするのは仕方ありません。

 

大事なことは仲直りすることにあります。

 

すぐに謝れずとも、時間を置くことで素直になれることもあります。

 

ちゃんと双方が謝って解決した、というプロセスを子どもたちに知ってもらうことは重要です。

 

その姿を見て、子どもたちも仲直りの仕方を学びます。

 

 ③ 子どもが仲裁役にならないようにする

 

状況判断に優れた子どもほど、夫婦の緩衝材になろうとすることがあります。

 

しかしこれは子どもたちに家庭内で強い緊張状態を強いることでもあります。

 

夫婦喧嘩は夫婦でします。

 

子どもを間に入れてメッセンジャーのように利用するのではなく、やり取りは夫婦同士で行いましょう。

 

まとめ:自分たちの影響力の大きさを知っておく

親の存在というのは親が思っている以上に子どもたちに影響を与えます。

 

まずそのことを強く自覚することです。

 

「自分は対して子どもたちに影響を与えていない」と感じることもあるかもしれませんが、どんな有名人よりも、偉人よりも影響を与える存在です。この自覚が必要です。

 

それは夫婦関係でも同じです。

 

夫婦の関係性は子どもたちに強く影響を与えます。

 

世界で一番ご自身の子どもに影響を与えるのは自分たちであるということを常に認識しておきましょう。

 

この認識があることが、夫婦の関係性を見直すきっかけになります。

 

自分たちの影響力の大きさを知った上で、時に喧嘩をしても仲直りする努力をしていきましょう。


 

【夫婦関係の悩みごとは、以下より👇一度ご相談ください】

 

 

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中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

 

親としては、自分の子どもが学校に行けなくなったとき「どうして行けないのか?」を知りたくなるものです。

 

しかしそのときに「自分でもわからない」と言われたら、やきもきする気持ちが出てくると思います。

 

「どうして学校に行けないかわからない」と言われたときに考えてみてほしいことについてお届けします。

 

 

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1. 不登校の要因

2024年度の不登校の統計は、以下の通りです(文部科学省より)

(%は全児童・生徒の中の割合)

 

【不登校の人数】

小学校:137,704人(2.3%)    43人に1人

中学校:216,266人 (6.8%)  15人に1人

高校 :  67,782人(2.3%)    43人に1人

特に小学校は10年前と比べても約5倍の数となっています。

 

中学校においては、もはやクラスに1人ではなく、2~3人いる状態になります。

 

ちなみにこの数は「30日以上欠席した児童・生徒(病気を除く)」で定義されています。

 

例えば毎日放課後にプリントを取りに来るという場合は「遅刻」扱いとなるので欠席にはなりません。

 

「校門まで来て帰る」「朝先生と出会ってすぐ帰る」「別室で1時間だけ授業を受ける」などの表に出てこない数字を合わせると、少なくみてもこの1.5倍から2倍の数がいると推計されています。

 

 不登校の要因(上位5つ)

 

文部科学省が取得したデータによると、不登校の要因には以下のものが挙げられています。(複数回答可)

 

【小中学生】

①学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(30.1%)

 

②生活リズムの不調に関する相談があった(25.0%)

 

③不安・抑うつの相談があった(24.3%)

 

④学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(15.6%)

 

⑤いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった(13.2%)

 

【高校】

①学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(26.9%)

 

②生活リズムの不調に関する相談があった(26.2%)

 

③不安・抑うつの相談があった(16.0%)

 

④学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(12.8%)

 

⑤選択肢に該当なし(11.9%)

 

この結果を見て皆さんはどのように感じられたでしょうか。

 

実はこれは要因が明らかにされているようで、そうではないのです。

 

なぜなら「やる気が出ないのはどうしてか?」「生活リズムが狂ったのはどうしてか?」「不安や抑うつが高まったのはどうしてか?」には答えていないからです。

 

つまり何が言いたいかというと、文部科学省も「どうして不登校になるのか?」についてははっきり「わからない」ことを示しているということです。

 

【詳しい統計紹介は👇をご覧ください】

 

 

 本当の背景にあるもの

 

カウンセリングの場合、「本人にやる気がない」と言われて「そうかやる気がないのか」とは考えません。

 

やる気が出ない背景に何があるのかを考えます。

 

つまり「何がやる気をなくさせているのか」を考えるのです。

 

この図のように「やる気がない」「不安がある」「生活リズムが狂う」というのは「表面化したもの」です。

 

