不登校やひきこもり状態にあるお子さんに「無視される」という経験はどなたにもあるのではないでしょうか。

 

実は「無視」には意味が存在します。

 

この記事では「ひきこもる子どもたちの『無視』の意味」についてお伝えします。

 

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️不登校やひきこもりの進学・就労をサポートする

1. 「無視」するとはどういうことか?

道を歩いているときに、目の前に大きな岩があったとします。

気づかずにまっすぐ歩いているとつまづいてこけてしまうでしょう。

 

しかし「そこに岩がある」と認識していれば、岩を避けて通ることができます。

 

無視するとは、これと同じことが言えます。

 

無視する行為とは「そこにその人がいることを認識した上で、いないものとして扱う」ことを示します。

 

つまり「その人のことを強く意識しているからこそできる行為」だと言えます。

 

岩の例のように「そこにいる」と認識できているからこそ「その人に対して反応しないようにする」という行為、つまり「無視する」ことができるのです。

 

お子さんに「無視される」ということはその行為の度合いが強ければ強いほど「親の存在を強く認識している」ということになるのです。

 

2. 親も気づかない親の影響力の大きさ

 

おそらく多くの親御さんは(それはひきこもり状態にあるお子さんがいる、いないに関わらず)ご自身の存在は、子どもたちには「それほど影響は与えていない」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。

 

私はこれまで、小学生から、年配のかたまで幅広いカウンセリングを行ってきました。

 

ご相談を受けるなかで気付かされたことがあります。

 

それが「親の影響は、いくつになっても変わらず存在する」ということです。

 

お子さんが若い頃だとまだ納得もいかれると思います。

 

しかしお子さんが40代になっても、50代になっても、60代になっても、親御さんの話が出てきます。

 

話と言っても親の世話がどう、という話ではなく、親御さんとの関わりについて発言されるかたは珍しくありません。

 

なかにははっきりと「親が嫌がるので、それはできない」という言い方をされるかたもいます。

 

親のことを気にしていない、親の影響は受けていない、と言いながらも、発言の端々に親御さんの顔が見えるのです。

 

親の影響とは、かくも強く存在するものなのか、と気付かされます。

きっと私も同じだと思います。

 

私たちは、自分が思っている以上に親の影響を受けていますし、

親御さんたちが思っている以上にお子さんたちに影響を与えているのです。

 

【夫婦関係が与える影響については👇をご覧ください】

 

3. だから「無視」されるくらい「意識」されている

 

なんの影響も与えられていない人のことを私たちは気にしたりしません。

 

気にしないので、無視もしません。

 

先に述べたように、無視とは、相手の存在を強く認識していないとできない行為です。

 

その無視が強ければ強いほど、少なくともお子さんにとって親の存在は「意識する」ような存在だということです。

 

事業で大成功を収めたとか、選挙に通ったとか、誰もが「すごい」と思えるようなことがなされていなくても「親」という存在は、ご自身のお子さんたちに良いも悪いも多大な影響を与えています。

 

このことに気づくことができれば、お子さんに無視されることのとらえ方に変化が出てこないでしょうか。

 

無視されるほど意識されているのです。

 

だったら、親御さんの一言や、対応が今のお子さんの現状に刺激を与える存在になりうるのです。

 

【ひきこもり対応のヒントは👇をご覧ください】

 

4. どんな優れたカウンセラーにも絶対にできないこと

親のことを無視しているからと言って、親に対してなんの感情も抱いていない、ということにはなりません。

 

これまで述べたように、むしろ多大な影響を与えています。

 

ひきこもる子どもたちは、親に対して「申し訳ないという負い目」と「過去の言動を恨む気持ち」の両方を持っています。

 

影響を受けていない人、存在を意識しない人に負い目は感じませんし、また恨みを強く抱くこともありません。

 

一番認めてほしい、受け入れてほしい人だからこそ、それが叶わないと感じた言動に恨みを持ちます。

 

同時に一番認めてほしいからこそ、親の望みを達成できていない自分に「負い目」を感じるのです。

 

どんな優れたカウンセラーにもできないのは「親御さんの代わり」です。

 

カウンセラーがどれだけお子さんを受け入れたとしても、親御さんのたった一言には敵いません。

 

親の一言で強く傷つくこともあれば、

親の一言で奮い立つこともできます。

 

親御さんたちにお願いしたいのは、親であるからこそ与える影響力の強さがあることを再認識してほしいということです。

 

「どうせ親が言っても無駄だ」

「親が話を聞いても何も変わらない」

 

そんなことないのです。

 

親が言うから意味があります。

親が聴くから安心できるのです。

 

「自分たちは、子ども無視をされるほど、強く意識されている存在なんだ」

 

そのことを感じてほしいです。

 

その思いが、きっとお子さんとの向き合い方にも変化を与えるはずです。

 

無視されるからダメだ、ではなく、

無視されるからこそ、意味がある、のです。

 

【ひきこもりの対応についてヒントは👇をご覧ください】

 

再び、無視をされることについて

 

無視されることは、決して気持ちいいものではありません。

 

むしろ悲しいことですし、落ち込みます。

 

自分の存在意義を全否定されたような気持ちになります。

 

けれど今日お伝えしたことで、その捉え方に少しでも変化が出てくれたら嬉しいです。

 

お子さんにとって親の影響力は、親が思う以上にあること。

 

無視するほど「意識している」ということ。

 

ここからまた始めていきましょう。

 

きっと何かが少しずつ動き出します。

 

【ひきこもるお子さんの気持ちについてのご相談は👇からです】

 

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

 

この記事では、大人のひきこもりと、発達障がいの関連性についてお伝えし、課題を乗り越えていくヒントについてお伝えしています。

 

「子どもとどう接していいかわからない」「もしかしたら発達障がいがあるかもしれない」と思われている方に関わりのヒントをお届けします。

 

