この記事を書いた人
▫️大人のひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️児童期から成人期のカウンセリングを得意とする

 

1. 不登校・ひきこもりに「する」方法

  ① 努力を認めず、結果だけで評価する

 

どれだけ一生懸命にテスト勉強をしたからと言ってもそこを評価せず、結果だけを見るようにします。

 

一定の点数以下しか取れていなかったら「ダメだったね」とため息をつきながら伝えるようにします。仮に満点を取っても「このくらいのテストでは取れて当たり前」と伝えるようにします。

 

「どう努力をしても、認めてくれないんだ」と無気力になり、何事にも前向きに捉えることができなくなります。やがて学校に行く力が奪われ、不登校・ひきこもりに進んでいきます。

 

  ② 全てのことを親が決める

 

進路や将来の職業はもちろん、明日着ていく服や付き合う友達、習い事なども本人の意思を無視して、親が決めます。

 

人生の大事な決断を親が代わりに行うことによって、お子さんは自分のことを自分で決めることができなくなり、決めてもらわないと動けない人間になります。

 

それだけならまだいいのですが、やがて不登校・ひきこもりになると「親のせいで自分はこうなった」と親を攻撃するようになります。攻撃は言葉だけでなく暴力にも繋がります。

自立したいのに親に依存して生きるしかないというジレンマを抱き、長期のひきこもりに繋がります。

 

  ③ 偏った価値観を植え付ける

 

いい大学を出たり、一流企業に勤めないと人生が終わる、という偏った価値観を常に言い続けます。

 

偏った価値観を植え付けることで柔軟に考えることができなくなります。一度つまづくと「もう人生は終わった」と考えるようになり、立ち上がる気力を失うようになります。

 

  ④ 常に周りと比較する

 

本人の努力に目を向けず、同級生やきょうだい、はたまた同年代の有名人とお子さんを比べるようにし、できていないところを指摘するようにします。

 

「お兄ちゃんはもっとできたのにあなたはダメね」「⚪︎⚪︎さんは委員長もやるのに、あなたは器がないのね」と言い続けることで、お子さんは自分を卑下した存在として認識し、他者を妬み、嫉む人生を送ることになります。

 

  ⑤ 人格否定を行う

子どもを叱責する際に、過去にあったことを持ち出して「だからお前はできない」「生まれ持った能力が足りない」というように徹底して人格否定を行います。

 

人格を否定されることで、脳が萎縮するようになり、知的にも遅れるようになります。勉強にも身が入らず、そもそも授業についていけなくなり、人生の選択肢を狭めるようになります。やがて何をするにも無気力になり、引き続き人格否定をされても反論することもなくなります。

 

  ⑥ そもそも子どもとコミュニケーションを取らない

 

子どもが話しかけても反応しません。相手にせず、無視するようにします。何か伝えたいときだけ一方的に要求し、子どもの意見には耳を傾けないようにします。

 

親に相手にされないことで「人は自分に関心がない」と考えるようになります。やがて他者に対して期待することがなくなり、人を頼ることができなくなります。クラスでも孤立するようになり、友達にも恵まれず、不登校、ひきこもりと進んでいくでしょう。

 

 

  ⑦ 子どもの言いなりになる

 

お小遣いや学校の送り迎えなど、子どもの要求に応え続けます。あれを取って、これを取って、あれを買っておいてと言われたら言われるがままにします。

 

お子さんは我慢することができなくなり、忍耐力が身につきません。何をやっても人任せで、長続きせず、やがてできないことをまた親の責任になすりつけるようになります。自分の力で道を切り開くことを諦め「社会がダメだ、政治がダメだ」と言い続けるようになります。

 

2. これらの「逆」を行うようにする

ここまで読まれて、驚いた方もいらっしゃるでしょう。「この人は何を言っているのだ!?」と思われたと思います。

 

もちろんここに挙げた7つの方法をやってほしいわけではありません(そしてやりたい人もいないと思います)。

 

どうしてこのような形で述べているかというと「悪い方向に向かうこと」を考えた上で、それらをまるっきり逆転させた方法を取ると、自然に「良い方向に向かうこと」につながり、対応のヒントとなるためです。

 

私はこの方法を「逆転法」と呼んでいます。

 

お子さんの向き合い方に困った方ほど、まず最悪の道に進む対応を考えてください。そしてその真逆のやり方を挙げてみるのです。自ずと「こうすれば良いのではないか」という方法w見えてくるようになります。

 

ではここから、上記で挙げた方法の「逆」について見ていきましょう。

 

 

  ① 努力を認めず、結果だけで評価する→プロセスを認め、結果は後からついてくる、と考える

 

成果はおまけで、大切なことは目標を達成するために「努力した」ということに焦点を当てるようにします。

 

例えばテスト前に「このテストに向けて一生懸命頑張ったね。あとはなるようになる。頑張って受けておいで!」というように労います。

 

成果だけを見られると「良い点数を取らないと自分は能力がない」と考えるようになり、より高い目標へのチャレンジ意欲が失われます。

 

【ポイント☝️】
プロセスを評価されると「もっと努力しよう」と思えるようになります。やがてより難しい課題にチャレンジするようになります。

 

  ② 全てのことを親が決める→決断は「本人が」行う

 

お子さんが小さな頃は、親が決めざるを得ないこともあります。しかし小学生中学年くらいになると、お子さんは自分で決めることができるようになります。

 

意見を伝えることはあっても、決断を左右しないようにします。お子さんが自分で考えて出した結論は、親から見たら失敗する確率が高いものかもしれません。しかし自分で決めて行うということに意義があります。

 

またダメだと思っていたことをお子さんなりのやり方で乗り越えることもあります。お子さんが自分で出した決断は、なんであれ応援するようにします。この経験があることで「親に信頼されている」という思いが芽生え、自立に向かうようになります。

 

【ポイント☝️】
自分の決断を応援してくれると、自信を持って物事に取り組むことができるようになります!