つまり海面に突き出ている氷山の一角に過ぎないということです。

 

その背景には、心理面、身体面(病気などが隠れている)、いじめなどの社会関係、個人の特性、家庭環境が隠れています。

 

これらが少しずつ分散的に存在する場合もあれば、いじめのように突出して存在する場合もあります。

 

ここでは「いろいろな要因が絡まり合っている」と捉えておいてください。

 

 子どもが「わからない」という深層心理

 

前置きが長くなりましたが、不登校にはいくつかの「背景」が存在します。

 

「家庭環境が4割くらいで、個人の特性が2割、友達関係が2.5割で、朝起きづらい(起立性調節障害)が1.5割」というように、どれがどれだけ理由になっているかがわかるものではありません。

 

日によっても異なるし「どれが原因」とははっきり言えないのです。

 

わからないのでお子さんは「わからない」と正直に答えています。

 

けれど「理由なく不登校になるのはおかしい!」という考えが大人側にあるため「何が理由か」を必死に掘り下げようとします。

 

実は子どもたちも理由がないとダメだと思っている場合があります。

 

そのため理由を深く聞かれると「何かを答えないといけない」と思います。

 

そこで出てくるのが「友達に嫌なことを言われた」「先生の怒り方が嫌だ」「宿題が多すぎる」「お父さんがいつも厳しいから疲れる」ということが出てきます。

 

もちろんこれらも嘘ではありません。要因の一つではあるものの、それだけで不登校になるわけではありません。

 

言われた方は「先生が原因なら学校と話しあえば解決する」と考えます。先生に要望を伝え、学校側に体制を整えてもらいます。

 

しかしそうなったからと言って学校に行けるようになるわけではありません。

 

「せっかく原因を解決したのに、なぜ行けないのだ?」と今度は子どもたちを叱責することになります。

 

理由を言われてもそれは本当の理由ではないので、解決したとしても学校に行けるわけではありません。

 

結局のところ子どもたちにも「わからない」というのは「真実」だと言えるのです。

 

2. 「わからない」の対応の仕方

 

では、「わからない」と言われたらどのように対応すればいいでしょうか?

 

 

 「わからない」でいいよ、と伝える

 

子どもたちも自分がどうして学校に行けないのか本当の気持ちがよくわかりません。

 

きっかけは友達や勉強のことであっても、本当に何を感じているのか自分でも手探りな状態です。しかし何か理由を伝えないといけないと思い焦ります。

 

ここで重要な対応は「『わからない』でいいよ」と伝えることです。

 

いろんなことが重なり合って今の状態が起こります。うまく説明出来なくていいし、うまく説明しようと思わなくていいのです。

 

「わからないよね。今は焦って考えなくていいからね」と言ってもらうことは子どもたちの安心につながります。

 

「『わからない』と思っていることが『わかった』」と捉えましょう。

 

【傾聴のヒントは👇をご覧ください】

 

 

 一緒に「あたふた」で良い

 

どうして不登校になるかがはっきりわかるわけではありません。

 

親だからといって完璧な対応ができるというものでもありません。

 

特に不登校が始まった頃はわからないことがあって当然です。

 

「一緒にあたふた」でいいのです。一緒にあたふたすることで、「一緒に考える」ことができます。

 

「親もわからないことがたくさんあるけれど、一緒にこの課題に向き合っていこう。そのためにいっぱい話そう」でいいのです。

 

 まずは「受けとめる」ことから

 

このブログでも何度もお伝えしていますが、お子さんの思いを聴くとき一番大切なことは「受けとめる」ことです。

 

親として解決法がすぐに浮かばなくてもいいのです。

 

「今そのように考えているんだね」と受けとめることで、お子さんは安心して迷い、悩むことができます。

 

悩ませない、迷わせないことが大切なのではなく「じっくりと悩む」ことが大切なのです。

 

不登校はある意味これまでの生活を見直す大きな転機とも言えます。

 

自分と向き合う時間でもあるのですから、しっかりと考える時間を取ることは必要なのです。

 

しかし一人で堂々巡りするのもしんどいです。

 

そのときにまず受けとめてくれる存在が近くにいると、話したいときに気持ちを話すことができます。

 

話しながら、自分の気持ちを見つけていきます。

 

お子さんが自分と「安心して」向き合うためにも、答えが出せなくてもいいのでまず「そう思っていることはわかったよ」と受けとめることを意識しましょう。

 

