東日本大震災:道内外への輸送網寸断 市民生活へ影響懸念 /北海道
◇スタンドが給油制限
東日本大震災の影響で、JR貨物やフェリーなど道内外を結ぶ輸送網が寸断され、市民生活への影響が懸念されている。道内の一部ガソリンスタンドはガソリン不足を予想して給油制限を実施。生鮮食品や加工食品の出入荷ができなくなるケースも出始めているほか、東北向けの宅配も各業者は集荷を取りやめている。また、本州側の電力不足のため、北海道電力は13日、20万世帯分に相当する電力60万キロワットの送電を始めた。【久野華代、佐藤心哉】
■ガソリン
ガソリンスタンド269店舗を経営する「北海道エネルギー」(札幌市中央区)は12日から1回の給油を20リットルに制限した。1リットルの価格は149円。白石区の会社員、戸板陽平さん(38)は「満タンの半分しか入れられず、しかも価格が高い。道内でこんな事が起こるとは思わなかった」と驚いた様子。男性従業員(27)は「もうガソリンの残量が切れそうになっている。入荷しなければ今後どうなるのか」と不安そうに話した。
JRや国道の規制解除に伴い、道内最大の製油能力を持つJX日鉱日石エネルギー室蘭製油所は14日、陸送による製品出荷を再開する方針。津波注意報も解除されたため、出荷の7割以上を占める船舶輸送の再開にもメドが立った形だ。しかし、同社は「実際にガソリンを入荷するまでは販売制限をするところがあると思う」と指摘する。また、道内製品を被災地に出荷することもあり得ることから、今後も影響が続く可能性もある。
■生鮮品・書籍
道内外を結ぶフェリー6社11路線のうち仙台や大洗など5路線が運休している。震災で被害を受けた本州各港は復旧のメドが立っていないからだ。釧路市の三ツ輪運輸によると、生乳を茨城・日立港に運んでいた「ほくれん丸」は荷下ろしできずに釧路港に帰港したという。13日に入港禁止が解除された苫小牧港では貨物船14隻が続々と入港する一方、本州行きのフェリー9隻が出航できないまま沖合で待機しており、今後の消費物資の輸送に支障が出る恐れもある。
また、JR貨物北海道支社は東北地方の路線が寸断され、道外への物資輸送がストップ。紀伊国屋書店札幌本店によると、陸路と海路が寸断された結果、14日発売の漫画週刊誌「少年ジャンプ」(集英社)や「月刊ヤングマガジン」(講談社)など約70種類の入荷のメドが立っていないという。今週は入荷予定の400~500種類の書籍が入荷できない見通しだ。
■宅配・電力
日本郵便北海道支社は宅配便サービス「ゆうパック」で東北地方・茨城県への発送受け付けを取りやめており、佐川急便とヤマト運輸でも同様の措置を取っている。道外で受け付けた宅配便も道内への到着が遅れているほか、東北・茨城以外の地域への発送も今後は到着が遅れる可能性があるという。また、日本郵便ははがきや手紙について、「避難所を探して配達努力をするが、やむを得ず返却する場合もある」としている。
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の爆発事故などで、電力供給量が低下していることから、災害時の相互協力協定を結んでいる北海道電力は13日、津軽海峡の海底ケーブルで送電できる最大電力60万キロワットの送電を始めた。東京電力は地域ごとに停電を行う「計画停電」を実施するが、北電は「道外への供給により道内で停電が起きるなど電力不足に陥ることはない」と説明している。
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110314ddlk01040122000c.html
東日本大震災の影響で、JR貨物やフェリーなど道内外を結ぶ輸送網が寸断され、市民生活への影響が懸念されている。道内の一部ガソリンスタンドはガソリン不足を予想して給油制限を実施。生鮮食品や加工食品の出入荷ができなくなるケースも出始めているほか、東北向けの宅配も各業者は集荷を取りやめている。また、本州側の電力不足のため、北海道電力は13日、20万世帯分に相当する電力60万キロワットの送電を始めた。【久野華代、佐藤心哉】
■ガソリン
ガソリンスタンド269店舗を経営する「北海道エネルギー」(札幌市中央区)は12日から1回の給油を20リットルに制限した。1リットルの価格は149円。白石区の会社員、戸板陽平さん(38)は「満タンの半分しか入れられず、しかも価格が高い。道内でこんな事が起こるとは思わなかった」と驚いた様子。男性従業員(27)は「もうガソリンの残量が切れそうになっている。入荷しなければ今後どうなるのか」と不安そうに話した。
JRや国道の規制解除に伴い、道内最大の製油能力を持つJX日鉱日石エネルギー室蘭製油所は14日、陸送による製品出荷を再開する方針。津波注意報も解除されたため、出荷の7割以上を占める船舶輸送の再開にもメドが立った形だ。しかし、同社は「実際にガソリンを入荷するまでは販売制限をするところがあると思う」と指摘する。また、道内製品を被災地に出荷することもあり得ることから、今後も影響が続く可能性もある。
■生鮮品・書籍
道内外を結ぶフェリー6社11路線のうち仙台や大洗など5路線が運休している。震災で被害を受けた本州各港は復旧のメドが立っていないからだ。釧路市の三ツ輪運輸によると、生乳を茨城・日立港に運んでいた「ほくれん丸」は荷下ろしできずに釧路港に帰港したという。13日に入港禁止が解除された苫小牧港では貨物船14隻が続々と入港する一方、本州行きのフェリー9隻が出航できないまま沖合で待機しており、今後の消費物資の輸送に支障が出る恐れもある。
また、JR貨物北海道支社は東北地方の路線が寸断され、道外への物資輸送がストップ。紀伊国屋書店札幌本店によると、陸路と海路が寸断された結果、14日発売の漫画週刊誌「少年ジャンプ」(集英社)や「月刊ヤングマガジン」(講談社)など約70種類の入荷のメドが立っていないという。今週は入荷予定の400~500種類の書籍が入荷できない見通しだ。
■宅配・電力
日本郵便北海道支社は宅配便サービス「ゆうパック」で東北地方・茨城県への発送受け付けを取りやめており、佐川急便とヤマト運輸でも同様の措置を取っている。道外で受け付けた宅配便も道内への到着が遅れているほか、東北・茨城以外の地域への発送も今後は到着が遅れる可能性があるという。また、日本郵便ははがきや手紙について、「避難所を探して配達努力をするが、やむを得ず返却する場合もある」としている。
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の爆発事故などで、電力供給量が低下していることから、災害時の相互協力協定を結んでいる北海道電力は13日、津軽海峡の海底ケーブルで送電できる最大電力60万キロワットの送電を始めた。東京電力は地域ごとに停電を行う「計画停電」を実施するが、北電は「道外への供給により道内で停電が起きるなど電力不足に陥ることはない」と説明している。
毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110314ddlk01040122000c.html