 

  ③ 偏った価値観を植え付ける→世の中に多様な価値観があることを親も学ぶ

 

一流と言われる大学を出て、一流と言われる企業に勤める人生プランがあるのも事実です。しかしそういった大学を出たとしても自分なりの道を歩んでいく人もいます。

 

世の中には私たちの知らない多様な生き方があります。自分の知識だけでお子さんに話すのではなく、親も自分の世界を広げるようにしていきます。親がこの姿勢を見せることでお子さんも柔軟な考えを持つようになり、困難にぶつかってもしなやかに乗り越える力を自分で見出すようになります。

 

【ポイント☝️】
世の中にはいろんな生き方が存在します。固まった価値観ではなく、親も視野を広げてみましょう。

 

  ④ 常に周りと比較する→比較するのは「過去のお子さん」

 

今のお子さんは、過去と比べてどうでしょうか。一年前と比べても随分成長したのではないでしょうか。人の成長はそれぞれ違います。大事なことは過去と今を比べることです。

 

さらにいうと、そもそも比較する必要もありません。お子さんが生きているのは「今、この瞬間」のみです。そのお子さんそのものを受け入れることが何より大切なことになります。

 

【ポイント☝️】
生まれたときは、満足に歩くこともできませんでした。小学校に入学するときは計算もできませんでした。お子さんは今、確実に以前よりも成長しています。

 

  ⑤ 人格否定を行う→注意するときはその行為だけにとどめる

 

もちろん親としてお子さんをしつけることも必要です。ときに注意することもあるでしょう。その際人格や過去のことを持ち出さず「今、目の前のこと」にとどめるようにします。

 

人格否定にまで及んでしまうと、お子さんは自分の存在そのものに疑問を抱くようになります。誰だってミスをします。そのミスの改善をすることが大切なことなので、その行為のみにとどめるようにしましょう。

 

【ポイント☝️】
怒っているとつい言ってしまいそうになりますよね。「今目の前のことを伝える」と意識してみましょう。

 

  ⑥ そもそも子どもとコミュニケーションを取らない→親の役割は「子どもと関わること」

 

親の一番大切な役割は「子どもと関わること」に尽きます。忙しいときは「今手が離せないから、10分後にね」というように「後で関わる」という意思を伝えるようにします。

 

お子さんからの相談に、良い返事をしようとか、励まそうと思わなくてもいいのです。ただ話を聴くということだけでもお子さんは自分を見つめ直すきっかけになります。お子さんが話しかけてきたら、お子さんの方を向いて話を聴くということを意識しましょう。

 

こうすることで、お子さんは「困ったときは向き合ってくれる人がいる」ことを学びます。これがのちに、困ったときに誰かに上手に頼るということにつながっていくのです。

 

【ポイント☝️】
忙しくて長時間関わることは難しくとも、限られた時間にしっかりと向き合ってくれたらお子さんも理解してくれます。いざとなったら頼れる存在でいいのです。

 

  ⑦ 子どもの言いなりになる→ダメなことはダメとはっきり伝える


お子さんと向き合う上で傾聴は重要です。ただ、親としての意見を伝えてはいけないことにはなりません。むしろ、話を聴いた上で「私はこう思う」と自分を主語にした「アイメッセージ」で自分の意見を伝えることは重要です。
お小遣いも、せがまれるたびに渡すのではなく、毎月定額を渡すようにします。こうすることでお金を効率的に使う金銭感覚を学ぶことにつながるのです。

【ポイント☝️】
いけないことをやったとき、ちゃんと叱ることも親の仕事です。お子さんの思いを聞いた上で、ご自身の主張を伝えるようにしましょう。

 

3. 困ったときこそ逆転法を使ってみる

 

子どもたちの対応は、迷うことばかりです。困ったときこそ、まず良くない方向に進むことをあえて考えてみましょう(きっと考えやすいはずです)。

 

それからそれを逆転してみます。そこには「これをやったらいいのではないか?」というヒントがたくさん隠されています。

 

困ったときは一度最悪を考えてみて、逆転する。

 

ぜひ活用してみてくださいね。

 

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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

前回愛着についての理論編では、愛着とはどのようなものか、どうして今愛着に注目されているのかについてお伝えしました。

 

この記事では、愛着をうまく形成できなかった子に対して、どのように再形成を行えばいいか、またその対応についてお伝えします。

 

 

【愛着についての理論編はこちらです👇】

 

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▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
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①  愛着の必要性を理解する

幼少期の愛着形成に課題があることで、成長してからの人間関係に大きな影響が与えられるようになります。

 

他者を信用できず、些細なことで相手を徹底的に攻撃し、修復不能な関係に陥ることもあります。また過度に依存することで、相手に振り回される場合もあります。

 

愛着形成は、適切な人間関係(ときに頼ったり、頼られたり、憤ったり、また許したり)を築く上で重要な役割を果たします。

 

「けれど、今から愛着について考えても遅いのではないか?」このような疑問をいだく方もいるでしょう。幼少期の愛着形成ができなかった場合、大きくなったらもう修復が不可能なのではないか?そのようなご質問はもっともです。

 

しかしながら、愛着は、いくつになっても、再形成することが可能と言われます。お子さんへの関わりにもしご自身に至らないことがあったと思われたら、今からできることを実践してみましょう。

 

それでは実践のヒントについて見ていきましょう。

② 愛着形成に課題がある子どもへの対応 つのヒント

  1. 一対一の関係づくり

 

複数の大人が関わりすぎると、子どもたちは混乱を来します。まず大切なことは「一対一」の関係づくりからです。

 

一対一の関係を築くことができると、そこをハブとして、人間関係を広げていくことができます。愛着とは、情緒的な絆のことです。これは一度に大勢の人と形成できるものではありません。まずは「一対一」を原則に考えます。

 

 

  2. 自分の考えをつかまえる練習

 

愛着形成に課題がある場合、自分を客観的に見ることを苦手とする場合があります。そのため、今自分が何を考えているか、何を感じているかがわかっていないことがあります。

 

そのため行き当たりばったりな対応をして、周りを混乱させてしまうことがあります。今自分は何を考えているかをつかまえる練習をしていきます。

 

あめ玉のワーク

自分が感じていること、考えていることをつかまえる練習の一つに「あめ玉のワーク」があります。

 

簡単にできるものなので、実践してみましょう。

 

【手順】

①あめを用意する(どのようなものでも良い)

②そのあめをじっくりと観察する

・色は?形は?光にかざすとどんな反射をする?

③舌の上に置きその感覚を感じる

・どんな感触がするだろう?

・味は?

・舐めているとどんな風になっていくだろう?

