まいちょいす。 -9ページ目

お値段以上、ニトリィ?(Ⅱ)

読了
新井素子【イン・ザ・ヘブン】


新潮社 2013年10月




私と同じ1960年生まれの新井さん。
きっと読んだことがあると思っての、最新刊だったのですが。
いや?読んでいないかなぁ。。。既読だとすれば、きっとこんな
SFチックなお話しではなかったのだろうと思うところです。

表題の「イン・ザ・ヘブン」が最初の作品。それに続いて人類の
損続につながるようなテーマを重ねられています。


人口過剰を取り上げたダンブラウンの「インフェルノ」でしたが、
新井さんは逆に、人類存亡の危機を人口減少にあてて物語りを
編んでくださっています。

なかなか。いいです。この路線の小説ならば、これからも是非に
読んでみたいところです。面白かった。



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「林檎」という作品は、猫とその飼い主の女性とのお話し。

うるさく鳴くんですね、にゃーぎゃーあううーん、と。
まるで一昨日、youtubeで拾ってきたお値段以上ニトリ♪ 
の猫みたいで、笑ってしまいました。

猫語は通じないけれど、きっと何かを伝えたいと一生懸命
にわぅわうにゃぎゃーと鳴いているんだろうなぁと、
新井さんの小説と、ニトリ♪の猫と重なって思ったしだいです。

(^-^)

お値段以上、ニトリィ?

われわれは~ あやしい猫では あれあれあれあぇあぇあぇあぇ?

 爆笑 wwwwwwwww





投稿者の聴き取りセンスに脱帽 (^~^)

正義感の強かった女子は女性検事になった。

読了
阿川佐和子【正義のセ】


角川書店 2013年3月
イラスト 荒井 良二




阿川さんは雑誌の類でエッセイなどは読んだことがあると思っている
のですが、小説ははじめて読ませていただきました。

今週は人間ドックで休みをいただいて、その検診の待ち時間に読み終
りました。(待ち時間はけっこうあるのでw)





新人女性検事のお話しは、第一章の幼かった頃の実家である豆腐屋
さんの暮らしぶり、家族模様と主人公の凛々子の気性を印象づける
小学校での勝気なエピソード。
そして交通事故とヤクザの傷害事件の二つをめぐって主人公の仕事、
プライベートのそれぞれが絡み合いながら進んでいきます。


シリーズになっているようです。
きっとファンになっている方もいらっしゃることでしょうね。
とても読みやすかったです。

このままテレビドラマやれそうな印象でした (^-^)/


推薦作ぞろり

読了
日本推理作家協会編さん【江戸の名探偵―時代推理傑作選】


徳間書店 (2009/10/2)



日本推理作家協会から推薦の8作品。「時代推理傑作」なのです。
でも普通にお江戸の一騒ぎ。推理を楽しめるところあまり多くなかっ
た気がします。それでも眠狂四郎の柴田錬三郎氏は「消えた兇器」、
銭形親分の野村胡堂氏は「飛龍剣」。読み切り短編と割り切っても
十分楽しめました。

「飛龍剣」も捕り物帳。古い作品のようですが、ですます調。
どうにも、“まげ物ストーリー”にピタリと嵌らない気がするのは
擦り込まれているのでしょうね、きっと。読み始めには違和感を
感じてしまいましたが。
偶然でしょうけれど、この野村さんと畠中さんのお話しに長崎屋
という同じ屋号がかぶって登場していました。おもしろいなぁ。



手軽なつまみ読みができるこんなアンソロジーは、
通勤読書には適していると思います。

(^-^)/マズマズ..

