2025年10月末に文部科学省より、2024年度の小中高の不登校数について発表されました。今の日本の不登校の実態について、整理してみましょう。
※データの出典は全て文部科学省,令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要より
▶︎小中高の不登校数
各学校の不登校数
【不登校の人数】
高校 : 67,782人(2.3%) 43人に1人
【小中の不登校児童生徒数の推移】
不登校数の増加という観点からは、昨年度に比べると中学生についてはほぼ横ばい、小学校については微増といったところです。ただし10年前と比べると特に小学校は5倍以上に増えています。
【小中学年別不登校児童生徒数】
不登校の学年別の人数としては、中学3年生が一番多くなっています。
【小中の新規不登校児童生徒数の推移】
小中の新規の不登校数が9年ぶりに減少しました。不登校の増加がこの辺りで鈍化していく可能性もあるかもしれません。
ここで改めて文部科学省の提示している不登校の定義について見ておきましょう。
統計は定義をもとにして取らないと、基準がなくなりデータを取得することができなくなります。そのため不登校においては上記のような定義となっています。
そのため「年間30日以上欠席した者」とされています。しかしながら、ここには注意が必要です。
通常学校は年間35週ほど通うことになります。例えば週に1日に休む子は、年間35日休むことになりますので、「年間30日以上欠席した者」に入り定義上は「不登校」となります。
週に1回は休むけれど、他の曜日の授業に出席できていれば、授業に大きく遅れることはないでしょう。全体の8割通えていることになるので、おそらくそこまで心配はされないのではないでしょうか。
一方、毎日学校には行くけれど、それは放課後の数十分であったり、別室や保健室で1時間ほど過ごして帰るというパターンの場合は欠席とはならず、遅刻、もしくは早退扱いとなります。欠席ではないので、通知表を見ると「欠席は0日」となります。この場合定義上は不登校には入らないことになります。
しかしこのようなお子さんのことは心配される方がほとんどではないでしょうか。定義は統計を取る以上必ず必要になるものなのですが、もし遅刻、早退も含めると、この数は少なくとも1.5倍から2倍(60万人から80万人)くらいになるのではないか、と考えられます。
▶︎不登校の要因
小中の不登校の要因として考えられる主なもの(上位5つ)は以下のものが挙げられます。
【小中学生】
①学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(30.1%)
②生活リズムの不調に関する相談があった(25.0%)
③不安・抑うつの相談があった(24.3%)
④学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(15.6%)
⑤いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった(13.2%)
高校生の不登校の要因として考えられる主なもの(上位5つ)は以下のものが挙げられます。
【高校】
①学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(26.9%)
②生活リズムの不調に関する相談があった(26.2%)
③不安・抑うつの相談があった(16.0%)
④学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた(12.8%)
⑤選択肢に該当なし(11.9%)
不登校の場合、一つの要因で不登校が起こるというよりは、いくつかの要因が重なりあっておこることの方が多いと言えます。大きく以下の5つに分けられます。
この図を見ていただくと、「やる気が出ない」や「不安・抑うつ」などというのは「表面化」の部分に当たります。
どうしてそうなったのか?の部分には、さまざまな要因が考えられます。大きく①心理面②身体面③社会面④個人面⑤家庭環境が挙げられます。
そしてそれぞれにもまた細かいものが考えられます。
不登校の本当の理由というのは、実はすぐにはわかりません。「友達に嫌なことを言われた」「勉強についていけない」など何らかのきっかけで不登校が始まります。
それが長期化し、当初の「きっかけ」が解消としたとしても学校に行けない場合は、きっかけはきっかけに過ぎず本当の理由ではないことがわかります。
元々の理由が本来の理由ではなく、時間が経つことで初めてわかることもあります。
▶︎90日以上の欠席者
調査においては、日数による分類もなされています。
【不登校児童生徒のうち90日以上の欠席者( )は不登校児童に占める割合】