 

実際にやってみるとよくわかるのですが、意識を向けると実に色々な思いを感じ取ることができます。私たちの多くはこの感情を無意識のうちに感じています。しかし愛着形成がうまくいかなかった方の場合、感情をつかまえることを苦手にしていることがあります。

 

それは感情(泣いたり怒ったり)を出したときに、反応してもらえなかったという経験があるためです。感情を出しても意味がないという無気力状態になり、感じ取ることもやめてしまうのです。

 

あめ玉のワークを使うことで、「今、ここ」で感じていることを自分自身が認識することができます。これが「自分が考えていることをつかまえる」ということになります。

 

 

どうして自分の考えをつかまえないといけないか?

自分が何を考えているのか、感じているのかを理解していないと、それを「伝える」ことができなくなります。伝えられないということは、相手はどうしてそうなったのかを理解することができないということにつながります。

 

何を考えているかがわかることは、周りの人に対しても「自分はこう考えている」ということを伝え、理解を促すことにつながるのです。

 

  3. 感情に適切な名前をつける

 

愛着形成に課題がある方は、自分が何を考えているかを把握することが難しく、また今の気持ちがどのようなものかを自覚することを苦手としています。

 

愛着が形成されている場合は、自分がある感情を抱いたときに、そのことを養育者に訴え、そこに共感し名前づけをしてもらうことで「これは悲しいという感情なのだ」ということを理解します。私たちはこのようにして、悲しい、楽しい、寂しい、嬉しいという感情を学んでいくのです。

 

しかしこのやりとりが乏しいと、どの感情が「悲しく」どの感情が「寂しい」のかがわからないまま成長することになります。

 

 

感情がわからないと何が問題か?

悲しいという感情がわからないと、相手が悲しい思いをしたときに、その思いを想像し共感することができなくなります。

 

そのため、相手を傷つけるような言動を行っても、どうして相手が怒るのかが理解できず、改善することにつながります。そのため人間関係に大きな溝を作ることにつながります。

 

今感じているのは「悲しい」思いなのだということ、「寂しい」とはこのような状態のことなのだということ、そして「嬉しい」「楽しい」ときはどのような状態なのかを身につけていくことも人間関係を構築する上でも、また、自分の思いを適切に相手に伝えるためにも必要なことなのです。

 

  4. 自分の気持ちの伝え方を学ぶ

 

自分の考えを理解し、感情をつかまえることができたら、それを相手に伝える練習が必要になります。

 

伝える努力をして初めて、相手はその人の気持ちを知ることができます。「言わなくてもわかる」は幻想なのです。「言わないと伝わらない」のです。そのために伝える努力が必要になります。

 

 

アサーティブな発言を学ぶ

アサーティブとは、自分の意見を的確に、かつ相手を傷つけずに伝える方法です。手順を追いながら伝える内容を考えてみましょう。

 

【手順】

①ある感情が動くシチュエーションを考える(怒ったときや悲しいとき)

 

②まず「攻撃的な言い方」を考えてみる

例)(嫌なことを言われて)「そんなこと言うなんて、本当にお前は腐っている!」

 

③次に「受け身な言い方・態度」を考えてみる

例)(嫌なことを言われて)しゅんと何も言えずに泣く

 

④ ②と③を踏まえて、より良い言い方を考える

例)そんなことを言われてとてもショックだったよ。私はあなたと仲良くしたいから、もう言わないでほしいな

 

攻撃的な言い方は、自分の伝えたいことをストレートに伝えることはできます。しかし相手は不快な思いをして、人間関係は修復不能な状態になることもあります。

 

受け身な態度は、相手は不快になりませんが、自分が辛い思いを抱えたままになります。

 

そこで双方の重要な点を見つめ直して、言い方を考えてみるのです。上の例で言えば

「ショックだった」ということ、そして「仲良くしたい」という思いを伝えることです。

 

これがアサーティブな言い方であり、自分も溜め込まず、相手にも嫌な思いをさせず伝える方法になります。

 

  5. 過保護になりすぎないようにする

 

基本的には傾聴に軸を置いた対応が重要になりますが、決して「言いなり」になってはいけません。

 

甘えさせた方がいいと考え、本人の思いを受け入れるだけになってしまうと、愛情欲求をさらに求めることにつながります。その欲求に対応できている間は落ち着いています。しかしエスカレートする要求に対応できなくなると、一気に攻撃性を向けるようになり、一対一の関係が崩壊してしまう恐れがあります。

 

傾聴はするが、自分の意見は率直に伝えることを大事にします。できないことや、距離感を詰めすぎないことを明確に伝えるようにします。距離は取るのだけれど、あなたのことは見捨てない、という姿勢が必要になります。

 

  6. 主導権を握る

 

愛着に課題がある子どもたちは、自分の思い通りに物事を進めようとする傾向があります。このパターンになってしまうと、対応する人は振り回されてしまうようになります。

 

子どもに主導権を取られそうになったら、同じような内容でもいいので「⚪︎⚪︎しよう」とこちらから再提案するようにします。

 

キーパーソンは、思い通りになる人、ではなく、自分に向き合い、教えてくれる人である認識を持ってもらうことが必要となります。

 

  7. 明確な連携を取る

 

発達障がいの対応でも同じことが言えますが、「こっちでは違う方法、あっちでも違う方法」になると一貫性がなくなり、子どもたちは適切な行動を身につけるのが難しくなります。

 

まず一対一の関係性を重視し、キーパーソンを中心に対応を進めていきます。キーパーソンの方法を連携し、そのほかに関わる方も同じ対応を一貫して行います。そしてその子の情報はキーパーソンに集約していきます。迷ったときもキーパーソンが中心となり対応を考え、周りもそれに合わせていくようにします。

 

一方ではダメなことが、一方では甘えても良い、となると、甘えさせてくれる人に依存するようになり、一対一の関係性が不安定になっていきます。

 

発達障がいとの違い

ここで愛着の課題と、発達障がいの違いについて述べておきます。愛着に課題がある子どもたちの言動は、発達障がいの中でも特にADHD(注意欠如・多動症)に似ている行動をとります。

 

落ち着きがなかったり、攻撃性があったり、不注意があったりします。医師でも弁別が難しいと言われます。

 

ケースバイケースになりますが、おおまかな指標として「人によって態度が変わるかどうか」を軸に見るようにします。

 

相手が誰であっても、基本的に一貫した行動をとる場合は、発達障がいの可能性が高くなります。発達障がいも相手によって多少の行動の減少・増加が見られますが、概ね一貫して落ち着きがなかったり不注意が出ます。

 

