復旧作業始まる/釧根各地
国内観測史上最大の地震となった東日本大震災の発生から2日経過した13日、釧路、根室地方ではけが人はないものの、厚岸町や浜中町でカキやウニの養殖施設が被災するなど、発生直後からの断続的な津波は各地に大きな爪痕を残した。12日夜には津波警報が解除され、13日から各地で本格的な復旧作業と被害調査が始まった。市民生活に少しずつ復旧の兆候が表れ始めたが、被害状況を各自治体はまだ把握しきれず確認を急いでいる。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110314/201103143.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110314/201103143.html
交通網ほぼ平常に回復/釧根地方
気象庁が北海道太平洋沿岸東部を津波警報から注意報に切り替えたことを受け、13日釧路・根室管内の国道や道道などの交通規制は解除され、JRも早朝の特急2本を除き平常運行を開始した。釧路市内の路線バスも平常運行となり、地震による交通の混乱は解消に向かっている。国道を管理する釧路開発建設部(安田修部長)は、地震発生直後の11日午後3時30分に安田部長を本部長とする地震災害対策本部を釧路地方合同庁舎の6階に立ち上げ、直後に国道38号、44号、244号の一部を通行止めにした。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110314/201103145.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110314/201103145.html
浸水で被害続出/釧路管内の各漁港
釧路管内の漁港は津波で市場の建物などが浸水し、釧路副港では市場の一部が使用できない状態に陥っている。浸水の影響で作業車両が動かなくなるなどの被害があり、市場関係者が復旧作業に追われた。釧路副港の釧路市漁協では、第3魚揚場内の卸売市場1階事務所が浸水。水に浸かった影響で荷揚げ作業用のフォークリフト4台などが稼働不能となった。一方、釧路川の河口にある釧路市東部漁協も、漁協事務所1階が浸水。道路を挟んで向い側にある倉庫も水浸しになった。倉庫に保管しているコンブに被害は無かったものの、汚水が流入したため消毒作業が必要な状況という。
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110314/201103142.html
釧路新聞
http://www.news-kushiro.jp/news/20110314/201103142.html
養殖業など深刻な打撃
公明党北海道本部の「東北地方太平洋沖地震対策本部」の稲津久本部長(衆院議員)らは13日、北海道釧路管内の釧路市、白糠町、浜中町、厚岸町を訪れ、各地の津波による被害状況を視察した。
釧路市内の商業施設「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」は、冠水によって電気も水道も止まった状態。一方、浜中、厚岸の両町では、地域の基幹産業となっているウニやカキなどの養殖関係施設が壊滅的な打撃を受けた。関係者から説明を受けた稲津氏は、「復旧支援に全力を挙げる」と語った。なお、同日、横山信一参院議員と佐藤ひでみち、かね国よしすけの両道議らは、胆振管内の白老町や室蘭市などを訪れ、ホタテ養殖などの漁業被害を調査した。
公明新聞
http://www.komei.or.jp/news/detail/20110314_4711
釧路市内の商業施設「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」は、冠水によって電気も水道も止まった状態。一方、浜中、厚岸の両町では、地域の基幹産業となっているウニやカキなどの養殖関係施設が壊滅的な打撃を受けた。関係者から説明を受けた稲津氏は、「復旧支援に全力を挙げる」と語った。なお、同日、横山信一参院議員と佐藤ひでみち、かね国よしすけの両道議らは、胆振管内の白老町や室蘭市などを訪れ、ホタテ養殖などの漁業被害を調査した。
公明新聞
http://www.komei.or.jp/news/detail/20110314_4711
