漁業被害 各地で億単位 ハタハタ・コンブ漁も打撃 | くしろぐ

漁業被害 各地で億単位 ハタハタ・コンブ漁も打撃

東日本大震災による漁業被害を調べるため、道と道漁連などは12日、合同対策本部を設置した。被害額を「億単位」と試算する自治体もあり、道水産林務部は「どの程度の被害になるか見当がつかない」と話している。

内浦湾では、渡島管内鹿部町から室蘭市までの8漁協のホタテ養殖施設が被害を受けた。鹿部町ではコンブが養殖用ロープから外れ、7割ほどが沖に流されたといい、同町は「被害額はコンブだけで億単位になる」と説明する。

釧路管内厚岸町でもカキの養殖施設が「壊滅的な被害」(厚岸漁協)に遭った。

日高管内えりも町では道栽培漁業えりもセンターの電気系統が浸水で故障したため、ハタハタの卵が全滅。海水循環や温度管理の設備が使えなくなり、その復旧だけで1億円以上がかかる見通しだ。同町内の種苗生産施設では稚ウニを飼育する水槽が折り重なるように倒れ、十勝管内豊頃町ではマツカワなどの中間育苗施設が浸水した。

また、日高管内浦河町の浦河港では、イカ漁に使う魚箱約7千個が港内に流出。同管内様似町では、港から40メートル内陸にある水産加工場のタコとサケ計15トンが水につかり、被害額は約800万円に上るという。

津波による漁船の沈没や流出は、浦河港や豊頃町の大津漁港、函館港など全道各地で相次いだ。北海道新聞のまとめによると、被害隻数は少なくとも130隻、第1管区海上保安本部(小樽)が12日午後4時までに行った調査でも110隻以上に上る。

根室、釧路管内のサンマ漁船など14隻が宮城県内で整備中に被災したことも分かった。

北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/277586.html