愛着に課題がある場合は、例えば厳しい親の前では規律正しくしますが、甘えてもいい先生の前では集中力がなく、授業中でもだれたり、攻撃になることがあります。必ずそうだとは言い切れないのですが、指標にしてみてください。

 

③  タイプに限らず、この方法をベースに考える

理論編でもお伝えしましが、愛着形成には4つのパターンがあると考えられています。

この中で、回避型、アンビバレント型、無秩序型で、人間関係に課題が出ることが多いです。

 

共通点は人間関係です。人間関係を適切に維持していくためには、言葉を使ったコミュニケーションが不可欠です。またときに我慢する関係も必要になりますし、相手の立場に立って考える力も必要となります。

 

どの型であっても、対応のヒントで述べたことをベースに考えていきましょう。
 

④  対応は「行きつ戻りつ」を繰り返す

 

不登校でも、ひきこもりでも、発達障がいでも同じですが、対応を始めたら、一直線にうまくいく、ということはありません。

 

うまくいったかな?と思ったら、逆戻りすることもあります。場合によっては、バースト行動と言って、一時的に以前よりもひどい状態になることもあります。

 

しかし長期の視点で見ると、数ヶ月前、一年前と比べて落ち着いていくようになります。そのため、対応のコツは「階段」を意識します。

 

一段上がったら、それを継続して、そこから次の一段、というように順番に階段を上がっていきます。うまくいかないときは、一段下に戻って、しばらくそれを続け、もう一度チャレンジします。

 

できないことがあったとしても、それは「タイミング」の問題であることが多いです。一度前の段階に戻ってから再チャレンジすると、スムーズに進むようになります。

 

ちょうど数学で一次関数がわからないときに、一度比例の問題や、方程式の問題に戻って復習してから取り組むとスムーズに進むようにです。

 

⑤ これからをどう対応するか

愛着形成のお話しをすると「子どもの頃にもっと構っておけばよかった。もうどうしようもない」と思う方もいらっしゃいます。

 

しかし、愛着は「いくつになっても再形成できる」ものです。

これまで幅広い年齢の方のカウンセリングをする中で、年齢に関係なく親を思う気持ちは生涯続くものです。それだけ親の存在は子どもたちにとって大きなものなのです。

 

「今さら」の「さ」を「か」に変えて「今から」やっていきましょう。

 

どうしていいかわからないときは、私もいます。「今から」一歩を踏み出しましょう。

 

 

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近年「愛着障害」などの言葉で、聞く機会も増えている方も多いでしょう。

幼少期の愛着形成が、その後の長い人生の人間関係に大きな影響を与えると言われています。

愛着の重要性と、これから再構築していくためにできることについてお伝えします。

 

【愛着についての実践編はこちらからどうぞ👇】

 

 

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① どうして今「愛着」が取り上げられるのか

幼少期に養育者(親、それに類するもの)との間に安定的な愛着が形成されていると、その後の良好な人間関係に結びつくと考えられています。

 

身近な人との愛着形成があることで、他者に対しても適切な距離を取り、時には我慢づよく関わることができ、互いに成長し合い、また信頼し合える人間関係を形成できると言われます。

 

反対に適切な愛着形成がなされなかった場合、他者に依存傾向になったり、反対に少しの行き違いで拒絶するような人間関係につながることがあります。

人によっては他者を信用することができず、孤立した生活を送る場合もあります。一方で優しくしてくれる人に全てを許し、心も体もお金も支配されてしまうケースも存在します。

 

「たかが幼少期の親との関係性だけで、そこまで影響するわけがないだろう」

このような疑問もあるかもしれません。

私も愛着について学ぶ前は、そこまで重視するものではありませんでした。

親との関係性がどうであれ、それが人格形成にまで影響するとは思えない。そう思っていました。

 

しかしながら、10代、20代はもちろん、30代や40代のかたでも、親の影響を強く受けているかたがたくさんいらっしゃいます。

 

愛着形成があるかどうかで全てが決まるわけではありません。適切な愛着が形成されない状況にあったとしても、健全に過ごされている方もいるでしょう。

ただ他者を信じることができず、他者に裏切られることに怯え、そのことで精神を病み、より孤立する生活を送る人の中に、幼少期の親との関係が影響していることがあるのです。

 

大人になっても、強く影響する可能性があるもの、それが愛着です。だからこそ今、愛着について学ぶ意義があるのです。

② 愛着とは何か?

  愛着の定義

 

愛着理論の提唱者である、ジョン・ボウルヴィ(John Bowlby:1907-1990)はこう定義しています。

"愛着とは、人が生まれてから数ヶ月のあいだに特定の人(母親や父親など)との間に結ぶ情緒的な絆"

その昔、生まれたての赤ちゃんは「ミルクをくれるから、その相手に愛着を感じる」と考えられていました。つまり自分の欲求を満たしてくれるから、という条件づきで感じていたということです。

 

その後の研究で、赤ちゃんは生理的な欲求を満たしてくれるからではなく、温もりなど「自分を受け入れてくれる存在、安心できる存在」に対して愛着を感じることがわかってきました。

 

ボウルヴィは、そこからさらに愛着について発展的な研究を行い、愛着とは欲求を満たしてくれることが前提ではなく、赤ちゃんが出すシグナルを養育者が受け取り、応答していくプロセスの中で形成されるとしました。

 

つまり赤ちゃんが微笑んだり、泣いたり、不安なサインを出したときに、抱き締めたり、声をかけたりするというやり取りの中で育まれるものなのです。

 

衣食住が満たされていたとしても、そこに養育者との愛着関係がないと、身体発育が悪くなると言われます。中には栄養も満たされているのに死んでしまう子もいます。愛着を形成することは、赤ちゃんが成長していく中で、命を維持するためにも必要なものなのです。

 

  愛着の発達過程

 

愛着は4つの段階で形成されると言われます。

 

 

第1段階:前愛着期 0歳〜2,3ヶ月頃

愛着が形成される「前」の段階です。周囲の人すべてに対して、にっこり笑いかけたり、じっと見つめたりする時期です。

愛着が形成されているわけではありませんが、その準備段階と言っていいでしょう。

 

 

第2段階:愛着形成期 2,3ヶ月歳〜6ヶ月頃

特定の人、多くは養育者(多くは母親や父親)に情緒的な絆である愛着を形成してく時期です。この時期から「人見知り」が起こります。

 

人見知りができるということは、自分にとって身近な人と、そうではない人の区別がついている状態だということです。

特定の人との関わりが密になるからこそ人見知りは起こると言えます。

 

 

第3段階:明確な愛着期 6ヶ月歳〜2,3歳頃

愛着対象者と、それ以外を明確に区別するようになります。

愛着対象者(養育者)を「安全基地」として捉えるようになります。

 

 

第4段階:目標修正的協調関係期 3歳頃以降

愛着対象者を「安全基地」と捉えることで、愛着対象者の姿が見えなくても、泣かなくなります。活動範囲も広がるようになります。

 

  愛着の「安全基地」とは何か?