東日本大震災:道内外への輸送網寸断 市民生活へ影響懸念 /北海道
◇スタンドが給油制限
東日本大震災の影響で、JR貨物やフェリーなど道内外を結ぶ輸送網が寸断され、市民生活への影響が懸念されている。道内の一部ガソリンスタンドはガソリン不足を予想して給油制限を実施。生鮮食品や加工食品の出入荷ができなくなるケースも出始めているほか、東北向けの宅配も各業者は集荷を取りやめている。また、本州側の電力不足のため、北海道電力は13日、20万世帯分に相当する電力60万キロワットの送電を始めた。【久野華代、佐藤心哉】
■ガソリン
ガソリンスタンド269店舗を経営する「北海道エネルギー」(札幌市中央区)は12日から1回の給油を20リットルに制限した。1リットルの価格は149円。白石区の会社員、戸板陽平さん(38)は「満タンの半分しか入れられず、しかも価格が高い。道内でこんな事が起こるとは思わなかった」と驚いた様子。男性従業員(27)は「もうガソリンの残量が切れそうになっている。入荷しなければ今後どうなるのか」と不安そうに話した。
JRや国道の規制解除に伴い、道内最大の製油能力を持つJX日鉱日石エネルギー室蘭製油所は14日、陸送による製品出荷を再開する方針。津波注意報も解除されたため、出荷の7割以上を占める船舶輸送の再開にもメドが立った形だ。しかし、同社は「実際にガソリンを入荷するまでは販売制限をするところがあると思う」と指摘する。また、道内製品を被災地に出荷することもあり得ることから、今後も影響が続く可能性もある。
■生鮮品・書籍
道内外を結ぶフェリー6社11路線のうち仙台や大洗など5路線が運休している。震災で被害を受けた本州各港は復旧のメドが立っていないからだ。釧路市の三ツ輪運輸によると、生乳を茨城・日立港に運んでいた「ほくれん丸」は荷下ろしできずに釧路港に帰港したという。13日に入港禁止が解除された苫小牧港では貨物船14隻が続々と入港する一方、本州行きのフェリー9隻が出航できないまま沖合で待機しており、今後の消費物資の輸送に支障が出る恐れもある。
また、JR貨物北海道支社は東北地方の路線が寸断され、道外への物資輸送がストップ。紀伊国屋書店札幌本店によると、陸路と海路が寸断された結果、14日発売の漫画週刊誌「少年ジャンプ」(集英社)や「月刊ヤングマガジン」(講談社)など約70種類の入荷のメドが立っていないという。今週は入荷予定の400~500種類の書籍が入荷できない見通しだ。
■宅配・電力
日本郵便北海道支社は宅配便サービス「ゆうパック」で東北地方・茨城県への発送受け付けを取りやめており、佐川急便とヤマト運輸でも同様の措置を取っている。道外で受け付けた宅配便も道内への到着が遅れているほか、東北・茨城以外の地域への発送も今後は到着が遅れる可能性があるという。また、日本郵便ははがきや手紙について、「避難所を探して配達努力をするが、やむを得ず返却する場合もある」としている。
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の爆発事故などで、電力供給量が低下していることから、災害時の相互協力協定を結んでいる北海道電力は13日、津軽海峡の海底ケーブルで送電できる最大電力60万キロワットの送電を始めた。東京電力は地域ごとに停電を行う「計画停電」を実施するが、北電は「道外への供給により道内で停電が起きるなど電力不足に陥ることはない」と説明している。
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110314ddlk01040122000c.html
東日本大震災の影響で、JR貨物やフェリーなど道内外を結ぶ輸送網が寸断され、市民生活への影響が懸念されている。道内の一部ガソリンスタンドはガソリン不足を予想して給油制限を実施。生鮮食品や加工食品の出入荷ができなくなるケースも出始めているほか、東北向けの宅配も各業者は集荷を取りやめている。また、本州側の電力不足のため、北海道電力は13日、20万世帯分に相当する電力60万キロワットの送電を始めた。【久野華代、佐藤心哉】
■ガソリン
ガソリンスタンド269店舗を経営する「北海道エネルギー」(札幌市中央区)は12日から1回の給油を20リットルに制限した。1リットルの価格は149円。白石区の会社員、戸板陽平さん(38)は「満タンの半分しか入れられず、しかも価格が高い。道内でこんな事が起こるとは思わなかった」と驚いた様子。男性従業員(27)は「もうガソリンの残量が切れそうになっている。入荷しなければ今後どうなるのか」と不安そうに話した。