ただし「いじめ」の場合は例外

 

しかし例外もあります。

 

それが「いじめ」です。

 

ものを隠されたり、嫌なことを言われたり、殴られたり金銭を求められたり、ということをされている場合は、すぐに行動することが大切です。

 

お子さんの話を聞いた上で、学校に連絡を取り、事態の詳細について調査してもらう必要があります。

 

ただ、いじめが背景にある場合、お子さんもそのことをすぐに言えないことがあります。数年経ってから「実はいじめられていたから行けなかった」という発言が出ることもあります。

 

文部科学省の調査ではいじめは要因の上位5つに入ってきません。しかし数年後の調査では、上位に上がるケースもあります。

 

発覚した場合はすぐに行動に移すことを意識しておきましょう。

 

 

▶︎不登校の基本についてはこちらの記事もご覧ください。

 

3. 大事なことは実は原因分析ではない

どうして自分が不登校になったのかを理解できるようになるには、長い年月が必要になります。

 

何十年が経過しても「未だよくわからない」こともあります。

 

まして不登校の最中に、的確に自分の気持ちを理解するなんてことはできないのです。

 

親としてははっきりしないモヤモヤした状態が続くことに腹立たしさも感じると思います。しかしそのことで一番ヤキモキしているのはお子さん自身です。

 

大事なことは原因分析ではなく「今のお子さんに必要なことは何か」です。

 

理由はわからないけれど、安心して話すことができることで、お子さんは改めて信頼できる人が近くにいることを知ります。

 

理由ははっきりしないけれど、気持ちが落ち込んだり、身体がしんどくなることもあるのだ、ということを学びます。

 

この経験は実は未来のお子さんを「救うもの」になります。

 

誰かに相談することで安心できることを知ること。

理由ははっきりしないけれど、疲れが溜まってしまうことがある、ということ。

しんどく辛い時期だったかもしれないけれど、そこからどう元気になっていくかを体感すること。

 

これら全てが「未来のお子さん」を救います。

 

そのさきに「もしかしたらあれが原因だったかもしれないな」と気づくときがきます。

 

どうして不登校になったのか?それはこれからの人生で考えていくことです。

 

どうして、よりも、「今のお子さんに何が必要か」を考えていきましょう。

 

もちろん親御さんもすぐにこの状態に切り替えられるわけではありません。

少しずつでいいです。

 

いろんな人に話して、相談して、ときに愚痴って。そうしながら、お子さんに何が必要かを考えていきましょう。


 

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不登校の相談〜どのタイミングで「誰」に相談すればいいだろう?と迷ったとき〜

 

お子さんが学校に行きしぶったり、欠席が多くなってきたとき、親御さんは強い不安に苛まれると思います。

 

「どの時点で誰に相談したらいいのか?」について迷われる方も多いと思います。

今日は「どのタイミングで、『誰』に相談すればいいか」についてお伝えします。

 

 

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1. どのタイミングで相談すればいいか?

キーワードは「迷ったとき」だと言えます。

 

「無理にでも学校に行かせた方がいいのかな?」

「休ませた方がいいのだろうか?」

 

どう対応すればいいか迷ったとき、ご自身の課題の整理のためにも相談することは効果的と言えます。

 

本音を言うと、早い段階でご相談に来ていただくのがベストなのですが、カウンセリングにハードルの高さを感じている方も多いと思います。

 

「迷い」を感じたときに「誰」に相談したらいいかについて考えていきましょう。

 

▶︎不登校の基本についてはこちらの記事もご覧ください。

 

2. 「誰」に相談すればいいか

 ① 担任の先生

 

おそらく選択肢で最初に上がってくるのが、担任の先生でしょう。

 

学校でのお子さんのこともよくわかっているし、家では見えない様子を知ることもできます。

 

また先生からしても、家庭での様子を知ることができることで、対応のヒントが見えることがあります。

 

 

 ② 担任以外の先生(養護教諭・学年主任・管理職)

 

しかし中には担任の先生には言えないこともあります。

 

担任への不満があるとき、直接伝えるのは難しいものです。

 

その場合は、他の先生に相談するという方法も活用できます。

 

養護の先生は、しんどいときに保健室で話を聞いている場合もあります。学年主任の先生は全体を見ている方ですし、中学校以上であれば何らかの科目を担当している場合もあります。

 

管理職は、どうしても担任に伝えるのが難しく、また養護の先生や、他の先生との関係性も薄い場合に検討することになるでしょう。

 

