温厚な人柄しのび悼む声 釧路
【釧路】釧路市連合町内会会長、矢野忠治さん(85)の突然の訃報に、10日、釧路の関係者は悲しみに包まれた。特攻隊員、幕内力士、釧路市議、町内会長-。異色の経歴を持つ矢野さんの誠実で温厚な人柄をしのび、死を悼む声が相次いだ。
町内会活動をはじめ、釧路相撲連盟会長や釧路市交通安全指導員会会長など数多くの公職を兼務し、多忙な日々を送っていた。しかし、昨年6月に体調を崩して入院した後は入退院を繰り返していたという。
秋田県出身の矢野さんは戦後の1946年、大相撲伊勢ノ海部屋に入門。幕内の前頭17枚目まで昇進した。矢野さんの助言を受け、今夏に一時予定していた大相撲釧路巡業の準備に携わった上田徳郎さん(62)は「相撲で鍛えた心身で誰でも受け入れる大きな人だった。釧路巡業でもう一度土俵に立つ姿を見たかった」と肩を落とす。
本州製紙釧路工場に勤務していた69年から釧路市議を4期、市議会議長も務めた。後援会長を務め公私ともに親交のある市内大楽毛の会社役員三宮久蔵さん(82)は「選挙の街頭演説で相撲甚句を歌い大拍手を浴びた」と振り返る。矢野さんは戦時中、特攻隊の沖縄戦闘要員となり、終戦で出撃を免れた。死んでいった仲間を思い涙することもあったという。三宮さんは「苦労してきただけに人の気持ちを大事にする人だった」と話す。
97年に市連合町内会会長に就任し、町内会の加入促進やまちづくり全般に尽力。蝦名大也市長は「安全で安心な釧路のまちづくりについて多くのことを教えていただき、感謝の念で一杯」と追悼のコメントを寄せた。
釧路市議会の二瓶雄吉議長は「この4年間、議会改革を進める中で、議会の先輩として厳しくも温かい指導、助言をいただいた」としのんだ。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/277948.html
町内会活動をはじめ、釧路相撲連盟会長や釧路市交通安全指導員会会長など数多くの公職を兼務し、多忙な日々を送っていた。しかし、昨年6月に体調を崩して入院した後は入退院を繰り返していたという。
秋田県出身の矢野さんは戦後の1946年、大相撲伊勢ノ海部屋に入門。幕内の前頭17枚目まで昇進した。矢野さんの助言を受け、今夏に一時予定していた大相撲釧路巡業の準備に携わった上田徳郎さん(62)は「相撲で鍛えた心身で誰でも受け入れる大きな人だった。釧路巡業でもう一度土俵に立つ姿を見たかった」と肩を落とす。
本州製紙釧路工場に勤務していた69年から釧路市議を4期、市議会議長も務めた。後援会長を務め公私ともに親交のある市内大楽毛の会社役員三宮久蔵さん(82)は「選挙の街頭演説で相撲甚句を歌い大拍手を浴びた」と振り返る。矢野さんは戦時中、特攻隊の沖縄戦闘要員となり、終戦で出撃を免れた。死んでいった仲間を思い涙することもあったという。三宮さんは「苦労してきただけに人の気持ちを大事にする人だった」と話す。
97年に市連合町内会会長に就任し、町内会の加入促進やまちづくり全般に尽力。蝦名大也市長は「安全で安心な釧路のまちづくりについて多くのことを教えていただき、感謝の念で一杯」と追悼のコメントを寄せた。
釧路市議会の二瓶雄吉議長は「この4年間、議会改革を進める中で、議会の先輩として厳しくも温かい指導、助言をいただいた」としのんだ。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/277948.html