1. 不登校・ひきこもりに「する」方法
① 努力を認めず、結果だけで評価する
どれだけ一生懸命にテスト勉強をしたからと言ってもそこを評価せず、結果だけを見るようにします。
一定の点数以下しか取れていなかったら「ダメだったね」とため息をつきながら伝えるようにします。仮に満点を取っても「このくらいのテストでは取れて当たり前」と伝えるようにします。
「どう努力をしても、認めてくれないんだ」と無気力になり、何事にも前向きに捉えることができなくなります。やがて学校に行く力が奪われ、不登校・ひきこもりに進んでいきます。
② 全てのことを親が決める
進路や将来の職業はもちろん、明日着ていく服や付き合う友達、習い事なども本人の意思を無視して、親が決めます。
人生の大事な決断を親が代わりに行うことによって、お子さんは自分のことを自分で決めることができなくなり、決めてもらわないと動けない人間になります。
それだけならまだいいのですが、やがて不登校・ひきこもりになると「親のせいで自分はこうなった」と親を攻撃するようになります。攻撃は言葉だけでなく暴力にも繋がります。
自立したいのに親に依存して生きるしかないというジレンマを抱き、長期のひきこもりに繋がります。
③ 偏った価値観を植え付ける
いい大学を出たり、一流企業に勤めないと人生が終わる、という偏った価値観を常に言い続けます。
偏った価値観を植え付けることで柔軟に考えることができなくなります。一度つまづくと「もう人生は終わった」と考えるようになり、立ち上がる気力を失うようになります。
④ 常に周りと比較する
本人の努力に目を向けず、同級生やきょうだい、はたまた同年代の有名人とお子さんを比べるようにし、できていないところを指摘するようにします。
「お兄ちゃんはもっとできたのにあなたはダメね」「⚪︎⚪︎さんは委員長もやるのに、あなたは器がないのね」と言い続けることで、お子さんは自分を卑下した存在として認識し、他者を妬み、嫉む人生を送ることになります。
⑤ 人格否定を行う
子どもを叱責する際に、過去にあったことを持ち出して「だからお前はできない」「生まれ持った能力が足りない」というように徹底して人格否定を行います。
人格を否定されることで、脳が萎縮するようになり、知的にも遅れるようになります。勉強にも身が入らず、そもそも授業についていけなくなり、人生の選択肢を狭めるようになります。やがて何をするにも無気力になり、引き続き人格否定をされても反論することもなくなります。
⑥ そもそも子どもとコミュニケーションを取らない
子どもが話しかけても反応しません。相手にせず、無視するようにします。何か伝えたいときだけ一方的に要求し、子どもの意見には耳を傾けないようにします。
親に相手にされないことで「人は自分に関心がない」と考えるようになります。やがて他者に対して期待することがなくなり、人を頼ることができなくなります。クラスでも孤立するようになり、友達にも恵まれず、不登校、ひきこもりと進んでいくでしょう。
⑦ 子どもの言いなりになる
お小遣いや学校の送り迎えなど、子どもの要求に応え続けます。あれを取って、これを取って、あれを買っておいてと言われたら言われるがままにします。
お子さんは我慢することができなくなり、忍耐力が身につきません。何をやっても人任せで、長続きせず、やがてできないことをまた親の責任になすりつけるようになります。自分の力で道を切り開くことを諦め「社会がダメだ、政治がダメだ」と言い続けるようになります。
2. これらの「逆」を行うようにする
ここまで読まれて、驚いた方もいらっしゃるでしょう。「この人は何を言っているのだ!?」と思われたと思います。
もちろんここに挙げた7つの方法をやってほしいわけではありません(そしてやりたい人もいないと思います)。
どうしてこのような形で述べているかというと「悪い方向に向かうこと」を考えた上で、それらをまるっきり逆転させた方法を取ると、自然に「良い方向に向かうこと」につながり、対応のヒントとなるためです。
私はこの方法を「逆転法」と呼んでいます。
お子さんの向き合い方に困った方ほど、まず最悪の道に進む対応を考えてください。そしてその真逆のやり方を挙げてみるのです。自ずと「こうすれば良いのではないか」という方法w見えてくるようになります。
ではここから、上記で挙げた方法の「逆」について見ていきましょう。
① 努力を認めず、結果だけで評価する→プロセスを認め、結果は後からついてくる、と考える
成果はおまけで、大切なことは目標を達成するために「努力した」ということに焦点を当てるようにします。
例えばテスト前に「このテストに向けて一生懸命頑張ったね。あとはなるようになる。頑張って受けておいで!」というように労います。