【学校との関わりについてはこちらの記事もご覧ください👇】

 

 

 ③ スクールカウンセラー

 

より専門的な相談をしたい場合、スクールカウンセラーを活用してみましょう。

 

学校によっても制度は異なりますが、担任や管理職、養護の先生が窓口になることが多いです。

 

カウンセラーと聞くとハードルが高いと感じる方も多いと思いますが、うまく相談できなくてもいいのです。

 

一緒に課題を整理するためには非常に活用しやすいものになります。

 

デメリットとしては、多くとも週に1回、少ないと月に1回程度しか勤務がないため、予約が取りにくいことがあります。また一度相談して、もう一度相談したいときに間が空いてしまうこともあります。

 

しかし定期的に相談することで、お子さんの変化にも気づきやすくなる側面もあります。ぜひ活用を考えてみてくださいね。

 

【スクールカウンセラーの活用についてはこちらもご覧ください】

 

 

 ④ 教育委員会などが設置している相談機関

 

学校とは離れたところで相談したい場合は、各自治体の教育委員会が設置している相談機関があります。

 

スクールカウンセラーと同様に公認心理師の資格を持つ人や、教員経験者などが担当しています。

 

学校に繋いでくれることもあれば、秘密にしたい場合は厳守されます。

 

 

 ⑤ 病院の先生

 

不登校が始まった頃は、体調面に不調があるかもしれないため、小さい頃からお世話になっている小児科に行くケースが多いです。

 

慣れ親しんでいる先生に相談することもあります。

 

医療の専門家で、かつ小児科の先生はお子さんの心の不調についても見識を持っている方が多いです。

 

お子さんも慣れているケースが多いので、学校外の存在として意見を聞くこともいいでしょう。

 

 ⑥ 塾や習い事の先生

 

意外な場所として、習いごとや塾の先生という方法もあります。

 

専門家とは異なりますが、また違う視点から話を聴いてくれることもあるでしょう。

 

もしかしたらお子さんの方が話しやすいかもしれませんね。

 

 ⑦ 民間のカウンセラー

 

ここまでいろいろな人に相談した後に、より専門的な相談をしたい場合は、民間のカウンセラーを活用することもできます。

 

有料であることがほとんどですが、学校とも家庭とも離れた存在だからこそできるサポートがあります。

 

昨今はオンライン相談も充実しており、遠方のカウンセラーに相談することも可能です。

 

デメリットとしては、スクールカウンセラーのように試験や面接を経てカウンセラーをしているわけではないことや、公認心理師の資格を持っていない人もいます。

 

プロフィールを見て、資格や実績などを見るようにしましょう。

 

3. まずは「コストのかからない相談から」

 

誰に相談していいか迷うときは、まずは公的な機関を活用するようにしましょう。

 

無料で相談できるところがほとんどのため、合わないと感じてもリスクは低いです。

 

実はあまり知られていないだけで、無料で専門家に相談できる機関はたくさんあります。

 

まずはそういったものを利用することから始めてみましょう。

 

  そもそも相談することの意味は何か?

 

相談することのメリットは「課題の整理」と「将来の見通し立つ」ことだと言えます。

 

頭の中で考えるよりも、他者に話すことで、整理できるものがあります。

 

また専門家への相談においては、豊富な実績から今後の対応について助言をもらうこともできます。

 

堂々巡りしているとなかなか将来について肯定的に考えることができません。

 

課題は整理されることで、半分解決したも同然と言えます。

 

相談を迷ったら、まずは利用しやすいところから活用するようにしてみましょう。


 

【不登校対応の「タイミング」と「誰に相談すべきか」に迷ったときはご連絡ください】

 

 

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ゴールデンウィークに入りました。

 

気候も良く、過ごしやすい時期ではあるのですが、小中高の子どもたちに関わる先生やカウンセラーの方はみなさん口を揃えて「ゴールデンウィーク明けからしんどくなる子が増える」と言います。

 

私も実感しているものです。新しい年度に変わってからの張り詰めていた疲れがどっと出てくる時期です。この時期から、夏休みまでの過ごし方について考えていきましょう。

 

 

 

この記事を書いた人:なかがわひろか
▫️発達障がい・不登校・ひきこもり専門カウンセラー
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️子どもから大人までの発達障がい全般に関わる

 

【不登校対応の基本については👇をご覧ください】

 

どうしてゴールデンウィーク明けはしんどくなるのだろう?