小学校:60,737人(44.1%)
中学校:131,221人(60.7%)
高校:10,088人(14.9%)
※高校で中途退学に至った生徒:10,566人(不登校の15.6%)
90日以上休んでいる子どもたちは、小学校で44. 1%、中学校で60.7%、高校で14.9%となっています。ただ高校の場合、ほぼ同数の人が、中途退学になっています。
▶︎相談をした児童・生徒
【小中学校】
学校外の機関等で専門的な相談を受けた:34.3%
学校内の機関等で専門的な相談を受けた:43.7%
学校内外の機関等で専門的な相談を受けていない:38.3%(そのうち教職員に相談をしている:89.0%)
【高校】
学校外の機関等で専門的な相談を受けた:19.3%
学校内の機関等で専門的な相談を受けた:41.4%
学校内外の機関等で専門的な相談を受けていない:43.4%(そのうち教職員に相談をしている:79.1%)
専門的な相談は受けていないものの、先生と継続的に関わっている児童・生徒の様子が伺えます。先生の存在の大きさを示唆するデータです。
▶︎小中高の自殺児童・生徒は527 人(暫定値)
▶︎今後の展望〜不登校対応にできること〜
不登校は休みだしてから、一気に進むこともあります。そのため、できるだけ早くその子が抱えている悩みや不安、苦しみに気づくことは重要になります。
自治体によっては、タブレットで毎日の心の健康を入力し、学校側がメンタル不調の子どもたちを見つけ出す仕組みを作っているところもあります。
また先生方や親御さんの「勘」も重要なものになります。「ちょっといつもと違うな」という小さな違和感を大事にしていきましょう。
【不登校の親御さんの心理について👇をご覧ください】
子どもたちの社会は、大人が思っている以上に複雑であり、毎日のように関係性に変化が訪れます。
小学校高学年や、中学生くらいになると、親や先生よりも友だちとの関係性の方が重要になります。
大人に気づかれないような行動も増えていきます。一方で、まだ大人の庇護されないと生活していけない部分もありますし、また甘えたい思いも持っています。
「話したいことはいつでも聴く」という体制づくりを普段から見せておくことは重要ですし、また大人の方から「なんかあった?」と聴くことも必要です。「お話タイム」と称して、ドライブなどに出かけるのもいいです。「頼れる人がいる」と子どもたちが実感することが子どもたちの心の支えになります。
【お子さんとの傾聴方について👇をご覧ください】
③ 家庭と学校の協力体制づくり
不登校対応において最も重要な観点と言っても過言ではありません。学校とご家庭が密に連携することができると、学校が安全な場所として機能しやすくなります。
気になることがあったら、担任の先生と話をすることも必要です。「今何ができるか」「それはどこにつなげていくためのものか」をお互いに共有することが、子どもたちの安心につながります。
また、スクールカウンセラーの活用も検討していきましょう。担任の先生や管理職の先生に伝えると、段取りをつけてくれます。
【スクールカウンセラーの活用法は👇をご覧ください】
④ 不登校は「その子にとって必要な休息期間」
不登校は決してサボりではなく、「これ以上頑張ったらもうおかしくなってしまう」という状態を避けるための行為だと言えます。そのため学校を休むのはお子さんにとって必要な時間になります。
ただ、その期間が長すぎてしまうと、お子さんは学習の機会や、友だちと関わる時間を減らすことになります。
これだけ休んだら大丈夫、と明確な期間は言えませんが、1ヶ月〜2ヶ月を一つの目安とし、お子さんが暇を感じられるようになってきたら、再登校に向けての準備を考えていきましょう。その際に、専門家や、スクールカウンセラー、担任の先生方と話し合いながら役割分担し、関わるようにしていきましょう。
【不登校対応の基本については👇をご覧ください】
▶︎数字から見る子どもたちが置かれている社会
▶︎不登校のご相談は無料カウンセリングをご利用ください
■略歴:
中学時代に不登校を経験。その後学校復帰。関西学院大学に合格する。大学卒業後、人材紹介会社にてマーケティング・人事を経験。
あるひきこもりの青年に出会ったことから、起業を決意し、専門的なカウンセリング・学習サポートを行うOFFICE NAKAGAWAを2011年2月に設立。公認心理師、産業カウンセラーの資格を有する。現在大阪市スクールカウンセラーを兼任。
丹波市看護専門学校非常勤講師を務める。
ひきこもりや不登校、発達障がいのご当人、並びにご家族のカウンセリング、学習サポートを行う。PTA、学校関係、行政関係など講演も行う。
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