この記事でわかること

▶︎大人のひきこもりと発達障がいについて

▶︎解決へのアプローチ

▶︎まとめとメッセージ

この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️自身も一人娘の父

 

1. はじめに

 
大人のひきこもりの数

2023年度に発表された内閣府の調査によると、15歳〜39歳の若年層のひきこもりは約64万人、一方40歳〜64歳の高年齢層、つまり「大人のひきこもり」は約82万人と、若年層を超えています。

 

2016年の調査によると、15歳〜39歳のひきこもりが約54万人、2018年の調査によると、40歳〜64歳のひきこもりは約61万人となっています。それぞれ約10万人、20万人が増えています。「大人のひきこもり」の数の方が増え幅が大きくなっています。

 

【参考データ】

 
ひきこもりの定義

ひきこもりの定義(厚生労働省)は以下の通りです。

 

様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)(厚生労働省)
「6ヶ月」に渡り、外部の人と関わらない状態を指します。
 

大人のひきこもりが増加している背景

ひきこもりには種々の要因があると考えられます。

 

大人のひきこもりの場合考えられるのは、以下のものです。

 

①心理面:精神疾患などで長期の職場からの離脱によるもの

②社会面:いじめなどの理由によるもの

③個人面:個人の性格傾向などで、職場でうまく適応できない場合

 

これらの中で、近年「発達障がい」が背景に存在することで、職場の関係性が悪くなり、離職からひきこもりにつながるケースも増えてきました。

 

本記事の目的

この記事では、大人のひきこもりと発達障がいの関連性について述べ、現在の課題を乗り越えるためのヒントについてお伝えしていきます。

 

2.ひきこもりと発達障がいの関係とは?

 

 
発達障がいの種類

代表的な発達障がいの種類としては、次の3つが挙げられます。「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如・多動症)」そして「SLD(限局性学習症)」です。

 

ASD(Autism SPectrum Disorder)自閉スペクトラム症

ASDの主な特徴は「社会的コミュニケーションの障がい」「限定された反復的な行動様式」の2つです。

 

A:社会的コミュニケーションの障がい

 

思ったことを相手の気持ちを考えずに言ってしまったり、言葉通りに受け止めて、起こり出したり、表情の読み取りが苦手で、相手の考えを推測することが苦手である側面を持ちます。

 

対人関係に困難さを感じるため、孤立することがあります。

 

B:限定された反復的な行動様式

 

いわゆる「こだわりの強さ」を示します。時間や、場所、特定の食べ物や着衣などにこだわりが強く、急な変更への対応が難しい側面があります。

 

【ASDの詳しい説明についてはこちらの記事もご覧ください👇】

 

ADHD(Attention Disficit/Hyperactivity Disorder)注意欠如・多動症

ADHDは「不注意」と「多動性ー衝動性」の2つが存在します。

 

A:不注意

 

掃除や片付けができない、指示を達成することができない、予定を忘れてしまう、遅刻を繰り返すなどがあります。

 

B:多動性ー衝動性

 

いつも体がそわそわと動いていたり、じっと席に座るなどが難しい場合を指します。

 

【ADHDについての詳しい説明は👇をご覧ください】

 

SLD(Specific Learning Disorder)限局性学習症

これまで「学習障害」と言われてきたものです。読み書きに苦手さを抱えたり、計算や、書くことが苦手な場合もあります。知的な問題はありません。

 

【SLDについての詳しい説明は👇をご覧ください】

 

 

発達障がいがひきこもりにつながりやすい理由

一番は「人間関係」が理由として挙げられます。特にASDを抱えている方は、対人関係に適応することが難しい場合が多いです。

 

職場では、仕事の話以外にも、何気ない雑談の時間もあります。ASDを抱える方はこの雑談を苦手にしている方が多いです。

 

しかし本音の部分では、「みんなと仲良くしたい」という思いも持っていることもあります。仲良くしたいけれど、それが叶わないことで、人間関係に疲弊することがあり、これがうつなどの精神疾患につながることもあります。

 

またADHDを抱える方の場合は、忘れ物が多かったり、重要な打ち合わせを忘れてしまうことも多いです。職場での信頼を失い、そのことで自己批判が強くなり「自分は何をやってもダメだ」という思い込みが強くなることがあります。

 

SLDを抱える方の場合も、知的な問題はないものの、資料の読み込みが苦手だったりする琴があります。これもまた、自分は「できない」と考えるきっかけとなりやすくなります。

 

こういった発達障がいの特性があることから、人間関係や、仕事がスムーズにいかなくなり、精神疾患を引き起こしたり、人と関わることが強い負担となり、次第に家にひきこもるようになります。

 

 
ひきこもりスパイラル

 

ひきこもりは、一度始まると、期間が長くなることで、社会とのつながりが減少し、「こんなに長くひきこもっていたら、もう何もできない」と感じ、より長くなりやすくなります。

これを「ひきこもりスパイラル」と呼んでいます。スパイラルとは「らせん」、の意味で、延々と悪循環が続くことになることを指しています。

 

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3.具体的な事例

(個人の特定を防ぐために、いくつかの事例を織り交ぜておりますことをご了承ください)

 

A子さんは、学生時代まで特に問題なく過ごすことができていました。ASDの診断は受けていましたが、学校は授業のカリキュラムも決まっており、決まったことを行うことが得意なA子さんにとっては、授業を受けていればいいだけの学校は過ごしやすい場所でもありました。

 

対人関係においては、心から深く付き合う友達はいないものの、「ちょっと変わった子」という立ち位置で、いじめられることもなく、付かず離れずの関係を保っていました。

 

就職活動も学業の優秀さがあることで、それほど苦労することはなかったのですが、働き出してから、トラブルが増えるようになりました。

 

上司に対して、辛辣なことを言ったり、イレギュラーな変更等があったときに、不機嫌になり、ときに大きな声で怒鳴ってしまうこともありました。職場からも何度か注意を受けましたが、改善されることはありませんでした。