 

ここで「安全基地」の考え方について言及しておきます。

 

例えば、ご自身が宇宙飛行士になったと想像してみてください。これからロケットに乗って、遠くの星に行くとします。

 

そのときにもし「もう帰って来れる場所がない」と思ったら、安心して飛び立つことができるでしょうか?

 

危険な冒険に出られるのは「戻って来られる場所があるから」です。

 

愛着における「安全基地」とは、新たな経験をする中で、不安や恐怖にぶつかったときにいつでも甘えたり、頼ったすることができる場所のことを指します。

物理的な場所を指すのではなく、精神的に安心できる存在のことを指します。

 

子どもたちが養育者に対して安全であると認識できると、怖いことや、不安なことが起こっても「きっと守ってくれる」と安心できます。この安心があるからこそ、見知らぬ人と関わったり、やったことのないことにチャレンジできるようになるのです。

 

 

 

愛着形成の3つの基地機能

①安全基地

 

恐怖や不安、怒りや悲しみなどのネガティブな感情が出てきたときに「大丈夫だと守ってくれる」と感じられることです。

 

守ってくれる場所があると避難することができます。愛着形成の基地機能において、最も基本的で重要な基地になります。

 

②安心基地

 

嬉しい、楽しい、チャレンジしようというポジティブな感情を生じさせてくれる基地になります。つながりを持てることで、安心を感じられるようになります。

 

③探索基地

 

安全基地から離れて、未知の場所に行ったり、新しい出会いを体験するために必要な基地です。

 

安全基地があるからこそ、安心して離れることできます。親から離れても自分は見守ってもらえているから大丈夫と思えるようになったときに完成すると言われます。

 

③ 子どもの4つの愛着パターン

アメリカの発達心理学者であるエインズワース(Mary Dinsmore Salter Ainsworth)の研究をもとに、子どもの愛着には4つのパターンがあると言われます。

 

 

①安定型

 

子どもの発するサインに敏感に親が反応し、過不足のない関わりを行うことができる養育者との関係性があります。

 

安全基地機能も健全に形成され、養育者に甘える時期と、次第に自立を目指して成長することができます。

 

人間関係も良好な関係を築くことができます。相手の置かれた状況も想定し、相手の立場に立った考え方や、建設的な議論で人間関係を発展させることができます。ときに諍いが起こることもありますが、それを修復させる力も持ち合わせています。

 

②回避型

 

子どもの働きかけに拒否的に振る舞ったり、子どもが泣いて近づいてきても自分から離れてしまうような養育者との関係性の中で生まれる型です。

 

人を頼りにしても、拒否されることを経験することで、他者との親密な関係を築くことが難しくなります。心と心を通わす関係性に慣れておらず(またやっても無駄と感じてしまう)、相手に対して「気持ちが伝え合えない」「何を考えているかわからない」「冷たい」と感じられることがあります。

 

③葛藤型(アンビバレント型)

 

子どもへの応答が気まぐれな養育者との関係性の中で生まれる型です。

 

養育者はその日の気分によって子どもへの対応を変えます。養育者の機嫌が良いときは、好きなものを買ったり、いたずらをしても寛大な態度をとりますが、期限が悪いときはいつもと同じことをしても腹を立てて冷たく対応してしまうことで、子どもは養育者の顔色を見て振る舞うようになります。

 

他者の顔色を見ながら嫌われないようにと、ときに不当な要求に従うこともあります。相手に拒否反応を示されると、混乱し、激しい不安に駆られることがあります。

 

④無秩序・無方向型

 

養育者や虐待やマルトリートメント(不適切な関わり)を受けている場合に起こりやすい型です。

 

過度に対人関係を拒否したり、反対に、初めて会った人に馴れ馴れしく接してしまうことがあります。行き過ぎた関わりを行い、トラブルを起こしてしまうことも少なくありません。虐待の影響がある場合、常に恐怖心を持ち合わせているため、ちょっとしたことでも混乱することがあります。

④ 愛着に課題がある子どもの特徴

 学校生活

・注目されたい気持ちが強く、本来できないこと(委員長や、文化祭のリーダー)を先を考えずにやろうとする

・距離感が近すぎるため、過度に相手にボディタッチしたり、近くにいようとする

・些細なことで、相手のことを罵り、関係を断とうとする

・気に入らないことがあると、徹底して相手をこき下ろすことがある

・こだわりが強く、会話の流れと関係の無い点を何度も指摘する

・自信を持つことができず、「やってみよう」が響かない

・落ち着きがなく、授業中にソワソワすることが多い

・先生からの注目を浴びるために、ことあるごとに先生を呼ぶ

・指吸いや、体の一部を触る

・姿勢の維持が難しく、授業中にだれたような座り方になる

・自作自演で物を隠して、探偵のように見つけたりする

・気分のムラが大きく、日によっても、また一日の中でも気分が大きく変化する

・明らかに自分に非があるときでも、認めようとしない

・回避傾向がある場合は、他者と密に関わろうとしない

 

 家庭内

 

・抜毛(髪の毛を抜く)などの行為がある

・指吸いがある(学校でもする場合がある)

・ゲームやネットに依存気味である

・性的な関心が強く、親に隠れて、もしくは親の前でも性的な会話をする

・性器いじりがある

・適正カロリーを摂取しない、もしくは適正を大幅に超えたカロリーを摂取する

・自傷行為がある

・チック、吃音がある

 

ただし、家庭内においては、親の前で従順にすることもあり、学校生活と大きく異なる場合があります。家庭では従順だけれど、学校では問題行動が多い場合は、親子関係の関わり方を見直すことが改善につながります。

 

⑤ これからをどう対応するか

 

ここまで愛着に課題がある子どもたちの特徴を見てきました。もしかしたらご自身も思い当たるところがあるかもしれません。

 