JRや国道の規制解除に伴い、道内最大の製油能力を持つJX日鉱日石エネルギー室蘭製油所は14日、陸送による製品出荷を再開する方針。津波注意報も解除されたため、出荷の7割以上を占める船舶輸送の再開にもメドが立った形だ。しかし、同社は「実際にガソリンを入荷するまでは販売制限をするところがあると思う」と指摘する。また、道内製品を被災地に出荷することもあり得ることから、今後も影響が続く可能性もある。
■生鮮品・書籍
道内外を結ぶフェリー6社11路線のうち仙台や大洗など5路線が運休している。震災で被害を受けた本州各港は復旧のメドが立っていないからだ。釧路市の三ツ輪運輸によると、生乳を茨城・日立港に運んでいた「ほくれん丸」は荷下ろしできずに釧路港に帰港したという。13日に入港禁止が解除された苫小牧港では貨物船14隻が続々と入港する一方、本州行きのフェリー9隻が出航できないまま沖合で待機しており、今後の消費物資の輸送に支障が出る恐れもある。
また、JR貨物北海道支社は東北地方の路線が寸断され、道外への物資輸送がストップ。紀伊国屋書店札幌本店によると、陸路と海路が寸断された結果、14日発売の漫画週刊誌「少年ジャンプ」(集英社)や「月刊ヤングマガジン」(講談社)など約70種類の入荷のメドが立っていないという。今週は入荷予定の400~500種類の書籍が入荷できない見通しだ。
■宅配・電力
日本郵便北海道支社は宅配便サービス「ゆうパック」で東北地方・茨城県への発送受け付けを取りやめており、佐川急便とヤマト運輸でも同様の措置を取っている。道外で受け付けた宅配便も道内への到着が遅れているほか、東北・茨城以外の地域への発送も今後は到着が遅れる可能性があるという。また、日本郵便ははがきや手紙について、「避難所を探して配達努力をするが、やむを得ず返却する場合もある」としている。
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の爆発事故などで、電力供給量が低下していることから、災害時の相互協力協定を結んでいる北海道電力は13日、津軽海峡の海底ケーブルで送電できる最大電力60万キロワットの送電を始めた。東京電力は地域ごとに停電を行う「計画停電」を実施するが、北電は「道外への供給により道内で停電が起きるなど電力不足に陥ることはない」と説明している。
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110314ddlk01040122000c.html
東日本大震災:津波被害地、知事が視察--十勝港など /北海道
高橋はるみ知事は13日、津波被害を受けた浦河、えりも、広尾3町の港などを視察した。十勝港では、床上浸水した加工場などを回り、広尾漁協の亀田元教組合長から漁業被害の説明を受けた。
十勝港は岸壁が津波で覆われ、漁船82隻中、39隻が沖合に流出。このうち1隻が沈没した。同漁協も約2メートルほど海水につかり、付近の住宅12戸も床上浸水の被害に遭った。高橋知事は、後片付けに追われる住民らにも声を掛け、励ました。
高橋知事は「三つの町を視察し、漁業や住宅への被害を実感した。スピード感を持って対応に当たりたい。今後は函館や釧路なども視察し、被害状況をとりまとめ、対策の方向性を示したい」と話した。【三沢邦彦】
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110314ddlk01040124000c.html
十勝港は岸壁が津波で覆われ、漁船82隻中、39隻が沖合に流出。このうち1隻が沈没した。同漁協も約2メートルほど海水につかり、付近の住宅12戸も床上浸水の被害に遭った。高橋知事は、後片付けに追われる住民らにも声を掛け、励ました。
高橋知事は「三つの町を視察し、漁業や住宅への被害を実感した。スピード感を持って対応に当たりたい。今後は函館や釧路なども視察し、被害状況をとりまとめ、対策の方向性を示したい」と話した。【三沢邦彦】
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110314ddlk01040124000c.html