 

やがて職場に居づらくなり、A子さんは眠ることができなくなります。医療機関を受診すると「うつ病」と診断され、休職することになりました。このことをきっかけに会社を辞め、それ以来自宅の一室に閉じこもるようになりました。

 

昼夜逆転の生活をし、ときおり部屋から怒鳴り声も聞こえてきます。壁を蹴っている音も聞こえます。

 

当初はご両親も、そろそろ働いたらなどと言うこともありましたが、やがて親への暴力も始まり、どう対応していいか分からず、5年の日々が過ぎていきました。

 

 

家族や周囲の支援の難しさ

発達障がいの有無に限らず、ひきこもりの対応はご家族にとって非常に負担が大きいものです。特に暴力行為や暴言があると、冷静に話し合うことも難しくなります。

 

発達障がいが見過ごされたまま大人になっているケースもあり、「どうしてこうなってしまったのか」が分からないまま、何年も経過してしまうケースが多くなります。

 

病院への受診を勧めても、本人が拒否するケースもあり、地域の支援につなげることも難しくなります。

 

4.解決へのアプローチ

 

第一歩を踏み出すためにできること

「早く仕事をした方がいい」「大学に向けて勉強を始めた方がいい」と言われたとしても、すぐに動けるわけではありません。

 

まず「小さな一歩」を踏み出すことが必要です。

 

そのためにできることが「100%できることから始める」ことです。

 

例えば「一日一回シャワーを浴びる」「必ず一度起きて顔を洗う」などです。「必ずできること」が「100%」ということです。

 

できたことに「⚪︎」をつけて、毎日チェックしていくと、⚪︎が増えることがモチベーションにもつながります。

 

注意点としては、最初に目標を高くしてしまうことです。例えば「朝7時に起きる」などです。昼夜逆転している方が、7時に起きるのは大変なことです。ハードルを上げずまずは「100%」から考えるようにします。

 

1ヶ月継続できたら、翌月は90%できること、さらに翌月は80%できること、というように負荷を上げていきます。最初は簡単にできることから始まりますが、だんだんとレベルは上がり、一年も経たないうちに、かなりハードルの高い目標にも取り組めるようになります。

 

 

周囲の理解を深める

発達障がいやひきこもりについては、名称は広まってきましたが、その中身まで詳しく知る人はほとんどいないと言っていい状況です。

 

人は「知らない」と勝手なイメージを膨らませてしまいます。まず「知る」ことから始めましょう。

 

ひきこもりとはどのような状態か、発達障がいにおいてASD、ADHD、SLDとはどのようなものか。その特性にはどのようなものがあるのか、そして対処法のヒントとなるものは何か、そのことを周囲が知ることが効果的なサポートとなります。

 

 

専門機関の利用

発達障害者支援センター

発達障害者(児)への支援を総合的に行うことを目的とした専門機関になります。各都道府県知事が指定した社会福祉法人・特定非営利法人(NPO)が運営しています。

▶︎全国の発達障害者支援センターの一覧

 

地域のひきこもり支援団体

お住まいの地域のNPOなどが行なっている支援団体です。子どもたちだけでなく大人の発達障がいについてもサポートしている機関もあります。

 

カウンセリングや心理療法

カウンセリングは、その方の持つ悩みを整理し、課題を乗り越えるために何を改善すればいいかを一緒に考え取り組んでいくものです。私の事業もここに含まれます。

 

こういった専門機関は、まずは親御さんだけでもご相談してみることをお勧めします。話を聴いてもらうだけでも、安心感を持つことができます。

 

5.支援者の視点

 

家族ができること

ひきこもりの場合、社会の関係が持てない状態が長く続きます。お子さんにとって一番関わり合うことができるのはご家族です。

 

長らくひきこもっているお子さんを見ると「早く働いてほしい」「同級生はもう自立している」など言いたくもなります。

 

しかしながら、顔を合わせるたびにこのようなことを言われると、お子さんは家族とさえも関係を断つようになります。そうなると、お子さんと関われる人がいなくなります。

 

批判ではなく、お子さんの思いを聴くことがスタートとなります。

 

そのために必要なことが次の「3つの力」になります。

 

 

▫️受容力

 

お子さんの考えている思いを「丸ごと受け止めること」を指します。「そんな風に考えているんだね」と一旦キャッチすることです。

 

よく「受容するということは、子どもの言いなりになるということか?」と捉える方もいらっしゃいますが、そうではありません。

 

言いなりは「言われたことをやること」、受容は「まず言いたいことを受け止めること」です。受容した上で、親の率直な意見を伝えることは両立します。決して言いなりになることではありません。

 

▫️共感力

 

「それは辛かったな」「しんどかったね」とお子さんの気持ちを受け止めることです。特に「感情の気持ち」に着目するようにします。自分の気持ちを理解してもらえたと感じられると「親は味方なんだ」ということを実感できるようになります。

 

▫️率直力

 

受容力のところでもお話ししましたが、お子さんの思いを受け止めた上で「私はこのように思う」とはっきりと伝えるのが率直力です。しっかりと受け止め、共感した後であれば、親の思いにも耳を傾けてくれるようになります。

 

【より詳しい傾聴術についてこちらをご覧ください👇】

 

 

社会全体で取り組むべき課題

▫️偏見や差別の解消

 

「ひきこもり」や「発達障がい」という言葉は、世間にも知られています。しかし言葉が一人歩きしている実態もあります。

 

「ひきこもりや発達障がいは人とうまく付き合えないんでしょ?」

「犯罪とかするんでしょ?」という偏見もあります。

 

寝ているときにキッチンで物音がしたら「泥棒か?」と不安になります。しかし電気をつけて確認すると、立てかけていたまな板が倒れていただけだということがわかります。何が起きたかがわかると安心できます。

 