愛着に課題がある子どもたちにどのように接していくことが重要か、この点について「愛着:対応編」でお話ししていきます。

 

保護者の方はもちろん、子どもたちに関わる先生方や、保育士の先生方にもヒントになることをお伝えします。

 

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【実践編の記事をご覧ください👇】

 

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【ブログ著者:なかがわひろかについて】
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■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市・京都府でスクールカウンセラーならびに、丹波市看護専門学校にて発達心理学の講師を務める

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。小中高生や、PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

 

2025年度第4弾のオンラインセミナーのご案内です。

2025年11月29日(土)20:00〜21:30にzoomにて開催します。

今回のテーマは不登校・ひきこもりからの大学受験 についてです。

 

高校時代に不登校を経験し、中退、そこからひきこもりになる方もいます。

不登校、ひきこもりを経験した方は「大学受験なんて無理だ」と考えることがあります。

 

しかし受験は、戦略を考え、取り組むことで、道が開けるようになります。

 

・高校を中退したけれど、5年のひきこもり後、難関大学に合格した

・小学校から不登校を経験し、学校にほとんど行けなかったけれど、大学に通えるようになった

・期間が短い勉強時間だったけれど、効果的な学習に取り組み合格した

 

これらは、決して珍しい話ではありません。

 

不登校やひきこもりから大学受験をサポートしてきた私から、一歩踏み出すことに躊躇されているご本人や、背中を押したいご家族に向けてお話しさせていただきます。

 

プライバシーは厳守されますので、安心してご参加ください。

 

セミナー講師
▫️不登校・ひきこもり専門カウンセラーなかがわひろか
▫️高校、大学受験に特化した学習サポート
▫️小中高、大学生、社会人などあらゆる年代の発達障がいのサポートを行う

 

【現在の不登校の状況を知りたい方は、こちらの記事もご参考ください👇】

 

▶︎セミナー内容

▫️どうして不登校・ひきこもりから大学進学なのか?

▫️勉強法の例

▫️今後のヒント

▫️質疑応答

タイムスケジュール(目安)

20:00〜21:00 セミナー(途中小休止も挟みます。多少延長する場合があります)

21:00〜21:05 休憩

21:05〜21:25 質疑応答

21:25〜21:30 アンケート・終了

 

顔出し・声出しは必要ありません

当セミナーは顔出し・声出しの必要はございません。ご質問はzoomのチャット機能からお受けします。自己紹介などの必要もございませんので、人前でお話しすることが苦手な方や初めての方もご安心して参加いただけます。

 

※セミナーのご予約の際にはお名前は必要ですが、オンラインセミナーにおいてはzoomのアカウントの名称を変更いただければ個人のお名前が出ることもございません。ただ、セミナー冒頭に参加の確認を取らせていただきますので、私宛に直接チャットでお申し込み時のお名前をお伝えください(他の方には送らないようにご注意ください)。

 

※ご質問は全体と共有させていただきながらお応えいたしますので、個人名など個人が特定される表記はご遠慮ください。またここで出てきたご質問は外部には漏らさないご協力をお願いいたします。

 

▶︎セミナーの対象となる方

 

▫️現在不登校やひきこもり中のお子さんがいらっしゃるご家族

▫️進学を考えたいが、何から手をつけていいかわからない方

▫️具体的な勉強法を知りたい方

など

 

※ご本人並びにご家族の方にご参加いただけます。(大変申し訳ありませんが、今回は支援者の方は対象としておりませんことをご了承ください)対象となるか迷われた場合はご遠慮なくお尋ねください。

 

【お問い合わせ】

お電話090-1958-4902(10:00〜20:00)

E-mail:nakagawahiroka0530@gmail.com

【お願い🙇】

皆様にお願いしたいことは、セミナー後のアンケートのご協力です。セミナーの良かったところ、改善した方がいいところなど忌憚のないご意見をお寄せください。

 

▶︎セミナー詳細

日程 :2025年1129日(土)

時間 :20:00〜21:30

使用ツール:ZOOM(10分前から招待いたします):事前にインストールをお願いします

料金 1,000円(税込)

※開催一週間前までのキャンセルは手数料を引いた金額を返金いたします。

定員 :10名

ご予約締め切り:当日午後12:00まで受け付けます。

お申し込み流れ:以下の手順でお申し込みください。

 

1. 下記のセミナーの申し込みフォームよりご連絡くださいセミナーの申し込み・お問い合わせフォーム

2. 必要事項を記入の上送信


3. 24時間以内にお返事をお送りします。その際にお振込先等をお伝えいたします。(この時点では仮予約となります)

4. お振込が確認され次第本登録となります。

5. 当日10分ほど前にzoomにご招待いたします。

 

6. セミナー終了後アンケートにご協力いただき、冊子をお送りいたします。

※お問合せいただいた方には24時間以内にお返事をお送りしております。もし届いていない方お手数ですが再度お電話090-1958-4902(10:00〜20:00)もしくはnakagawahiroka0530@gmail.com宛にご連絡いただきますようお願い申し上げます。

連絡先:090-1958-4902

講師:なかがわひろか(公認心理師)カウンセリングオフィスOFFICE NAKAGAWA代表 

HPはこちらです

 

▶︎ご参加者様の声(一部)

スクールカウンセリングよりも、より具体的でわかりやすかったです。 特に勉強面では、親が色々提案しても子供がやる気にならないと無理だと思ってましたが、まず行動にする!と言う事が大事だとわかりました。部屋の掃除をして、大き目のカレンダーを用意します。最初からハードルを上げすぎないように子供に伝えたいです。

今回、如実に感じているのは、これまでのどんな機関よりも、我が家のこれからについて具体的にご提案いただけたことです。また、小さな質問にも的確に真意を受け取られて、お答えいただいております。

本人が行きたい学校と、現状に課題が大きく、親としても応援してやりたい気持ちと、失敗させたくない思いがありましたが、本人がやりたいことを見守り、応援してやろうと思えました。不安だらけのなか、少し光が射したような気がします。私自身、こうでないといけない、といった意識から、少し肩のちからを抜いて関わっていけたらと思えました。ありがとうございました。

勉強の仕方など詳しく教えて頂きました。この先受験がありますが、不安な気持ちが軽くなりました。

 

■-講師プロフィール-■
プロフィール写真

■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

■資格:公認心理師・産業カウンセラー・ひょうご発達障害サポーター・大阪市スクールカウンセラー

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

 