釧路の不明船長ら3人無事 宮城・気仙沼港で被災
【釧路】宮城県の気仙沼港に出漁中、東日本大震災発生後に連絡が取れなくなっていたマグロはえ縄漁船「第11みのる丸」(加藤充則船長、19トン、釧路市東部漁協所属)の乗組員3人の無事が14日未明、確認された。
3人は加藤船長(46)と、昇さん(51)、朗さん(44)の兄弟3人=いずれも釧路市知人町5=。同日午前1時20分ごろ、加藤船長から長兄光一さん(52)=同住所=に携帯電話で連絡が入った。
光一さんによると、3人は地震発生直後、津波をかわすため船で沖に向かったが大型漁船と衝突し、港内の造船場に打ち上げられた。その後、近くの山に逃げ込み、翌朝から気仙沼市役所に避難しているという。
3人の無事を聞き、母洋子さん(78)は「無事で良かった」と涙ぐみながら話した。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277912.html
3人は加藤船長(46)と、昇さん(51)、朗さん(44)の兄弟3人=いずれも釧路市知人町5=。同日午前1時20分ごろ、加藤船長から長兄光一さん(52)=同住所=に携帯電話で連絡が入った。
光一さんによると、3人は地震発生直後、津波をかわすため船で沖に向かったが大型漁船と衝突し、港内の造船場に打ち上げられた。その後、近くの山に逃げ込み、翌朝から気仙沼市役所に避難しているという。
3人の無事を聞き、母洋子さん(78)は「無事で良かった」と涙ぐみながら話した。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277912.html
温厚な人柄しのび悼む声 釧路
【釧路】釧路市連合町内会会長、矢野忠治さん(85)の突然の訃報に、10日、釧路の関係者は悲しみに包まれた。特攻隊員、幕内力士、釧路市議、町内会長-。異色の経歴を持つ矢野さんの誠実で温厚な人柄をしのび、死を悼む声が相次いだ。
町内会活動をはじめ、釧路相撲連盟会長や釧路市交通安全指導員会会長など数多くの公職を兼務し、多忙な日々を送っていた。しかし、昨年6月に体調を崩して入院した後は入退院を繰り返していたという。
秋田県出身の矢野さんは戦後の1946年、大相撲伊勢ノ海部屋に入門。幕内の前頭17枚目まで昇進した。矢野さんの助言を受け、今夏に一時予定していた大相撲釧路巡業の準備に携わった上田徳郎さん(62)は「相撲で鍛えた心身で誰でも受け入れる大きな人だった。釧路巡業でもう一度土俵に立つ姿を見たかった」と肩を落とす。
本州製紙釧路工場に勤務していた69年から釧路市議を4期、市議会議長も務めた。後援会長を務め公私ともに親交のある市内大楽毛の会社役員三宮久蔵さん(82)は「選挙の街頭演説で相撲甚句を歌い大拍手を浴びた」と振り返る。矢野さんは戦時中、特攻隊の沖縄戦闘要員となり、終戦で出撃を免れた。死んでいった仲間を思い涙することもあったという。三宮さんは「苦労してきただけに人の気持ちを大事にする人だった」と話す。
97年に市連合町内会会長に就任し、町内会の加入促進やまちづくり全般に尽力。蝦名大也市長は「安全で安心な釧路のまちづくりについて多くのことを教えていただき、感謝の念で一杯」と追悼のコメントを寄せた。
釧路市議会の二瓶雄吉議長は「この4年間、議会改革を進める中で、議会の先輩として厳しくも温かい指導、助言をいただいた」としのんだ。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/277948.html
町内会活動をはじめ、釧路相撲連盟会長や釧路市交通安全指導員会会長など数多くの公職を兼務し、多忙な日々を送っていた。しかし、昨年6月に体調を崩して入院した後は入退院を繰り返していたという。
秋田県出身の矢野さんは戦後の1946年、大相撲伊勢ノ海部屋に入門。幕内の前頭17枚目まで昇進した。矢野さんの助言を受け、今夏に一時予定していた大相撲釧路巡業の準備に携わった上田徳郎さん(62)は「相撲で鍛えた心身で誰でも受け入れる大きな人だった。釧路巡業でもう一度土俵に立つ姿を見たかった」と肩を落とす。