「知らない」ことが疑心暗鬼を生みます。そしてそれが偏見につながります。まず「知ること」。そのために、私のような立場の人間がどんどん発信していくことも必要なことと考えています。

 

発達障がいを抱えていらっしゃる方の中には「職場には黙って就労したい」と思われる方が少なくありません。それは世の中に偏見があることをわかっているからです。「差別されない」「過度な特別扱いをされない」ことがわかると、就労へのハードルが下がり、ひきこもりから脱するきっかけになります。

 

▫️働きやすい環境の整備

 

これはひきこもりや発達障がいに限ったことではなく、働く方全てにとって大切なことです。あるひきこもり経験者を積極採用している会社の社員さんがインタビューを受けられていました。このような会社としての取り組みをどう思うか?という質問でした。

 

「もし自分が鬱になってしんどくなったとしても、この会社は助けてくれると思える。それが安心につながって仕事ができている」

 

もし自分がしんどくなって休職をしても、安心して戻ってこられる場所がある。そのことが結局は全ての働く人の心のケアにもつながっていきます。ひきこもりや発達障がいについて理解し、環境を整えることは、誰にとっても良い影響を与えるものになるのです。

 

 

6.まとめ

 

一人一人異なるひきこもりと発達障がい

「ひきこもり」「発達障がい」は「ひとくくり」にされてしまいやすい言葉です。「ひきこもりはこんな人だ」「発達障がいは、他者と関われない」。こういったものは一面的なもので、ときに思い込みと言ってもいいものです。

 

私たち一人一人が違うように、ひきこもりも発達障がいも、みなさんそれぞれに違います。お子さんはどういう人なのか。何が得意で何が苦手なのか。そのことを知ることがスタートになります。

 

小さな変化が大きな進展につながる

ある日突然にひきこもりが終わった、というものではありません。ドラマやドキュメントではそのように演出されることもありますが、実際はもっと地道なものの積み重ねです。

 

対話を見直し、100%できることから取り組み、それを続ける。そうすると必ず小さな変化が訪れます。この積み重ねが、ひきこもりから脱する基盤となっていきます。

 

 

支援を受けることは恥ずかしいことではなく、より良い未来へのステップとなる

誰かの助けを求めることを恥じる方もいらっしゃると思います。ひきこもりや発達障がいのことを誰にも相談したことがない方もいるでしょう。

 

ただご相談したことがある方はきっとこう思います。「もっと早くに相談すればよかった」。

 

今まで相談してもどうにもならなかったこともあったかもしれません。諦めのような気持ちを持つこともあると思います。

 

そんな方たちこそ、私はお会いし、話をし、一緒に取り組んでいきたいと考えています。

 

悩まれているときこそ、一度ご連絡ください。

 

【無料カウンセリングのご案内は👇からです。一緒に考えましょう。】

 

ひきこもり経験を通して家族の力がぐっと深まることはよく起こることです。まずはご家族が一歩を踏み出すことから始めてみましょう。

 

■プロフィール■
プロフィール写真

■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市スクールカウンセラーを兼任。

丹波市看護専門学校非常勤講師を務める。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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ひきこもるお子さんとはなかなか話をする機会もないかもしれません。

 

お子さんが何を思っているか。

何に悩んでいるか。

何に苦しんでいるか。

 

本当の思いはお子さんにしかわかりません。

しかしヒントはお伝えすることができます。

今日は「ひきこもる子どもの思い」について取り上げてみましょう。

 

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️不登校やひきこもりの進学・就労をサポートする

1. どうしてひきこもるのか?

令和4年度(2022年)の内閣府の調査において、ひきこもりとされる人の数は、推計で146万人いると言われます。

 

これらの数字はあくまで推計になります。

 

専門家によっては、さに2~3倍の人がいるのではないか?とも言われています。

 

ひきこもる理由の様々ですし、一つの原因に絞れるわけでもありません。

 

 

ここで挙げたように、心理面、身体面、社会面、個人面、そして家庭環境など、幾つも理由が複数に折り重なって起こりうると言われます。

 

また私が「ひきこもりスパイラル」と名付けている現象が、ひきこもりの長期化を招いていると言えます。

 

 

ひきこもりの期間が長くなればなるほど、一歩を踏み出す勇気を持つことが難しくなります。

 

ひきこもりの50%は、7年以上のひきこもりを経験していると言われます。

 

何らかの理由でひきこもりが始まり、長期化します。

ご家族もどう接していいかわからず、腫れ物にさわるような対応を続けます。

きっかけを掴むことができず、ひきこもりは長期化していきます。

当初のきっかけ(いじめや不登校、精神疾患などのメンタルダウン)とは異なる理由で、ひきこもりは長期化していくようになります。

 

ひきこもりというのは、その期間によって、その背景に違いが出てきます。そのため原因を一つに絞ることは困難なのです。

 

2. ひきこもる思い

 

ひきこもるお子さんはどのような思いを抱えているでしょうか?

 

もちろんそれは一人一人違います。その思いは本人に聴かないと本当のところはわかりません。

 

しかし一例を示すことはできます。

 

ひきこもるお子さんの心のうちを覗いてみましょう。

 

 ① 親に対して「申し訳ない思い」

 

多くの親御さんは意外に思われるかもしれません。

 

ひきこもって、家事もせず、会話ももちろんなく、欲しいものをメモでやり取りするだけの関係。

 

まさか親に対して「申し訳ない」と思っているなんて。。。

 

そう思われるかたの方が多いかもしれません。

 

しかし多くのかたが思っている思いは、これではないかと考えます。

 

勉強やスポーツを頑張って、良い大学に行き、誰もが羨むような企業や資格を取る。

 

そんな親の期待に報いたい思いがあったけれど、それが達成されていないこと。

そして今後もそれは無理だと思っていること。

 

こんな自分でごめんなさい。

 

その負い目が、ときに親に対する反抗や、自暴自棄な行動の背景になります。

 

 ② 親にあたりたくなる気持ち

 