日本人にとって「4月」とは特別な月です。入学式はもちろん、進級、進学の季節です。クラス編成が変わることで、友達づきあいにも変化が現れてきます。
 
4月は、無意識のうちに「力が入りやすい月」だと言えます。
 
逆に言うと、いつもよりテンションが高めになるため、多少のしんどさを乗り切って「しまい」ます。
 
3月まで学校に行きづらかった子も、4月は頑張ることがあります。
 
授業もまだ本格化しないので、比較的簡単な内容が多いです。
 
勉強にもついていきやすく、年度の始めということもあり、まっさらな教科書、ノートを見て気持ちもやる気が高まります。
 
そしてゴールデンウィークがあるため「目一杯やっても休みがあるから大丈夫」と思ってしまいがちです。そのためより一層力が入り、どうしても力んで過ごしてしまいやすくなります。
 
そして連休を迎えます。ここで、これまで張り詰めていた気持ちが一気に緩み出します。そこで疲れが出やすくなるのです。
 
 

 5月を4月と同じように過ごさないといけないと思ってしまう

 

 

そして連休が明け、5月がスタートします。ここからは授業も本格化します。中学校や高校であれば、連休が明けてすぐに中間テストが始まります。

 

4月と違って、すぐに通常モードになることが求められます。

 

5月も4月と同じようなテンションで過ごそうと思いますが、なかなかそうはなりません。

 

やがて「4月はあんなに頑張れたのに、5月はどうしてこんなにしんどいんだろう」と感じるようになり、頑張れない自分に落ち込むようになります。

 

そこに加えてテストや、学校によっては体育祭や、文化祭があったり、梅雨の時期を過ごし、そして夏を迎え暑さが増し、過ごしにくい季節を迎えます。

 

夏休みまで祝日もほぼないので、約2ヶ月半の間、ぶっ通しで学校が続くようなイメージになります。

 

一方で、1学期は年度が変わることで、友達関係も変わってきます。ここで休んだら、クラスから取り残されるようなプレッシャーも感じます。

 

しんどくて休みたい気持ちもあるのだけれど、休んだら置いていかれるという思いでより緊張感を持つようになり、すり減っていくようになります。

このようにして連休明けはしんどくなりやすくなるのです。

 

この時期に出やすいサイン

では、疲れも出てくるこの時期には、どのようなサインがお子さんから発されるでしょうか?代表的なものは以下のものが挙げられます。

 

【この時期のサイン】

▫️お腹が痛い・頭痛がすると言う

▫️眠れない、熟睡感がない

▫️朝が起きづらい(夕方には元気になる)

▫️食欲がなくなる

▫️ゲームやネットなど趣味の時間が減る(もしくは惰性的に長時間やる)

▫️イライラし、感情的になりやすい

ポイントは「趣味」「睡眠」「食欲」の3つです。1つでも不調になると、心身のバランスが崩れていきます。

 

 

趣味が楽しめなくなる

この中でも特に私が注目しているのは「趣味」についてです。

 

ゲームやネット、漫画や、スポーツなど、これまで「やめなさい」と言っても取り組んでいたものを楽しんで取り組むことができなくなります。

 

趣味というのは心に余裕があって初めて楽しめるものです。

 

心身の元気を失った状態の場合、趣味を楽しむことができません。学校から帰るとぐったりとしたような状態になり、何も手につきません。趣味を楽しめるかどうかは心の健康度を測る重要な要因になります。

 

 

睡眠がうまくとれなくなる

朝が起きづらくなったり、寝つきが悪くなることもよく起こります。特に起きづらい場合は、起立性調節障害の可能性もあります。

 

【起立性調節障害】

自律神経の働きが悪くなることで、起床時に脳へ血の巡りが低下し、なかなか起きづらくなる病気です。貧血のような状態になり、気持ち悪くなったり、頭痛が起こります。

 

起立性調節障害は、ストレスを要因とするものではないと考えられていますが、起立性があることで、朝起きづらくなり、そこから不登校につながることもあります。

 

寝つきが悪い場合は、色々と考え事をしていて、寝つきが悪くなり、睡眠時間が少なくなることで起きづらくなると考えられます。

 

睡眠がうまくとれないため、日中も眠気が取れず、ぼーっとしたような状態になります。

 