成果だけを見られると「良い点数を取らないと自分は能力がない」と考えるようになり、より高い目標へのチャレンジ意欲が失われます。
② 全てのことを親が決める→決断は「本人が」行う
お子さんが小さな頃は、親が決めざるを得ないこともあります。しかし小学生中学年くらいになると、お子さんは自分で決めることができるようになります。
意見を伝えることはあっても、決断を左右しないようにします。お子さんが自分で考えて出した結論は、親から見たら失敗する確率が高いものかもしれません。しかし自分で決めて行うということに意義があります。
またダメだと思っていたことをお子さんなりのやり方で乗り越えることもあります。お子さんが自分で出した決断は、なんであれ応援するようにします。この経験があることで「親に信頼されている」という思いが芽生え、自立に向かうようになります。
③ 偏った価値観を植え付ける→世の中に多様な価値観があることを親も学ぶ
一流と言われる大学を出て、一流と言われる企業に勤める人生プランがあるのも事実です。しかしそういった大学を出たとしても自分なりの道を歩んでいく人もいます。
世の中には私たちの知らない多様な生き方があります。自分の知識だけでお子さんに話すのではなく、親も自分の世界を広げるようにしていきます。親がこの姿勢を見せることでお子さんも柔軟な考えを持つようになり、困難にぶつかってもしなやかに乗り越える力を自分で見出すようになります。
④ 常に周りと比較する→比較するのは「過去のお子さん」
今のお子さんは、過去と比べてどうでしょうか。一年前と比べても随分成長したのではないでしょうか。人の成長はそれぞれ違います。大事なことは過去と今を比べることです。
さらにいうと、そもそも比較する必要もありません。お子さんが生きているのは「今、この瞬間」のみです。そのお子さんそのものを受け入れることが何より大切なことになります。
⑤ 人格否定を行う→注意するときはその行為だけにとどめる
もちろん親としてお子さんをしつけることも必要です。ときに注意することもあるでしょう。その際人格や過去のことを持ち出さず「今、目の前のこと」にとどめるようにします。
人格否定にまで及んでしまうと、お子さんは自分の存在そのものに疑問を抱くようになります。誰だってミスをします。そのミスの改善をすることが大切なことなので、その行為のみにとどめるようにしましょう。
⑥ そもそも子どもとコミュニケーションを取らない→親の役割は「子どもと関わること」
親の一番大切な役割は「子どもと関わること」に尽きます。忙しいときは「今手が離せないから、10分後にね」というように「後で関わる」という意思を伝えるようにします。
お子さんからの相談に、良い返事をしようとか、励まそうと思わなくてもいいのです。ただ話を聴くということだけでもお子さんは自分を見つめ直すきっかけになります。お子さんが話しかけてきたら、お子さんの方を向いて話を聴くということを意識しましょう。
こうすることで、お子さんは「困ったときは向き合ってくれる人がいる」ことを学びます。これがのちに、困ったときに誰かに上手に頼るということにつながっていくのです。
⑦ 子どもの言いなりになる→ダメなことはダメとはっきり伝える
お子さんと向き合う上で傾聴は重要です。ただ、親としての意見を伝えてはいけないことにはなりません。むしろ、話を聴いた上で「私はこう思う」と自分を主語にした「アイメッセージ」で自分の意見を伝えることは重要です。
お小遣いも、せがまれるたびに渡すのではなく、毎月定額を渡すようにします。こうすることでお金を効率的に使う金銭感覚を学ぶことにつながるのです。
3. 困ったときこそ逆転法を使ってみる
子どもたちの対応は、迷うことばかりです。困ったときこそ、まず良くない方向に進むことをあえて考えてみましょう(きっと考えやすいはずです)。
それからそれを逆転してみます。そこには「これをやったらいいのではないか?」というヒントがたくさん隠されています。
困ったときは一度最悪を考えてみて、逆転する。
ぜひ活用してみてくださいね。
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OFFICE NAKAGAWAは兵庫県にある不登校・ひきこもり専門のカウンセリング+家庭教師のオフィスです
■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。
あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める
ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。






