親への申し訳ない思いと同じくして、親を憎む気持ちを持っていることも多いです。

 

小さな頃に、構ってくれなかった、欲しかったものを買ってくれなかった、傷つくことを言われた、もっとお金をかけて教育してくれたらこうならなかったのに。

 

過去の親から言われたこと、されたことを振り返り「自分がこうなったのは親のせいだ」と思います。

 

この思いが暴力や暴言につながったり、高価なものを要求するという背景になります。

 

 ③ 同級生と「差がついた」という引け目

 

自分がひきこもっている間に、友人は大学に行き、就職し、結婚して子どもが産まれる子もいれば、家を建てる人も出てきます。

 

学生の間はまだそれほど差がついたとは感じません。

 

しかし友人たちが働き出すと、差がついたことを実感します。

 

自分はひきこもって、親に養ってもらっている。一方で友人たちは自分で稼いだお金で生活している。

 

見たくもないけれどついSNSも見てしまいます。職場の人とBBQをした、出張で海外に行った、もうすぐ結婚する(した)、そんな情報を知ってより自分のことを「何もできていない人間」と感じるようになります。

 

友人、特に同級生との「差」は強く感じていると言えます。

 

3. 背景を知る

 

ときにお子さんは、同級生のことを悪く言ったり、社会や政治に対して批判を繰り返すかもしれません。

 

他者を攻撃するのは自分に強い引け目を感じていることが背景にあることが多いです。

 

自分自身が望むような生き方ができていないとき、

本当は自分もそうなりたかったのに達成できないことを、同級生がしていたとき、

言いようのない怒りや焦燥感が生まれます。

 

それが「攻撃」という形として外に出されます。

 

ときにこの「攻撃性」があることに対して「「このような思いを持っているから犯罪をする人が多い」という考えを持たれることもあります。

 

しかしそれは全くの誤解です。

 

ひきこもりを経験する人のほとんどの人は犯罪を犯しません。

ひきこもりの犯罪より、ひきこもりではない人の犯罪の方が圧倒的に多いのです。

 

ひきこもりが犯罪者予備軍のように考えるのは、焦点がずれています。

 

ひきこもりを経験するお子さんが攻撃性を持つのは、それが強く現れれば現れるほど「自分に対しての怒りが大きい」ことを示します。

 

できることなら、大学も行きたいし、いい会社にも入りたい。

残業が多くて大変だよ、と同僚と愚痴を言いたい。

仕事終わりのビールの美味しさを感じたい。

 

けれど今の自分はそれができない状態にある。

 

その気持ちが、焦りや怒りを生み出します。

 

【ひきこもり対応のヒントは👇をご覧ください】

 

 

 怒りの感情は「二階建て」

 

怒りは「2番目の感情」と言われます。

 

自分が大事にしているものや、不安や苦しさが背景にあり、それが否定されたり馬鹿にされたりしたときに怒りを感じます。

 

お子さんがもし怒りを感じているのならば、そこには必ず「背景」があります。

 

そしてそれはおそらく、今日お伝えしたような親への「申し訳ない」と「腹がたつ」両方の思いや、同級生への劣等感から来ていると考えられるのです。

 

そのことを知っておくだけでも、お子さんとの関わり方に小さな変化が生まれます。

 

「親は自分のことを理解しようとしてくれている」

 

その思いが、お子さんの安心を生み出し、信頼を再構築し、「自分に味方がいる」という「勇気」につながります。

 

ここに挙げたことはあくまでヒントです。

本当の思いはお子さんから聴かないとわかりません。

 

対話が重要であることは言うまでもありません。

 

その対話の際に「もしかしたらこういう思いもあるかもしれない」と知っているのと知らないのとでは言い方や、態度に違いが出てきます。

 

ただ怒っているだけじゃない、そこには言いようのない背景がある。

 

まずこのことを知っていただけたら嬉しいです。

 

【ひきこもりの対応についてヒントは👇をご覧ください】

 

4. お子さんの思い一緒に考えましょう

 

私たちにとって、自分が経験していないことを理解するのは難しいです。

 

ひきこもりや不登校を経験してこなかったかたにとって学校に行けていないこと、家に閉じこもることは理解に苦しむ行為かもしれません。

 

しかし今この記事をお読みいただいているみなさんは少しでもお子さんのことを知ろうとされています。

 

自分にはわからないことがあることを受け入れ、知ろうという勇気を持たれているかたです。

 

そこからきっと次の一歩がつながります。

 

ぜひ一緒に考えていきましょう。
 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

 

不登校やひきこもりと、夫婦の関係は関連があるのだろうか?そう考える方もいらっしゃると思います。

 

「うちはあまり夫婦の仲が良くないから……」

「夫婦の会話が少ないけど、子どもに影響するのだろうか?……」

 

今日は夫婦関係と不登校、ひきこもりの関連について見ていきましょう。

 

 

この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️不登校やひきこもりの進学・就労をサポートする

1. 夫婦の関係性の影響について

 

 

不登校やひきこもりにはいくつかの要因が重なりあいます。

 

その中に「家庭環境」も含まれ、親子関係はもちろん、夫婦関係も影響の一つになります。

 

夫婦の関係性が良くないことで、子どもが家庭内で気を遣い夫婦間のバランスを取る役目を担うことがあります。

 

ときに父と母の間に立ち「メッセンジャー」の役割を担い、母の意見を自分が父に伝え、また父の意見も自分が間に入って母に伝える役割を担います。

 

「この言い方をしたら、お母さん(お父さん)は傷つく」と考え、自分なりにマイルドな言い方に変えたりもします。

 

家族でご飯を食べていても、妙な緊張感に包まれているため、話題を提供したり、無理に明るく振る舞うこともあるでしょう。

 

家庭では安心して気楽に過ごしたいのに、それが叶わないとき、子どもたちは学校や社会でも疲れ、家庭でも疲れるという状況に追い込まれます。

 