身体もだるくなり、この状態が続くと、疲れやすくなります。身体に不調が出ると心も元気がなくなるようになります。睡眠は健康な生活を送る上で最も重要なものになります。

 

 

食欲が落ちる・もしくは過度に増える

元気がなくなると、食欲が落ちやすくなります。

 

また一方で、ストレスを食で癒すように過食傾向になることもあります。

 

普段の食事を基準として、そこから減っているか、過度に増えているかという点に着目してみるようにしてみましょう。

 

サインが出たら行う7つの対応

連休明けの過ごし方には、気をつけておきたいポイントがあります。逆に言うとこれらを意識することができると、不登校につながりにくくなると言えます。以下のポイントを参考にしてみてくださいね。

 

 
①「疲れが出てよかった」と捉える

これは実は一番大事なことです。

 

一番怖いのは、疲れのサインが出ているのに本人も周りも見落として、燃え尽きてしまうことです。

 

疲労というのは、最初のサインを見過ごすと、脳の認識が鈍くなり、今度は疲れを感じなくなってしまいます。

 

本当は疲れているのに、疲れていないと間違った認識を行い、無理をしてしまうようになります。

 

この状態になると、少し休息した程度では回復が難しくなります。

 

長期にわたって学校を休むようになるのは、無理をし過ぎてしまう場合に多くなります。

 

お子さんが疲れた様子を見せていたら「ちゃんと『休ませないといけない』というサインを出してくれている」と捉えるようにしてみましょう。

 

 

②4月を「イレギュラーだ」と考え、活動量を7割くらいに抑える

4月のように元気いっぱいに過ごさないといけないと考えることがよりプレッシャーになります。

 

そうではなく「4月がイレギュラーだった」と考えるようにしてみましょう。

 

冒頭でも述べたように、4月はついつい気負ってしまう時期です。無意識に頑張ってしまいます。

 

この状態を通常モードと考えてしまうと、疲れが出てくる5月以降が、「自分はダメになった」と感じてしまうことになります。

 

4月が特別で、通常モードよりも活発に動き「過ぎて」いたのです。むしろここからの状態が「通常モード」になります。

 

マラソンで例えると、最初の数キロを全力以上に早く走ってしまっている状態です。

 

その状態で完走するのは難しくなります。スタートダッシュよりも緩めて、ここからは長時間走れるようにしていきます。

 

感覚的には4月の7割くらいのテンションで十分です。

 

夏休みまで約2ヶ月半を過ごすためには、目一杯のテンションでは息切れしてしまいます。テンションを下げてちょうどいいんだと言う気持ちで過ごすようにしてみましょう。

 

 

③疲れたときこそ「規則正しい生活を」

 

疲れが出てくる時期こそ、「規則正しく過ごす」ことを大事にしてみましょう。

 

いつものように起きて、準備をして、程よく肩の力を抜きながら過ごすようにします。

 

一日のルーティンを「淡々と」「粛々と」過ごすようにしてみるのです。

 

部活動などでハードな運動をすることもあるかと思いますが、それ以外では身体を休めることも大事にしていきます。

 

疲れは一日一日ケアすることが大切です。

 

平日は夜更かしを控えて、早めに休むようにしていきましょう。

 

疲れたときは、長時間寝たいと思いますが、それよりもいつも通り規則正しく生活した方が疲労は早く回復します。疲れたときこそ「規則正しい生活」を意識してみましょう。

 

 

④休日を一日はオフにする

土日があれば、一方は、しっかりと休ませる日にします。

 

一日は買い物や部活、友達と遊ぶなど活動的に過ごしても構いません。

 

ただ週末を目一杯フル稼働すると、月曜日から息切れしてしまいます。

 

一日は身体をゆっくり休ませるようにしましょう。

 

プロのスポーツ選手のようなイメージです。

 

プロスポーツ選手は試合の次の日はリカバリーに当てます。翌日にはハードな練習は行いません。

 

軽く散歩やジョグ程度で終わり(もしくは何もしないこともあります)、疲れをとる一日に当てます。こうすることで疲労が溜まりにくくなり、シーズンを乗り切るようにしているのです。

 

ただ、ゆっくりとすると言っても、一日中寝る日にしてしまうと、今度は月曜日の朝が起きづらくなります。

 

いつもより長めに寝るのであれば土曜日に行い、日曜日は、平日+1~2時間までの睡眠で抑えておきましょう。

 

できれば平日と同じが理想です。そうすることで日曜の夜の寝つきをよくし、月曜日の朝起きやすくできます。

 