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初めまして、不登校・ひきこもりカウンセラー(公認心理師)なかがわひろかです。

 

今このブログをお読みいただいている方は、お子さんの不登校のことで日々悩んでいらっしゃると思います。

 

私はあるひきこもりの青年と出会ったことをきっかけに「心の問題で悩む人たちの助けになりたい」と思い心理相談室OFFICE NAKAGAWAを2011年に立ち上げました。これまで12年以上にわたって親子のサポートや8050問題にも取り組んでいます。

 

学校に行けなくなったとき、お子さんも親御さんもどうしていいかわからなくなると思います。

 

私が得意としている分野は次の3つです。

1. 不登校やひきこもり、発達障がいを抱える方、またそのご家族のケア

2. 心理療法を応用した学習・キャリアサポート

3. 親子の関わり方
 

今が一番辛い時期だと思います。でもきっと脱け出すことができます。どうやったらいいのかという「具体的な方法」について一緒に考えていきましょう。

 

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この記事では、不登校中のお子さんとの「お父さんの関わり」についてお伝えしています。通常お母さんとの関わりが多くなる不登校ですが、お父さんの存在も重要です。

 

「どう接していいかわからない」「自分は嫌われているから何もできない」と思われているお父さん方に関わりのヒントをお届けします。

 

この記事でわかること

▶︎不登校のお父さんの役割

▶︎お母さんとの関係づくり

▶︎お子さんとの関わり

この記事を書いた人
▫️不登校・ひきこもり専門公認心理師なかがわひろか
▫️学校・PTA・自治体での不登校・ひきこもり講演多数
▫️自身も一人娘の父

 

▶︎お父さんの役割

 

 

お子さんが学校に行きづらくなったとき、最初に行動されるのはお母さんであることが多いです。

 

ネットで情報を集めたり、学校の先生とやりとりをしたり、スクールカウンセラーや自治体の相談場所に行かれるのも9割はお母さんです。私のオンラインセミナーにお越しいただく方も、同様の割合になっています。

 

不登校=お母さんが対応する、という図式が多いのは事実です。しかしお父さんには役割はないのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありません。お父さんにも大事な役割があります。それが「家族を守ること」と「断ち切ること」です。

 

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▶︎1つ目の役割:家族を守る

 

お子さんとお母さんとの関わりはお父さんよりも深くなりやすいです。ただ一方で、お母さんはお子さんのことで頭がいっぱいになられることがよくあります。

 

そのために、視野がどうしてもお子さんだけに向くことがあります。

 

お父さんの役割の一番大切な一つ目は、家族全体を守ることです。周りから心無いことを言われることもあります。そういったものから家族を守るのです。

 

学校と話し合いをしたり、おじいちゃん、おばあちゃんや親戚に説明をしたりという役割はお父さんの役割です。

 

ここをすべてお母さんに任せてしまうと、お母さんがパンクしてしまいます。お母さんにはお子さんに集中してもらえるような環境を作ることが父親の役割になります。

 

 

お母さんの思いを聴く

 

お子さんとの関わりが多くなるのはやはりお母さんです。お母さんはお子さんのことで頭がいっぱいになります。

 

お子さんの一挙手一投足に一喜一憂したり、ときに怒りを感じたりもします。そんなお母さんの思いを聴く役割が必要です。

 

ときに愚痴になることもあるし、お子さんに対して厳しい言い方になることもあります。しかしそれだけお母さんも思いを溜め込んで、我慢しています。

 

「そんなに気にせず子どもに任せよう」という発言をされるお父さんも多いですが、自分が産んだ子のことを「気にせず」など無理なのです。

 

些細なことでも気になってしまうお母さんの思いを労い、お母さんの溜まっている思いを受け止めるようにします。

 

【傾聴の仕方については👇をご覧ください。お子さんだけでなくお母さんに対しても有効です】

 

お母さんと考え方を対立させる前に、まず思いを受け入れながら聴くことです。その上でご自身の意見も伝えるようにし、二人でお子さんにどう向き合っていくかを考えていきます。

 

▶︎2つ目の役割:断ち切る

 

日本は「母性の国」と河合隼雄先生は言います。母性とは「包み込む」ことです。お子さんのことを丸ごと受け入れ、包み込む。ただこれが行き過ぎると「飲み込んでしまう」ことにつながると言われます。

 

母性が強すぎると、お子さんの自主性を奪い、お子さんを「自分の所有物のように」考えてしまうことにつながります。

 

お子さんが不登校状態になったとき、お母さんはお子さんのことでつきっきりになります。そのため母子の関係性が強くなりすぎてしまい、お子さんの悩みにお母さんが引きづり込まれることが起こります。

 

ここでお父さんの「断ち切る」役割が必要とされます。断ち切るとは家族の関係を断ち切るということではなく「子どもは子、親は親」とそれぞれ別の人間であることを認識させることです。

 

例えばお子さんとお母さんの関係性があまりにも強くなりすぎる可能性があるときに、お子さんに対して「ここからは一度自分の力で考えてみよう」と伝え、お子さんが一人で考えられるようにする役割です。

 

ただこの「断ち切る」役割を、お父さんが担えていないことが問題になります。河合先生は40年以上も前に危惧されていました。それは「家庭の中にお母さんが二人いる」ということです。

 

つまりお母さんもお父さんも母性が強く、どちらも包み込むことで「断ち切る」存在がいなくなることを示唆していました。そしてその状況は40年以上前に比べても、進んでいると私も感じています。

 

優しいお父さんは理想ではあるのですが、お母さんが包み込む役割を果たしている場合は、お父さんは「断ち切る」ことを意識する必要があります。

 

▶︎勇気を持って率直な思いを伝える

 

お父さんに必要な役割は「勇気ある率直な思いを伝えること」です。家の中で好きなように過ごすことも不登校の一時点においては必要です。

 

ただそれがずるずる続くことは望ましくありません。しかしお母さんにはなかなか厳しく伝えることが難しいことがあります。

 

そんなときにお父さんの役割が必要なのです。話をする機会を作り、率直な思いを伝えます。「学校に通えるようにするために、これから取り組んでいくことを話し合おう」と伝える役割です。

 

「いつかタイミングが来たら」と逃げてしまうお父さんも多いですが、それだと不登校は長引き、やがてひきこもりにつながることになります。

 

お子さんの状態を見て、十分に休息が取れていると判断できたときは、包み込む段階から、チャレンジの段階に入っていきます。

 