このことが要因となり、次第に学校に行く気力を奪ってしまう、ということは当然に考えられることになります。

 

つまり不登校やひきこもりに、夫婦関係の悪さは、関連が「ある」ということになります。

 

 強い影響を与えてしまうこと

 

特に以下に挙げられることについては、子どもたちに強い悪影響を与えることになります。

 

【特に影響を与えてしまうこと】

▫️四六時中夫婦喧嘩をしている

▫️母は父の、父は母の悪口を子どもに言う

▫️父から母(もしくは母から父)への暴力がある

▫️どちらかが従順に言い返さず、されるがままになっている

▫️夫婦は顔を合わせることもせず、会話も無い

 

この中で特に「暴力」については、目の前で片方の親が殴られているのを見ることで、心理的なトラウマを与えることにも繋がります。

 

例えば父親が母親に日常的に暴力を振るう様子を見て、男性に対して過度に怯えるようになったり、反対に「女性は殴ってもいい存在だ」と認識し、子どもも暴力的になる場合もあります。

 

また何も言い返さず従順であることは、短期的には目立った影響は与えないかもしれませんが、嫌なことをされたときにどう対応していいかというモデルがないため、子どもにパートナーができたときに、高圧的になったり、反対に従属的になることがあります。

 

先にも述べたように、家庭内でこのような状況が続いていると、子どもたちは自然と「自分が調整役にならないといけない」と感じるようになります。

 

この傾向は長男、長女により高いと言えそうです。

 

下にきょうだいがいるとより「自分がしっかりしないといけない」と考えます。

 

学校など外の世界が、自分にとって安らげる場所になっていれば、まだ乗り切れます。

 

しかしそうではない場合、家庭の中に自分を曝け出す場所がなくなり、やがて追い詰められ、不登校、ひきこもりという形として現れるようになります。

 

またこの経験が、時間が経つほど醸成され、やがて「自分がこうなったのはお前たちのせいだ」と親に対して暴力的になる場合もあります。

 

 不登校やひきこもりは子どもたちからの「サイン」

 

しかしながら、夫婦の影響が大きい状態での不登校やひきこもりは子どもたちからの「サイン」でもあります。

 

子どもが学校に行きづらくなったことで、必然的に夫婦の会話が増え、仲が良いとまでは言わずとも、それなりにうまくやれるようになることもあります。

 

子どもたちがしっかりとサインを出してくれることで、自分たちのあり方を見直すきっかけにもなります。

 

私が一番不幸と考えるのは、子どもたちが我慢に我慢を重ねて、学校も休まず、仕事も頑張り続けた結果、あるとき燃え尽きてしまい何もする気力が湧かなくなることです。

 

また人間関係においても、適切な関係性を築くことが難しくなり、社会から孤立してしまうこともあります。

 

その意味で、不登校やひきこもりになるということは、今一度夫婦関係を見直す重要なきっかけになるとも言えます。

 

2. 夫婦関係が良くないときの対応

 

夫婦関係が良くない場合、では何をすればいいでしょうか?

 

ヒントを見ていきましょう。

 

 ① 第3者を交えて話す機会を設ける

 

夫婦だけで話し合って、前に進めるのであればそれに越したことはありません。

 

しかしそれすらも難しい場合は、二人で話すのは現実的ではありません。

 

罵り合いになって終わることもあります。

 

この場合は、第3者を交えることです。

 

共通の友人や、信頼できる人、必要に応じてカウンセラーを活用することもありますし、より法律的な視点を得たい場合は弁護士も選択肢に入ります。

 

あまりおすすめできないのは「双方の両親を交えての話し合い」です。

 

それぞれの両親が自分の子を守るのはまだいいのです。問題は、例えば母側の両親が「あなたは我慢が足りない」と父側についてしまうような場合です(逆も然りです)。

 

こうなると、1対5と言ってもいい対立関係ができてしまいます。それぞれの両親を交える場合は、きちんと自分の味方になり、かつ冷静に話を進めてくれる場合のみと考えておきましょう。

 

※話し合いは一回で全てが解決することはまずありません。次回の日時を決めて、複数回重ねていくイメージを持ちましょう。場合によっては年単位でかかる場合もあります。腰を据えてじっくり進めていきます。

 

 ② 一度離れて暮らしてみる

 

意外に効果的なことは物理的な距離を取る方法です。

 

一緒に生活して、嫌な空気が家庭に蔓延するのであれば、一度夫婦が離れて暮らすことも考えてみましょう。

 

お子さんは一方の家に生活の基盤を置き、双方を行き来できるようにします。

 

単身赴任家庭が意外にうまくいっていることが多いのは、離れて生活しているという面もあると思います。

 

特に仲がこじれている場合は、距離を取った生活を一定期間することも夫婦関係の改善において効果がある場合があります。

 

 ③ 改善が難しい場合の離婚も選択肢の一つ

 

離婚という選択肢も一つの解決法です。

 

夫婦という関係性を一度解消することで、適度な距離が生まれ、たまに会うくらいでうまくいく場合もあります。

 

ただ離婚に至る選択をする場合は、子どもたちに説明できるようにしておきましょう。

 

いろいろなことをやってみたけれど、難しかった。だから夫婦関係を解消することになったけれど、あなたの親であることは変わらない、と子どもたちに提示することです。

 

当初は子どもたちも受け入れられないかもしれませんが、次第に理解するようになります。

 

3. 夫婦喧嘩をしてしまったとき

 

ここまで、夫婦関係がかなり悪い状態の対応についてお伝えしました。

 

「まだここまでではないけれど、でも喧嘩もよくしてしまうからなあ」と思う方には以下のことを試してみてください。

 

 ① できるだけ子どもたちの目の届かないところで喧嘩する

 

喧嘩をしない夫婦はありません。

 

きっかけは些細であっても、それは長年降り積もった結果でもあります。

 