ピーチェ姫

読了
ダンテ・アリギエーリ 【新生】


河出書房新社 2012年3月
平川 祐弘 (翻訳)




先月読んだダン・ブラウンの「インフェルノ」上下巻。その流れから
読んでみたいと思い立ちました。
神曲では、ダンテを地獄から天国へと導くベアトリーチェ。新生で
は、ダンテのベアトリーチェに対するこれでもかの恋心が詠われて
います。

うーん。片思いもここまで募ると妄想癖も神がかっているわけです。
よくもストーカーへと変貌することもなく耐えたものかと変に感心
したり。(下衆な感想だなぁ。。(^▽^;) )



31編の詩はそれぞれダンテ自らの詩訳、解説があって、あるから
こそメッセージがちゃんと現代の私たちへも届いてくるのですね。
難しいのはここまで現代文で分かりやすく、意訳も含めてリライト
して頂くと、ダンテのクリエイティブはどこか別のところへ置いてけ
ぼりになっている感じを受けます。
(みなさんはそう感じないのだろうかしら)

もちろん著者、平川さんおっしゃるとおり、上田敏氏の名訳、山川
丙三郎氏の文語訳を礎に、この訳本は完成しているわけです。
現代では平川さんの訳で読めるからありがたい。この先、「神曲」
についても読む機会がありそうです。

またそのときはお世話になります (^-^)/


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恋心は人を穏やかにするシアワセにする。いくつになっても。
・・・と、いうところですが、

最近読んだ新聞の身の上相談コラムで美輪明宏さんのお答え
が思い出されました。相談は、古希を越えた男性が若い頃の
憧れの君に会いたいという内容でした。打ち明けられなかった
思いをこのまま持って逝けないというわけらしい。

対する美輪さん、一刀両断。

 「縦しんばイイナカになろうなんて、
  なにいい歳して考えてる、エロ爺ィ!」


あははー。
いっそのこと「我がピーチェ姫へこの思いを・・・」なんて
語ってみればよかったのではないかと読みました (^-^)


 ※「ピーチェ」は、ベアトリーチェの愛称

現実逃避と言わば言え!(笑)

読了
皆川博子 【ジャムの真昼】


集英社 2000年10月




ヨーロッパの戦中を時代背景に皆川ワールド全開の作品集です。

うーん、誰もたどり着けない皆川さんだけの幻想世界。どの作品も
巧みな時代考証によってみごとたたみ込まれたストーリーばかり。


7作品いづれにも、中扉よろしくあそび頁があって、さらに表題を
下段に置いて角版の写真かイラストがレイアウトされた頁が用意さ
れています。唯一のビジュアルが印象的であればあるほどテキスト
の背景に見えてくるものがありますね。

銃声に硝煙、足並みそろう兵隊の行進、埃の積もった地下室、古い
書籍が棚を埋め尽くす部屋、どの作品も音が合って、風があって、
香ってくるものもあります。



皆川さんの小説は、好き嫌いがハッキリすると感じますが、わたし
は楽しめます。トリップ感は独特なものがあって、快速電車の中の
立ち読みでも物語りに取り込まれてしまうときがあってそんな時、
現実と非現実のハザマを感じてしまうんですね。

乗り継ぎ駅のホームに押し出されるように降り立って、そこで
はじめて現実に戻る。時にそれが甘美でもあったり。こんなだから、

小説はオモシロイ (^-^)/

著者よりR10指定。

読了
バリー・ユアグロー【たちの悪い話】


出版社 2007年2月
新潮社訳 柴田元幸



アメリカンジョークですから、独特なニュアンスがあります。
そしてシュールでもあるけれど読後感を意識して書かれてい
るのが逆にいやみな感じになっているところも感じてしまい
ました。それでも、お話し作りのネタとしてなら面白いところ
多くありました。


 「人生はハッピーエンドだけじゃないんだよ」

バリーさんは10歳以上の子供から楽しんで欲しいとのこと
ですが、ブラック・ユーモアが楽しめる年齢とすれば、もっと
上のほうがいいのかなぁと思いました。

(^-^)/

マクドもパン屋のうちか。

読了
村上春樹 【パン屋を襲う】


新潮社 2013年2月
イラスト カット・メンシック





なぜにそこまで空腹になるの?