本州製紙釧路工場に勤務していた69年から釧路市議を4期、市議会議長も務めた。後援会長を務め公私ともに親交のある市内大楽毛の会社役員三宮久蔵さん(82)は「選挙の街頭演説で相撲甚句を歌い大拍手を浴びた」と振り返る。矢野さんは戦時中、特攻隊の沖縄戦闘要員となり、終戦で出撃を免れた。死んでいった仲間を思い涙することもあったという。三宮さんは「苦労してきただけに人の気持ちを大事にする人だった」と話す。
97年に市連合町内会会長に就任し、町内会の加入促進やまちづくり全般に尽力。蝦名大也市長は「安全で安心な釧路のまちづくりについて多くのことを教えていただき、感謝の念で一杯」と追悼のコメントを寄せた。
釧路市議会の二瓶雄吉議長は「この4年間、議会改革を進める中で、議会の先輩として厳しくも温かい指導、助言をいただいた」としのんだ。
北海道新聞
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物流まひ 道民生活直撃 生鮮食料品の値上がり懸念
東日本大震災による交通網の分断で、道内でも支障が出始めた。地震直後から本州方面とを結ぶ鉄路やフェリーが止まり、貨物や生鮮食料品を輸送しづらい状況が続く。物流まひが長引けば、日用品の品薄状態や価格上昇など道民生活に深刻な影響を及ぼす可能性もある。
JR貨物は、地震発生直後の11日午後3時ごろから運行を全面ストップした。北海道から本州へは農産物や自動車部品を運び、本州からは主に書籍・雑誌や宅配便などを載せる鉄路の大動脈。「春は引っ越しシーズンで稼ぎ時だが再開のめどは立たない」(道支社)という。
本州からの生鮮食料品の主な運搬手段となるトラックも、フェリーの運航停止で足止めを強いられている。フェリー各社は、津波警報の解除後に運航を再開する方針だが、地震前のような物流回復には「被災地の道路状況の確認などで1、2週間かかる」(津軽海峡フェリー)との見方もある。
十勝管内などで21店舗を展開するスーパーダイイチ(帯広)は「この時季の野菜や果物はほとんどが本州産で、仕入れへの影響は必至」と話す。札幌市中央卸売市場は「宮城県沖にはサバやバチマグロの漁場があり、しばらく入荷は途絶えるはず。鮮魚の価格は全般に高くなるだろう」とみる。
燃料も品薄状態になりつつある。ガソリン貯蔵基地である苫小牧や釧路などの港へ運搬車が出入りできないため、元売り会社が市場への出荷を見合わせているためだ。仙台など被災地の複数の製油所が操業停止に追い込まれたこともあり、全国的にガソリンや灯油の品薄状態が長期化する恐れもある。
道内ガソリンスタンド経営大手の北海道エネルギー(札幌)は12日から、一般車両へのレギュラーガソリン販売を1台当たり20リットル以下に抑えた。8店舗を展開する札幌河辺石油(札幌)も同様の措置を取り、「満タンでの販売はできないとお客さんに頭を下げてお願いしています」。
ビートなどの苗をビニールハウスで育てる時期に入った農家も不安を募らせる。保温に灯油が必要なためで、十勝農協連の山本勝博会長は「雪解け後はトラクターなどにも軽油を使う。必要な量をすべて確保するのは難しいのではないか」と話す。
一方、日本郵政は宅配便「ゆうパック」の東北6県、茨城県向け荷物の引き受けを取りやめた。道内間や首都圏向けについては、配達日数が遅れる可能性を客に理解してもらった上で受け付けている。ほかの宅配便会社も、ほぼ同様の措置を続けている。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277584.html
JR貨物は、地震発生直後の11日午後3時ごろから運行を全面ストップした。北海道から本州へは農産物や自動車部品を運び、本州からは主に書籍・雑誌や宅配便などを載せる鉄路の大動脈。「春は引っ越しシーズンで稼ぎ時だが再開のめどは立たない」(道支社)という。
本州からの生鮮食料品の主な運搬手段となるトラックも、フェリーの運航停止で足止めを強いられている。フェリー各社は、津波警報の解除後に運航を再開する方針だが、地震前のような物流回復には「被災地の道路状況の確認などで1、2週間かかる」(津軽海峡フェリー)との見方もある。
十勝管内などで21店舗を展開するスーパーダイイチ(帯広)は「この時季の野菜や果物はほとんどが本州産で、仕入れへの影響は必至」と話す。札幌市中央卸売市場は「宮城県沖にはサバやバチマグロの漁場があり、しばらく入荷は途絶えるはず。鮮魚の価格は全般に高くなるだろう」とみる。