 

⑤家族で「サボりの日」を作ってみる

親御さんがセカセカと日々を過ごしていると、お子さんもそうしないといけないと思いがちです。

 

「週に1度はサボりの日を作ろう!」と家族で「サボり」に取り組んでみるのです。

 

④で挙げたように週末の一日は、家事も控えめにして、食事も外食や出来合いのものでもいい、とします。みんなで「サボる」のです。

 

家族がみんなで「サボる」ことで、お子さんも気楽に休みやすくなります。親御さんも疲れを癒す日を作るようにしましょう。

 

【親御さんに向けてのメッセージはこちらです】

 

 

⑥お子さんの思いにも耳を傾ける

新しい学期になり、クラスメイトも変わることで、お子さんも思うこともあります。

 

お子さんと2人でカフェに行ったりドライブに行くなどしながら、お子さんに思いを発散してもらうことも大切なことです。

 

愚痴なども出てくると思います。否定するのではなく「発散」というイメージで、耳を傾けてみましょう。

 

【お子さんの話の聴き方はこちら👇をご覧ください】

 

 

⑦学校の先生と話す機会を作る

お子さんのしんどさが続くようであれば、学校との連携も必要になります。先生に時間を取ってもらったり、必要であればスクールカウンセラーの先生に相談することもいいでしょう。

 

学校での様子と家庭での様子を擦り合わせることによって、お互いに見落としていることを把握することができます。

 

家ではぐったりしているけれど、学校では活発に頑張っていることもあります。

 

学校生活で無理をしやすくなるので、先生にも家庭での様子を知っておいてもらうことはお子さんの環境を整える意味でも効果的です。

 

▶︎お子さんが疲れているなと思ったらご相談ください

連休明けから、6月頃にかけては一番疲れが出やすい時期です。

 

この時期は特にお子さんの様子に着目するようにしてみてください。

 

逆に言うとこの時期を乗り切れたら、お子さんにとって自信につながります。2学期、3学期はより楽に過ごせるようになるでしょう。

 

お子さんの様子で気になることがある方は、無料カウンセリングもご利用ください。早め早めにサポートしていきましょう。

 

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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不登校の対応は見守るだけでいいのか?

 

不登校やひきこもりの対応において「見守りましょう」と言われることがあります。何もせずただ見守るだけで本当にいいのか。

 

この点について疑問を持っている方に向けてお届けします。

 

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️不登校やひきこもりの進学・就労をサポートする

1. どうして「見守る対応」が生まれたか

不登校やひきこもりについての本を読んだことがある方は「見守る対応」について一度は耳にしたことがあることでしょう。

 

【見守る対応の例】

・学校のことは話さず、楽しいことをして、

家庭で元気に過ごせるようにする。

 

・そもそも学校は行かないといけないものではない。

無理やり行かせるものではない。

 

・親が優しく見守っていたら、

いつか必ず子どもは自分の力で動き出せる。

 

・北風と太陽の話のように、無理やりではなく、

自分から動き出せるようにするために親は暖かく見守り側にいるようにする。

 

・不登校やひきこもりは現代社会が生み出した現象なので、

子どもたちはむしろ犠牲者である。そのためしっかりと休ませることが重要である。

 

 見守る対応はどうして生まれたか?

 

こういった内容を子育ての専門家や心理カウンセラーから聞くと

「見守ることが大切だ。登校刺激を与える方法は間違っている」

と感じる方もいらっしゃるでしょう。

 

「見守る対応」が生まれた背景には不登校が市民権を得てきたからとも言えます。

 

「不登校だからダメではない」「休むことも大切」という風潮が社会に生まれるようになりました。

 

これまでのように登校刺激をして無理やり行かせるよりも、本人の意思に任せるようになりました。

 

そこに加えて、文科省から以下のように通達されるようになりました。

 

不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。また,児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日 (下線は著者)

 

「学校は無理に通わせるものではなく休息させることも必要である」という認識が広まるようになりました。

 

こういった社会背景の変化により「刺激ではなく見守る」ことが推奨されるようになりました。

 

しかしながら、この言葉だけが一人歩きしている現実も否めません。

 

実際不登校の数は年々増加し続けています。

 

そこで「本当にこのまま休ませ、見守るだけでいいのだろうか?」と疑問に思う方も出てきています。

 