休息の間は親子の距離が強くなります。それはお子さんの安心のために必要な時間です。しっかりとくっついてから、今度は「離れる」段階に入るのです。これが「断ち切る」ということです。

 

「断ち切る」というのは親子の縁を切ることではありません。お子さんが自分の力でこれからの人生を歩んでいけるように、挑戦ができるように促していくことが「断ち切る」ことです。

 

▶︎お父さんも傾聴力を高めよう

 

 

「断ち切る」ことを間違って捉えて「厳しく伝える」ことだけに注力してしまうケースもあります。

 

お子さんの思いを聴き、受け入れ、その上で率直な思いを伝える「傾聴力」はお父さんにも当然に必要なことです。

 

一般に、特に男の子の場合、お父さんとの関係性に距離が生まれることがあります。その理由は頭ごなしに批判されることがあるからです。

 

お父さんは理詰めで説得することが多く、それはまた正論であるため、お子さんも言い返せなくなり話していても疲れてしまうのです。

 

お子さんの話を聴き、お子さんの意見を受け入れた上で、率直な意見を伝え、それについてまた話し合う。この流れはお母さんもお父さんにとっても必要なことなのです。

 

こちらに傾聴のポイントをまとめています。まずここを押さえるようにしましょう。

 

 

▶︎困ったときはこの3つの力を思い出しましょう

 

対話に必要な3つの力

 

この概念図は傾聴において必要な3つの力について示しています。「そんな風に考えているんだね」と受け入れること(受容力)、お子さんの話を「しんどかったね」と共感すること(共感力)、そして私が最も重要と考えているご自身の意見を率直に伝える「率直力」の3つです。

 

まず受け入れることがあってから、親としての意見を伝えるとお子さんも耳を傾けてくれるようになります。

 

大事なのは順番です。よくある間違いは「まず伝える、それから聴く」です。しかしこれだとお子さんは「無理やり押し付けられた」という思いになります。

 

まずお子さんの話を反論せず、しっかりと聴き、受け入れることです。その上で「自分はこう思うけれどどうかな?」と話をするのが効果的な順番となります。あとはこれを繰り返していきます。

 

傾聴が苦手とするお父さんは多いですが、傾聴なんてプロのカウンセラーでも易々とできることではありません。

 

苦手であることは当然のことで、それは言い訳にはなりません。だから練習するのです。プロのカウンセラーであっても、傾聴は日々トレーニングしながら鍛えているのです。

 

【3つの力についてはこちらで詳しく説明しています👇】

 

 

▶︎本当はお父さんとも仲良くしたい

ここでお子さん側のお父さんに対する思いをお伝えします。お子さんが思春期に差し掛かると、お父さんを毛嫌いするようになります。それは男女ともに起こります。

 

お父さんとしては「自分は必要とされていない」思いになると思います。しかしもちろんそんなことはありません。

 

お子さんとしても、本当はお父さんと仲良く話したいのです。何気ない話をしたいのです。

 

しかし思春期というのは、ついイライラしてしまうものです。お子さん自身もうまく自分の気持ちをコントロールできない時期なのです。

 

お子さんとの関わりを諦めないでください。あとでお子さんがこの時期を振り返ったとき「お父さんは諦めずに接してくれた」という思いが、生涯の関係性を築いていきます。

 

逆に毛嫌いされているからと、お子さんとの関わりをなくし、なんでもお母さんを通じて話す関係になると、「父親は大事なときに逃げた」と思います。これを後から取り返すのはまず無理です。

 

今は嫌われているかもしれませんが、それはうっとうしがっているのであって、嫌いなわけではないのです。

 

「自分は関わらない方がいい」と及び腰になってしまうこともあると思いますが、それは間違いです。うっとうしがられても、うざがられても、関わりを切らさないこと。なんでもお母さん任せにしないこと、お母さんを通じてお子さんに意見を伝えることをしないこと、ちゃんと自分が向き合うことを忘れないようにしましょう。

 

▶︎お父さんの役割は重要

ここまで不登校のお子さんに対してのお父さんの役割について述べてきました。お父さんの役割は「家族を支えること」そして「断ち切ること」です。

 

お母さんとお子さんを周りの雑音から守ること、そのためにお母さんの話に耳を傾けること、そしてお子さんがある程度元気になってきたら「チャレンジ」ができるように促進すること。そのためにお子さんの話しを聴く傾聴力を鍛えることです。

 

なかなか大変です。いえ、相当大変です。ただここを逃げずに取り組まれたご家庭は、その後の親子の関係性においても良好な関係を築かれます。親子が率直に思いを伝え合うことができるので、喧嘩をしたとしても、自然と仲直りしていきます。

 

逆に頑張るところで何もしなかった場合、お子さんはお父さんを見限るようになります。それはお子さんだけでなくお母さんもです。

 

「一番しんどいときに何もしてくれなかった」この思いは一生涯残ることになります。

 

お父さんも大変なのはわかります。ただお母さんだって、そしてお子さんだって本当に辛いのです。自分だけ逃げてはいけないのです。

 

お母さん任せにせず、自分にも役割があることを知っていただけたら嬉しいです。

 

▶︎お父さんのことで悩まれたらご連絡ください

お父さんとお子さんとの関わりに困っていらっしゃるお母さんも多いです。ここに書かれていることをやってほしいけれど、なかなか積極的に関わろうとしないお父さんが多いのもまた事実です。

 

なかなか理解が難しい場合は、一度ご連絡ください。お父さんが関わっていただくことの重要性について、私からもご説明いたします。

 

親子の関係は「包み込む」ことと「断ち切る」ことの両方が必要になります。それをお母さんが一人で抱え込むのは至難の業です。

 

お子さんのためにも、そしてこれからの家族のためにも、お父さんにご理解いただけるようにお伝えいたします。

 

「子どもと父の関係性が悪い」「旦那さんとうまく連携が取れない」そしてお父さんご自身が悩まれているときは無料カウンセリングをご利用ください。まずは課題を整理することから始めましょう。

 

 

不登校はお子さんからのメッセージでもあります。不登校やひきこもり経験を通して家族の力がぐっと深まることはよく起こることです。この機会に家族のあり方を一度見直してみましょう。

 

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プロフィール写真

■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。

 

あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市スクールカウンセラーを兼任。

丹波市看護専門学校非常勤講師を務める。

 

ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。

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