喧嘩はどのような夫婦に起こりえます。

 

喧嘩はしないようにする、のではなく「子どもの前でを極力避ける」ことを意識しましょう。

 

部屋が狭く声が聞こえてしまう場合は、車の中であったり、場合によっては外に出ることもあるかもしれません。

 

もちろん予期せず突発的に始まる喧嘩もあります。いつも目の届かないところで行うのは難しいかもしれませんが「極力」努力するようにしましょう。

 

 ② 仲直りのプロセスを見せる

 

喧嘩をするのは仕方ありません。

 

大事なことは仲直りすることにあります。

 

すぐに謝れずとも、時間を置くことで素直になれることもあります。

 

ちゃんと双方が謝って解決した、というプロセスを子どもたちに知ってもらうことは重要です。

 

その姿を見て、子どもたちも仲直りの仕方を学びます。

 

 ③ 子どもが仲裁役にならないようにする

 

状況判断に優れた子どもほど、夫婦の緩衝材になろうとすることがあります。

 

しかしこれは子どもたちに家庭内で強い緊張状態を強いることでもあります。

 

夫婦喧嘩は夫婦でします。

 

子どもを間に入れてメッセンジャーのように利用するのではなく、やり取りは夫婦同士で行いましょう。

 

まとめ:自分たちの影響力の大きさを知っておく

親の存在というのは親が思っている以上に子どもたちに影響を与えます。

 

まずそのことを強く自覚することです。

 

「自分は対して子どもたちに影響を与えていない」と感じることもあるかもしれませんが、どんな有名人よりも、偉人よりも影響を与える存在です。この自覚が必要です。

 

それは夫婦関係でも同じです。

 

夫婦の関係性は子どもたちに強く影響を与えます。

 

世界で一番ご自身の子どもに影響を与えるのは自分たちであるということを常に認識しておきましょう。

 

この認識があることが、夫婦の関係性を見直すきっかけになります。

 

自分たちの影響力の大きさを知った上で、時に喧嘩をしても仲直りする努力をしていきましょう。


 

【夫婦関係の悩みごとは、以下より👇一度ご相談ください】

 

 

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親としては、自分の子どもが学校に行けなくなったとき「どうして行けないのか?」を知りたくなるものです。

 

しかしそのときに「自分でもわからない」と言われたら、やきもきする気持ちが出てくると思います。

 

「どうして学校に行けないかわからない」と言われたときに考えてみてほしいことについてお届けします。

 

 

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1. 不登校の要因

2024年度の不登校の統計は、以下の通りです(文部科学省より)

(%は全児童・生徒の中の割合)

 

【不登校の人数】

小学校:137,704人(2.3%)    43人に1人

中学校:216,266人 (6.8%)  15人に1人

高校 :  67,782人(2.3%)    43人に1人

特に小学校は10年前と比べても約5倍の数となっています。

 

中学校においては、もはやクラスに1人ではなく、2~3人いる状態になります。

 

ちなみにこの数は「30日以上欠席した児童・生徒(病気を除く)」で定義されています。

 

例えば毎日放課後にプリントを取りに来るという場合は「遅刻」扱いとなるので欠席にはなりません。

 

「校門まで来て帰る」「朝先生と出会ってすぐ帰る」「別室で1時間だけ授業を受ける」などの表に出てこない数字を合わせると、少なくみてもこの1.5倍から2倍の数がいると推計されています。

 

 不登校の要因(上位5つ)

 

文部科学省が取得したデータによると、不登校の要因には以下のものが挙げられています。(複数回答可)

 

【小中学生】

①学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(30.1%)

 

②生活リズムの不調に関する相談があった(25.0%)

 

③不安・抑うつの相談があった(24.3%)

 

④学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(15.6%)

 

⑤いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった(13.2%)

 

【高校】

①学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(26.9%)

 

②生活リズムの不調に関する相談があった(26.2%)

 

③不安・抑うつの相談があった(16.0%)

 

④学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(12.8%)

 

⑤選択肢に該当なし(11.9%)

 

この結果を見て皆さんはどのように感じられたでしょうか。

 

実はこれは要因が明らかにされているようで、そうではないのです。

 

なぜなら「やる気が出ないのはどうしてか?」「生活リズムが狂ったのはどうしてか?」「不安や抑うつが高まったのはどうしてか?」には答えていないからです。

 

つまり何が言いたいかというと、文部科学省も「どうして不登校になるのか?」についてははっきり「わからない」ことを示しているということです。

 

【詳しい統計紹介は👇をご覧ください】

 

 

 本当の背景にあるもの

 

カウンセリングの場合、「本人にやる気がない」と言われて「そうかやる気がないのか」とは考えません。

 

やる気が出ない背景に何があるのかを考えます。

 

つまり「何がやる気をなくさせているのか」を考えるのです。

 

この図のように「やる気がない」「不安がある」「生活リズムが狂う」というのは「表面化したもの」です。

 

つまり海面に突き出ている氷山の一角に過ぎないということです。

 

その背景には、心理面、身体面(病気などが隠れている)、いじめなどの社会関係、個人の特性、家庭環境が隠れています。

 

これらが少しずつ分散的に存在する場合もあれば、いじめのように突出して存在する場合もあります。

 

ここでは「いろいろな要因が絡まり合っている」と捉えておいてください。

 

 子どもが「わからない」という深層心理

 

前置きが長くなりましたが、不登校にはいくつかの「背景」が存在します。

 

「家庭環境が4割くらいで、個人の特性が2割、友達関係が2.5割で、朝起きづらい(起立性調節障害)が1.5割」というように、どれがどれだけ理由になっているかがわかるものではありません。

 

日によっても異なるし「どれが原因」とははっきり言えないのです。

 

わからないのでお子さんは「わからない」と正直に答えています。

 

けれど「理由なく不登校になるのはおかしい!」という考えが大人側にあるため「何が理由か」を必死に掘り下げようとします。

 