10年20年のひきこもりのお子さんがいらっしゃるご家庭は「ずっと見守ってきたけれど、一向に子どもは動かないままここまできてしまった」と嘆かれることがあります。

 

「見守る」ことは本当に最適な方法なのでしょうか?この点について見ていきましょう。

 

2. タイミングを見ることが重要

こちらの図をご覧ください。お子さんが学校に行きづらくなり、本格的に不登校が始まってから、再登校するまでのステップについて記載しています。

 

 

▶︎不登校の基本についてはこちらの記事もご覧ください。

 

 

不登校が始まった頃は、食欲が落ちたり、うまく寝つきが悪くなったり、趣味を楽しめなくなるなどの変化が現れます。

 

行き渋りも起こり、やがて朝起きられなくなり、不登校が本格化します。

 

例えばこの時期に「学校に行きなさい!」と登校刺激を与えても、お子さんには受け入れられるだけの余裕がありません。

 

大人でも同じです。うつ症状が出ているときに「頑張れ!仕事を休むな!」と言われると追い詰められたような気持ちになります。

 

この時期は刺激よりも休息が必要となります。この時期においては「見守る」ことは必要なことになります。

 

「怒り期」についてはない子もいます。暴力行為があるときはそれを抑えるための対応は必要になります。

 

▶︎暴力への対応はこちらの記事をご覧ください。

 

そして「もう自分はダメだ」と落ち込む時期を迎えます。ただこの時期があって「安定期」に向かいます。

 

安定期には、生活リズムが落ち着き、好きなことをやるようになります。お手伝いをする場合もありますし、勉強を始める場合もあります。

 

大事なのはここからなのです。

 

 実は長期化しやすい「安定期」

 

不登校にしてもひきこもりにしても、暴力の時期や抑うつの時期、絶望の時期が長く続くわけではありません。

 

むしろ長引くのは安定して生活できているときです。

 

状態も落ち着いているので、親子関係も良好とまでは行かずとも、会話もするし、買い物につきそうこともあります。旅行をすることもあるでしょう。

 

落ち着いているので、大きな問題はありません。

これまでの大変さを思うと、平和な日々が続きます。

しかしながら、だからこそ変化が起きにくい時期でもあるのです。

 

この時期に「見守る」ことは有効ではありません。

何の刺激もないと、その日々が続きます。

 

危機感がある方は「このままじゃダメだ」と動き出しますが、そのきっかけをもてない方は、この状態が何年も続き、やがて10年、20年と続くことになります。

 

お子さんの状態が安定して落ち着いてきたときは「見守る」から「積極的に提案する」ことへのシフトチェンジが必要となります。

 

大事なことは「タイミング」なのです。

「見守る」時期も必要です。

一方で「積極的に関わる」時期も必要なのです。

 

3. 「見守る」から「提案する」へ

お子さんの状態が落ち着いてきたら、一度親子で話し合う時間を持ちましょう。

 

お子さんの思いを聴いた上で、親の率直な思いも伝えます。

 

「まずは家庭内のお手伝いや、勉強から始めてみない?」と提案していきます。

 

家庭内での役割を増やし、勉強など「嫌なこと」にも着手できるように進めていきます。

 

それらを継続して「一度先生も交えてお話ししてみよう」と進めていきます。

 

もちろん強制的に進めるのではなく、お子さんと話し合って決めていきましょう。

 

お子さんは良い顔はしないでしょう。

今のままの生活の方が好きなことができて安心して過ごせるからです。

 

しかし一方で「このままでいいのだろうか?」という気持ちも持っています。

 

自分から動き出すことは難しいけれど、背中を押してもらうとできることもあります。

 

そのために積極的に関わりを増やし、提案していきます。

 

先生とも連携を取り、先生から声をかけてもらい学校に誘ってもらうことも考えていきます。

 

親御さんからの提案があると、先生も動きやすいです。

 

このようにして、少しずつ学校に戻るための道筋を整えていきます。

 

安定期こそ「やっと落ち着いた」でとどまらず、お子さんと話をする機会を増やし

提案を行うようにしていきます。

 

このように不登校においては、「見守る」ことは必要な時期もあるけれど、

「背中を押す」時期も必要になります。

見守る「だけ」の対応は、間違いですし、矢継ぎ早に提案「だけ」するのも間違いです。

 

タイミングを重視しながら、対応に変化を加えていきましょう。

 

【不登校対応の「タイミング」に迷ったときはご連絡ください】

 

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。