雰囲気 ふんいき ふいんき〈1〉資料編 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【25】 

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979086327&owner_id=5019671 

 

mixi日記2021年05月30日から 

 

 mixiニュースが「雰囲気」を「ふいんき」と読む話について取り上げていた。 

 いい機会なので少し書いてみようかと思っていたら、マイミクがすばらしい日記を書いた。 

 調べものに関しては、当方がやるよりずっと突っ込んでいる気がするので、許可をもらってまるっと(←よしなさい!)引用する。 

 

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こういう記事が出ると、大体コメントは「言わねえし聞いたこともねえよ」「漢字の読み方知らねえのか」「低学歴乙」派と「それは音位転換と言ってだな」派にわかれる。 

あたしも「ふいんき」とは言わないし、周りにそう言っている人もいない。 

が、そう言っている人が一定数いるのも知っている。 

虚構新聞がネタにしたところを見るに、「ふんいき」派が思っている以上に「ふいんき」読みは浸透しているのかもしれない。 

【「ふいんき」新字採用で正式語に昇格へ 検討委方針 】 

https://kyoko-np.net/2019012901.html 

 

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ネットで検索していたら、こういう調査結果があった。 

【『雰囲気』を『ふいんき』と読みますか?】 

http://pro.tok2.com/~nhg/reserch-2/reserch1-99.htm 

 

フォト 

 

個人ブログの調査で時期もかなり古い(2004年)けど、ある程度の参考にはなると思う。 

細かいところは端折るけど、10代から20代は「自分は読む」「周囲にいる」の割合が他年代より突出して多い。 

さらに窪薗晴夫『通じない日本語』(平凡社新書、2017年)によると、関西の大学生100余名を対象に調査したところ、約70%が「『ふんいき』より『ふいんき』と言う」と回答し、また約80%が「『ふいんき』の方をより耳にする」と回答しているそうな。 

https://bit.ly/3wCUJCe 

 

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この二つの調査から、若い人の方が「ふいんき」と言う傾向があると言えるだろう(後掲のNHK放送文化研究所の記事によると、40代の割合が大きくなっているそうだが)。 

「『ふいんき』なんて言わねえし聞かねえよ」という人は、あたしを含めとしよ…中高年が多いんだと思う。 

 

面白いのは、「『ふんいき』と読みながら、『雰囲気』と正しく書く人が97%いる」ことと、「『ふんいき』が正しいと知っているけど、『ふいんき』の方が発音しやすい」と答える人が多いこと。 

ここで「漢字の読み方知らねえ説」はほぼ否定される。 

正しい漢字や読みを知らずに「ふいんき」と言う人もそりゃいるけど、少なくとも調査対象の大学生の多くは、正しい読みを知っていても「言いやすい」から「ふいんき」を使っているのだ。 

「調査した大学ったってどーせFランだろ」と言う人もいるだろうが(あたしもちょっと思った)、窪薗晴夫氏って大阪外国語大学助教授から神戸大学大学院教授になった方だそうなので、「以前調査した関西の国立大学」は、統合前の大阪外大か神戸大のどちらかだろう。 

このことから「『ふいんき』と読む奴低学歴(バカ)説」も多分成立しないと思う。 

大学に行っているからって常識を知っているとは限らないけど。 

 

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しかし音位転換説だけで説明できるのかというと、どうやらそうでもないらしい。 

これもちと古いが、「『ふいんき』とは聞こえないが、『ふい~き』とは聞こえる」と書いている個人サイトがあった。 

【「音位転換」ではない――「フインキ現象」についての一考察】 

http://www.ne.jp/asahi/chambre/claire/atm.html 

 

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筆者はフランス語翻訳者だそうだが、それこそ個人の感覚というか周りがそうなだけなんじゃね?と思ったけど、NHK放送文化研究所のサイトにこんな記事もあった。 

【「雰囲気」は[フインキ]? [フンイキ]?】 

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20181101_3.html 

 