実は子どもたちも理由がないとダメだと思っている場合があります。

 

そのため理由を深く聞かれると「何かを答えないといけない」と思います。

 

そこで出てくるのが「友達に嫌なことを言われた」「先生の怒り方が嫌だ」「宿題が多すぎる」「お父さんがいつも厳しいから疲れる」ということが出てきます。

 

もちろんこれらも嘘ではありません。要因の一つではあるものの、それだけで不登校になるわけではありません。

 

言われた方は「先生が原因なら学校と話しあえば解決する」と考えます。先生に要望を伝え、学校側に体制を整えてもらいます。

 

しかしそうなったからと言って学校に行けるようになるわけではありません。

 

「せっかく原因を解決したのに、なぜ行けないのだ?」と今度は子どもたちを叱責することになります。

 

理由を言われてもそれは本当の理由ではないので、解決したとしても学校に行けるわけではありません。

 

結局のところ子どもたちにも「わからない」というのは「真実」だと言えるのです。

 

2. 「わからない」の対応の仕方

 

では、「わからない」と言われたらどのように対応すればいいでしょうか?

 

 

 「わからない」でいいよ、と伝える

 

子どもたちも自分がどうして学校に行けないのか本当の気持ちがよくわかりません。

 

きっかけは友達や勉強のことであっても、本当に何を感じているのか自分でも手探りな状態です。しかし何か理由を伝えないといけないと思い焦ります。

 

ここで重要な対応は「『わからない』でいいよ」と伝えることです。

 

いろんなことが重なり合って今の状態が起こります。うまく説明出来なくていいし、うまく説明しようと思わなくていいのです。

 

「わからないよね。今は焦って考えなくていいからね」と言ってもらうことは子どもたちの安心につながります。

 

「『わからない』と思っていることが『わかった』」と捉えましょう。

 

【傾聴のヒントは👇をご覧ください】

 

 

 一緒に「あたふた」で良い

 

どうして不登校になるかがはっきりわかるわけではありません。

 

親だからといって完璧な対応ができるというものでもありません。

 

特に不登校が始まった頃はわからないことがあって当然です。

 

「一緒にあたふた」でいいのです。一緒にあたふたすることで、「一緒に考える」ことができます。

 

「親もわからないことがたくさんあるけれど、一緒にこの課題に向き合っていこう。そのためにいっぱい話そう」でいいのです。

 

 まずは「受けとめる」ことから

 

このブログでも何度もお伝えしていますが、お子さんの思いを聴くとき一番大切なことは「受けとめる」ことです。

 

親として解決法がすぐに浮かばなくてもいいのです。

 

「今そのように考えているんだね」と受けとめることで、お子さんは安心して迷い、悩むことができます。

 

悩ませない、迷わせないことが大切なのではなく「じっくりと悩む」ことが大切なのです。

 

不登校はある意味これまでの生活を見直す大きな転機とも言えます。

 

自分と向き合う時間でもあるのですから、しっかりと考える時間を取ることは必要なのです。

 

しかし一人で堂々巡りするのもしんどいです。

 

そのときにまず受けとめてくれる存在が近くにいると、話したいときに気持ちを話すことができます。

 

話しながら、自分の気持ちを見つけていきます。

 

お子さんが自分と「安心して」向き合うためにも、答えが出せなくてもいいのでまず「そう思っていることはわかったよ」と受けとめることを意識しましょう。

 

ただし「いじめ」の場合は例外

 

しかし例外もあります。

 

それが「いじめ」です。

 

ものを隠されたり、嫌なことを言われたり、殴られたり金銭を求められたり、ということをされている場合は、すぐに行動することが大切です。

 

お子さんの話を聞いた上で、学校に連絡を取り、事態の詳細について調査してもらう必要があります。

 

ただ、いじめが背景にある場合、お子さんもそのことをすぐに言えないことがあります。数年経ってから「実はいじめられていたから行けなかった」という発言が出ることもあります。

 

文部科学省の調査ではいじめは要因の上位5つに入ってきません。しかし数年後の調査では、上位に上がるケースもあります。

 

発覚した場合はすぐに行動に移すことを意識しておきましょう。

 

 

▶︎不登校の基本についてはこちらの記事もご覧ください。

 

3. 大事なことは実は原因分析ではない

どうして自分が不登校になったのかを理解できるようになるには、長い年月が必要になります。

 

何十年が経過しても「未だよくわからない」こともあります。

 

まして不登校の最中に、的確に自分の気持ちを理解するなんてことはできないのです。

 

親としてははっきりしないモヤモヤした状態が続くことに腹立たしさも感じると思います。しかしそのことで一番ヤキモキしているのはお子さん自身です。

 

大事なことは原因分析ではなく「今のお子さんに必要なことは何か」です。

 

理由はわからないけれど、安心して話すことができることで、お子さんは改めて信頼できる人が近くにいることを知ります。

 

理由ははっきりしないけれど、気持ちが落ち込んだり、身体がしんどくなることもあるのだ、ということを学びます。

 

この経験は実は未来のお子さんを「救うもの」になります。

 

誰かに相談することで安心できることを知ること。

理由ははっきりしないけれど、疲れが溜まってしまうことがある、ということ。

しんどく辛い時期だったかもしれないけれど、そこからどう元気になっていくかを体感すること。

 

これら全てが「未来のお子さん」を救います。

 

そのさきに「もしかしたらあれが原因だったかもしれないな」と気づくときがきます。

 

どうして不登校になったのか?それはこれからの人生で考えていくことです。

 

どうして、よりも、「今のお子さんに何が必要か」を考えていきましょう。

 

もちろん親御さんもすぐにこの状態に切り替えられるわけではありません。

少しずつでいいです。

 

いろんな人に話して、相談して、ときに愚痴って。そうしながら、お子さんに何が必要かを考えていきましょう。


 

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