燃料も品薄状態になりつつある。ガソリン貯蔵基地である苫小牧や釧路などの港へ運搬車が出入りできないため、元売り会社が市場への出荷を見合わせているためだ。仙台など被災地の複数の製油所が操業停止に追い込まれたこともあり、全国的にガソリンや灯油の品薄状態が長期化する恐れもある。
道内ガソリンスタンド経営大手の北海道エネルギー(札幌)は12日から、一般車両へのレギュラーガソリン販売を1台当たり20リットル以下に抑えた。8店舗を展開する札幌河辺石油(札幌)も同様の措置を取り、「満タンでの販売はできないとお客さんに頭を下げてお願いしています」。
ビートなどの苗をビニールハウスで育てる時期に入った農家も不安を募らせる。保温に灯油が必要なためで、十勝農協連の山本勝博会長は「雪解け後はトラクターなどにも軽油を使う。必要な量をすべて確保するのは難しいのではないか」と話す。
一方、日本郵政は宅配便「ゆうパック」の東北6県、茨城県向け荷物の引き受けを取りやめた。道内間や首都圏向けについては、配達日数が遅れる可能性を客に理解してもらった上で受け付けている。ほかの宅配便会社も、ほぼ同様の措置を続けている。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277584.html
漁業被害 各地で億単位 ハタハタ・コンブ漁も打撃
東日本大震災による漁業被害を調べるため、道と道漁連などは12日、合同対策本部を設置した。被害額を「億単位」と試算する自治体もあり、道水産林務部は「どの程度の被害になるか見当がつかない」と話している。
内浦湾では、渡島管内鹿部町から室蘭市までの8漁協のホタテ養殖施設が被害を受けた。鹿部町ではコンブが養殖用ロープから外れ、7割ほどが沖に流されたといい、同町は「被害額はコンブだけで億単位になる」と説明する。
釧路管内厚岸町でもカキの養殖施設が「壊滅的な被害」(厚岸漁協)に遭った。
日高管内えりも町では道栽培漁業えりもセンターの電気系統が浸水で故障したため、ハタハタの卵が全滅。海水循環や温度管理の設備が使えなくなり、その復旧だけで1億円以上がかかる見通しだ。同町内の種苗生産施設では稚ウニを飼育する水槽が折り重なるように倒れ、十勝管内豊頃町ではマツカワなどの中間育苗施設が浸水した。
また、日高管内浦河町の浦河港では、イカ漁に使う魚箱約7千個が港内に流出。同管内様似町では、港から40メートル内陸にある水産加工場のタコとサケ計15トンが水につかり、被害額は約800万円に上るという。
津波による漁船の沈没や流出は、浦河港や豊頃町の大津漁港、函館港など全道各地で相次いだ。北海道新聞のまとめによると、被害隻数は少なくとも130隻、第1管区海上保安本部(小樽)が12日午後4時までに行った調査でも110隻以上に上る。
根室、釧路管内のサンマ漁船など14隻が宮城県内で整備中に被災したことも分かった。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277586.html
内浦湾では、渡島管内鹿部町から室蘭市までの8漁協のホタテ養殖施設が被害を受けた。鹿部町ではコンブが養殖用ロープから外れ、7割ほどが沖に流されたといい、同町は「被害額はコンブだけで億単位になる」と説明する。
釧路管内厚岸町でもカキの養殖施設が「壊滅的な被害」(厚岸漁協)に遭った。
日高管内えりも町では道栽培漁業えりもセンターの電気系統が浸水で故障したため、ハタハタの卵が全滅。海水循環や温度管理の設備が使えなくなり、その復旧だけで1億円以上がかかる見通しだ。同町内の種苗生産施設では稚ウニを飼育する水槽が折り重なるように倒れ、十勝管内豊頃町ではマツカワなどの中間育苗施設が浸水した。
また、日高管内浦河町の浦河港では、イカ漁に使う魚箱約7千個が港内に流出。同管内様似町では、港から40メートル内陸にある水産加工場のタコとサケ計15トンが水につかり、被害額は約800万円に上るという。
津波による漁船の沈没や流出は、浦河港や豊頃町の大津漁港、函館港など全道各地で相次いだ。北海道新聞のまとめによると、被害隻数は少なくとも130隻、第1管区海上保安本部(小樽)が12日午後4時までに行った調査でも110隻以上に上る。
根室、釧路管内のサンマ漁船など14隻が宮城県内で整備中に被災したことも分かった。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277586.html