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「ふんいき」から「ふいんき」になるまでに、何段階かの変化があるらしい。という論文があるそうで、この変化に「ふい~き」([フイーキ])も入っている。 

この論文はネット上では読めなさそうなので(なんらかの手続きを踏めばできるのかもしれんがやる気はない)細かいことはわからんのだが、このような変遷を辿っての結果が「ふいんき」なら、「ふ『ん⇔い』き」という単純な音位転換ではないことになる。 

 

あたしもずっと音位転換だと思ってたんだけど、やっぱ日本語難しいわ。 

 

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あと、さっき「フンイキ>フインキの変化から音位転換について考える」で検索していたら、こんなのもありました。 

【分け入っても分け入っても日本語-「ふいんき」「サザンカ」】( 飯間浩明 『考える人』連載コラム、2016年) 

https://kangaeruhito.jp/article/3565 

一昨日「雰囲気 誤読」とか「ふいんき 音位転換」とかで検索した時は見つけられなかったんだけどなあ。 

とりあえずご参考まで。 

 

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元記事: 

https://sirabee.com/2021/05/28/20162586009 

 

『雰囲気』本当は何と読む? およそ2人に1人が“誤読”していた… 

2021/05/28 05:30 

 

決して難しくはない言葉でも、じつは読み方が間違っていた…という言葉は少なくないようだ。しらべぇ編集部が実施した調査から、またも多くの人が「うっかり誤読」してしまっている言葉の1つが見つかった。 

 

 

 

 

 

 

■2人に1人が『雰囲気』を誤読 

しらべぇ編集部が5月26日から27日にかけてツイッター上でアンケート調査を実施したところ、212票の回答を得ることができ、全体で50.5%もの人が「『雰囲気』を『ふいんき』と読んだ経験がある」と回答。 

 

「『雰囲気』を『ふいんき』と読んだ経験がある人」調査 

 

正しい読み方は「ふんいき」で、その意味は「その場を満たしている一般的な気分・空気」。しかしながら、およそ2人に1人の人が「ふいんき」と誤読してしまった経験があるようだ。 

 

 

関連記事:60代男性の7割が「献血経験あり」 注射針が怖くてできない人も 

 

 

 

■ネットでも経験者からの声が… 

インターネット上でも、誤読した経験のあるユーザーたちからのつぶやきがチラホラ。 

 

「ずっと間違えて『雰囲気』を『ふいんき』って言ってたわ~恥ずかし」という声の他、「雰囲気とふいんきの言い間違いはあるある」「雰囲気って『ふんいき』だけど『ふいんき』って言いがち」と、あまりにも誤読してしまう人が多すぎて、「あるある」になっている様子。 

 

また、誤った読み方であるにも関わらず、「ふいんき」と入力しても「雰囲気<もしかして:ふんいき>」として変換できてしまうケースも。 

 

 

■「雰」の字を見れば間違えない? 

しらべぇ編集部が以前行なった調査にて、中学生になるまで「『歯科』を『はか』と読んでいた」と答えていた20代のAさんこと、しらべぇ編集部のK記者にもこの質問をぶつけてみた。 

 

すると、意外にも「『雰囲気』を『ふいんき』などと誤読した経験はありません」との回答が。しかし、これまでにも数々の誤読問題が発覚している人物なだけに、突っ込んだ話しを聞いてみたところ、「『雰』という漢字に『分(ふん)』という文字が含まれているので、自然と『“ふん”いき』と読めた」とのこと。 

 

なるほど、つい「ふいんき」と読んでしまいがちな人は、「雰」の字を思い出せば「ふいんき→ふんいき」の矯正がうまくいくかもしれない。 

 

・合わせて読みたい→鬼滅の刃、算数の授業に与えた影響が話題に もはや大人も誤読してしまう 

 

(取材・文/しらべぇ編集部・衣笠 あい)■『雰囲気』本当は何と読む? およそ2人に1人が“誤読”していた… 

(しらべぇ - 05月28日 05:40) 

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※やはり「うれしいです」は美しくない。
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