このストーリーにそんな詮索はいりませんね。面白かった。
シュール感もたっぶり。短いこのお話しに参加してみましょう。
短編ならではのスピードが不条理なんのそのって感じで進みます。


初期作品のリメイク版。海外のイラストレータがビジュアル補強。
カットが邪魔臭い小説もあったりするのですが、アートとしての
質が保てているから大丈夫なのだと思います。
村上さんはこんな装丁がお好きなようですね。よくお目にかかる
雰囲気があります。


先週に読んだブルック・ニューマンのリトル・ターン、ロスト・ターン
とは、フランス映画とアメリカのそれぐらい違うと思う。。。

 (って、どう違うんだ (^▽^;) )

しゃんはい拝(笑)

読了
有栖川有栖,他大勢作家さん 【作家の手紙】


角川書店 2005年2月





昭和の40年代から末期生まれまでの作家さんら36名のお手紙。
書簡の体で、ミステリーやSF小説だったりする内容もあります。
実用書の類にある「正しい手紙の書き方」みたいな真っ当な例文
に入り混じって、そんな絵空事も出てくるので面食らいます(^▽^;)

別離、恋、断り、ファンレター、催促、頼みごと、励まし、案内、
旧い知人へ、哀悼、あなたへ、未来へ(の手紙)。

こんな章分けになってはいますが、実際に投函されたに等しい書簡
もあれば、オチのある小噺までありますから、一冊で楽しめる範囲
は広いです。



有栖川さんは貸した1万円の催促。実用版です (^∇^)

逢坂剛さんは旧い銀幕スターへのラブレター。
こわいけど、ご返事待っています!という括りがとってもイミフ。

林真理子さんは不倫相手への別れの手紙。未練たらたら。これじゃ
伝わらないと思うな。甘い恋愛話しというところならば、小奇麗な
顛末。・・・かなぁ。

北方謙三さんは亡き友、倉本四郎兄いへの追悼。切なくて胸のつま
る手紙でした。

江上剛さんの「天国の兄貴へ」。まじめに読み込むと最後にやられ
ちゃいます。おお!そう、そうなるか、と。



等々、この路線はまだまだイケますねきっと。
もっとたくさんの作家さんのお手紙、拝読したいものです。


 総じて、文芸エンタメとして十分に楽しめました (^-^)/



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椎名誠さんのSF小説に「スキヤキ」という短編があります。
戦場へ行った夫への妻の手紙の形で語りが進むのですが、
今回のこの本を読んで思い出しました。また読みたいなぁ。。
本棚にまだあるかな。探してみようと思います。



1月に読んだ梶井基次郎の「檸檬」に納まっている「冬の日」。
朝に投函した友人に宛てた葉書は、彼の地で借家を探してくれ
るように頼んだものでしたが、気が変わって取りやめの葉書を
その日中に出しなおす場面があります。
今ならメールで即時伝えられることも、80年ほど前だと郵政
しか術が無かったのです。長閑なものですが、それはそれで
また趣のあるというか情緒豊かな交流であるような気がします。


(このところ「檸檬」を繰り返し読んでいます (^▽^;)ハマッテル!)

いつでも読みたい物語りⅡ

読了
ブルック・ニューマン 【ロストターン】


集英社文庫 2005年5月
訳 五木寛之
絵 リサ・ダークス




リトルターンの続編。
でも、まったく別のお話しとしていいでしょうね。

今回はコアジサシだけではなく不遇の漁師とのふたりのお話し。

嵐によって故郷の港から遠く離れてしまったコアザシ。海洋の彼方で
出会った漁師はその嵐のために妻と子を落雷の火災で家ごと失って
しまったオトコ。何もいらない。自暴自棄に近く、漁はしているけれ
ど生きることに疲れ果てているわけです。
コアジサシと漁師、こころは通じ合いふたりは夜空の星を見上げます。


所有することに意味は無い。無常観。生きるうえで大切な部分です。
形あるものは消え去る。生命も含めて。考えさせられます。


所有とはなんだろうか。
この地球に生を受けてそして死んでいく。当然ながら命も含めて、
この地上でのできごと。何を手に入れようと、それはこの地上、
そしてこの時においては、いっときの話しなのですが。地球の
総質量になにも変わることは無い。


物欲、所有欲というのはすごいなぁと思います。
わかっちゃいるけどやめられない。それは生きるうえでプログラム
された機能ですから。無ければならない。そしてその業、性によっ
て苦しみ、時にシアワセを感じ、生きていくのですね。



それでも、星を眺めているだけでは生きていけないよ。。

 なんてちょっとへそ曲がりな感想もあります (^▽^;)